深発地震は何故海溝部にしか起きないのか
図はマントル対流を模式的に示したもので、海溝部では潜り込みがあり、地球内部を対流して、海嶺部で上昇して行く。海溝部から潜り込みの終点に至るA〜Bの区間、対流行程のB〜C区間、そして上昇していくC〜D区間に分けて、解離ガスと、結合水の挙動を推定してみる。
A〜B区間の解離ガスと結合水の構成を模式的に示した図を見ると、高解離度領域に入るたびに、解離ガス→爆発→結合水を繰り返して、結合水が無くなるまで地震は続きます。B〜C間は地球内部に侵入するマントル対流の主要部分ですが、この移動の間に解離ガスは拡散現象によって、量的には少なくなります。
C点の海嶺下部に達した時には、解離能力をかなり下回った量しか含んでいないものと思われる。この状態で上昇して行くので、解離能力限度までは地震も何事も起きずに、上昇する。それを過ぎた時に限度を超えた解離ガスが爆発して結合水に戻る。地震の発生である。これを繰り返して、解離ガスは姿を消し、結合水に姿を変えていきます。この結合水が、その他の溶解物質とともに、ブラックスモークを噴出させるのだと考えられる。これが、海嶺部に深発地震が無い理由である。