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8.定説(弾性反発説・プレート説)では説明不可能な地震時の初動現象


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 地震時には最初の動き(初動)が震源から離れる方向に動く「押し」と呼ばれる領域と、震源に向かうように動く「引き」と呼ばれる領域がほぼ同時に起こっていることが知られています。

[解説]
 地震時には最初の動き(初動)が震源から離れる方向に動く「押し」と呼ばれる領域と、震源に向かうように動く「引き」と呼ばれる領域がほぼ同時に起こっていることが知られています。「押し引き分布」と言われている初動の分布のことですが、図−19に示すように震源での爆発の方向が地表面に垂直に近い時には「押し引き」の境界線が円形または楕円形になることが理解できます。震源から両サイドに広がる爆発時の「押し円錐」と地表面とがどのように交差するかで、押し引き分布は楕円型、双曲線型、四象限型などに分かれます。

図中赤色で示した押し領域は、水が酸素と水素に解離してできる混合ガスの高圧力のため、周囲の岩盤にひび割れを発生させ、ボイラーが爆発するときのような平衡破綻型爆発を起こすために生じます。これが地震の第一段階です。この爆発で圧力が低下すること、かつ温度移動によって、解離ガスの爆発条件が満たされて爆鳴気爆発(地震の第二段階)を起こすために、青色で示した引き領域が生じます。爆鳴気は元の水に戻ってしまうため結合して収縮を引き起こします。

押し引き分布が円または、楕円になるのが直下型の地震で震動被害が大きくなります。押し引きの境界には、大地震になるほど、はっきりとした断層が出現します。断層は地震の傷跡であり、断層が動いて地震が起こるのではありません。直下型地震では断層から高熱ガス(水蒸気、酸素ガス、水素ガス、時には炭酸ガスなど)が噴出するので、火災が発生します。定説では、「押し引き分布」の理論的な説明が不可能です。
(石田)

(2005,7,14改定)

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