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37.アイソスタシーという矛盾


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[解説]
 定説では大陸の地殻(定説は玄武岩の部分をさす)がマントル(定説は橄欖岩の部分をさす)の上にまるで氷山のように浮かんでいるように見えることから、アイソスタシー(静的な釣り合い)という考え方をとっています。これが全くの矛盾であることは理解できると思います。大陸側の地殻は海洋側の地殻よりも厚くなっているというだけのことです。陸上は冷却され易く、地殻が厚くなるのです。海洋の底は冷めにくく、地殻の厚さは薄いのです。静的に釣り合っているのではなく、卵の殻のように薄い地殻ですが地球をしっかりと、潮汐力を受けても、変形しないように踏ん張って護っていてくれるのです。地殻は玄武岩(黄色い部分)と橄欖岩(青い部分)との二層構造になっていると、私は考えています。その下には溶融マグマであるマントルがあると考えています。

アイソスタシーは流体力学の知識を固体力学にまで適用しようとする矛盾です。


(石田)

追加(2013/2/5)

マントルが熔融しているのならば、地殻がマントルの上に浮かんでいると考えるのは妥当ではないのか、という意見もあるでしょう。しかし、地殻は固体であり、卵の殻のような球状シェル構造でマントル物質をその内部に包んでいるのです。プレート論でもそうですが、もしシェル構造やプレートが切れ切れの桟橋のような浮体構造だとすれば、マントルにも働いている天体からの潮汐力によって、浮体はグラグラ揺れてしまうはずです。浮体構造ではないから、つまり球状のシェル構造であるから、その上部にある海水だけが潮汐力に応じて移動し、潮汐現象が見られるわけです。地殻、またはプレートと呼んでいるものが、浮いているとか、誕生する場所や潜り込んで消えていく場所があるとか、の話は空想科学小説のようなものです。通常、大地は不動です。動いたり、揺れたりするのは地震時以外にありませんから、安心してください。ハプグッドの地殻移動が起こればべつですが・・・。

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