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1771
Date: 2013-01-31 (Thu)
津波被害に場所的な差ができる理由
東北大震災では長生村付近で津波の被害が発生しませんでした。その理由として考えられるのが、[1768]で考察したように、@で起きた津波と、Bで起きた津波が相殺されたことであります。それならば、その他の地区でも重なった場所と相殺した場所があるのではないかと考えて調べてみました。
   

長生村、犬吠崎の他にも、数十キロ程度離れた場所、つまり、日立付近、いわき市付近で津波の高さが低くなっている場所があります。それに対して中間の旭市、神栖市、大洗、北茨城、平潟などでは高さが隣接区域よりも大きくなっています。津波が重なり合って大きくなったのではないかと推定できます。
 楢葉町以北の福島県沿岸では茨城県や宮城県の沿岸に比べて格段に大きな津波に襲われています。今のところ福島第一原発を襲った津波が@の津波とBの津波の位相が重なった(in phase)かどうかは不明です。地元の人の観察では南からの津波、つまりBが大きかったということですが、位相(phase)は少しずれていたのかもしれません。しかし[1768]の模式図で示したように、福島県沿岸では二つの津波の走行する方向が逆向きになっていること、つまり衝突したことが津波の高さを増したであろうことは充分に推定できます。また、津波は平面的に広がってエネルギーが分散するのですが、福島県沿岸ではエネルギー分散が起きる前に到達していることも津波の高さが大きくなっている原因です。
 津波の高さが場所によって異なる理由は勿論地形による影響もあるのですが、東北大震災の場合にはもう一つ別の複数津波という原因があったようです。
 とにかく複数の津波が発生していたことは確かでしょう。広大な断層(500km×100kmというような)がずれて津波が発生したというようなことではありません。少なくとも二箇所における大きな爆発が大災害を起こしたのです。そのうちの一箇所は人為的に起こしてしまった疑いがあることを認識し、今後の教訓に生かさなければなりません。つまり、苫小牧におけるCCSを急がないでいただきたいと思います。地球温暖化と二酸化炭素の関係はシロであることも認識するべきです。

PS:津波の考察


@の津波の周期は1.1時間程度、Bの津波の周期は1.0時間程度であることが[1671]に紹介した資料から読み取れます。津波が沿岸に沿って南下する速度は水深によって変わりますが、沿岸の水深を10mとすると@の津波の波長は40km、Bの津波の波長は36kmとなります。水深が20mならば波長は56kmと50kmです。津波の波頭が重なり合う(in phase)場所と相殺する(out phase)場所とが、少しずつずれるはずですが、図中に示した50kmのスケールからみて、ほぼ妥当なもの、つまり二つの津波の存在が被害の強弱を決めたとする推定は証明されると思います。

 専門的になってしまいますが、波動論の立場から付け加えると、二つの波が同方向に進行する場合と、逆方向に進行する場合とでは現象がまったく異なってきます。
  同方向の場合には非線形干渉と云うものが起きて、波頭は単純な加算的重合にはなりません。一方逆方向に進行する場合には単純な(線形といいます)重合になって重複波とか三角波として知られるような現象になります。


福島県沿岸では二つの波の重複現象として理解できるでしょう。両隣の県の沿岸では、非線形干渉を伴う重複現象になっているはずです。(Solitonの非線形干渉現象という昔やった研究の記憶がもどってきました。)

1772 
Date: 2013-02-01 (Fri)
茨城県沿岸の津波強弱
東北大震災における主として茨城県沿岸の津波の状況を集めてみました。北から南下して表示してあります。

近隣が大きな津波被害を受けているのに、高萩海岸、阿字ヶ浦周辺、鉾田市大洋町の海岸、日川浜海岸から波崎海岸まで、などでは軽微な被害しか出ていないようです。[1771]で考察したような理由で、津波高さの強弱が生じたのでしょう。
地震津波の研究はどのような高性能のスーパーコンピューターを駆使しても、計算手法の前提を爆発論に依拠しないままでは、成果を挙げられないでしょう
・小名浜・久ノ浜(被災後一ヵ月半)
http://www.youtube.com/watch?v=nxeL8J8UyPo&list=UUOkoFhxYNga3YXiv6OLiwFA&index=8
・平潟港
http://www.youtube.com/watch?v=WqWCvNEgS4Q&feature=player_embedded#!
・北茨城市五浦海岸付近
http://www.youtube.com/watch?v=p63_frUywgc&feature=player_embedded#!
・北茨城市大津港
http://www.youtube.com/watch?v=LhWKyu1As_8
・北茨城市磯原津波映像
http://www.youtube.com/watch?v=yfcm8oMm-7Q
・北茨城市磯原被害
http://www.youtube.com/watch?v=MNfGpcTF2Vo
・北茨城市高萩海岸
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=twKxlUj_YPE
・日立駅近く(引き波強し、沖合いに岩が露出している)
これは日立6号バイパス対岸の高台からの映像です
http://www.youtube.com/watch?v=dgvR-Vgc2rg
・日立市河原子町
http://jp.1rick.com/hitachi
・ひたちなか市阿字ヶ浦(震災後一ヵ月半)
http://www.youtube.com/watch?v=NWsInVaDKhU&list=UUOkoFhxYNga3YXiv6OLiwFA(震災後一ヵ月半)
・ひたちなか市
http://www.youtube.com/watch?v=HnTI0FSksIM
・大洗港
http://www.youtube.com/watch?feature=fvwp&v=YEbFsDs5Nh4&NR=1
・大洗夏海海岸
http://www.youtube.com/watch?v=SAlnheu7WE4
・鉾田市海岸 :とっぷさんて大洋付近の海岸、音声に津波は来なかった、とある。
http://www.youtube.com/watch?v=wIrkqEK-C0Q
・鹿島港南の日川浜から銚子北部の波崎シーサイドパークまで津波被害はありません。
http://www.youtube.com/watch?v=Qybm25eCBWA&NR=1&feature=endscreen
・波崎漁港 (震災後)
http://www.youtube.com/watch?v=6h70QlAAeTo
・銚子市内
http://www.youtube.com/watch?v=WqDMH2F3uyw

1773 
Date: 2013-02-01 (Fri)
浅田先生の問題提起
浅田敏先生といえば地震学の泰斗として、その名を知らない人はいないほどの学者であります。2003年に亡くなられましたが、その7年前に紹介するような論文を書いておられます。

阪神大震災の起きた翌年であります。内容は、10万年に一回起きると考えられているC級活断層、またはC級地震(というらしいです)は、日本に7000程ある勘定だ、その震源域を計算すると「震源域の総面積だけでも陸地面積よりもはるかに大きくなってしまう.」となるそうで、「こんなことはありえないから,あきらかにどこかがおかしい.」との問題提起です。もっともな疑問だとは思いますが、地震学の泰斗と目される方が発せられる疑問とは思えない内容でもあります。「1766」に紹介した3人の日本人地震学者ならば、明快に「活断層否定」の答えが出たことでしょう。まずは紹介します。
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C級活断層の存在度の問題
――活断層に関する2 〜 3 の問題(その2 * )――
浅田 敏**
Numbers of C class faults on land in Japan
−− Some questions on active faults (2)
Toshi ASADA**

 活断層は活動度によってABCに分類されている.Aは一番活動的であって再来時間は1000 年程度である.B,Cとなるにつれて再来時間は1 万年,10 万年と長くなる.C級断層の場合,数万年というような長い年月をかけて少しずつ応力が蓄積しついに限界に達し地震になるのか,あるいは最初の1000 年ぐらいでほぼ限界に達するが,その後はほとんど増加せず,なんらかの引き金がないために地震にならずに再来時間が数万年まで長くなるのか.
活断層の再来時間が長いことについてはいくつかの理由が考えられる.このことを調べるには,たとえば歪みの蓄積状況がわかるGPSのネットワークを十分密に日本中に敷設しなくてはならない.
しかし,ここでは,再来時間が長いことだけを問題とする.M 7 前後の内陸地震は日本の内陸地域全体で100 年間に平均15 個程度発生する.最近約100 年間に生じた主な被害地震のうち,ABC各クラスから発生した大地震は各クラスともほぼ同数である(Matsuda,1981)という.そこで,最近約100 年間にC 級断層から生じた地震(以下,C級地震という)を仮に5 個とする(0.05 個/年).そして,各C級断層の活動再来時間を10 万年とする.つまり,地震が発生した場所(断層)で,次のサイクルの地震が再び発生するまでに10万年かかるとする.このように考えると,日本内陸全体で10 万年間に0.05 × 10 万個= 5000 個のC級地震がおこる勘定になる.この間にそれぞれのC級断層が一回地震を発生させるわけだから,C級断層が5000 個存在していることになる.松田(Matsuda,1981)も同様の推論をして,C級断層の数はB級断層(約700)の10倍(つまり7000)ほどあるはずだと述べている.
5000 にしろ7000 にしろ,それほど多数のC級断層が日本内陸にそれぞれ独立して分布しているであろうか.M 7クラスの地震の震源域の大きさは,余震域から推定すると直径50kmあるいは面積1300km2程度である(たとえば字津徳治「地震学」1977).このようなC級断層が全国で5000〜7000あるのだから,その震源域の総面積は1300km2×5000 〜 7000 = 650 万〜 910 万km2 になる.これは日本の陸地面積のおよそ20 倍である.各震源域は,その深さの下限と地震発生可能な地殻上部の下底とがほぼ同じ(15〜20km)だから各震源域は上下に重なることはない.さらに,このほかにA級とB級の断層の震源域も陸地内に考慮しなければならない.とにかく,C級地震の震源域の総面積だけでも陸地面積よりもはるかに大きくなってしまう.こんなことはありえないから,あきらかにどこかがおかしい.
C級地震の地震あたりの震源域の面積の見積りが過大であったかもしれない.また,ここは断層の活動再来間隔を10 万年としたが,実際はもっと頻度が大きい(したがって断層数は少なくてよい)のかもしれない.また,C級断層からの最近100年間の大地震の発生頻度はA級,B級からのそれと同じではなくもっと小さく見積るべきかもしれない.
これらの3 項目について,用いた値をそれぞれ1/3 にすれば,全体としての震源域の面積は1/27 になる.その場合には,上述の相違は有意でないといえるかもしれない.しかし,このような安易な方法で調整して良いのであろうか.その場合でも,日本の内陸はC級断層の震源域によって隙間なく満たされてしまう.以上は極めて簡単な論理に基づき,もっともらしい数字を用いて導いた結論である.一体どこに問題があるのであろうか.               (1996年2月15日受付)
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以上が浅田先生の問題提起です。阪神大震災の一年後にこのような疑問を提示されて、地震研究者にどう考えたらよいかと問いかけておられます。この質問に対して何人かの研究者が回答を出しておられるようですが、一般国民が納得できるような内容のものはありません。先生も納得されないままお亡くなりになったのでしょう。
地震爆発論を受容して、「地震は断層が動くことが原因ではない。水素爆発が起きることが地震であり、断層は大きな地震の場合にのみ出現する地殻のズレである。小さな地震では断層は出現しない。また、断層が無かった場所であっても、巨大地震がおきれば新しく断層が現れることもある。詳細に調査したはずの原発の敷地に地震後に断層が出現したケース、たとえば柏崎刈羽原発子力発電所などのケースを見れば明らかである。」と考えれば簡単に解ける問題であります。
原子力規制委員会はD級とでもいえるような40万年前に動いた断層と云うものまで導入してしまいましたが、あの世の浅田先生を納得させられるのでしょうか。できるはずがありません。
1774
Date: 2013-02-02 (Sat)
なぜ無明が晴れないのか(前編)
 ロバート・ゲラー氏に批判されても相変わらず、政府の地震調査委員会に属する学者たちは地震発生の確率に固執し、惰性で仕事をしています。批判精神を失ったマスコミも追随して「嘘記事」を垂れ流しています。地震の確率なんて何の役にも立ちません。近年の大地震は確率の低いところで起きてきたことをなぜ反省できないのでしょうか。この国は全体に機敏さを失った肥満児が寝そべっているように見えてきます。なぜ「無明」が晴れないのでしょうか。「嘘記事」を証拠物として残しておきましょう。


 私は東北大震災が起きた時、愛知県6区の補欠選挙の応援で、春日井市の事務所におりました。ゆっくりとした振動でしたが、これは津波の被害が大きくなるだろうと直感しました。その後調べるといわき市沖でのCCSが津波被害を大きくした可能性があることが分り、各地で地震爆発論に基づく知識の啓蒙活動を行ってきました。


しかし、[1767]でのべたように、一部の地方紙、雑誌以外にはまったく関心を持ってもらえません。石本博士や小川博士のような立派な学者が考えていた地震観がなぜ否定されてしまうのか、理解に苦しむところです。地震爆発論の骨子が誕生したのは1988年秋のことですから、今年で、25年目になります。

 これほど強固な思い込みが続くのはなぜでしょうか。じつは拙著「地震の謎を解く」に載せた文章に在るように、ソクラテスと云う偉大なる人物の見た地球観に淵源があるような気がします。「後編」では「十二枚のプレートの発想原点は何処にあるのか・・・・ソクラテスの観た地球」と云う一文を紹介します。

1775
Date: 2013-02-02 (Sat)
なぜ無明が晴れないのか(後編)
なぜプレートテクトニクスというラビリンス(迷宮)から抜け出せないのだろうか。拙著「地震の謎を解く」より紹介しよう。
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「十二枚のプレートの発想原点は何処にあるのか」
                        〔ソクラテスの観た地球〕

 しかし、どうして十二枚のプレートが地球を包んでいる、そしてプレートが潜り込んでいる、というような考えかたが生まれたのでしょうか。これは推測なんてすが、プラトンが書いたパイドンという書物のなかに原因があるのではないでしょうか。その書物のなかで、ソクラテスが「真の大地は上から見ると、色とりどりで、ちょうど十二枚の革からつくった鞠のように見える」と語っています。この文章はソクラテスが霊的な視点から地球を観じて、表現したものでありますが、これを西洋の地球物理学者が、現実の地球構造と混同して、地球科学の中に取り入れてしまったことに原因があるように思えてなりません。ソクラテスという人は兵士として戦場にも赴いていますが、一晩中、立ち止まって動かなかったというような奇癖があったことが知られています。実は霊的能力を持っていた人で、その間に、霊界探訪をしていたようであります。霊的な世界に入って、この地球を見下ろして、十二枚の革でできた鞠のように見えたわけです。霊能力を理解できない西洋の物理学者達がギリシャに回帰したい心情から、プラトンの書物の中に、地球の謎を解く鍵を見いだした、と錯覚したのではないかと思えるのです。
 マントル液体論の展開、納得していただけたでしょうか。マントル物質は固体であるというのが地球科学の定説であります。だから、海洋底の地殻に穴をあけて、マントル物質を取り出すというような計画が立てられるのでしょう。でも、これは、次章で述べる「物指し」で考えると大変危険なことであるのです。(「石田昭著「地球の謎を解く」より)
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以上が「ソクラテスの観た地球観」として紹介した一節です。
文中にあるようにソクラテスは霊的な視点で地球を見ていたわけです。一方の革が他方の革の下に潜り込んでいる・・・などとは何処にも書いていません。各大陸に住む人々の性格、発している民族の念波などを感じ取っていただけだと思います。情熱的、攻撃的、思慮深さ、調和的、平和的などなど、大陸に住む人々の心から出る波動を感じ取っていたのだろうと思います。

どうか、現実の地球と混同しないでいただきたいと思います。地球は卵の殻のように薄い大地が海を載せ、人間を載せて日夜頑張ってくれているのです。それを忘れて傲慢になることは愚かです。

深く考えない人生は、生きるに値しない。ソクラテス
1776 
Date: 2013-02-03 (Sun)
なぜ地球にだけプレートテクトニクスがあると考えるのか
このセミナーではプレートテクトニクス論者である竹内均先生には一定の敬意を払いつつも、批判的論評も重ねてきました。([912][1217][1256][1353][1521]など)
先生は2004年に亡くなられましたが、東北大震災直後の2011年3月17日に霊言としてマスコミ批判、天罰論などを伝えておられます。(動画「リーダーの責任と天変地異」(25分15秒付近)でも紹介)
霊界に戻れば地震観をお変えになられるのかと思ったのですが、依然としてプレート論を信奉されているようで、地震爆発論のヘルプは期待できそうにありません。霊言の一節を紹介します。(大川隆法著「震災復興への道」より)
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質問 東北大震災後に地震が続くのは「プレートテクトニクスの観点から見ると、エネルギーがそうとう溜まっている」と考えてよろしいのでしょうか。

竹内均 まあ、時間軸をどう取るかは、ちょっと言いかねるものがありますが、地震学的に見れば、日本列島が海没することは、運命的に決まっていることなんですよ。プレートが日本列島の間際で沈んでいるので、これにやがて引きずり込まれ、大きな地震と津波、そして、海没が起きる可能性は相当高いのです。「それが猶予されている間だけ、繁栄が許されている」という感じを私は持っています。「日本の最後は近いのかな」という憂慮は、やはり禁じえないですね。
 ですから、時間的な確定はでぎないけれども、プレートテクトニクス理論から見れば、日本列島が沈むということは、もう、構造的に避けられないと思います。

 地震予知の可能性はあるのでしょうか。

竹内均 あるでしょうね。一つはやはり地磁気ですね。地殻から出ている磁気の測定から、予測する方法があるはずです。
つまり、プレートが沈んで行く段階でいろいろな岩石等がミシミシと壊れていくわけですね。そして、岩石等が粉砕されていくときに、小さな振動、波動が出ると同時に、エネルギーが放出されるのです。
 要するに、大きな地震が起きる前、プレートが沈んでいくときに、微細な地磁気の変化が現れるんですよ。
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このように、映画「日本沈没」で解説された自論には愛着があるようで、「プレートは沈み込んでいく」、「日本列島が沈むことは、構造的に避けられない。」と今も思っておられるようです。
しかし、地上の学者たちの考えは日本列島は成長し続けるという意見もあって、変化しています。たとえばジャッキィ海台が日本に近づいてくる(私は支持しませんが)と云う意見もあって、さまざまです。(参考


現代地球物理学にはプレート論を認める方の中でも、さまざまな意見が存在します。プレートの認識に差があるのでしょうか。
地震爆発論で考えている私には、プレート論から出てくる論文は自然科学ではなく空想科学、または自由に書ける小説の世界のような気がします。

ところで、一体なぜ「地球にだけプレートテクトニクスが適用できる」と考えるのでしょうか。
「火星や金星にもかつてはプレートテクトニクスが成立していたが、海がなくなった現在では存在しない」と考えられているようです。つまり、海があることがプレートテクトニクスが存在した証拠である、と云うような議論がなされています。プレートテクトニクスは海があれば、「絶対的な真実として存在する」とでも言うような思い込みがあります。また、プレートが存在するから、地震があるという論理も認められているような気がします。

「火星のプレートテクトニクス」
http://www.geo-yokoi.co.jp/News/Kasei_hyoumen.htm
という記事にもそのような論調が観られます。つまり
「ではこの規則性は誰が作ったものだろうか?(a)、(b)系列は現在地球の地質学では「断層」とされるだろう。それは、現在の我々地球民が知る限り、プレートテクトニクス以外に考えられないのである。そして火星でこういう構造が見られると云うことは、かつて火星でも地震があったということに他ならない。」

とあります。そのような火星表面の食い違は、「火星にマグマが存在したときの地震でできた食い違い(断層)」と考えれば良いと思います。
また、「地球力学:リッドの破壊」と云う記事には、以下のような文章があります。(リッドとは、蓋とか、帽子の意)
http://www.natureasia.com/ja-jp/ngeo/highlights/37320

「火星と金星の表面における液体水の存在が、かつてこれらの惑星でも地球のようなプレートテクトニクスが起きていたことを決定づける鍵となり得る。
プレートテクトニクス―惑星の固い最外層またはリッドの、惑星内部へのゆっくりだが定常的な再循環―は、すべての地球型惑星および衛星の中で、おそらく地球にのみ作用していると考えられている。最近の研究によると、この過程が、金星とおそらく火星にも、地質学的過去において存在した可能性があることが示唆されている。
金星と火星に地質学的過去において液体の水が存在した場合、リッドは著しく弱かったはずであり、これら2つの惑星にかつてプレートテクトニクスが存在した可能性が出てくる。。」

こうした議論は地球にのみ存在する「海」の姿に幻惑されているのだと私は思います。

因みに、[1063]で紹介したように、月には海洋は存在しませんが、月の地震は存在します。プレートの移動が地震の原因であると考えるのは間違いです。
 [1063]で述べたように、月の内部には地球から分かれたときのマグマが現在も少しは残っていて、地球上の地震と同じメカニズムで発震しているのだと考えられます。

1777 
Date: 2013-02-03 (Sun)
マスコミ人はそれで納得しているのか
昨年の話題ですが、「マスコミの情報垂れ流し」、「高校生のバイトで充分な記事つくり」というのがありました。
http://news.kyokasho.biz/archives/355
まったく同感です。マスコミは批判精神をなくしたのでしょうか。最近の地震関連の報道はまったく知性を感じない、垂れ流しの紙面つくりです。
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2012年8月31日
今度は南海トラフ地震だって。役所の情報垂れ流しにマスコミは検証力ゼロ

 中央防災会議の作業部会と内閣府の検討会は、東海から九州沖を震源域とするいわゆる「南海トラフ巨大地震」について、死傷者や浸水域など被害想定を発表した。最悪のケースでは死者32万に上るという。
 東日本大地震以降、関係省庁や研究機関からこの手の発表が相次いでいる。マスメディアは役所からの発表は有難がって聞くので、情報はすべて役所主導のタレ流し状態。だが、おかしいとは思わないのだろうか?
 大震災が起こる前、災害想定に関する報道はパニックを起こすといって厳しく制限されていたはずだ。一転、今度は災害が起こると、各役所や研究機関が我も我もでアリバイ証明ゴッコである。要するに「私もちゃんと被害想定などをしていまたよ」というアピールである。 しかも被害の想定が震災後、いきなり大きくなっている。大きな地震が起こる前は大したことないと言い、大きな地震が起こったら今度は大変だ大変だという。いったいどれが本当なのか?
 過去の経緯を検証し、第三者の見解も取材したうえで、冷静に分析するのがジャーナリズムの仕事ではないのか?役所のブリーフィングを垂れ流すだけなら、高校生のバイトでもできる。読者はこんなことすでにお見通しだ。だからマスゴミなどと言われてしまう。読者をバカにしてはいけない。
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[1750]でも取り上げましたが、記者諸氏は学会という権威に何も意見を述べることなく、マスコミリリースを垂れ流すだけです。批判能力、内容を確認する検証能力が無いのなら、高校生のアルバイトと変わりがありません。「自分の頭で納得できないことは、恩師の説であっても、異を唱えるくらいの勇気ある姿勢を執ってもらいたいものです。」と書きましたが、読者を馬鹿にしているとマスコミの倒産時代がやってくるでしょう。

1778
Date: 2013-02-04 (Mon)
アイソスタシー論は間違っている
前置き:
言いたいことをはっきりとさせるために記事の題名を変更しました。アイソスタシーで検索すると私が書いたもの(、4、)以外は全て肯定論ばかりで、否定論がありません。中には以下のように明確に「ムー大陸は理論的に存在し得ない。」と述べる方があります。
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「失われた大陸はなかった」
  というわけで、ムー大陸はアイソスタシー的にもあり得ないし、地球物理探査でも海洋地殻が広がっていることは一目瞭然だし、実際に掘ってみても、人類発生以前からずっと深海底だったことが明らかです。ムー大陸はもはや月のウサギと同じくらい存在しないと言えるでしょう。理論的にも、宇宙船から見ても、着陸して探してもウサギはいなかったわけですから。
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もっとも、これは竹内均先生の主張される内容でもあるわけです。このように、プレート論、アイソスタシー論、海洋底拡大説などが真理であるかのように扱われ、大学入試の問題にも出されるような時代ですから、致し方ありません。
現代地球物理学が間違いだらけであることを、一生かかってでも明らかにしていかねばなりません。そして、ムー大陸やアトランティス大陸がかつて存在したことを科学的に語れるような時代にしなければなりません。
以上がこの記事の前置きです。

 ところで、[1776]で表現した「地球にのみ存在する「海」の姿に幻惑されている」についてもう少し詳しく説明いて欲しいという声がありました。それには表題に戻って吟味しなければなりません。なぜ地球にだけプレートテクトニクスがあると考えるに至ったのでしょうか。考えられるのは以下のような事実を説明したいからだと思われます。

@現在知る限り、海洋は地球以外の惑星には存在しない。
A海洋地殻と大陸地殻では構成岩石に違いがある。
B海洋地殻は重い玄武岩が主体であるが、大陸地殻は軽い花崗岩が存在し、全体として軽い。
C大陸地殻も、上層は花崗岩で、下層は玄武岩である。
D花崗岩は白く美しい結晶質のため軽い。しかし、玄武岩は結晶質ではなく、重い苦鉄質と云う黒色岩石である。
E花崗岩は水が存在し、ゆっくりと冷却するときにできる。地球以外では存在しない。
F大陸でも場所によっては広大な一帯が玄武岩で占められる場所がある。

例外的な場所はあるでしょうが一般的には以上の観測事実を説明する理論が欲しいわけです。このうちのいくつかを説明するために、アイソスタシー論が導入されました。導入したのは、大陸移動説を広めたかったウェゲナーだと聞いています。アフリカ大陸と南米大陸の動植物の類似性を説明するために当時存在した「陸橋説」に反論するためだったようです。

 このテーマに関してはすでに[1596]にて回答を出してあります。また、詳しい議論も[862]〜[867]に展開してありますが、[1596]の図面が分り難いかと思いますので、海洋底が隆起して「大陸化」する場合と、大陸が沈降して「海洋化」する場合と、別々に図面表示してみました。


海底が浮上して、大陸化すると、冷却効果は海底の場合よりも大きくなります。海洋底のほうが冷却効果が大きいと錯覚しがちですが、水流が止まれば逆に保温膜になってしまいます。陸上の空気は激しく動くこと、海底付近の流れはゆっくりであることを考慮するとこの違いが理解できます。つまり、水冷式(海洋)冷却効果よりも空冷式(大陸)効果のほうが大きいのです。雪山で吹きさらしの状態では死亡しますが、雪洞の中にいれば安全なのと同じです。また積雪量が少ない場合には春麦が全滅するのと同じ理由です。さらに言えばヒマラヤのような高山の下部では冷却が進行して地殻が厚くなるのですが、これも空冷式冷却の効果が大きいからです。

 さて、この図面を見ていただければ、海底から浮上した大陸部に花崗岩が存在する理由が分ると思います。上層のマグマには結合水が存在して結晶化するので花崗岩は玄武岩より白く、軽いのです。そのために大陸地殻が軽い物質で構成されるのです。水が解離状態で存在するマグマの下層部は浮上して冷却されても無水ですから結晶化せず、黒い苦鉄質になるのです。大陸の地表に見られる玄武岩は、火山から噴出したものか、昔海底にあった玄武岩の一部なのでしょう。こうしたことが図面から理解できると思います。

 一方、大陸が沈降する場合には、逆に地球内部の熱によって大部分は熔融されてマグマに戻されてしまいます。海水は熱を逃がさない保温膜のような役割をはたします。上部には大洋化作用を受けた大陸性地殻として花崗岩が残りますが、下部は新しく地殻が形成されるでしょう。ロッコール海台のように部分的に大陸性地殻が残っていることも島嶼規模での地殻の沈降現象が原因していると考えられます。

海洋底でも陸上部でも、火山活動によってマグマが噴出した場合には地上にマグマを吐き出してきます。水を含んでいますが急激に固化しますので、花崗岩にはなれません。インドデカン高原の玄武岩台地、オントンジャワ台地などが相当します。こうした、浮上・沈降を繰り返しているので、熱作用による変成岩の形成や、海生生物の化石が大陸上にあるのです。大陸には何処にでも水底でできた地層が見られますが、海洋底が浮上したと考えなければ説明がつきません。グランドキャニオンの地層からは、少なくとも過去に3回の浮沈があったことが分っています。

以上を考慮すると、海洋が存在することが地球独特の特殊な地理条件を構成していることが理解できると思います。海洋底の地殻が薄いのは、海水と云う保温膜があるからですし、大陸の地殻が厚いのは空冷式冷却効果が激しいからです。大陸がマントルの上に浮かんでいるという見方にとらわれたのは、島が海の上に浮かんでいるように見える童話的思い付きだったのでしょう。アイソスタシーという間違った理屈を導入したのが、地球にしかない海洋の存在に幻惑されたもの、つまりウェゲナーの苦し紛れの解釈であることがご理解いただけるかと思います。
不十分であれば、お知らせください。検討させていただきます。
ライブラリーの「アイソスタシーという矛盾」に以下の補足文を追加しました。
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マントルが熔融しているのならば、地殻がマントルの上に浮かんでいると考えるのは妥当ではないのか、という意見もあるでしょう。しかし、地殻は固体であり、卵の殻のような球状シェル構造でマントル物質をその内部に包んでいるのです。プレート論でもそうですが、もしシェル構造やプレートが切れ切れの桟橋のような浮体構造だとすれば、マントルにも働いている天体からの潮汐力によって、浮体はグラグラ揺れてしまうはずです。浮体構造ではないから、つまり球状のシェル構造であるから、その上部にある海水だけが潮汐力に応じて移動し、潮汐現象が見られるわけです。地殻、またはプレートと呼んでいるものが、浮いているとか、誕生する場所や潜り込んで消えていく場所があるとか、の話は空想科学小説のようなものです。通常、大地は不動です。動いたり、揺れたりするのは地震時以外にありませんから、安心してください。ハプグッドの地殻移動が起こればべつですが・・・。
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PS:
そういえば、銀色狼さんが以前面白い記事を書いていたのを思い出しました。「ごもっとも」という感じの記事ですので、一部分紹介します。
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大陸移動説もパンゲアも信じない。部分的に大陸は沈没し海洋は隆起すると考える。
2010-06-23 16:41:23
 大陸移動説は1912年にヴェーゲナーが唱え、その後プレートテクトニクス理論が裏打ちになり現在では一般的に認められる考えとなりました。素人目にも地図の大陸を切り取って張り合わせるとなんとなく一つの超大陸パンゲアになりそうで、これ、、良いかも(笑)、と思われていると思います。約三億年前に存在したと言う事になっています。しかし、大陸移動説は大きな矛盾を含んでいるわけです。つまり、最初大陸であったところは永遠に大陸であり、最初海であったところは永遠に海で無ければならないのです。

陸上から、3億年以後の海洋生物の化石やが出てきたら、「大陸移動説」は間違っている事になるのです。また、海底に3億年以後の陸上に存在したものがあれば、同様に「大陸移動説」は間違っている事になります。ヒマラヤ山脈にも、3億年以後のアンモナイトの化石や海洋生物の化石は見つかります。また、大陸が移動してきてこの部分(ヒマラヤ山脈)が隆起したからだと強弁する人もいますが、大陸移動説によって移動してきたと言われるインドにも途中の地層に3億年以後のアンモナイトや海洋生物の化石はあるのです。もちろん、アメリカにだって、私たちの住む日本にだって陸上のどこにでも、探せば、おそらく、あるのです。そして、陸上で3億年以後のアンモナイトや海洋生物の化石はどこでも見つかるのです。それどころか地層年代を測定するものとして海洋生物の化石は使われるのです。

アンモナイトの化石は世界各地から産出します
http://www.ynu-irc.ynu.ac.jp/wani.html
大陸移動説を証明し、超大陸パンゲアの存在を証明するには3億年以後の海洋生物の化石の全く存在しない地域だけを集めて張り合わせ無ければなりません。私は、そんな地域を部分部分かき集めても巨大なパンゲアは出来ないと思っております。つまり、超大陸パンゲアは存在しなかった。そして、大陸の水平移動は起こらなかったし、今も起きていないと私は考えるわけです。
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以上が抜粋記事です。鋭い指摘ですね。

1779
Date: 2013-02-05 (Tue)
真剣に吟味して欲しい
Fresh eye Q&Aコーナーで以下のような質問・アンサーを見つけました。
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質問
ANS概論:石田仮説について裏窓というサイトを見ていました所、http://taro2121.blog38.fc2.com/blog-entry-47.html
にある動画で大陸移動説(プレートテクトニクス)、海洋底拡大説を論破している石田仮説という説を発見しました。それによるとマントルは固体ではなく、溶融している。大陸規模の沈降、隆起はありえる。活断層という概念は間違っている。地殻の移動とはポールシフトの事である、といった事がその動画で丁寧に説明されています。ANS概論の説明を聞いてしまうと、大陸移動説、プレートテクトニクスは何だったんだ?学校であんなに勉強したのにという気になります。はたしてこちらのANS概論はどれくらいの信憑性がある説なのでしょうか??中立な立場から、一般人に判るような説明での回答を求む!!
質問日時 - 2010/08/17 08:37
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ベストアンサー
たしかに一見それっぽいんだけど、石田仮説なるものが一向に裏付けされていないんだよね。いろいろな矛盾点をあぶりだして、それを検証することは自然科学においてとても大切なことなんだけど、せっかく指摘した矛盾を自分の仮説で説明する時が、裏付けのないエイヤッになってるのは、何回か注意深く聞いているとわかると思うよ。これを見る限り、通説が信用できないのと同じくらいこの人の仮説も信用できない。マントルは溶融していると考えるのにマントル内で地震が発生してるとか、結構矛盾してることをあっさり流してる。プレートテクトニクス理論もそうなんだけど、素人がああと納得できる総合的・網羅的な学説というのは怪しいんだよね。この人の説もそれと同じことしてしまってる。矛盾がたくさん出てくるのをのろのろと実証していくことが自然科学だから、矛盾がすべて無くなる理論というのはよほどの裏付けが取れないと。少なくとも今ある通説は、高圧実験や観測データを使ってる分だけ少しはましなように思うけど。およそ100年以上かかって、たくさんの研究者が長い時間かけて小さな成果を積み上げてきたのを、独りで全部覆せたらこの人神だと思う。なんか、文章のあらさがしばかりして、肝心の答えになってない知恵袋回答者(私か?)な・・においを感じてしまう。
回答日時 - 2010/08/18 16:47
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アンサーの記事の中に誤解がありますので、それを解いておきたいと思います。
回答者は「マントルは溶融していると考えるのにマントル内で地震が発生してる」と云うのが矛盾しているとしています。
これは深発地震のことを指していると思われます。溶融しているマントル物質とはマグマのことで、マグマが対流して地球深部に移動する(プレートの潜り込みではありません)時に、温度と圧力によって解離度が変化します。すると、解離度(解離させる能力)を超えた解離ガスが生まれる場合があり、それが結合反応を起こして水に戻ります。これが深い場所での地震の原因であるとしているのです。

「深発地震はなぜ海溝部にしか起きないのか」をも参考にしてください。
 通説では“相転移説”なるものを採用していますが、「物質が相転移して地震が起きる」という考えこそ、空想科学のように思えます。
マントル内での地震というのは「和達・ベニオフゾーン」の領域で起きている深発地震のことですが、これを「プレートの潜り込みによるプレート間の摩擦地震」と説明してみたり、「摩擦熱によってプレート物質が溶融してマグマが発生する」と説明してみたりするほうが矛盾いっぱいではないでしょうか。地球内部にもぐって実証することはできないわけですから、なるべく納得できる説を見つけることが重要です。
ご自分の頭で納得できるまで、どうか真剣に吟味して欲しいと思います。

1780 
Date: 2013-02-05 (Tue)
原発は今すぐ再稼動すべし
 東電の柏崎刈羽原発は1カ所の発電所としては世界最大の出力を誇るものである。解説によれば、「新潟県柏崎市と刈羽村にまたがり、約420万平方メートルの敷地に沸騰水型炉(BWR)5基、改良型沸騰水型炉(ABWR)2基の計7基がある。85年9月に1号機が運転を開始。7基の合計出力は821・2万キロワットで、1カ所の発電所としては世界最大。」とあります。
 この原発が愚かしい活断層騒ぎのために再稼動の目途も立たず、遊んでいます。会社は赤字で苦しみ、庶民は電気料金の値上げに苦しんでいます。産経新聞が次のような他人事見たいな記事を書いています。
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「やっぱり発電がしたいんです」 東電柏崎刈羽原発の幹部、肩落とす
2012.11.16 10:57
 東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県)を訪れた。東電は柏崎刈羽原発の再稼働を経営再建の柱に位置づけており、防潮堤などの安全対策は着々と進んでいる。だが、原子力規制委員会が来夏にもまとめる新しい安全基準次第では追加の対策を迫られ、再稼働はまったく見通せていない。現場では、いつ動かせるかも分からない原発の安全対策を進める作業員が徒労感に包まれていた。
 この日はあいにくの雨模様。日本海から吹き付ける風も強く、作業員は晩秋の冷たい風雨に震えながら黙々と鉄筋コンクリートの防潮堤を造っていた。既に5〜7号機がある北側の全長1千メートルはほぼ完成し、1〜4号機がある南側の1500メートルも6割まで工事が進んでいる。
 新潟県が震災後に作り直した被害想定では、柏崎刈羽原発を襲う津波は最大でも5メートル程度。だが、防潮堤の高さは福島第1原発を襲った津波と同じ海抜15メートルにした。横村忠幸所長は「発電所は逃げられない。『これでもか』という高さにした方がいい」と理由を説明してくれた。
 ほかにも原子炉建屋を守る防潮壁や、高台に設置した約2万トンの淡水をためられる貯水池など、計画している安全対策は来年度上期までで総額700億円に上る。

 福島第1原発事故の賠償などで資金難にあえぐなか、東電が多額の費用をかけ安全対策を急ぐのは、柏崎刈羽の再稼働が経営再建を左右するからだ。

東電は再建計画で、来年4月以降、1号機を皮切りに順次再稼働する方針を掲げた。しかし、政府の「原発ゼロ」政策や規制委発足の遅れなどの誤算が続いたうえ、政局の混乱でエネルギー政策はさらに不透明感を増している。再稼働に向けたスケジュールは誰も描けない状況だ。
 柏崎刈羽原発では東電社員以外にも地元を中心に協力企業の社員約3500人が働いており、東電は「安全確保と地元雇用の両立」(横村所長)を掲げて工事を続けている。ただ、平成25年度も全基停止が続けば、東電の赤字幅は計画より約3千億円も拡大するとみられ、資金が底をつきかねない。
 「発電所は電気をつくってなんぼ。やっぱり発電がしたいんです」。再稼働のあてもないまま、安全対策だけが進行する現状に、柏崎刈羽原発の幹部はこう言って肩を落とした。(田辺裕晶)
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マスコミはなぜ再稼動への声を上げないのか。このような記事を書くだけで、無関心でいていいのか?マスコミの使命を果たさないでいいのか?歴史の検証の中で、きっと後悔することになるでしょう。今すぐに再稼動のキャンペーンを張ってください。活断層が無意味なものであることを納得したいのなら「地震爆発論学会会長」として私が説明に出かけても良いです。読者の中で気付いた方は動いて頂きたいと思います。
なんと言う愚かな国民でしょうか。今すぐに再稼動すべきです。

1781
Date: 2013-02-06 (Wed)
大陸化の機構解説図
私たちの時代、工学部に進むものはほとんどが化学と物理を学んで大学受験をしたものです。したがって、地学と云うものを学校教育で受けたことがありません。ネットを見ると、アイソスタシーの計算が分らない、理解不能だという声を見かけます。多分小難しい細工をしているのではないでしょうか。受講していたら、プレート理論もアイソスタシーも納得できないで、ギブアップしていたのではないかと思います。
[1778]で話題にした私が解釈している、大陸化のメカニズムを図示してみました。

[1778]に挙げたアイソスタシーに関連する事実のうち、@とDを除いた以下の項目については、この図面から概略の説明は出来るのではないでしょうか。
A海洋地殻と大陸地殻では構成岩石に違いがある。
B海洋地殻は重い玄武岩が主体であるが、大陸地殻は軽い花崗岩が存在し、全体として軽い。
C大陸地殻も、上層は花崗岩で、下層は玄武岩である。
E花崗岩は水が存在し、ゆっくりと冷却するときにできる。地球以外では存在しない。
F大陸でも場所によっては広大な一帯が玄武岩で占められる場所がある。
[1778]では、以下のように解説しました。
「海底から浮上した大陸部に花崗岩が存在する理由が分ると思います。上層のマグマには結合水が存在して結晶化するので花崗岩は玄武岩より白く、軽いのです。そのために大陸地殻が軽い物質で構成されるのです。水が解離状態で存在するマグマの下層部は浮上して冷却されても無水ですから結晶化せず、黒い苦鉄質になるのです。大陸の地表に見られる玄武岩は、火山から噴出したものか、昔海底にあった玄武岩の一部なのでしょう。こうしたことが図面から理解できると思います。」

実際は、大陸化と海洋化が何度も繰り返されていて、細かな点では様々なケースで変化があると思います。そうした作用が繰り返されて海洋下で形成された堆積層が堆積岩になったり、変成岩ができたりします。堆積岩の上に玄武岩マグマが吹き上げ、それが沈下して熱作用を受け、褶曲が起きたり、デッケンといわれる地層の逆転が起きたり、様々なバリエーションがあるのだと思います。


地学の問題を解く上でも、大陸移動と云う水平移動よりも、地塊ブロックの垂直移動という機構を考えたほうが、納得しやすいと思われます。ギアナ高地のテーブルマウンティンは規模の小さな大陸浮上の姿だと思います。

納得できない点、不十分な点があれば、お知らせくださいと書きましたが、どなたからも、連絡がありません。よろしくお願いします。

1782
Date: 2013-02-06 (Wed)
地殻均衡論の矛盾を示す小話
 今、散歩中に考えてました。地殻均衡論(アイソスタシー)なるものが空想科学小説のテーマのようなものであることをどうやったら説得できるのか、をです。
そこで考え付いたのが次の絵と小話です。

小話:「近くの湖に氷が張りました。結構厚くて人間が乗ってもびくともしません。そこで、象さんをつれて来て乗せてみました。それでもびくともしません。象さんが何時間そこに乗ってたら、象さんの下の氷厚が二倍になるでしょうか。計算してください。」
 
地殻均衡論とはこのような「愚かな」計算をさせているのに似ています。一冬中乗ってても象さんの下の氷だけが厚くなることはありません。まったく同じことで、ヒマラヤの山頂にどんな重い構造物を作っても、地殻が厚くなることはありません。厚くなるのはヒマラヤの山頂から熱が奪われて、マグマが冷却することが原因だからです。

ある人が言いました。
「なにをバカなことを言ってるんだ。湖の氷は湖面びっしりと張り付いて動けないじゃないか、だから浮体ではないんだよ。地殻均衡論は浮体を前提としての話じゃないか。」

 でもね、地殻だって、もともとは熔融マグマだったんでしょ。マグマオーシャンの表面が冷え固まって、球体の表面全体が固形化したんでしょ。球体状の湖があるとして、その湖面全体に氷が張り付いたのと同じでしょ。マグマが冷えたのか、水が冷えたのかという違いだけで、固体であること、自由に移動できないことは同じですよ。地球はその上に水溜りのような海があるけどね、これは湖の氷の上に大きな座布団を敷いてあるのと同じ効果だよね。大座布団の下の氷は薄くなるでしょ。・・・それでも納得できないの?

「おまえはなぁ、即物的なんだよ。超越論的な視点を必要としない工学的な思考なんだよ。それを、時間的なスパンも空間的な広がりも大きな、つまり必然的に超越論的な視点を要求する地球科学的なモデルにあてはめようとした結果、生まれた悲劇(喜劇?)なんだよ。現実にな、ヒマラヤは今も成長して高くなってるのを知らないのか?南のインド洋からのプレートが押し上げてるから年間数ミリ程度で高くなってるんだよ、地球物理学をもっと勉強しろよな!」

えらい剣幕だねぇ・・・。でもね、年間数ミリって言うのは地下マグマが現在も冷却され続けているから、新たに花崗岩のような結晶質の岩石が形成されつつある、つまり結晶化による膨張ってことじゃないの。

「じゃあな、グリーンランドなどで、氷床が融解している場所の地盤が隆起しつつあるってのはどうやって説明するんだ。いい加減な裏づけのない話を広めてはだめだよ。」

それだって、今まであった氷床が、つまり、さっき言った大きな座布団が無くなったってことなんでしょ。座布団が無くなって空冷式の冷却に切り替わったってことですよ。氷床があったときは熱が逃げないけど、なくなったら強風下で放熱が激しいからね、だから、少しずつ下部マントルの結晶化が進行して膨張しているわけですよ。プレート論とか、アイソスタシー論とかね、地球の科学に超越論的な思考を持ち込むのは止めてよ、自然科学の範疇で議論してくれないかなぁ・・・。だいたいねぇ、自重で沈んでいくというプレートがなぜ、大陸を押し上げることが出来るんだよ、納得のいく説明をしてくださいよ。

1783 
Date: 2013-02-12 (Tue)
ミュートラム大陸が極地入りした原因
以下のような質問がありました。
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 石田先生に質問があります。ご著書の「地震の謎を解く」にはミュートラム文明の最期は、地軸が変化して、極地入りしたことが原因であったということが書いてあります。
 「いまから十五万三千年前のある夕暮れ、人々は、空が異常に赤いことに気づきます。まるで血のような赤さで、空全体が染まっているのです。識者のもとへは、たくさんの人からの問いあわせが殺到しましたが、だれひとりとして、その現象に答えることはできませんでした。
その夜、十時ごろ、空の星がすべて流れ落ちてゆくのを見た人々がいました。しかし、人々は、それが流星ではないことに気づきます。流星ではないのです。地球が揺れているのです。たとえば、海中に沈めたボールが、水上に頭を出すときに、ぐるりと、一回転するような具合で、地球がその首を振り、位置をかえたのでした。」
とありますが、これはポールシフトが起こったということですね。先生の理論では大陸が隆起または沈降して、地殻の重心が移動するから地殻の滑動が起きる、これはポールシフトのことである、という説明があります。ムーやアトランティスのように大陸が沈降しないのになぜ、このような現象が起きるのでしょうか。解説をお願いします。
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確かに、大陸規模での隆起・沈降によって地殻の重心が顕著に移動すれば、回転体の回転軸は重心を通るように変化するはずですから、自転軸の傾斜が変わるはずで、これがポールシフトの原因になるはずです。(参考「アトランティスとムーはここにあった)

ご質問は、「太陽の法」によれば、ミュートラム大陸に住んでいた人は海没しなかったようである、それなのになぜ地殻移動が起こり、極地入りしたのだろうという疑問です。私も明確な答えを持っていませんが、考えられるのは以下のようなことかと思います。


図に示すように、大陸地殻の下部で、地殻を構成している物質(固体)が剥離して大量に熔融マントル内に落下(地殻から離脱)するようなことが原因ではないかと考えています。最近、南極の氷床が離れて広大な部分が氷山と化して海洋に流出していることが心配されていますが、同じようなことが、地球の内部でも起きることがあって、地殻の厚さが変化するとすれば、大陸の沈降と同じような重心の変化があるはずです。両極の氷は融解しても、それによる重心の移動は地軸の上で起こりますから、回転軸への影響は少ないですが、低緯度帯での地殻の剥離は大きな影響を与えるはずです。
空が赤くなる現象は、地殻が剥離する部分では解離ガスが発生して、プラズマ状態となることを考慮すれば、説明がつくと思います。日本でも、名立崩れとして知られている高田地震では沖に出ていた漁師が港方面が真っ赤に染まっていたことを、また陸にいた人は沖合いが真っ赤に染まっていたことを見ていたようです。局所的な地震でも、真っ赤に染まったようですから、大陸規模での地殻剥離が生ずれば、異様な赤さに染まったことでしょう。名立崩れは岡本綺堂が戯曲として取り上げているそうです。

なお、この話は、名立の民話にもなっているそうです。
この現象の詳細はまだ不明な点が多いですが、[1675]に紹介したLithosphere-Atmosphere-Ionosphere Coupling メカニズムに関係していると思われます。一種のオーロラ現象と考えていいと思います。
 Lithosphereでの解離現象によるプラズマとIonosphere における電離現象によるプラズマとが干渉して、電離層が低下すること、それを利用した地震予知が早川先生たちのグループで行われていますが、そうした研究から、空が赤く染まる現象も説明できるのではないでしょうか。

1784 
Date: 2013-02-13 (Wed)
岩塩の産地から見るプレート論の矛盾
定説によれば、地球の歴史は3億年前に超大陸パンゲアが誕生し、その後分裂し、現在のような配置になったということになっています。
 プレート論の基礎にあるアイソスタシーが主張するところによれば、大陸プレートは軽くてマントルに浮かんでおり、マントル内部に潜り込めない、つまり永遠に陸上にあり続ける存在であるということです。逆に重い海洋底はマントル対流に乗って、陸の下部にもぐりこみ、2億年の一生を終えることになっています。この関係はパンゲアとして集合する前の地殻部分にも当てはまるはずです。

しかし、分裂した各大陸の奥地において、どの大陸上にもアンモナイトなど海の生き物の化石があります。エベレスト山頂には海ユリの化石があります。この付近がかつては海底であったことを意味しています。[1778]で述べたようにアイソスタシーは破綻し、プレート論の根拠は否定されているのに、なぜ学者もマスコミも気付こうとしないのでしょうか。 気付いていただけるまで言い続けるしかにのでしょうか。
 そこで、岩塩の産地を検討してみました。次の図はネットで調べた岩塩の産出地をパンゲア大陸の上に示したものです。オーストラリアのデボラ湖に関しては岩塩ではなく、岩塩化する途上にある塩湖での塩の生産地です。


大陸上に岩塩が産することは、かつてはその場が一度は海の底にあったことを意味することは常識的に分ることであります。パンゲアといわれる大陸の上に岩塩が産することはプレート論が成立しない証拠であるはずです。定説論者はどのように説明するのでしょうか。いい加減に愚かしい取り繕いは止めて頂きたいものです。

参考[1250] 地中海の海底に塩水湖

1785
Date: 2013-02-14 (Thu)
重力異常が証明する大陸化機構
 深尾良夫先生の「地震・プレート・陸と海 地学入門」という書籍に、アンデス山脈の重力異常を実測した話が載っていました。ナスカからボリビア国境の町までを道路に沿って計測された結果が載っています。<u>重力異常がマイナスになるのはその地下に軽い物質があることを意味している</u>のですが、アンデス山脈が浮上した後に、熔融マントルが冷却されて、いわゆる「山の根」といわれる部分が形成されたのでしょう。それで地殻が厚くなっていったというプロセスが読み取れるのではないでしょうか。

深尾先生らの計測結果は[1781]で述べた石田理論としての大陸地殻の形成メカニズム「大陸化の機構」を証明しているように思います。
アンデス山脈は一度の地殻変動で海底から浮上したのではなく、アフリカ大陸と分裂する前は、大陸の西端部を構成する低い土地だったそうです。アマゾン河も今とは逆向きに流れていたそうですが、その名残でしょうか、堆積岩がアンデスの上部にあります。ヒマラヤ山地やエベレスト山塊も堆積岩でできていますが、あるときは大陸であったり、あるときは海底であったりという歴史を複雑に繰り返して現在の地形になっていると考えられます。
 軽い大陸は重いマントルに浮かんでいるから、大陸地殻は永遠に大陸性で、海洋地殻は永遠に海洋性であるというプレート論の発想は間違っています。重力異常の計測結果からもそれは実証されることのようです。

因みに、大陸が分裂したときの状況が「太陽の法]には次のように記されています。

「ガーナ文明は、超能力を中心とした文明でしたが、やがて大陸が二つに引き裂かれるという前代未聞の事件により、崩壊してしまいます。
 それは、約七十三万五千年前の、秋のある夕暮れでした。大地からゴーッというすさまじい地鳴りがしたと思うと、ガーナ文明の中心都市のひとつであるエカーナという大都市の中心に、南北に亀裂が入り、みるみるうちに、大地に断層ができてきました。最初の断層は、南北百キロぐらいでしたが、やがて、海水が断層に入り込みはじめ、大陸が分裂する徴候を示してきたのです。第二段目の変化は、それから三日目に起こりました。マグニチュード10ぐらいの、強烈な直下型地震です。約三十万人のエカーナの住民は、この日、死にたえました。
 その後、南北の断層は約数千キロにおよび、やがて、ガーナ大陸は、二つの大陸へとゆっくりと分裂してゆきました。それから何万年もかかって、現在の地形、つまり、アフリカ大陸と南アメリカ大陸とにわかれたのです。

 以上がそのときの状況です。深尾先生の著書にはスミスによるとして両大陸が連結していた付近の地質図が紹介してあります。


上層部に見られる違いはそれぞれの大陸に分かれてからの形成過程が異なっているからなのでしょうが、下部は非常に良く似ています。パンゲアが分裂した証拠という話になっていますが、他の全ての大陸が一つになっていたという証拠はありません。この大陸の分裂・移動を基にして全大陸を集め、パンゲアというものにまで膨らませてしまったのはウェゲナーの早とちりであるといえましょう。

1786
Date: 2013-02-17 (Sun)
北朝鮮の核実験による地震波に関して
 北朝鮮の核実験に関して、地震波形を検証して、核実験の証明ができるのかどうか、あるいは3.11地震と似ていることから、3.11地震は地震兵器による地震ではないのか、などのコメントがネット上に氾濫しています。こうした話題に関して地震爆発論での見解を述べておきたいと思います。
 まず、地震波形の問題ですが、識別する方法を日本気象協会が判りやすく説明しています。協会が発表している「地震波からみた自然地震と爆発の識別について」によると、P波が卓越していることから、核実験が行われたと認定できるのではないかと云う主張も見られますが、一方では自然地震でもこのような爆発事象のような特徴を示す例も存在するので、一概に判定は出来ない、としています。(解説文の中では「深い地震も同様な波形になるので要注意」となっています。)

その原因は、自然地震でも爆発事象のような波形がみられるからですが、地震爆発論による地震の起きる仕組みを図に従って説明します。


まず人工的な地震の場合ですが、核実験とかダイナマイトなどの爆薬による爆破はExplosionですから「押し」運動しか起こりません。したがってP波が卓越することは確実で、岩盤が等質でないために起きるS波以外は発生しないはずです。図のAの場合がそれに該当します。
一方自然地震では、深発地震と浅発地震とで違いが生じます。地殻内部で起きている浅発地震はマグマ溜りなどの空間が水素爆発による爆縮(Implosion)を起こすと、その瞬間に、汽罐(ボイラー)破壊と同じ平衡破綻型爆発(Explosion)を発生させます。つまり、解離ガスが発生して高圧化している容器内部が、水素爆発と云う爆縮によるマグマの移動で、平衡状態が破綻し、爆縮(Implosion)と同時に爆発(Explosion)を起こします。
図のCの場合が該当します。
 熔融マントル内部で起きている深発地震では、汽罐の働きをするマグマ溜りの様な空間はありませんから、解離ガスの爆縮が起きても、汽罐破壊による爆発は起きません。したがって、現象としては図Bに該当する爆縮(Implosion)だけが起きているので、S波は発生しません。勿論溶融物質の内部では爆発でも爆縮でもP波しか発生しないのは当然です。
 さて、北朝鮮が行った核実験によると見られる地震波形を気象庁が発表していますが、次のような明らかな爆発事象を示しています。(気象庁は「今回の地震が自然地震ではない可能性がある。」としか述べていません。)


この波形は[1356]以後にBの波として紹介してきたように、深発地震の波形と非常によく似ています。

上で述べたように、深発地震はImplosionによるP波が卓越しているのであり、核実験の波形はExplosionによるP波が卓越しているわけです。P波が卓越していることでよく似た波形になるわけです。

つまり、これは深発地震が起きているような深部は固体マントルではなく、溶融マントルであることを証明しているのです。固体地球論は破綻していることを核実験の地震波が教えてくれているのではないでしょうか。(参考:「地震学の基礎にある大きな間違い」
 さて、したがって、震源が浅い場所で起きているP波の卓越した地震波形は核実験によって発生した地震であると判定できるはずで、今回の北朝鮮で起きた地震は明らかに核実験によるものと判定できます。
 また、3.11地震を地震兵器によるものと疑うコメントがありますが、その根拠となっている次の波形は明らかに、立ち上がりの部分が爆発事象の特徴とは違っていると思います。


すでに[1639]以後に検討してきたように、東北大震災では牡鹿半島沖で起きたM9.0自然地震と、いわき沖で起きた人為地震との少なくとも二つの大きな爆発(地震)による震動災害が起きました。さらに、それに加えて大きな津波が二ヶ所で発生したことによる津波災害を起こしてしまいました。いわき沖の地震と津波に関しては、人災である可能性を検討しなければいけないと考えております。

追記: [3142]に爆発理論の修正(シンプル化)が載っています。

1787
Date: 2013-02-19 (Tue)
月の誕生を再吟味する
 読者から以下のような質問を受けました。
「石田先生が展開される「地震のメカニズム」、「大陸化のメカニズム」、あるいは「月が地球から分離したメカニズム」などの理論は大変説得性があるすばらしい理論だと思います。毎回解説を楽しく読んでおりますが、今回出されている「深発地震はImplosionである」という解説では大陸の浮上とか、月の分離とかを説明できないように思います。何らかのExplosionでないと地殻を持ち上げたり、月を誕生させたりするメカニズムとはならないように思いますが、如何でしょうか、よろしければ解説をお願いします。」
というものです。再吟味を加え、解説をしておきたいと思います。
 まず、大陸の浮上に関しては、「太陽の法」にあるように、小さな島ぐらいだった場所が、火山活動によって徐々に大陸にまで生長したと考えれば、地殻内部の爆発(Implosion+Explosion)として説明できますから、矛盾はないと思います。Explosionが垂直に繰り返された、つまり直下型地震が連続的に起きたと考えれば説明ができます。
たとえばガーナ文明(南アメリカとアフリカが接していたときの大陸に発達した文明)に関して次のような記述があります。
「ガーナ大陸とは、今から九十六万二千年前に、海底火山の爆発ののち、海底が隆起してできたものです。」
また、アトランティス大陸に関しては次のような記述があります。
「アトランティス文明とは、現代文明の直前の文明です。現在の大西洋のなかほど、バミューダ海域と呼ばれるところを中心に、アトランティスという大陸がありました。アトランティスとは、七万五千年ほど前に。巨大な海底火山の爆発をきっかけとして、英国ぐらいの島が浮上してできた大陸です。」
 このような地殻変動は「1762」でも紹介しましたが、現在でも起きています。海底が二ヶ月間で700メートルも上昇したケースがありますから、あるいは今現在、新しい大陸が誕生しつつあるのかもしれません。
次に月の分離・誕生メカニズムに関しては確かにImplosionだけでは説明が不可能です。 「1585」月の生成メカニズム・分裂仮説で解説しましたが、地球上には35億年前の岩石しか発見されていませんが、月には45億年前の岩石があるそうです。ということは地球にまだ地殻がなく、マグマオーシャンだった時代に月が分離し、地球よりも10億年早く冷却化が進行したと推定することが出来ます。
 そこで、月の誕生または地球が月を出産した時の可能性を探って見ました。第一番目の推定は自力出産説です。


自力出産説:まず最初に、マグマオーシャンだった地球内部の一角に、その場の解離能力を超える解離ガスが何らかの原因で貯留され、解離爆発というImplosionが起きて結合水に置き換わります。その後で超臨界状態の結合水が気化すること、つまり液相から気相に変化する爆発、いわゆる水蒸気爆発というExplosionが発生して、その上部にあるマントル物質を宇宙空間に放出したのではないかと考えられます。

第二の推定は隕石などの衝突がマントルの深部にまで影響を与え、解離ガスを一気に気相化爆発させて誕生させたという推定です。小惑星が産婆役を務めたといってもいいでしょう。

小惑星の産婆役説:マグマオーシャン時代には、地球表面のマグマには解離状態でも、結合状態でも水の存在はないでしょう。しかし、マントル内部には深部になるほど解離ガスが大量に含まれています。今回ロシアに落下したような小惑星がマグマオーシャンに落下すれば解離ガスが直ちに気化爆発(Explosion)を起こす可能性があります。地球上で発見されている最大級の隕石落下痕がユカタン半島のチクシュルーブ・クレーターですが(最大はフレデフォート・ドーム)マグマオーシャンにこのような小惑星が落下したとしたら、それが産婆役となって、マントル物質を宇宙空間に放出して月を誕生させることになるでしょう。

 ということで、ご質問にあるように、確かにImplosionだけでは月の誕生は説明できません。マグマオーシャン時代に小惑星の落下があったという第二の推定が正解かもしれません。[1585]で紹介しましたが、固化してからの地球に天体が落下したというビッグホワック説、しかも反対方向から二回にわたって地表を叩いたというダブルホワック説(往復ビンタ説)が月の誕生の有力説となっているようですが、どうも説得力には欠けるようです。

 こうして吟味してくると、地球が誕生したのは宇宙の塵や隕石、ガスが集合し、発熱し、熔融してできたという通説も怪しげに見えてきます。地球は太陽が出産したもので、自力出産か産婆役があったのかはわかりませんが、親である太陽の一部が放出されて生まれたのではないかと推定できます。塵やガスから生まれたという情けない地球観が、人類に元気を出させないような状況に追い込んだ原因ではないのでしょうか。

PS:小惑星が産婆役を果たした、という件ですが、月を宇宙に放出した力は地球自身が発揮した気相化爆発の力であり、マントル内部に圧力変化を発生させて、爆発の条件を作り出したのが、小惑星の衝突であるということです。したがって、通説になっているジャイアント・インパクト説という小惑星のホワック(叩くと云う意味)効果で宇宙に放出されたという説とは内容が違っています。自力出産説とか、産婆役説とかは石田理論としての創作用語です。念のために記しておきます。

1788
Date: 2013-02-20 (Wed)
活断層は蜃気楼か亡霊だ
今朝の産経新聞「主張」欄に活断層狩りと云う記事がありました。何度も書いてきましたが、活断層は「原因と結果」を勘違いしている妄想理論です。妄想学者が妄想理論に駆られて狩を行っているのです。

文中にある有識者とされる人が偏っているというのも確かでしょう。反対意見の人の意見をも聴くべきです。規制委のなすべきことは国民が安全な生活ができるように最善の道を確保することであるはずです。今の委員会は、船が沈没しようとしているのに、船内の鼠を退治しようとしている船長室の会議のようなものです。今大切なことは国家という船を安全に維持し、隣国の海賊行為に配慮して操船することです。
 産経紙の主張は正しいと支持しますが、「東通原発の地層の割れ目は、活断層だとしても規模の小さなC級のものだ。」という意見には賛同しかねます。A級の活断層ならば致し方ない、という論調も生まれてしまいます。

活断層は蜃気楼か亡霊のようなものです。
まともな学者なら、見分けがつかなければいけません。
マスコミ人なら学者の真贋を見分けなければいけません。

1789
Date: 2013-02-20 (Wed)
月や惑星の残留磁気から分ること
 月には地球のような明確な磁場がないそうです。それは冷却が進んで、殻が厚く、深部にしか溶融マグマが存在していないからでしょう。しかし、月面上の岩石には残留磁気が残っているそうです。JAXAはその月磁気を観測しているそうです。
また火星の岩石にも残留磁気が残っているそうです。少し古い記事からですが紹介します。
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http://www.astroarts.co.jp/news/1999/05/990520NAO258/index-j.shtml
火星にプレート・テクトニクス?
【1999年5月20日 国立天文台・天文ニュース(258)】
1960年代に、地球物理学の分野で、地球表面の地殻がいくつかのプレートに分かれ、それぞれが剛体として移動しするという、プレート・テクトニクスの考え方が提案されました。 これによってさまざまな地学現象が統一的に説明できることから、プレート・テクトニクスは、その後の地球観の主流となりました。
プレート・テクトニクスは、太平洋海底に地磁気の縞模様が発見されたことに始まります。 大洋底の海嶺から生み出されたプレートは、そのときの地磁気の方向に帯磁しながら冷えて、年間数センチの速さで両側に広がります。 一方、百万年に数回の割合で地磁気南北極の逆転が起こりますから、そのたびに生み出されるプレートの帯磁が逆になり、海嶺を中心として、左右対称の地磁気の縞模様を作り出したのです。
現在、火星を周回しながら観測を続けている探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーは、楕円軌道を円軌道に直すため、火星表面から100キロメートル近くにまで下降して大気中に入り、何度も大気によるブレーキをかけました。 探査機の高度が低いときには、地表に対する磁力計の分解能が高まるので、細かい磁場の分布がわかります。 こうした偶然のことから、火星表面の磁場がしだいに明らかになってきました。 その結果、驚いたことに、古い地殻が分布している火星の南半球で、約200キロメートルの幅ごとに帯磁が逆転して縞模様になった筋が、何本も東西方向に平行に伸びているのが発見されたのです。中には2000キロメートル以上の長さの筋もありました。


火星周回軌道でマッピングを行なうマーズ・グローバル・サーベイヤー(想像図/NASA) ・・・・・・・ 火星の残留磁気縞模様   


地球とは違い、火星には全体にわたるダイポール型の磁場はありません。 したがって、現在、その内部に磁気ダイナモがあることは考えられません。 しかし、この事実から、火星にも、過去には現在の地球のように磁気ダイナモが動いていた時代があり、その時代の火星磁気の逆転を刻み込んだ岩石が今なお残されている、つまり火星にもかつてプレート・テクトニクスがあった可能性が考えられるのです。
 火星に発見された磁気の縞模様は、地球のものとはかなり異なります。 幅が10倍も広く、湧き出し口からの対称のパターンもはっきりしません。 プレート・テクトニクス説をとるならば、これはプレートの移動速度が速いか、磁極逆転の間隔がずっと永いかを意味するのでしょう。 しかし、この縞模様の形成には何か別の説明があるのかもしれません。 とにかく、まだ発見されたばかりの事実なのです。

参照 
Connerney,J.E.P. et al., Science 284,p.794-798(1999).
Acuna,M.H. et al., Science 284,p.790-793(1999).
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以上が火星の残留磁気の縞模様を報じる記事ですが、さらに水星、木星など金星を除く全ての惑星に残留磁気があるそうです。なぜ、金星にだけ残留磁気がないのか不思議な思いがします。
そこで、惑星の誕生と死について吟味してみます。惑星の誕生は[1787]で述べたように、自立出産だったのか産婆役の手助けがあったのかは別にして、太陽が出産したのではないかと推定するのが自然ではないでしょうか。
 惑星が誕生した直後はどの惑星もマグマオーシャンであったはずです。その後、冷却するうちにマグマ内部の解離水が結合水に変わり、海洋が誕生するはずです。現在は地球にしか海洋が存在しませんが、他の惑星にもかつては海洋が存在したこと、地球と同じような遍歴を辿ったであろうことは蓋然性のある推定でしょう。ただし、記事にあるように海洋が存在したこと、磁気の逆転を刻み込んだ岩石が残されていること、などをもってプレートテクトニクスがあったと考えることはできません。現在地球上にプレートテクトニクスがあるということも誤解であります。洋底拡大説の根拠となっている海洋底の残留磁気の縞模様は溶融マントルが海嶺から噴出し、山麓方向に流下した姿を表しているのではないかと私は推定しています。それはちょうど、月の海と呼ばれている地域が玄武岩で埋め尽くされたのと同じです。中央海嶺から流れ出した溶岩が、海底の小山や谷を埋め尽くしてなだらかな形状を作ったのだろうと推定しています。現に西太平洋の海底は起伏に富んだ形状をしていますが、ここには大量に溶岩を噴出する海嶺や火山が存在しなかったからでしょう。


 では、金星にだけ残留磁気がないのはなぜでしょうか。金星にもかつては地球と同じような海洋が存在し、人類や人魚が住んでいたとしてもおかしくありません。金星は火山の爆発によって生物が住めなくなる環境に変わったようです。「太陽の法」には次のような記事があります。

[金星での文明実験は予想以上の輝かしい成功をおさめた。完全なる大調和がなしとげられた今、これ以上の進歩は難しいだろう。金星は、まもなく、火山の大爆発が予定されており、高等生命の生存は難しくなるだろう。一部の金星人たちは、友交関係にある他星団の惑星に移住させ、他惑星の進化に役立つべきだ。残りの高級入霊たちは、金星霊界に数億年とどまり、お隣りの地球霊団の創設に参画してほしい。地球ではもう一度ゼロからのスタートとなるが、再度新しいユートピア創りをしてほしい。未知の星団からも新しい魂を呼び入れて、教育し、銀河系の進化に役立ってほしい。](「太陽の法」p.52)

 
 金星は火山の爆発によって、気象のバランスが崩れ、水蒸気が宇宙に放散してなくなってしまったようです。地球が急激に温暖化しないのは、雲の存在があるそうです。雲ができるのは宇宙線と水蒸気の共同作業らしいのです。太陽が活発になると、宇宙線が吹き飛ばされて雲ができません。つまり地球のカーテンが失われ、温暖になりますが、太陽が不活発になると雲が大量に発生して、寒冷化するのだそうです。その微妙な均衡を支えているのは生命体としての太陽と地球の意識ではないでしょうか。金星は役目を終えて星としての死を迎えたのでしょう。自転する方向も他の惑星とは逆向きだそうですし、太陽に当たる面の表面温度は500度を越え、最高700度と云う高熱下にあるそうです。鉛は300度で熔解してしまいますが、そのような高熱の下では岩石の残留磁気も消滅してしまうのではないでしょうか。


 地球も何億年かのちにはその使命を終わるときがくるのでしょう。以上が惑星の誕生と死についての考察です。

PS:金星の自転が他の惑星と逆向きであること、天王星の回転軸が横向きであることなどは、星としての死を迎えた後に、小惑星の衝突があって起こった事故のせいではないでしょうか。

1790
Date: 2013-02-22 (Fri)
火星と金星の海に関する情報
 火星に海が存在していた証拠が見つかったという報道がありました。やがて、我々が知らなかった宇宙の秘密がどんどん解き明かされていくのでしょう。記事を紹介します。
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火星に海があった有力な証拠
【2012年2月8日 ヨーロッパ宇宙機関
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の火星探査機「マーズエクスプレス」に搭載されているレーダーが、火星の北半球の低地で地下に氷のようなものがあることを発見した。かつて火星には海が存在したということの、強い証拠かもしれない。
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火星に海があったときの想像図。青い部分が海を表す。(提供:ESA, C. Carreau。以下同)・・・・「マーズエクスプレス」と火星の想像図。

火星の北半球は南半球と比較すると高度が低く、海岸線や三角州のような地形も見られることから、かつて海であったのではないかと言われている。一方で、鉱物分布の研究などからは否定的な意見も出ている。
ヨーロッパとアメリカの国際研究チームは、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の探査機「マーズエクスプレス」に搭載されている「MARSISレーダー」の2年以上に及ぶ北半球の観測結果を分析した。その結果、北半球の表面を低密度の物質が覆っていることがわかった。
研究を行った仏グルノーブル惑星科学・宇宙物理学研究所(IPAG)のJ&eacute;r&eacute;mie Mouginot博士は「我々はこれを、氷に富んだ堆積物の沈殿物だと考えている。かつて海があった強力な証拠だと言えるだろう」と語っている。
MARSISレーダーを使うと、地表から60〜80mまでにある物質の情報が得られる。どうやらこの深さには堆積物や氷が眠っているようだ。この堆積物は粒状で密度が低く、水によって噴出して運ばれてきたものと考えられる。
火星に海が存在していた時期については2つ考えられている。1つ目はおよそ40億年前、火星が温暖な気候だったときだ。もう1つは30億年前、おそらく地熱活動が強まったことで地下の氷が溶け、低地に流れ込んだときである。
この火星の歴史の中で後になってできた海は一時的なもので、100万年も存在できなかったのではないかと考えられている。海を構成していた水は氷に戻って地下に隠れるか、水蒸気になって少しずつ大気中に逃げてしまったのではないかと推測される。このため、火星に生命がいたとすれば、もっと長い時間水が存在していた可能性のある、火星の初期の頃だけかもしれない。
いずれにせよ今回の結果は火星にかつて海があった有力な証拠であり、火星の地形を作るうえで液体の水が果たした役割を示す証拠とも言えそうだ。これまでマーズエクスプレスは地形の画像や鉱物学的なデータ、大気測定などから海の存在を研究してきたが、地下のレーダー観測という新たなデータも加わり、「火星の海はどこに消えたのか」という謎にさらに迫れるかもしれない。
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以上が火星の海に関する記事です。英文サイトには次のような画像も載っていました。


一方金星にも大量の水が存在したことが証明されているそうです。海洋があったかどうかは不明らしいですが、やがて「太陽の法」の内容が真実であることが科学的に認められる時代が来るのでしょう。記事を紹介します。
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金星にかつて海は存在したか
【2010年6月30日 ESA
金星にかつて海は存在したのだろうか。生命誕生の謎を探るうえで重要なこのテーマについて、現在ESAの金星探査機ビーナスエクスプレスによる調査・研究が進められている。
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ビーナス・エクスプレス(提供: ESA/AOES Medialab) 金星の想像図(提供: J.Whatmore)


生命に満ちあふれた地球と、高温の地獄のような金星。ずいぶんと姿が異なるように見える2つの惑星にも、多くの類似点がある。6月20日〜26日にフランス・オーソワで開催された国際金星会議では、日本の金星探査機「あかつき」のチームもふくめ世界中から集まった惑星研究者が、地球と金星の比較などについて話し合った。
現在の金星には水がほとんどなく、それが地球と金星の決定的な違いとなっているが、何十億年も前にはもっと豊富に水があったようだ。というのは、金星探査機ビーナスエクスプレスの探査で、かつて大量の水が金星から逃げていったことが確実となったのである。そのしくみは、水分子が太陽からのX線によって水素と酸素に分解され、宇宙空間に飛んでいった、というものだ。この時の水素と酸素の比率が2対1であることも判明しており、元は水分子だったという裏付けとなっている。また、金星大気の上層部で、重力にとらえられたままの重水素が徐々に濃縮されていることもわかっている。
すべてが、金星にかつて大量の水があったことを示唆しています」(英・オクスフォード大学のColin Wilson氏)。だが、大量の水があったからといって、地表に海があったことに即つながるわけではない。
仏・パリ第11大学のEric Chassefi&egrave;re氏によるコンピュータシミュレーションモデルでは、「水は、金星がまだ生まれたばかりで地表がどろどろの状態だった頃にのみ存在し、その大部分が大気中のものだった」ということが示されている。水分子を放出することにより温度が下がり、地表が固まったのだろうと考えられており、これでは海は存在し得ない。
検証の難しい仮説ではあるが、この真偽は重要な鍵となる。「かつて地表に水があった」ということは、「当時の金星が、生命が存在できる状態の初期段階にあった」という可能性につながるからだ。もしChassefi&egrave;re氏のモデルどおり、地表が固まる前に大量の水が失われたことが事実だったとしても、その後に彗星が衝突して水をもたらし、生命が生存可能な状態を作った、という可能性もないとはいえない。
Chassefi&egrave;re氏は「金星が作られたばかりの頃の成長過程をもっとよく知るためには、溶岩の海(マグマオーシャン)と大気のシステムの進化について、さらに本格的なシミュレーションが必要です」と語っている。ビーナスエクスプレスがもたらすデータが、大きく貢献することになりそうだ。
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記事には「水分子が太陽からのX線によって水素と酸素に分解され・・・」とあります。水分子は、熱解離だけでなく放射線によっても解離するという話を地震爆発論を思いつく前に聞いたことがあります。ですから、[593]−[595]で原発の水素爆発事故と解離ガス発生の関連を研究すべきであるとコメントしたわけです。どなたからも発言はありませんでしたし、サイト上で発表したときには何人かの人から「電気分解以外の方法で水を分解できる方法を見つけたらノーベル賞ものだ・・・」と冷ややかな批判を受けたものです。そういった方はこのように、外国の雑誌で報じられると「太陽からのX線で水分子が解離する」という話を信じるのでしょう。それではいつまでたっても、日本に独創的研究は生まれないでしょう。日本にも、もっと自由な研究の雰囲気が生まれるといいですね。

石田理論としては[1789]で述べたように、時間的な長短はあるでしょうが、
「太陽系惑星は太陽から生まれた。惑星が誕生した直後はどの惑星もマグマオーシャンであった。その後、冷却するうちにマグマ内部の解離水が結合水に変わり、海洋が誕生した。現在は地球にしか海洋が存在しないが、他の惑星にもかつては海洋が存在したこと、地球と同じような遍歴を辿ったであろうことは蓋然性のある推定である。」

と考えています。

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