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2002/11/12(Tue) 13:45<>
石田 昭
地下水位の変化と地震の関係
T氏が考察を送ってくれました。

石田先生  セミナー[250]にて紹介してありますHP上のグラフからですが、僅かづつ水位が下がり(このグラフでは一ヶ月間、それ以前は未表示)地震発生の三日程度前より反転してから又水位が下がった段階で地震が発生している様に見えます。エリキンさんからの、硬度の測定レポートと次の点で類似点があります。

@地震発生の月単位以前より変動が始まる。水位では低下傾向、硬度では上昇。

A地震発生の寸前(水位では三日、硬度では10時間程度)にそれまでより大きな変動が有り、その変動が逆転した後(水位グラフでは正確に読めませんが)地震が発生する。データが少ない為に、正確な事は判りかねますが、この二つのデータの類似性より地中で数ヶ月前と数日又は10時間程度前に何かが生じて居る様に見えます。

 以上ですが、小泉氏のHPの図ー1で先ず気づくのは、補正前のデータ(いずれも上側のライン)では、気圧と水位に相関があることです。気圧が低いと水位が高くなっています。これも解離層の不安定化に何らかの影響を与えるものと思われます。補正後のデータをみると、震源に近い草薙(30キロ)では明瞭な変動が見られます。平常時の水位が不明ですが、多分それよりも一旦上がった水位(解離反応による圧力の増加が原因)が、T氏の言われるように下がっていきます。地震の発生直前に少しあがり下がりしますが、地震の発生と共に風船がしぼむように下がっていきます。これは、解離現象で高まった圧力によって岩盤が破壊(地震の発生)し、その後の結合収縮によって地下圧力が下がるために、水位も下がっていく、と言うことではないのでしょうか。M4.7程度の地震ですと、50キロ離れた榛原観測地点では、ほとんど影響がないようです。 とにかく、弾性反発説では説明がつかない現象なのではないでしょうか。

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2002/11/15(Fri) 09:15
石田 昭
ある高校からのアンケート調査 
神奈川県のある高校から、地震予知活動に関するアンケート調査のメールが届きました。回答と共にご紹介します。

担当者様  メールありがとうございました。出来る限りの回答をして見ます。
(問1)地震予知についてどの様な活動を行っていますか。
(答え)奇しくも本日から、安心ネットワークシステムの全国観測網参加者募集を開始します。仲間が頑張って予定通りに作業が進めばですが・・・。内容は異常電磁波の発生状況の観測です。

(問2)その予知は将来性はありますか。また、どのくらいの確率で当たりますか。

(答え)唐山地震、リスボン大地震の体験談からみて、人命にかかわるような大地震は確実に予知が出来ると考えています。神戸の地震でも、新・地震学セミナー[124]に紹介したように、ある研究所の元所長さんが、多くの人が朝方早くに気持ちが悪くなって目が覚めたと述べておられます。強力な電磁波現象だと思われます。小さな地震まで捉えようとするから、現状の地震予知は混乱しています。ただし、地震発生の周期性を考えたりして不安を煽る長期予測的な地震予知は有害であり、不可能であり、無意味です。直前予知は可能であると考えています。

(問3)宏観現象についてどうお考えですか。

(答え)当然起こることですが、地震の発生理論が間違っているために、信憑性を欠いているのが残念です。石田理論に基づいて推論すれば、ほとんどの宏観現象が意味のある自然からの警告であることがわかります。グアテマラ地震の際に、マヤ族の酋長が察知して住民を避難させたのは、宏観現象についての経験知があったからです。ただし、現状は理論の欠如により、過敏になりすぎて、「幽霊の正体見たり、枯れ尾花・・」になっています。

(問3)電磁波や電磁気で地震を予知する方法についてはどう思われますか。

(答え)まさにそれをやろうとしています。貴高校でもご参加いただければありがたいです。すくなくとも地域の安心感を生むことはできます。地殻内部における水の解離による圧力増加、それによる岩盤内のマイクロクラックの発生、それによる地電流の発生、それによる、新しい局所的磁場の発生、それによる100円コンパスの狂い、その後に起こる爆発的解離現象つまり地震の発生です。

(問4)地震の前に大量に発生するイオンによって地震予知ができるという考えはどう思われますか。

(答え)PISCOの観測例から見たところ、地震との相関は薄いように思われます。(地震以外の原因でも増加することがある。)

(問5)未だ科学的に根拠のない地震予知について気になるものはありますか。

(答え)肝心の地震発生理論が弾性反発説であること、プレートテクトニクス理論と言う錯誤に満ちた理論を信じていること、地球内部のマントルが固体であると誤認していること、こうした間違った理論に基づいて地震予知研究がなされていることです。これではいつまでたっても、地震の予知など出来ないでしょう。

(問6)宏観現象を研究している方を知っておられれば、教えてください。

(答え)このHPを知るきっかけになったという岩瀬氏のHPにリンクされているものくらいしか、知りません。ただし、皆さん警告乱発気味です。もっと日々の生活を安心感に満ちたものにする必要があります。それには、一人一人がマヤの酋長のように正しい地震観を持って、自分の判断で行動することです。小さな地震を預言者のように当てたところで、無意味です。

(最後に)石田さんのWebページの、特にライブラリを興味深く読ませていただきました。私たちが思いもかけなかったことや、教えられてきたことが間違っていたということが書かれていたのですから。それから、トップページの上の方に、天気予報のように地震予報(?)が書かれていることに気付きました。いつの日か、天気予報の隣に地震予報が書かれる日が来るのでしょうか。

(答え)大地震の警報は個人では出せませんし、データがそろって、細かな法則性が得られるまでは出す気もありません。ただし、安心センサーなり、100円コンパスを持てば、本日私が住む町(規模がまちまちでしょうが、半径20〜30キロでしょうか)において、M7程度の大地震が起こる心配はないでしょう、本日は安心日でしょう、と言う安心日情報は出せると思います。将来は、大地震警報も出せると思います。重ねて言いますが、小さな地震を予知しても仕方ありません。地下内部からの微弱な警報になってしまいますので、小地震の予知は大地震よりもかえって難しいものになってしまいます。大地震になるほど自然の警報は明瞭になって、予知が簡単なはずです。

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2002/11/21(Thu) 10:05
石田 昭
ANSを全国的な観測網にしたい
T氏が「ANS観測網」のPRをしてくださっているようです。ありがたいことですので、メールを紹介します。
 石田先生 友人30名余りに下記のようなメールを送ってみました。 
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ご無沙汰しております。約五ヶ月間、自宅にてインターネット中心に地震予知に関る研究に専念しています。  添付の名工大元教授のHPがネット上の主たる活動の場(新・地震学セミナー)です。民間で地震予知で有名な多くのHP運営者とメールにて情報交換させていただいたり、 HPに出演したりしています。 地震予知は未だ研究段階ですが、プレートテクトニクスのみに凝り固まったアカデミズムより、民間の研究者の方が間違い無く予知に成功すると思います。

問題は、本当に大きな被害地震だけではなく、規模に関らず前兆現象が出現しますので緊張(大地も人間も)が高まると、暫く毎日が緊急事態と成ってしまう事です。本当に予知しなければ成らない、大震災は(地域にも因りますが)50年から100年に一度のイベントですから、大震災特有の前兆に対する知見が少なく、震災の記録であれば古典等にも目を通して、被害地震の前兆を追い掛けています。<br> 安心センサーと名付けた簡単な器具を考案しながら色んな観測をしています。昨日より全国規模での観測者の募集が添付のHP上で始まりました。(ANS観測網)  地震予知には学問的興味は有ますが、例え予知出来たとしても、今の日本の体制下では防災には殆ど役に立ちません。 ANS観測網が常に防災に関心を持ち続けて行く人達の全国規模の組織に育つ様に全面的に協力して行きたいと思っています。 私としては、家具の固定や建物の安全確認を中心とした、NPOの立ち上げに注力して行こうと準備を始めた所です。 東京はもう少し先だと思いますが、(と言っても遅くとも数年以内でしょうけれど)日向沖・京都等は近日中に発生するような気がしています。明治維新の時代が大地も動乱の時で、全国で大地震が多発しました。関東大震災で一端終止符を打ち、その後の大発展が有ったわけですが、時代は繰り返すとばかりに、大変な変革を向かえつつある今、大地も大変動の時が近づいて居る様に思えて成りません。

以上です。早く全国的な規模の組織に成長できればと私も思っております。東京、日向沖、京都の件は私(石田)には不明です。 

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2002/11/22(Fri) 21:47
管理人 石田 昭
福井大地震の体験談
T氏の「ANS観測網」PRメールに対して返信を下さった方のなかに、福井大地震を経験された女性が居られるようです。液状化現象の怖さを語って下さっています。古記録などを読むと、人馬が地中に沈んでいったと言う記事があって、本当かなあと思っていましたが、それに近いような現象が福井大地震でもあったことが証言されていますので、了解を得て、紹介させていただきます。

 福井大地震、幼心に覚えています。 就学前の私は、男の子の遊びが好きで、確か家の前の堀傍(柵も石垣もない自然の池 のような状態)で釣りを楽しんでいました。大地が揺れたと同時に堀が波立ち、足首までズブズブ沈み始め、思わず大声で助けを求め、国道を横切って駆けつけた母に救出されたことを記憶しています。当然、いくら子供でも危険な場所に立つ訳がなく、乾いていた筈の場所が一瞬にしてぬかるみ状に変ったのですから、自然のエネルギーというのは、大変なものと今またあの時の恐怖が蘇えってきました。

以上です。この現象は角張った砂粒の引っかかりが震動で外れてしまい、空隙を維持できなくなって、砂が流体と同じような挙動を示す、いわゆる液状化現象というものです。これ以外にも、地震時には地割れが、開いたり、閉じたりして、その間に地割れの中に人馬が沈んでいく現象もあるようです。氷のクレバスが開いたり、閉じたりするようなもので、こうした現象が、”活断層の滑り”というものから生じるとは思われません。地震は、”化学反応としての爆発”が原因で起こる震動なのです。

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2002/11/23(Sat) 22:12
石田 昭
T氏が受領されたメールの紹介

T氏が受領された、ある方からのメールの内容を教えてくださいました。これも衆知の一部でありますので、了解をとった上で、抜粋して紹介します。

・「プレートテクトニクスのみに凝り固まったアカデミズムより、民間の研究者の方が間違い無く予知に成功すると思います。」 について。

確かに民間研究者は宏観現象の多くを捉え、報告できるかもしれませんが、 それが、本当に前兆であったことを明確に示すことがなかなかできないというのが実体なのです。 アカデミー側にもそれらを真剣に受け止めて、研究課題に上げようという意識が薄 い。 今こそ、宏観現象の科学的なアプローチが心底、望まれているわけです。 宏観現象をただの思い込みや迷信扱いにしたり、 民間人の非科学的な報告と嘲笑する時代から、 科学的な解明の時代へと進められるべきです。 今、その動きが一部で起こっているのであると思います。

・「 地球の内部構造と地震発生のメカニズムに関する難しい内容」について。

私にはまだよく把握しきれません。 私はそもそも、敢えて、地震学の知識の全くない状態で、 この地震雲観測による予知研究をそのまま始めたのです。 地震雲を観測することで、地震学の知識の殆ど無い一般人にも、 それができるという事実を提示することで、 地震雲に対する関心を高めたい、というのが、私のサイトの最大目的なのです。 これは事実、プレートテクトニクス論が正しいかどうかには一切、関係がありません。 よって、プレートテクトニクス論が間違っている為に予知ができない、 という考えには必ずしも賛成しません。 (確かに、アカデミーの歪計測器が予知の成功に結びついていないことに対する、 それが根拠になる可能性はありそうですが・・・) 現段階での私の見解は、 「プレートテクトニクス論は未完ながら、概ね基本原則については正しい。 ただ、石田氏の説くような、 アカデミー側が指摘することのない水の解離爆発現象は生じているのだろう。」という もの。

・「 マントル溶解説」について。

元々、私自身は賛成の立場でした。 実にこのサイトを始める少し前でしたが、天文観測が長年の趣味という同僚から、 マントルは個体だから「勘違いしないように!」と、釘を刺されたことがありまし た。(笑) しかし、いくら鉱物/岩石といっても(この)温度からは一部、流体である筈であって、 液体では語弊があるとしても、殆ど流体状であることには違いないと思います。 ですから、より水の解離爆発現象についも考慮しなければならないでしょう。

・「安心センサー」について。

「ANS観測網 主旨」に目を通しました。 原理及び主旨については理解できますし、強く共感します。 これに異変が示されない限りは、恐らく、近郊域でのM7程度地震が発生することは 私もまず、考えられないように思います。 ただ、磁石異変と地震との因果関係を証明できるほどの データ量はすでに得られているのでしょうか?? 私の取る立場は、現象が現れた場合は地震の疑いから注意が必要だが、 未確認の場合においては、「絶対に安心」などと、まだ言える段階ではない、 というものです。 つまり私は“その現象が現れない限りは安心です”と、 明言することには強い疑問を持っています。如何でしょうか? 安心を得たいということ、危険性があるかどうかが明確になれば、 安心して良い日、期間がある筈との考えは分かるですが、まだ確定していないと思い ます。 それが本当に理想的な状態あることは私も同意します。 石田氏のいわれる、 「皆さん警告乱発気味です。」 そして、「重ねて言いますが、小さな地震を予知しても仕方ありません。 地下内部からの微弱な警報になってしまいますので、 小地震の予知は大地震よりもかえって難しいものになってしまいます。」 (新・地震学セミナーより) には、私もとても大賛成です。 小さな地震は予知する必要性がないばかりか、 宏観現象と発生地震との相関を確認するのが困難で、 発生地震を特定する上でどうしても疑似相関を受け (小さな地震は発生頻度があまりに大過ぎる)、 逆に却って、その法則性を見出して確認するのを邪魔してしまいます。

以上です。天気予報も「明日は晴れるでしょう」と婉曲に表現しています。それでも当たらないこともあります。大地震に関してはとても心配しておられる方がいるわけで、その方に、リスボン大地震、唐山大地震、の貴重な自然警告の体験を生かして、たぶん「明日は安心日でしょう」と語ってあげることは許されるのではないでしょうか。悲惨な大地震を何回も体験して、充分にデータを収録してからスタートするのでは、何年先になることやら分かりませんので・・・。ただしやはり「大地震の危険あり」と言う警告は、経済活動に与える影響をも考慮して慎重に行うべきであります。よって、今のところは民間研究者には出せないでしょう。

258
2002/11/24(Sun) 19:32
ノリマン
ホットスポットとプレート移動
石田先生 地球に関して随分勉強させていただきましたが、ホットスポットの話題が一度も無かったように思います。ハワイ諸島がホットスポットの活動で島を作り、それがプレートの動きに乗って移動したために島が一列に並んだと言う話は、石田理論からはどのようなことになるのでしょうか。

259
2002/11/25(Mon) 13:05
石田 昭
誤解だらけの地球の知識
ノリマン様  プレートテクトニクスを否定するのですから、当然ホットスポットなる概念も否定するのですが、あまりにも否定しなければならないことが多くて、いやになってしまうのが、本音です。かつてホットスポットが作った何番目の島になるのか知りませんが、カウアイ島のワイメア峡谷を観光したことがあります。ハワイのグランドキャニオンといわれるくらい壮大なる堆積岩大地の侵食峡谷です。これはカウアイ島がかつては海の底にあったことを物語っていますが、ホットスポットがこの島をどうやって作ったと説明するのでしょうか。 ホットスポットの存在がマントルトモグラフィーから確認されると言うのなら、マントルトモグラフィーの基礎にあるマントル固体論、インバージョン解析手法そのものに問題があると考えられます。とにかく地球に関する知識は誤解だらけです。

260
2002/11/26(Tue) 19:18
石田 昭
プレスリップなど起こらない
T氏が送ってくださった北陸中日新聞の「東海地震予兆段階で国が情報」、(平時の生活)(旅行の自粛)というタイトルの記事の中に次の文章がありました。

 東海地震の予知は、駿河湾のプレート(岩板)がずれ始める「プレスリップ現象」が検知された場合に可能とされる。気象庁は地殻変動の観測データに異常が生じた際、事前情報の第一報となる観測情報を発表する。

 というものです。また、静岡新聞の連載記事に地震防災対策強化地域判定会会長が次ぎの文章を書いておられます。

東海地震は、マグニチュード8クラスの巨大地震である。この規模の地震は、長さ約百キロ、幅数十キロにおよぶ大規模な断層が急激にずれ動いて発生する。下盤にあたるフィリピン海プレートと上盤にあたる陸のプレートとの境界に沿った断層のずれは、数メートルにも達する。しかしこのような大規模な断層運動の発生過程は、いきなり断層全体が同時に急激なずれを起こすというのではなく、断層の一部分が小さく緩やかにずれ動きだすというものである。しかし、その動きは急激に加速、拡大し短時間で巨大な断層運動となり、激しい揺れと大津波を伴う「本物の」地震となる。この断層運動のごく早期の段階にあたる小さく緩やかな断層の動きのことを「前兆滑り」もしくは「先行滑り」(プレスリップ)という。この「前兆滑り」を可能な限り早期に誤りなく検出することが、東海地震の直前予知の成否のカギとなる。また、前兆滑りは東海地震の発生過程の一部であるから、前兆滑りが検出された時点では、厳密にいえばすでに東海地震は始まっているものと理解すべきである。

 というものです。M8クラスの東海地震では、数メートルの断層ずれが起こり、その最初の「前兆すべり」「先行すべり」(プレスリップ)を検知して、判定するということです。新・地震学セミナーで地震爆発理論を学んでこられた方なら、これが如何にナンセンスなものであるかが分かると思います。本当に東海地震が起こるとしたら、そのとき判定会議は決して開かれないでしょう。プレスリップなどというものは観測されないでしょうから。開かれたなら、それは意味の無い会議でしょう。またしても神戸のように突然の震災に慌てふためくことになると思います。ただし、ANS観測網はきっと、前兆の電磁波異常、コンパス異常を検知できると思います。会員が増えればですが・・・。それでもなお、東海地震が起こらないことを祈っています。

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