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2002/10/26(Sat) 07:45
石田 昭
哲学者カントの地震観(続) 
哲学者カントの地震観、追加して紹介します。磁石の針に関してです。リスボンの大地震は一七五五年十一月一日午前九時五十分に起こりました。半月も前から予兆が現れるような巨大地震であったようです。

「あの恐ろしい日、万聖節、アウグスブルクにあった磁石がその役目を放り出し、そして磁石の針が混乱におとしいれられたのを黙って見すごすことはできない。」

 とあります。リスボンとアウグスブルグとは1800キロも離れています。「一七七五年の末、地球の広大な部分を震動させた地震の最も著しい出来事の報告と自然誌」という節があるくらいですから、ヨーロッパ全土が揺れたのでしょう。そして、全土で磁石の針が狂ってしまったのでしょう。カントはこのことを見逃すことは出来ない、と述べています。大地震では、かなり広大な地域で磁石が反応することが推定できます。100円検知器が活躍できそうです。

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2002/10/26(Sat) 11:20
ノリマン
大地震は必ずヒットする工夫 
PISCOの地震予報を見ると10月19日から今日まで連続8日間危険度が「高」になっています。7月10日から8月12日までの連続34日危険度「高」というのもありましたが、頻繁に危険度「高」があると、本当に危険が迫った時に警報の効き目が無くなってしまいます。石田研究所で計画中の観測網体制では「信頼度」が低下しないような工夫、つまり「大地震は必ずヒット」というものにする工夫が欲しいですね。
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2002/10/26(Sat) 12:23
石田 昭
安心感にスポットを当てた観測手法
ノリマン様

 繰り返しますが、石田研究所では、データがそろうまでは、地震予知警報そのものを出す考えはありません。最初は会員が観測情報を持ち寄って、全国のデータを一望できる「場の提供」からのスタートです。判断自体は会員の責任で行っていただくことになります。

 とはいえ、敏感すぎる観測手法ですと、「危険度」にスポットが当たりすぎて、PISCOさんやその他の予知グループのような、「安心感の欠如」した雰囲気になります。よって、大地震にしか反応しないと思われる、方位磁石、電磁波メーターを採用する方針です。それが工夫といえるでしょうか。地震雲の観測、その他の宏観異常の観測も大切ですが、「安心感」につなげるためには、仰るように大地震だけをヒットする必要があると思うのです。

 それと、安心感につながる重要なものが正しい地震観だと思います。これはHPの充実、動画などを用いた見やすいページ作りが大切であると考えています。鋭意努力いたします。

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2002/10/26(Sat) 23:23
石田 昭
市民グループが構築する新しい地球観 
アルビン・トフラー氏の「社会はますます多様化する」を読んで興味深く感じました。(NHKスペシャル「変革の世紀」)

「私が多様化と言っているのは、民族の多様化だけではありません。(中略)コミュニケーション・チャンネルの多様性など、全てのレベルの多様性です。

 社会が多様化するにしたがって、意思決定の要求が細分化され、現在の政治制度に負担をかけるようになります。しかし、国会や公式機関といった政治サイドは民主主義という後ろ盾がありますから、決定することを止めようとはしないでしょう。そして彼らの決定の質はますます悪くなっていくのです。

 もっともっと多くの情報を取り扱い、もっと迅速に、もっと思慮深く、もっと複雑な決定をする必要がありますが、今後これらの機関にはそれを求めることは酷でしょう。

 将来は問題解決のために、国家だけでなく、多次元の「奥行きある」連合体が形成されると思います。政府とNGOとの間、多国籍企業のような民間セクターと市民社会グループの間でいろいろな種類の連携が起きるようになると思います。」

 というものです。学問の世界も、民主主義という後ろ盾があって、学会という公式機関の決定は質の悪いものになっていくでしょう。学会が認めてくれるまで待っていたら、人生が終わってしまいます。もっと迅速に、もっと思慮深く、もっと複雑な決定をするには、民間セクターと市民社会グループとの連携が起きるようになると思います・・・。と読み替えてみたら、なるほどなーと思えました。坂柳先生も学会誌に投稿したが、断られたと、こぼしておられましたが、私も同じ経験をしてきました。多様化の時代、スピードの時代には、学会という公式機関の決定は陳腐なものになっていく危うさを感じます。市民グループの生き生きとした活動のなかから新しい芽が伸びていくのでしょう。専門家たちに任せないで、新しい地震観、新しい地球観を構築していきたいものです。話題の場所が違ったかもしれませんが・・・。

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2002/10/27(Sun) 09:22
石田 昭
市民社会を構築するエンジン 
レスター・サラモン、ジョンズ・ホプキンス大学教授のNPOを、新たな市民社会を構築するエンジンと捉える見方も興味深いものがあります。(NHKスペシャル「変革の世紀」より)

http://www.nhk.or.jp/henkaku/interview_special/

「グローバルな市民革命」

 今私たちは極めて重要な歴史の転換点に立っています。私はこれを「グローバルな市民革命」と呼んでいます。世界中の市民たちが志を同じくする仲間と組織をつくり、非営利活動に乗り出しています。いわゆるNPO<非営利組織>が続々と結成されているのです。(中略)NPOが社会変革のエンジンになると考えています。

 「21世紀の市民社会の姿」

 重要なのは、公共の仕事は全て政府がやってくれるという20世紀の常識を、一度疑ってみることではないでしょうか。(中略)市民が主役となって政府や企業との新たな関係を構築していく姿こそが、健全な市民社会だと、私は考えています。

 「NPOブームが表すもの」

 この怒涛のごときNPOの成長は、21世紀の社会に広がるであろう、ある種の価値観を表現しているように思えます。それは、個人の能力に対する信頼感です。NPOという存在は、公共の利益という大きな目標を達成する上で、個人の判断と活躍に価値をおくという時代の到来を感じさせます。(中略)

 NPOブームが象徴するのは、個人が世の中のことに自ら判断を下す事への欲求と言えるかもしれません。それを後押ししているのが、インターネットや新しい情報技術です。より多くの選択肢を与えられた私たちは個人的な欲求を追い求める一方で、自分一人の存在よりも大きな対象に力を注ぎたいという欲求にも飢えています。自らの人生に価値や意味を与える事、公共の役に立つ目的を持つ事・・・こうした欲求を満たす組織こそが、NPOなのです。

 21世紀、人類は成熟した社会的な存在にまで、自己を高めることができるのか。NPOと言う船に乗って、人類は新たな時代への航海に乗り出したのです。

というものです。政府と言う言葉を学会と置き換えると、学問の世界も学会に頼っていてはいけない時代が来ているのではないでしょうか。新しい学問のあり方が、NPO活動から生まれてくるように感じます。少なくとも、NPOから生まれる新しい地球観を構築していきたいものだと思います。

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2002/10/27(Sun) 09:50
石田 昭
新・カリントウ談義 
T氏が原子レベルでの物体の破壊過程を研究することで、地震予知も可能になる、と言う記事をおくってくださいました。地震の前兆現象研究情報交換用掲示板の記事だそうです。興味のある方は勉強してください。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021025-00000002-wir-sci

T氏のコメントも紹介します。

「原子レベルで物体の破壊の時期を予想する事は興味深い試みですが、これを地震の予知に利用する場合、前提を弾性反発説に限定すると、岩盤の物性自体を歪めてしまうような気がします。例えば、歪が一定レベルを超えると地下深くの岩盤は地上では想定できないエネルギーを弾性反発で開放します・・・と言った様にです。相対論が出るまで、知見が増えるたびにそれまでのエーテル説が複雑化した過程を見ている様にも思えるのですが・・・」

以上です。「歪が一定レベルを超えると地下深くの岩盤は地上では想定できないエネルギーを弾性反発で開放します・・・」という言い方は「カリントウはポキッと折れてしまいますが、巨大なカリントウを作ると、玉鋼のような弾性を持つようになり、プレートを跳ね上げて大地震を起こします。」という式の矛盾ですね。

209
2002/10/27(Sun) 23:23
石田 昭
NPOを活用して税金の無駄使いを止めよう
NHKスペシャル「変革の世紀」第5回が本日放映されました。クローズアップのページ

http://www.nhk.or.jp/henkaku/closeup/06/

にも紹介されていますが、[207]に掲示したNPOの話題でありました。

 アメリカやヨーロッパで今、第一線で活躍するビジネスマンが高い給料やポストをなげうって、社会貢献の仕事に転身するケースが相次いでいる。彼らはNPO(=非営利組織)を拠点に、貧困や失業、環境破壊、教育の荒廃など現代社会のゆがみに果敢に挑み始めた。ボランティア精神とビジネスマインドを兼ね備え、私利私欲ではなく公共の利益のために立ち上がった人たちが、社会を変える新たなパワーとなりつつある。(中略〕

 東欧ハンガリーでは、国を挙げてNPOを育てていこうという実験が始まっている。所得税の1%を、納税者が選んだNPOに託す制度だ。イギリスでも、公共政策は政府主導という基本方針を100年ぶりに見直し、NPOを政府の対等なパートナーと位置づけた。

 社会を動かす新たな主役として、国家や企業と肩を並べる存在に成長しつつある市民たち。そのパワーの秘密と可能性を、世界の最先端の動きの中に探っていく。

 番組の中で、ハンガリーの納税者市民が、1%の税金を自分の選んだNPOに使用してもらうために、それぞれが、自分は教育・福祉関係のNPOを選びました、などと答えていたのが印象に残りました。選ばれたNPOには税金管理局から資金が送金され、代表者は資金の使い道と成果を報告する義務があるというものです。NPOのPRにはインターネットが利用されているようで、経済大国日本よりも余程進歩的だと思いました。デフレで庶民が苦しんでいる日本こそ、早く税金の無駄使いをやめるべきです。年間150億円をかけ続けても、一向に地震予知が進まない現状を早く打開するべきです。5万円の電磁波メーターを全国1000人の観測ボランティアに配布するのに、5000万円で済むのです。150億円の300分の一です。100円検知器なら10万円で済みます。現状は税金が水道管から大量に漏水するがごとくに、無駄に使用されています。

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2002/10/28(Mon) 12:18
石田 昭
星野教授の予言(?)通り 
T氏からPISCO上のプレート談義が送られてきました。

 すでにお読みかもしれませんがPISCOの掲示板です。ノリマン様の質問からの延長線上で「フィリピンプレートは海嶺から遠く離れていますが、どこから生まれてくるのでしょうか?」に対する答えです。(回答の詳細は省略します)

 「海嶺はもう死に絶えて活動していません。」・・が答えだとしますと、活発だと言われるフィリピンプレートのエネルギー源は何かと聞きたい所ですが、これだけ専門用語の塊のような回答では、明確に理解すら出来ません。ノリマン様への回答もそうでしたが、専門家との議論では専門の方が謙虚に門戸を開いて頂きませんと、結果的には、もっと勉強して出直せ、と言われてしまっては、互いに何も得る物は無くなります。

以上にたいして、次のようなご返事を差し上げました。

 メールありがとうございました。星野先生の予言(?)のように、辻褄の合わない話になってきていますね。

「多分、これからはもっと沢山、プレート説では説明出来ないことが指摘されることであろう。そして、プレート論者は、それはこれこれこういうことである、というにちがいない。しかしそのえは、しだいに辻つまの合わないものになるであろう、と私は思っている。」・・・・。新しい酒は新らしい皮袋に入れないと、くさってしまうんでしょう。議論しても徒労に終わりそうです。

 返事のメールは以上です。こうした地球科学の専門家たちで構成されている既成の組織のなすことが、トフラー氏が述べる「彼らの決定の質はますます悪くなっていくのです。もっともっと多くの情報を取り扱い、もっと迅速に、もっと思慮深く、もっと複雑な決定をする必要がありますが、今後これらの機関にはそれを求めることは酷でしょう。」・・という姿になっていくことは明らかでしょう。[205]参照

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