前日に戻る
281
282
2002/12/06(Fri) 06:32
石田 昭
ANS体制での地震発生検知
ANS観測網体制下における大地震発生までのプロセスを予想してみました。データがそろっていない段階ですので、数値的なものは今後変わってくるでしょうが、一つの参考としてみてください。観測点数が「報告無し」を含めても、まだ数十っ箇所という段階では、夢みたいな話かもしれませんが、地震発生までにたどる観測報告の推移、それから判定できる地震の規模、震源、発生日時などに関して考察します。多くのガウスメーターが期待できない場合でも、コンパス観測だけで、おおよその判定が出来る可能性が見えてきます。

まず、観測点で検知できる地震規模についてですが、[280]の「 検知可能な地震に関する一考察」に示した限界式 M=2.4logL+0.8よりも、ANS体制は感度が鈍いものと想定します。KAZU情報から考えて。M6.2地震ではL=100kmを条件に入れますと、限界式はM=2.4logL+1.4となります。

さて、大地震発生までに推移するプロセスですが、

第一段階:震源付近にまず、赤点(異常ありという報告のこと)が発生します。震源が海域の場合には、少し遅れて一番近い陸域に赤点が現れます。

第二段階:赤点の範囲が地震規模に応じて広がっていきます。最大に広がって、止まった時のおおよその直径から地震規模が判定できます。たとえば、直径20kmならば、M3.8でそれほど心配はいりません。直径200kmであれば、M6.2です。東海地震で想定されているM8巨大地震ならば、直径1120km 、 M7地震で、直径420kmといった具合です。地震規模に応じて、広がりが停止するまでの時間も長くなるでしょう。

第三段階:赤点がしだいに減っていきます。減少に向かっているどこかの時点で、地震の発生につながるでしょう。あるいは、全て消滅してからかもしれません。

第四段階:地震の発生が無ければ、地殻が破壊に耐えてくれて、熱解離が収束に向かったということです。地震発生があれば、次の余震に向けて、規模の小さな同様のプロセスが、繰り返されるでしょう。 震源は勿論赤点が描く円の中心部です。赤点が蜜にあれば、震源が海域にあってもある程度は予測できるでしょう。発生日時は消滅が始まってから、消滅するまでと、消滅してから数日の間でしょう。それくらいの警戒ならば、毎日「明日起こっても不思議ではない」と言われながら暮らすよりはましでしょう。

コンパスの変移角度の数値情報があれば、その数値からコンターラインを引いて、震源予測に役立てることも可能だと思います。それにはとにかくたくさんの方の、観測ボランティアが必要です。月刊雑誌「地上」2月号にて紹介していただけるということですが、その読者の方がたくさん参加してくださることを願っています。・・・事務局は大変な作業量になると思いますが。

283
2002/12/07(Sat) 19:27
ノリマン
波動論に矛盾する地震の屈折波
大変に著名な科学者が書かれた地震に関する書物のなかで、モホロビッチ不連続面を紹介するくだりに、次のような文章がありました。

「地震波の屈折波は、光などの場合の屈折波とは少し違ったものである。むしろ光などの場合の全反射に似た波である。しかし、地震学ではふつうこのような波を屈折波とよんでいるので、以下でもそのようなよび方をしよう。」

と言う文章ですが、地震波も波動であるからには、波動論の基本から離れることは出来ないと思うのですが、他の教科書的書物を見ても、全て同じ説明になっています。これでは地震学は基本からおかしいということになりそうですが・・・。

284
2002/12/07(Sat) 21:01
石田 昭
今も地球内部を固体と考えている地震学者
ノリマン様  確かに、全反射する波を屈折波と呼ぶのはおかしいと思います。また、屈折波と呼ばれる波(その実全反射した波)が伝播速度の異なる二層の境界を伝播して、また突然地表に向かって、浮上してくるという説明図は間違っていると思います。しかし、結果論ですが、地震波は橄欖岩のさらに下にある熔融マントルとの境界で反射して浮上してきますので、モホロビッチの考えたことは、まったくの間違いではないことになります。何故モホロビッチがそうした波動論に矛盾する伝播経路を考たのか、ということですが、想像するに、モホ面と名付けられることになった境界面の下は固体マントルで占められているという、思い込み(現在も地震学者はそう思い込んでいますが)があったのだと思います。反射、浮上してくる機構が見えなかったからの苦肉の策、そのように考えざるを得なかったのではないかと思います。

 ただここに大きな問題があるのです。モホ面の下は固体マントルが占めていると言う間違った地球観は、その後も地震学、地球科学を迷路に引きずり込んだままなのです。地震波が地球の内部を伝播して、地球の裏側まで到達する(P波の一部は届きますが)と言う間違った理論が出来上がってしまい、未だにほとんどの研究者がそれを信じています。詳しい説明は図面がないとできませんので、そのうちにニューオフィスにて、行うことにいたします。モホ面の下には橄欖岩の層があって、その下、つまり地球内部は熔融マントルなのです。

285
2002/12/08(Sun) 09:02
石田 昭
烏合の集団、哀れむべき集団
タイトルは坂柳義巳先生の「地震は予知できる」の随想5にある文章です。測地学的地震研究は今を盛りと繁盛して、GPSが御前崎の隆起・沈降を報告するたびに、色めきだっています。その矛盾にあきれ返っておられる様子がよくわかります。

テーマ:地震予知は出来ないと言う、その源流はどこに在るか

(略)(研究環境を整える政治の姿勢を問う言葉に対して)ではこの何処に問題点があるのか。それは今地震学者が行っている測地学的観測で地震現象を完全に捕らえることが出来ると思っていることである。そのため金が欲しい、人も欲しいと言っている。しかし、今行っている観測は地震学の一部であって、地震予知はその圏外にあるかもしれないと言う反省が無いことである。この傲慢無知が30年も研究しても地震予知は難しい、出来ないと言う原因になっていると思う。(中略)

今なお測地学的方法が短期地震予知に関係あると信じている地震予知肯定派のいることを残念であるとともに悲しく思うものである。しかし、地震予知否定派もどうすべきかを示さないで、防災につとむべきであると言うのみでは無力である。
そこでこの本を書いたのである。今までと違った視点から地震予知をみてもらいたいものである。(中略)

これからも同じような測定をしてデータの蓄積が必要で、その中に何か見つかるであろうと思うことが地震予知肯定派であるとするならば、これは烏合の集団である。今まで熱心に研究して来た、それでも出口が見つからないとするならば、ここらで徹底的な反省を加えるのが学問の正道である。(中略)

私は短期地震予知は出来ると思う。その意味では地震予知肯定派である。しかし、その原理は今までの方法とは根本的に異なった考えに立つものであり、今までの方法では地震予知は出来ないと言う狭義の地震予知否定派でもある。

地震学者は測地学的観測から地震予知の糸口を見つけたいと思っているであろう。しかし、それは遠い昔の先輩の夢で、それが不可能に近いことは30年の歴史の示すところである。その夢をいまなお追っているとするならば、それは哀れむべき集団である。ここらで従来の考えを捨ててもっと広い地震学を開拓し、そこに立って謙虚に地震予知を考えるべきである。

以上です。地盤の隆起や沈降を観測すると言う測地学的地震研究が無意味であるということは、固い岩盤の歪など測定値に乗らないと言う物理学者の認識です。 何時まで続くこの悲しみは・・・。という先生の愁嘆が聞こえてまいります。なお先生の提案される地震予知法の原理は、安心センサー3号と同じものであります。

286
2002/12/10(Tue) 15:39
石田 昭
明瞭に前兆を示すラドン濃度
T氏からの情報です。
石田先生  こんなにも明確な前兆データが有った事が判りました。エリキンさんの硬度変化との類似性もりそうです。http://www.eqchem.s.u-tokyo.ac.jp/member/iga/research/kobe.html

東京大学大学院理学系研究科附属地殻化学実験施設の助教授の五十嵐丈二先生の研究ですが、その一部を紹介します。

「兵庫県南部地震前の西宮市における地下水中ラドン濃度変動」

地震で装置の1部が破損したため地震直後のデータを取ることはできなかったが、地震直前の1月17日午前5時までのデータはフロッピーディスクに保存されていた。深井戸のラドン濃度は1995年に入っても増加し続け、1月8日に平常値の 10倍以上という最高値に達していた。約3日間高いレベルを保った後ラドン濃度は急速に減少し、1月16日の夕方までにほぼ平常値に戻り、再び増加し始めたところで兵庫県南部地震が発生した。測定装置を修理して観測を再開したのは地震発生5日後の1月22日夕方であるが、この時は既にラドン濃度は平常値に戻っていた。

以上が抜粋ですが、図は上記のHPを開いてみてください。これほど明瞭に前兆がでているのなら、なぜその原因究明の方向で国家機関の研究が進められないのでしょうか。[285]で坂柳先生の愁嘆を紹介したところですが、なぜ「それは(測地的地震予知の手法は)遠い昔の先輩の夢で、それが不可能に近いことは30年の歴史の示すところである。その夢をいまなお追っているとするならば、それは哀れむべき集団である。ここらで従来の考えを捨ててもっと広い地震学を開拓し、そこに立って謙虚に地震予知を考えるべきである。」という先生の言葉が耳に入らないのでしょうか。五十嵐先生には頑張って欲しいと願いますが、観測に適した井戸はそれほど多くはないでしょうし、民間の素人集団では対応しかねます。それは国家財政の援助を得ている研究機関の使命でしょう。何せANSは研究費無しで地震予知に挑戦するわけですから、多くの参加者が無いと成功しません。知人にもご協力をお願いしていただきたいと思います。

287
2002/12/10(Tue) 20:09
石田 昭
ニューオフィスの出来ばえ
T氏が新しく始まったHPのニューオフィスが解かり易いと誉めてくださいました。抜粋して紹介します。

ニューオフィースが大変解り易く、御陰様で私にも石田理論の片鱗が少し見えて来ました。洗脳された身としましては、一つ一つ紐解いて頂きませんと先に進めないのが現状です。本屋にも図書館にも私の理解出来る範囲の物ではプレートテクトニクスに関する物以外ありません、ネット上でも、地向斜(最近の読書で知りました)の研究が垣間見られる程度(しかも一般向きで無いもの、又は反論の為の引用の断片)で地震と言えば板論となっています。 元々地震予知に関心があって、情報収集を始めた訳ですが、そういった意味では石田理論と出会わせて頂いて、現在の地震論の否定からのスタートとなりました。

・板論は地震の発生原因とは関連の無い理論である。

・活断層を調べても地震予知にはならない。(歴史的周期性は無い)

・歪は蓄積されない(周期的に見える要素が有るとすれば全く異なる原因に因る)

・造山活動は大陸移動とは関係ない

・現在言いわれているプレートそのものが存在しない

・トモグラフィーで地球の中は見えない

・コンピューターシュミレーションは想定された理論(研究者の思い込みで・・石田挿入)の再現で、現象そのものの再現ではない。

・発光現象、自然発火、大震災時の大火災等は、大深度から噴出す水素ガスが関係している。

どれ一つ取っても、地震の事を現在学んだ人には教義を根本から否定された事となり、目次を見ただけでトンデモナイとなってしまうかと思いますが、それゆえに一般読み物として出版し、多くの方に知って頂く事は如何でしょうか。例え解っていらしても地震専門家から言い出す事は、現状では有得ないと思います。

今になって解ってまいりましたが、石田先生のご著書は、文章が大変解りやすく、当初は平易に思われるのですが、板論を深く研究した人で無いと理解できない矛盾が説明してあります。私自身の事と成りますが、板論は多少知っている程度(それでも一般人より詳しい?)で読ませて頂き、今思えば板論の延長線上的な読み方をしていた様に思います。その後、地震関係の情報を集めるうちにやっと大きな違いに気が付いて来たと云うお粗末です。(一般向け読み物を出版しても)板論に洗脳された人は、始めから受け入れない(読もうとしない)かも知れませんが・・・。

お褒めいただきありがとうございました。

288
2002/12/10(Tue) 20:54
管理人
今度はがっかり
再度情報がT氏から届きました。ラドン濃度の研究者がやっぱり測地的予知法にしがみついている内容で、今度はがっかりでした。

『ようこそ私の部屋へ』と始まる五十嵐丈二東大助教授(41)のホームページ。『ゆっくり楽しんで下さい』と写真の筆者がにこやかに笑う。しかし「最近の研究」をクリックした途端、思わぬ記述が飛び込んでくる。『東海地震はいつ起こるのだろう。・・・ここでは単純な数理モデルを測地データの時間変動に適用することにより、東海地震が数年以内に起こる可能性があることを指摘する』  大学院理学系研究科で地殻化学実験施設所属の五十嵐助教授が、東海地震の研究成果を初めて公に発表したのは一九九九年秋の地震学会。英文のせいか報道されることもなかったが、中身は衝撃的だった。『結論を単純化すると東海地震の発生時期は2003・3±1・1年と予測される』。学者間でタブー視されていた日時を明示していた。

というものです。HPを開いてみたら、「測地データに現れたプレート境界の応力・・・」がありました。HTTP://WWW.EQCHEM.S.U-TOKYO.AC.JP/MEMBER/IGA/RESEARCH/TOKAI.HTML

[測地データに現れたプレート境界の応力臨界状態の兆候]

東海地震はいつ起こるのだろう。この問題は長年,日本の地震予知研究における最重要課題である。ここでは単純な数理モデルを測地データの時間変動に適用することにより、東海地震が数年以内に起こる可能性があることを指摘する。図1に、国土地理院の2ケ所の水準測量点の位置を示す。

図2は掛川に対する浜岡の相対的な標高の経年変化で、測量は1981年から年4回行なわれている(図では 1980年1月を基準にとって示す)。浜岡観測点は年間約0.48センチの割合で掛川に対してほぼ単調に沈降していることがわかる。しかしこの沈降は永久に続くとは考えられない。もしある日突然,急激な隆起に転ずる時が来るとしたら、これが東海地震の発生にほかならない。それはなんの前触れもなく起こるのだろうか。それとも事前に地震発生が近いことを知らせるシグナルが捕えられるのだろうか。

というものです。新しい分野へと進んでくださる若い研究者なのかと期待したのですが、坂柳流に言えば、[285]のタイトルの言葉に入ってしまうようで、がっかりしました。予測が外れたらどうするのでしょうか・・・。

289
2002/12/12(Thu) 10:26
管理人
一つのアンチテーゼ

S氏の観測報告の中に次のコメントがありました。

昨日全く見かけなかったハトが少しずつ戻ってきました(1/4程度)。インターネット上の、地震予知に取り組まれている方の掲示版では各地から地震関連と思われる宏観現象のレポートが数多く掲載されています。私達は手元のコンパスで強烈な地電流異常は検出できるはずなので、日々巨大地震におびえることなく暮らせます!

これは、ANSの目的とするところの一つの機能です。「明日起きてもおかしくない巨大地震!」と言い続ける地震学者、それにのるマスコミへのアンチテーゼでもあります。

290
2002/12/14(Sat) 10:59
ノリマン
津波の知識も大切

ニューオフィスは写真や図が入って大変理解しやすくなっています。地球科学の進歩と言っているものの中には、海洋地殻の誤解から、とんでもない妖怪のようなものが生み出されているのを感じます。

 ところでご専門とされていた津波関係の知見が少ないように思いますが、日本の場合地震といえばすぐに津波被害が想定されます。津波に関しても、誤解があるようならばニューオフィスにてご教示ください。

前ページへ戻る  次へ進む

索引へ戻る