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331
2003/01/22(Wed) 09:00
石田 昭
Re[330]地軸逆転論
とりまき様
私は地震学を専攻したことがありませんので、たくさんの知見をご教授いただきありがとうございました。今回のご指摘をじっくりと勉強してみます。ただ、工学の世界に長くおりましたので、実用性という視点に意識が向いております。地震学の実用性とは「不安解消」「人命損失の軽減」だと思います。「科学の方法」による推進は理想ですが、今は「未科学」であっても、「実」が上がるのなら「未科学」でも採用したいと思っています。グアテマラ地震のときにマヤの酋長が住民を避難させて人命を守った話がありますが、酋長の経験知に基づく判断は「未科学」を使った生産性の高い行為であると思います。

1、プレート論によるAとBの解説は聞いておりますが、Cについての解説をご教示いただければ幸甚です。プレートの昇降運動はどのようなメカニズムで起こるという説明なのでしょうか。よろしくお願いします。

2、これからじっくりと勉強させていただきます。

3、マントルに剛性があることが信じられない民間研究者として、それではどこを通るのだろうと推理した仮説です。これから衆知を集めて検討します。ただ、私は現在生のデータを扱える環境におりませんので、時間を要するかと思います。ニュートン誌は民間人には影響力のある雑誌ですので、そこからの情報で論を進めることは、民間研究者としては妥当ではないかと思います。民間研究者の限界をご理解ください。

4、言葉が過ぎたかもしれませんが、「知っていて、無視したとすれば」と言う前書きを入れたように思いますが・・。

今世間では東海、東南海、南海の地震発生が心配されています。市民としては、身の安全を確保する情報に飢えております。大地震がくるまでは如何に「安心感」を与え、大地震の時には如何に「人命損失の軽減」がなされたか、そのコンペティションが開始されたのかもしれません。コンペに敗北しないように頑張ります。ありがとうございました。

332
2003/01/22(Wed) 14:14
石田 昭
ご教示を
とりまき様  プレート論を奥まで学んでいるわけではありませんので、以下の点についてプレート論の解釈をご教示いただければ幸甚です。

1、[331]に述べた、プレートの昇降のメカニズムはどのようなものでしょうか。どのような力が働くのかを教えてください。

2、プレート論では、深発地震の発生はどのように説明するのでしょうか。最深部でも弾性反発なのでしょうか。

3、深発地震面が途切れる場所が、ペルー、ニューへブリデスに存在します。途切れる理由はどのような説明になっているのでしょうか。

4、マリアナでは深発地震面が垂直に潜っていますが、ここでの地震原因も弾性反発で説明するのでしょうか。

5、南極大陸で恐竜の化石が発見されていますが、これはどのような説明になるのでしょうか。

6、一つのプレート(たとえば太平洋プレート)なのに、境界部での潜り込む方向が異なっているのはどのように解釈するのでしょうか。

以上日ごろ疑問に思っている件ですが、ご教示いただければ幸甚です。

333
2003/01/22(Wed) 19:10
とりまき
Re:[332] ご教示を
プレートテクトニクス論の評価について予め述べておかなければなりません。ご存知のように、プレートテクトニクス自体は地球の比較的表層での現象を説明する現象論に過ぎません。地球全体の「運動」を統一的に説明する本質論があるとして、当然ながらそれは、地球が「自然に」死に至るプロセスとしてのエネルギーモデルでなければならない訳です。そうした本質論を志向して生まれたのがプリュームテクトニクス論です。この理論は生まれて10年そこそこの荒削りな理論ですが、プレート論を否定するものではなく、その延長上に位置付けられる発展形としての理論です。簡単に言うと、ホットスポットの成因やプレート運動の原動力や地球史の上で起こった大陸の離合集散(ウイルソンサイクル)の規則性などを統一的に説明しようとするものです。従って、なんでもかんでもプレート論だけで説明できる訳ではありません。プレート論とプリューム論の関係を解説しているサイトを捜しましたが、下記の「地学」の中の「地球のお話」のコーナが良くまとまっていると思います。
http://ao_zatsu2.tripod.co.jp/write_flame.htm
テキストだけで図がありませんが、「第八話」以降で結構ですので、ぜひ御一読をお薦めします。

1.アンデスやヒマラヤの地層がプレート境界にあって強い応力を受け著しく褶曲したり変成岩になっていたりするのに比べて、グランドキャニオンは大陸内部にあって、殆ど水平な地層から成り対照的です。こうしたものが形成される為には大陸自体の大規模な昇降運動が起こったか、凡世界的で大規模な(数百m以上もの)海水準変動が起こったかのどちらかでなければなりません。実際には両方が起こった事が分かっています。このプロセスはプレート論とプリューム論を結びつける格好の話題としてしばしば取り上げられますが、それを理解するにはかなりの予備知識が必用です。キーワードは「テクトスフェアー」、「660(670)km不連続面」、「メガリス」、「相転移」、「コールドプリューム」、「ウイルソンサイクル」でしょうか。誤解が生じないように手短に解説するのは無理だと思いますので、上記「地球のお話」を参考になさって下さい。

2.火山性地震以外の全ての地震は岩盤の弾性的性質による反発力に由来しています。岩盤に蓄積された歪に地震の原因を求める限り、弾性歪のみが開放可能だからです。しかし、「弾性反発説」というのは特に海溝型地震の説明として登場した用語ですので、これを用いると誤解が生じるかもしれません。なお、深発地震とは直接関係がありませんが、Webサイトでも公開されている国土地理院のGPS観測網による地震前後の地殻の変移ベクトルデータを比べると、地殻に蓄えられた歪が断層沿いに開放される様子が良くわかります(下記)

http://www.gsi.go.jp/CRUST/index.html

3.私はペルー、ニューヘブリデスの個別的な事象を知りませんので、一般論として聞いて下さい。A:マントルへ沈み込んで垂れ下がっているプレートは、垂れ下がり部分が長くなると張力が増し、途中で切れてしまうことがある(金森サイクル)。 B:沈み込み境界のある深さでは沈み込んだ深海粘土などがさかんに脱水反応を起こしている(その深さは鉱物種によって異なり、数十キロ〜二百キロ程度の範囲内)。そのような場所では断層面の固着力が弱く、非震性のすべりを起こす事がある。今思いつくのは以上の2つです。

4.2と同様に、火山性地震以外の地震は全てそうです。ちなみに、太平洋プレートのマリアナ海溝に沈み込んでいる部分は古くて厚くて冷たいので、密度が大きいために自ら沈み込む力が強く、真っ直ぐ垂れ下がるように沈み込んでいます(上田・金森のマリアナ型とチリ型)。

5.古生物学者の説明については門外漢で知りません。Webで「南極 恐竜」で検索すると沢山の解説があります。「発見場所はこの時期に南緯六〇〜七〇度付近にあり、現在の米・ワシントン州の気候に近かったらしい」、「驚くほど環境に適用していた」などの記述が見られます。

6.地球は丸いので全てのプレートの運動は回転運動として記述されます。その回転の軸と地球表面との交点をオイラー極と言います。メルカトル図法上でプレートの運動を示すと、一見不思議な矢印として示されることがありますが、地球儀の上でオイラー極を中心に回転させてみると納得されます。なお、一般向けの解説書などで、単に沈み込み境界での相対的な運動を示すために境界に直行した矢印を描いているだけのものがあるので注意を要します。プレートの運動がどのようにして求められたのかについては下記サイトなど参考になさって下さいhttp://www.gaia.h.kyoto-u.ac.jp/~ishikawa/Lecture/EE/EE03.pdf

334
2003/01/22(Wed) 19:23
とりまき
Re:[331] ついでに失礼します
>言葉が過ぎたかもしれませんが、「知っていて、無視したとすれば」と言う前書きを入れたように思いますが・・。

「知っていて」とは,何を知っていてという意味でしょうか?「無視」とは,何を無視してといういう事でしょうか?
大変失礼ながら,先生のサイトのあちこちに,事実に基づかないだけでなく事実と矛盾する仮定から出発して,仮定に仮定をかさねたあげく,それを無視したという理由で「詐欺」だとか「功名心がなせる業」との物言いで,まじめにデータを出しながら研究している者を愚弄するような表現が散見されます.どうかご一考下さい.

335
2003/01/22(Wed) 22:29
石田 昭
Re[333][334]
とりまき様 ご教示とご忠告ありがとうございました。言葉には気を付けさせていただきます。これからご指摘の箇所を勉強させていただきます。取り急ぎ御礼申し上げます。
336
2003/01/23(Thu) 10:34
管理人
メーター紹介
新入会のMさんより、コンパスとともにトルフィールドメーターで電磁波観測
開始しました。
といただき、メーターの紹介がありました。http://www.ureruzo.com/tri.htm#siyou

デジタル表示ではないですが、3軸型で27800円です。

337
2003/01/23(Thu)12:58
管理人
電磁波メーターの情報
以前[157]で紹介した情報
http://www.gsn.jp/meter_r.htm
よりもMさんの情報
http://www.ureruzo.com/denji-sentaku.htm
のほうが4080型でもトリフィールドメーターでも安価なようです。
338
2003/01/25(Sat) 08:24
管理人
電磁波メーター新情報
T氏より電磁波メーターの情報
石田先生 このHPに紹介の(ここでは在庫切れ)電磁波センサーを本日入手致しました。簡単な物で、電池すら必要有りません、家電品では、電子レンジで僅か針が動く程度ですが携帯電話が掛かりますと、MAXまで針が跳ねあがります。私の購入価格は、消費税別の1,080円でした。

大阪の旭電機化成(株)のスマイルキッズ(MADE IN TAIWAN)

http://www.osamanoidea.com/member/back/gogoking/014.htm#

この程度の感度で広域常時観察した方が、不安感も少なく,雑音も拾い難い様に思います。デジタル表示の時計(腕時計)も昨日100均で二個入手し、観察を始めましたが針の有るタイプと比較して、秒単位の観察は容易で精度も良いと思います。コンパスで携帯起動時を調べて見ましたが特に動きは有りませんでした。携帯内の永久磁石による針の動きは有りますが。

339
2003/01/25(Sat) 15:27
石田 昭
コンパス無料進呈中
ANS観測網は観測点の蜜なる配置なくしては効力を発揮できません。そこで、観測網整備の一環として、会員不在中の地域から申し込みの方で、希望される方には、「針のぶれないオイル入り」コンパスを進呈しております。各地域先着2名の方に進呈しておりますので、お早めに入会申し込みをお願いします。詳細はANS趣旨説明欄の下に載せてあります。地方では100円コンパスの入手も困難かと思いますので、お申し出ください。
340
2003/01/26(Sun) 06:55
管理人
ANSは社会の精神安定剤
「東海地震域の真上で生活している」というKさんより紹介するようなメールをいただきました。地震におびえる社会状況のなかで、安心感を抱いて生活することの大切さを、あらためて感じさせていただきました。社会における精神安定剤のような働きをするのでしょう。会員不在地区がなくなるようにがんばりたいものです。

石田先生 ここに来て随分地震が切迫しているような報告が目立つようになりました。TVの影響でしょうか。災害大国日本です。いつ起きてもおかしくない状況であるからこそ冷静な対応と状況報告が必要なのだと思います。

コンパスを置いてどの位経つでしょうか。これ迄の所全く異常は見受けられません。本日も烏はいつも通り、集団で山に帰って行きました。(最近、何となく烏に親近感を覚えるのはどうしてでしょうか。)

これまで報告は致しませんでしたが、毎日、コンパスチェックは致しております。東海地震域の真上で生活している訳ですから、震災級の地震が発生する前には必ず何らかの変化があるものと信じております。穏やかで平穏な日々の続くことを願いつつ、これからもコンパスチェックを続けて参るつもりです。先生の活動がますます広がりますよう・・・。寒さ厳しき折、くれぐれもお体ご自愛くださいませ。 

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