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881
2004/11/09(Tue) 18:50
パトロス
深発地震の危惧
先ほどまで深発地震に関する銀次狼氏の投稿記事がありましたが、投稿者による削除で消えてしまいました。しかし同様の話題が銀色狼という名前で別の地震サイトにありましたので、紹介します。「深発地震の危惧」というタイトルで7日の書き込みでした。

最近、日本近傍における深発地震が多発しているようです(今日もオホーツク海であったようですし)。プレート理論仮説では深さ300kmを越える地震は滑り込みや摩擦が起きないため、その発生メカニズムを説明できません。

 では、どう考えたらよいでしょうか。マントル熔融いう仮説があります。高温高圧下で岩石成分と水が溶融しているマントルが、部分的に、マントル周囲の圧力の低下現象があって急激に水を解離し、爆発現象を起こしてしまい、これが深発地震の原因だというものです。

 さて、高温高圧下では本当に水とマントルは熔融しているのでしょうか。私達の常識では高温高圧の状況下にはマントルに水など無い事になっています。下に東大地震研究所の1998年の研究結果があります。それをよく読むと「高圧になるに連れて、水は大量の岩石成分を含むことが出来る」と実験結果に書いてあります。つまり、岩石が水を含んでいるわけではなく、水が岩石成分を大量に含んでいるわけです。ところが、高圧という条件が無くなると水は岩石成分を含んでいられなくなり、急激に解離し、爆発現象を起こしてしまうのではないでしょうか。マントル熔融論も所詮は仮説ですが、私自身は納得のいく仮説です。

 ちなみに東大の地震学では自らこのようなマントル熔融論を支えるような実験結果を出していながら、「マントル固体説とプレート水平移動論」を曲げないようです。私は地震学よりも人間の思考回路の方が複雑で難しいのだなと感じています。
 表題は「深発地震の危惧」と書きましたが、深発地震が多くなるようであればもっと大規模で深刻な問題があります。私はこちらの方が地震などよりも心配です。
東京大学地震研究所の1998年の研究結果から(参考までに) http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/KANEOKA-LAB/topics/highpre3.html
以上がその記事です。ANSのマントル熔融論を納得のいく仮説であると見てくださっています。「岩石が水を含んでいるわけではなく、水が岩石成分を大量に含んでいるわけです。」と言う表現は面白いですね。子供の歌に「長靴履いた猫だって、猫が履いてる長靴だって、どうでも良いけどワッハッハ」というのがあったのを覚えています。水を含んだマントル物質か、マントル物質を含んだ水なのか、どっちでも良いですけどマントルは熔融しているわけです。

ご心配されているのは地球内部で大きな減圧現象が起こった時のことでしょう。それが海域で起これば大変なことになります。クラカトア島の大爆発では地球内部に大量の海水が吸い込まれましたが、内部で何らかの原因で空隙が発生し、減圧現象が生じたのだと思います。また小惑星程度の大隕石が落下して地殻を破壊するようなことがあれば地球は大爆発で木っ端微塵になるでしょうね。しかし、群発的でない通常の深発地震ならばそれはマントル対流の自然の姿であって、それほど心配しなくても良いと思います。

「マントル熔融論を支えるような実験結果を出していながら、「マントル固体説とプレート水平移動論」を曲げないようです。私は地震学よりも人間の思考回路の方が複雑で難しいのだなと感じています。」

これも面白い表現ですが大変な皮肉ですね、複雑な思考回路という迷宮から抜け出るには、昭和初期の石本理論までバックすれば良い、と私は思っているのですが・・・。その場合アリアドーネの糸に当たるのが地震爆発論ではないでしょうか。

882
2004/11/09(Tue) 19:55
パトロス
深発地震の危惧2
銀色狼氏は同じサイトで「深発地震の危惧2」と言うタイトルでなぜ深発地震の頻発が心配なのかを次のように述べておられます。
 深発地震の深刻さは日本近郊の下から突き上げる圧力(マグマ内圧力)が地球全体から見て相対的に低下しているということを想像させるからです。
 地球の内部からの圧力と熱量(この場合重要なのは圧力ですが)はまったく均等ではありません。圧力と熱量の高い所はスーパープリューム(プルーム)と呼ばれています。東京工業大学地球物理学教授丸山先生達が科学技術庁の予算で十分な研究をされていました。http://61.193.204.197/html/20007A08009.htm

丸山教授は地球内部が均等でないという事を証明し、今では高校の教科書にも図入りで載っています。http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/rika-b/images/inner_techtonics/plume_techtonics_l.png
理科総合Bのリンク
http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/rika-b/default.htm
以上がその記事の抜粋ですが、本当に深発地震が多くなっているとしても、「マグマ内圧力が地球全体から見て相対的に低下している」とみるのか、「マントル対流が激しくなっている」と見るのかで差が出てきます。私は後者の見方をしたいと思います。マグマ内圧力が相対的に低下するという原因が思い当たらないからです。熔融マントルの対流は人間で言えば血液の流れみたいなもので、風邪を引いて熱がでれば血液は早く流れます。これと同じで、地球は南米沖の海底などから熱放出が激しくなっていますが、これに応じてマントル対流がスピードアップすることはあり得るだろうと思うからです。

スーパープリュームの件はどのような手法でその存在が認知されているのか知りませんが、地球トモグラフィーから導き出されているのなら、トモグラフィーを地球に適用すること自体に問題があると思っています。地球トモグラフィーは地球内部が固体であるという前提で、地震波の到着時間から最適解を求めるというインバージョン法で解析されているはずであり、そこに大問題・矛盾点があると思っているからです。詳しくは次のニューオフィスを参照してください。

http://www.ailab7.com/tomogura.html

883
2004/11/10(Wed) 00:33
銀次狼
Re:[882] 深発地震の危惧2
 先生がご指摘のように、銀次狼と銀色狼は同一人物ですが、マルチ投稿は良くないと考えあえて削除させていただきました。先生のところに投稿するときはもう少し話を整理した方が良かったと考えています。
 >「マグマ内圧力が地球全体から見て相対的に低下している」とみるのか、「マントル対流が激しくなっている」と見るのかで差が出てきます。
 確かに、先生ご指摘のように「マグマ内圧力が地球全体から見て相対的に低下している」原因は思いつきませんでした。ただ、近年の地球的規模の変化に危惧を抱き仮説に想像力を働かせて考えた結果でした。ある意味、要らぬ心配、それとも妄想だったかもしれません。反省しております。
884
2004/11/10(Wed) 00:56
パトロス
反省無用
反省なんてしないでくださいネ。自由な発想を大切にお願いします。こちらこそ無断で勝手に記事を拝借し、お許しください、失礼しました。時々、記事を削除されているようですが、その必要は無いと思うのですが・・・。自由に書き込んでいただいて結構ですよ。書き込みが少ないので、もっと多くなることを望んでいるんです・・・。
885
2004/11/11(Thu) 13:26
銀次狼
震源断層の動き、個別に特定できず
 これは調査の結果活断層は動いていなかったという事ではないでしょうか?それとも動いた断層はなかったが、地震は活断層によって起きたと言っているとすれば理解不能ですね。活断層が動くことによって地震が起きるならば、今回の中越地震は存在しなかった事になります。はたして、中越地震は幻の地震だったのでしょうか?

(以下、読売新聞ニュースより抜粋)
 政府の地震調査委員会(津村建四朗委員長)は10日、新潟県中越地震の震源となった断層について、同県旧広神村(魚沼市)にある小平尾(おびろう)断層を含む六日町断層の北部が活動した可能性を示しながらも、「地表まで動いた跡が表れている断層は確認されておらず、個別の断層の動きは現段階では特定できない」との見解を示した。

886
2004/11/11(Thu) 17:19
パトロス
Re:[885] 震源断層の動き、個別に特定できず
昔竹下さんが「言語明瞭、意味不明」と揶揄されましたが、今の地震学者にも共通するようなものがありますよね。断層が動いた可能性は否定できないが、特定は出来ない・・・と言うのでは証拠はないけど犯人である可能性は否定できない、といっているようなもので、科学における冤罪事件みたいなものです。真犯人は解離ガスなのに、地震の結果として後から出来る断層が犯人にでっちあげられています。
887
2004/11/12(Fri) 21:31
銀次狼
日本でのVAN法は有効でしょうか?
 バトロス様レスありがとうございます。勉強になります。
 さて、VAN法は研究の中心となったVarotsos,Alexopouls,Nomicosの3名の研究者の頭文字から名付けられました。観測方法はいたって単純で、地面に2つの電極を埋め、その電極間の電圧を測定することにより、その変化から前兆を見つけだそうという方法です。
 VAN法はギリシャで盛んです。1993年にはVANグループの予知を受け、ギリシャのピルゴス市は警戒宣言を発令し、住民は避難させました。この予知は成功したので以降VAN法の評価はより高まり、ギリシャ政府は公式にVAN法を地震予知法として認めました。
 日本では東海大学あたりが地電流観測を行っているようですが、否定的な学者も多く実際のところ有効でしょうか。<br> ちなみ最近のデータでは東海地区の異常を感知しているようですが、「太陽フレアによる磁気嵐の影響」とも言われています。確かに11月6,7日より相次いでM9.0、X2.0クラスの太陽フレアが起こり11月8日より磁気嵐を繰り返しています。

 ANS観測網の特に東海地方で異常は無いでしょうか?ちょっと気になったものですから。

888
2004/11/13(Sat) 11:00
パトロス
Re:[887] 日本でのVAN法は有効でしょうか?
銀次狼様 私は日本とギリシャとで大きな違いはないと思います。したがって日本でも、地電流の観測網を敷けば予知は出来ると思います。今は地震が起こってからの振動を計測する地震計が日本中を埋め尽くすように設置されていますが、地震が起きる前の現象を捉える計器を埋め尽くすように設置しなければ意味がないと思うのです。膨大なお金が地震計の設置のために使われていると思いますが、無駄なことのように思えます。

地電流観測は有効であると思いますが、地電流が発生する理屈はプレート論では説明できないことが多くて、プレート論に縛られている学者先生の理解が得られないのだと思います。ですから、一度プレート論を捨て去って地震に付随する現象を一番良く説明できる仮説を探す努力が要るのだと思います。

地電流は地震予知に有効だと思いますが、もっといいのは安価な水素濃度計を開発し、日本中を埋め尽くすように設置することだと思います。

889
2004/11/13(Sat) 11:04
うき
Re:[887] 日本でのVAN法は有効でしょうか?
銀次狼さん はじめましてこんにちわ。自分にとって興味のある内容なので横レスですみません。
地電流については、速報値は無い物の気象庁地磁気測候所の月別概要でも過去約2年分がデーターを見れます。グラフの下二項目の「EC-N,EC-E」がそれです。
地電流で地震が予知できるかどうかはコメントできませんが<br>最近の割と大きな地震と日時を照らし合わてみると興味ある内容だと思いますしご質問の答えが自然と判断できると思います。
気象庁地磁気観測所
http://www.kakioka-jma.go.jp/index_j.html
地球磁気・地電流  −月別概況−
http://www.kakioka-jma.go.jp/A/review/me/me_index.html
890
2004/11/13(Sat) 20:41
銀次狼
Re:[889] [887] 日本でのVAN法は有効でしょうか?
 バトロス様、うき様レスありがとうございます。
バトロス様へ、
>もっといいのは安価な水素濃度計を開発し、日本中を埋め尽くすように設置することだと思います。 水素濃度計の有効性は私には分かりませんが、先生の言わんとする事は、もっと「地震予知」出来る方向に日本の地震学者達は進むべきだということですね。そのためにはいろいろな方策を採ってみるべきだと。まったくそのとおりですね。民間で地震予知をしようという試みは非常に盛んになっています。大きく外れているものもあるでしょうが、有効なものもありそうです。

 今の地震学者たちの手法では永遠に予知できそうもありませんが、家庭の主婦が集まって地震予知できる時代来るような気がします。
うき様へ、
>最近の割と大きな地震と日時を照らし合わてみると興味ある内容だと思いますし、ご質問の答えが自然と判断できると思います。
 やはり、ある程度太陽フレアによる地磁気の影響はありそうです。このあたりの効果を判定するのは難しそうですね。ただ、地電流による地震予知も規模が大きくなれば可能性としては出来そうな気がしてきました。ありがとうございました。

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