新・地震学セミナーからの学び
34 定説地震学への疑問(2)
定説地震学への疑問を続けます。図−1、2は気象庁のHP
http://www.kishou.go.jp/know/whitep/2-1.html
にある、「地震の発生のしくみ」の解説図です。解説文を転載させていただきます。

「地球は中心の部分を除いて岩石で構成されていますが、内部に行くに従って温度が高くなっているため、非常に長い時間の物さしで見ると、動いています。

地震波は光のように反射・屈折する。震源から直接届く波(P)もあれば、核の表面で反射してから届く波(PCP)や核内に屈折して届く波(PKP)もあります。

図−1:地球の内部構造及び地震波の経路

(石田理論による地震波の伝播経路はニューオフィス8に載せてあります。)

 内部の高温の物質が海底の海嶺(海底の山脈など)で地球の表面にわき出し、厚さ数10km〜100kmの板状(プレートといいます)となり、1年間に数cmの速さで両側に広がっていきます。 これが海底を形づくっている「海のプレート」です。
 陸地を形づくっている陸のプレートと衝突すると海のプレートの方が密度が大きいため、陸のプレートの下に沈み込んでいきます。沈み込むところが海溝になります。

 地球の表面は、いくつかのプレートでおおわれており、それぞれのプレートの境目が、海嶺や海溝などに相当します。  海のプレートの沈み込みの地域(海溝沿いの地域)では巨大地震が起こります。

図ー2
疑問1: 岩石で構成されていますが、内部に行くに従って温度が高くなっている・・・とありますが、固体とされるマントルの下端ではニューオフィス13でも解説したように岩石は熔けてしまうのではないでしょうか。オフィスの解説を抜粋します。

2900kmという深部における温度は4000℃を超える高温になっています。このような高温下であっても、地震波を伝播させることが出来る固体が存在するのでしょうか。どのような物質であっても熔解してしまうのではないのかと思います。」

疑問2: 内部の高温の物質が海底の海嶺(海底の山脈など)で地球の表面にわき出し・・・とありますが、定説ではマグマの発生する場所はプレートの潜り込みによる摩擦熱で岩石が熔解して発生すると説明しています。湧き出してくるという高温の物質はどこで、どうやって発生するのでしょうか、固体のままで湧き出してくるのでしょうか。疑問1の内容にも関連しますが、マントルそのものが熔解しているのではないでしょうか。そうだとすれば地震学そのものを取り替えねばなりませんが・・・。

疑問3: 衝突すると海のプレートの方が密度が大きいため、陸のプレートの下に沈み込んでいきます。・・・とありますが固体同士では密度の違いにより浮いたり沈んだりはしないのではないでしょうか。アイソスタシーという概念もそうですが、固体力学の問題に静水力学の概念が誤用されているのではないでしょうか。