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531
2003/07/12(Sat) 22:00
パトロス
地震学会での直下型地震の定義
日本地震学会のホームページにあるFAQに「直下型地震」という項目が加わったと聞いたので、覗いて見ました。
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質問32
直下型地震とはどんな地震でしょうか?
回答32
地震学の学術用語に「直下型地震」 という 言葉はありません。この用語は、マスコミで使われるようになって、一般に 広まったものです。地震学において「直下型地震」の明確な定義はありませんが、内陸で発生する浅い地震で被害をもたらすものを「直下型地震」と呼ぶことが多いようです。この種の 地震では、地震の規模の割に被害が大きくなる傾向があります。すなわち、地震の発生メカニズムで はなく、地震の被害(震災)に重点をおいた用語です。最近では、 特に防災上の観点から、この言葉をあえて使う専門家も増えてきました。 「都市直下型地震」などという言葉もよく使われるようです。
(K)
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以上ですが、「マスコミ用語」であり、「地震の発生メカニズムで はなく、地震の被害(震災)に重点をおいた用語です。」とあります。矛盾を感じるのは、「内陸で発生する浅い地震で被害をもたらすものを「直下型地震」と呼ぶ」と言っているのに、「この種の 地震では、地震の規模の割に被害が大きくなる傾向があります。」と言う説明です。「大きくなる傾向のある地震を直下型と呼ぶ」といっているのですから、「この種の地震・・」以下は説明がダブっています。

石田理論では明確に、地震発生メカニズムと関連しているとして説明できます。解離ガスの爆発する方向が垂直に近いものが直下型です。爆発の方向が水平の場合には、都市の直下で起こった地震でも、直下型ではありません。被害も規模の割には大きくなりません。直下型地震は規模の小さな地震でも被害が大きくなって危険なものです。

地震専門家の議論や、地震学会での議論は直下型地震一つを取っても、曖昧模糊として分けの解らない議論になってしまうようです。

532
2003/07/13(Sun) 23:21
パトロス
地震学者は地震時体験を真面目に扱って欲しい
横浜の会員の方から、神奈川西部での地震前に小鳥の挙動が普段と違っていたと言う報告がありました。
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7月13日、横浜市旭区のコンパスに異常はありません。お知らせ致します。余談になるかとは思いますが、7月なっても「うぐいす」の鳴き声が、自宅でも、実家(横浜市緑区)、妹の家(横浜市緑区)でも聞こえます。妹は夜中に2,3度聞いたそうです。実家では昼間、ほぼ毎日位鳴くのが聞こえるそうです。鳥の生態に詳しいわけでもなく、素人考えに過ぎませんが、今ごろは山に近いところに戻っているはずなのでは?、山の方に帰りたくない理由があるのかしら、と3人で話して数日後、神奈川西部で群発がありました。(7月11日)母は25年以上緑区の今いるところに住んでいるのですが、7月になって「うぐいす」の鳴くのは記憶にないそうです。母の家は町田に隣接していますので多摩丘陵に近いといえます。丹沢も見えるところです。

だいぶ昔ですが、母によると伊豆で大きな地震があり、横浜も震度5くらいだった時、其の前に大砲のような音が何度も聞こえる事があったといっていました。長くなりましたが、前兆を捉える事が出来るようにすこし注意深く生活していこうと思っています。 

 これからも頑張ってください。
追伸 BBSに載せるのは構いませんが、鳥の生態には詳しくありませんのでご承知おきくださいませ。うぐいすは昨日の朝も鳴くのを聞きました。母も昨日も聞いたそうです。こんなに長くうぐいすの鳴き声を聞いた記憶がないと言っています。

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以上ですが、地震の前の動物の異常や、大砲のような音が聞こえたと言う話は、本当は地震学者が取り上げて、啓蒙していかなければいけないと思います。
ところが、現状では、学者が採用している定説地震論(弾性反発説、断層地震説、プレート説)で説明が付かないものですから、真面目に取り上げてくれません。ゴールド博士が嘆かれるように、「最初に自分たちが信ずる学説ありき」でスタートするものですから、現場の貴重な体験が風化していってしまうようで、困ったものです。

533
2003/07/14(Mon) 17:09
花咲
本当に振れました
コンパスを設置してから3ヶ月程経ちますが、西に4度程振れていたのでびっくりしました。
本当に動くんですね。ANSでは5度以上からを異常とみているということですが、
大丈夫でしょうか。
534
2003/07/14(Mon) 20:16
パトロス
サンフランシスコ地震から学ぶ(5)
サンフランシスコ地震から学ぶ5番目の項目は爆発音(雷鳴現象)です。世界中で、古代から、大地震では漏れなく聞こえているようです。[532]でも「伊豆で大きな地震があり、横浜も震度5くらいだった時、其の前に大砲のような音が何度も聞こえる事があった」と報告がありますが、小さな地震であっても、地鳴り、爆発、大砲の音、ジェット機が飛ぶような音、などなど、さまざまな報告があります。私はこの爆発音こそが、地震は地下における爆発現象なのだということを自然が教えてくれているものだと思っています。

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(5)爆発音(雷鳴現象)  アリツピ(一九一一)が引用した一九〇八年五月五日付のジョージ・マデイラ氏の手紙によれば、
「過去二年問にわたり、重砲の発射に酷似した爆発音が西および中央海岸山脈、とくに、マリン、ソノマ、メンドシノの三郡で間欠的に聞こえていた。サンフランシスコとソノマ郡のサンタ・ローザを壊滅させた一九〇六年四月十八日の大地震に先立ち、冬の間中、重い爆発音と轟音がマリン郡のタマルペーズ山の麓近くで聞こえた。それ以来、現在まできまった時間に聞こえている。」

地震後の爆発音は、余震に伴うものであることは疑いない。
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爆発音に関しては、既にこのセミナーでたくさん取り上げてあります。ライブラリーにも、No.3の唐山地震の記事がありますが、セミナーでは現在爆発音で検索すると12件、爆発で検索すると65件が該当します。

535
2003/07/14(Mon) 22:08
パトロス
Re:[533] 本当に振れました
> 西に4度程振れていたのでびっくりしました。
> 本当に動くんですね。 大丈夫でしょうか。
繰り返しのべておりますが、ご自分のコンパスが大きな異常を示したからと言って、直ぐ危険が迫っていると言うわけではありません。大地震ならば、広範囲にわたって同じような異常が報告されるはずです。そのために、観測網マップ上に赤点で異常報告をプロットしてあります。マップを見て異常報告の広がった範囲を確認してくださることをお願いいたします。大地震ならば少なくとも直径数百キロという広がりを見せると思っています。経験的にわかってきたことは、小さな地震でも、浅くて震源が近い場合には、結構コンパスが検知することがあるということです。仙台や福井の例では、地震発生に至らないで、解離ガスが硫化水素のような臭いのきついガスを同道して噴出し、異臭騒ぎで終わっているのではないかと思われるようなケースもあります。

またコンパスの磁針自体が磁石ですから、近くに鉄片を置いているだけでも反応することがありますから、要注意ですね。スプレー缶、文房具の金具などにも反応しますので、直ぐに異常が出たと早とちりしないようにしたいものです。

536
2003/07/14(Mon) 23:05
花咲
安心しました
ご丁寧に教えていただきありがとうございます。
会員用の観測マップを見て、近くに広がっていないのを確認できましたので、少し安心しました。
目の前のコンパスが振れて、初めて、観測者が増えることの意味と重要性を実感しました。変化があったら報告します。
537
2003/07/16(Wed) 08:32
パトロス
今頃になってそんなバカな!
[511]「 瓜生島沈降の確証 」で約束しました、21世紀地震アトラス「あした起きてもおかしくない大地震」という本が届きましたので、ニューオフィス12に補足3として別府湾中央断層の音波探知機に映った断層を紹介しておきました。

http://www.ailab7.com/uryuu.html
同じ本の他の部分を読んでいましたら「そんなバカな!住民の苦労はどうしてくれるのよ!」と言いたくなるようなタイトルが目に入りました。「東海地震は起こらない」という説が初めからあったと言うのです。そんなバカな!!ですよ、しかも「あした起きてもおかしくない大地震」と言うタイトルの本に載せるとは!まあ冷静になって記事を紹介しましょう。p.20のクローズアップ「最近の東海情勢」という題目がついている部分です(二年前の出版です)。

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「東海地震」は起こらない?
明日起こるかもしれないとされながら、4半世紀も起こらず、「『東海地震』は起こらない」説が、最近話題となっている。歴史上、東海地震と呼ばれる地震はいずれも、紀伊半島の先端である潮岬沖から駿河湾までの、広い震源域をもつ地震である。浜名湖より東の部分のみが壊れた地震は、これまで知られていない。このため、駿河湾を震源域とする「東海地震」説が唱えられた時から、その反論として、「東海地震」は起こらないとする説があった。

http://www.ailab7.com/jisinatras.html
図が示すように(3枚の図が載っていますが、余り明確な差のない図です。)
1707年の東海・南海地震、1854年の東海地震と南海地震、そして1944年の東南海地震と1946年の南海地震、これらの震源域はほぼ同じではあるが、細かく見ると、その端がどこまで伸びているかは微妙に違う。西端の足摺岬沖では、1707年の地震で12mもずれて大津波を起こしたが、その後2回の地震ではパス、すなわち、ほとんど壊れずに残ったらしい。もし「東海地震」が今後10年、20年と起こらなければ、1944年東南海地震の壊れ残り説では、説明が難しくなる。今回はパスし、次の新しいサイクルの地震として、潮岬沖まで、あるいは足摺岬沖までを壊す、巨大地震として起こる可能性が高くなるだろう。

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この本は東京大学地震研究所教授の著名な地震学者が監修・執筆している本(2001,7,10発行)なんです。この30年間の大騒動はなんだったのか、地震学者って一体何を考えているのか、と詰問したくなるような記事ではないでしょうか。私はやりきれない思いで、読まされました。

538
2003/07/16(Wed) 13:18
パトロス
サンフランシスコ地震から学ぶ(6)
サンフランシスコ地震からの学びの最後は地表面を伝わる波についてです。
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(6)目に見える地面の波  サンフランシスコ地震の際、海のうねりのようなゆっくりとした地表のうねリが見られたことが多数報告された。ローソンら(一九〇八)は、地名でいえばユーレカからビサリアまで、六〇〇キロメートル以上にわたる範囲から得られた二十件以上の報告をまとめた。そのなかで、地面の動きは大洋におけるうねりに似たものであったことを明言している。

これらの証言によれば、大地震は火山や泥火山からのガス噴出に酷似した激しい噴出現象を彷彿とさせるものである。空中音、火炎、大気の汚染などことごとく噴出現象と共通している。最も強烈な現象は地震時に発生するが、なかには前兆現象として起こるものもあり、これを大地の変形に由来する二次的な影響とみなすことはできない。

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大地を伝わる波に関してはミッチェルの研究が[445]に紹介してあります。「 一七五五年にリスボンを襲った大震災を契機にミッチェルは地震に関心を抱くようになった。・・・・ジャマイカ地震(一六八八)について、大地が海のように波打つのが見られ、この波は木々のこずえの動きによって数マイル離れたところからでも認められたことを彼は記録している。」とありますように、遠くから見ると海面のうねりを見ているような現象になるようです。

539
2003/07/17(Thu) 22:49
パトロス
始めは気体で終わりは液体
ニュートン誌1986JulyVol.6No.7を見ていたら、御嶽山の岩屑雪崩の話が載っていました。少し紹介します。
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1984年9月に御嶽山直下でおきた長野県西部地震では、たくさんの山くずれが発生した。このうち最も大規模な伝上川上流の山くずれは12キロメートル下流の王滝川に流れこみ、15人の犠牲者を出した。当時、専門家の間では泥流説と岩屑雪崩説とが対立した。王滝川の堆積物を調べてみると、流れ山も岩塊相も容易にみつけだすことができる。したがって岩屑雪崩である。ただし下流では水が加わって、泥流に移行している。

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岩屑雪崩と泥流の違いは水が含まれるか、含まれないかの差です。つまり流れの本体が気体(ガス体)なのか、液体なのかということです。磐梯山の泥流(と見られていたもの)も実は岩屑雪崩であったという話が次に載っています。

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磐梯山で1888年7月におきた噴火で小磐梯峰がくずれ落ちて山ろくの長瀬川峡谷を埋めた。この堆積物は泥流とよばれていたが、実際は岩屑流の特徴をもつ。

泥流とされているが実は岩屑雪崩であるケースはほかにも多数ある。
泥流も岩屑雪崩も、その運動エネルギーのもとは位置のエネルギーである。二つの現象にちがいが生じるのは、流れはじめから水が多く含まれるか少ないかの差によるらしいが、厳密に境界をひくのはむずかしい。どれほどの水があれば泥流の性質をもつのかはまだわからない。

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さて、先日群発的な地震が続く御岳山の田の原まで観測に行ってきました。長野県西部地震の当時話題になっていた西斜面の崩落場所と、崩落した岩屑が谷筋をオーバーフローして小山を乗り越えたといわれる場所も眺めてきました。その傷痕は、今もそこだけ樹木が生育せず、はっきりとわかるように残っていました。

ところで、流れ始めは水を含まない岩屑雪崩(粉体流)であるが、終わるころには水を含んだ泥流になるということは、不思議なことだと思います。

テレビで見ていた雲仙普賢岳の火砕流もそうでしたが、山腹を駆け下り始める時は明らかに岩屑雪崩(粉体流)の様相ですが、下流では泥流の様相を示していたと思います。岩屑雪崩や火砕流は明らかにガス体としての流れですが、その成分は一部高熱水蒸気もあるでしょうが、水蒸気になるまえの酸素と水素の混合気体(解離ガス)ではないのでしょうか。流れの後半で泥流になるというのは、解離ガスが地上で化学反応を終えて水蒸気になったから、それで泥流という液体の流れに変化したのではないのでしょうか。それならば、前半は気体の流れ、後半は液体の流れと言う不思議な現象が合理的に解釈できると思うのです。火砕流の流れた跡は木々が焼け落ちて無残な姿をさらしていましたが、不思議と水蒸気が立ち昇っていたのを覚えています。現在不思議な地下水湧出現象の騒ぎがありますが、長く群発地震が継続した松代地震では大量の地下水湧出が起こって、地滑り現象が発生しました。

地震学関係者、防災関係者は地震現象と水との関係を真剣に検討する必要があると思います。つまり、群発地震や火山性地震とはマグマ内部の解離水(解離ガス)が結合水に変換しているのだということをもっと真剣に勉強する必要があると言うことです。

540
2003/07/18(Fri) 10:51
ノリマン
神経麻痺症と神経過敏症
かつて、石田理論には厳しいコメントが登場し、びっくりさせられたPISCOの掲示板ですが、そこに仙台在住の方が「宮城県沖の本震がくるのではないかと最近戦々恐々です・・。」と言う書き込みがありました。

石田理論による見解の紹介として、「温泉枯渇といい、ガス漏出の疑いといい、仙台地区の地下では、何かが起きているのでしょうが、コンパス異常が広範囲に広がらなければ、大地震の心配はないとの見解のようです。今のところ観測網にそのような兆候は現れていないようですので大丈夫なのじゃないかとは思いますが、・・・」とコメントしておきました。しかし、明確な証拠、論拠がないと「大丈夫ですよ、安心していていいですよ・・」という言葉にも説得力がないと思います。

そこで、一度ANSのコンパス観測と磁石落下観測が有効である、ということが納得できるような地震時現象を、一覧表のような形で提示するといいのじゃないでしょうか。そうすれば戦々恐々状態が和らいで、ANS観測網への信頼性、安心感の醸成も前進するのではないでしょうか。

長期間の緊張感は困難です。緊迫感は大地震の直前だけで十分ですし、普通の人には緊張感はそんなに持続できるものではありません。四半世紀も「いつ来てもおかしくな・・・」と言われれば、大抵の人はおざなりの緊張感芝居でおわりますし、几帳面な人は戦々恐々感となります。神経麻痺症と神経過敏症はどちらも危急の際には被害を大きくする危険があると思います。

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