前日に戻る
521
2003/07/08(Tue) 18:13
パトロス
二酸化炭素も解離で発生する
旅の爺様 各種情報ありがとうございました。ご指摘いただいた
「 実際には断層上が(から?)噴出される断層ガスらしきものには水素の他に二酸化炭素の濃度にも変化が現れているのです。これらを水の解離反応と説明するにはやや無理があると思いますよ。」

についてですが、たしかに、断層を構成する岩盤が堆積岩の場合には炭酸ガスが採取され、堅固な基盤岩の場合には、水素ガスが採取されるようですね。名古屋大学の杉崎先生の論文から引用させていただきます。

---------------------------------------------------------------
断層から放出されるガス

地震という破壊現象に際して、最も明確に現れる破壊個所が断層である。従って断層に胚胎し、もしくはそこから放出されるガスは破壊現象と関係したものと考えることができよう。図一6(省略)に示すように断層面にビニールパイプを埋設し、そこからガスを採取することが断層ガスの調査として一般に行われている方法である。筆者およびその協力者は主に中部地方の活断層中のガスをこの方法で採集分析した結果、断層ガスの種類に関してつぎの特徴が判明した。

(1)断層から放出される特徴的なガスはC02とH2である。それらはいずれも断層破砕帯の中心部に集中している。
(2)C02は主に堆積岩、それも比較的若く、柔い段丘堆積物などに多く出現する。
(3)H2は主に堅牢な基盤岩、とくに花崗岩などの火成岩や変成岩中の断層に出現する。

以上のうちC02は夏期にピークがある季節変化を示すこと、その炭素同位体比が有機物のそれと類似していることなどの理由から、主にバクテリアの作用で生成したものであると結論された。それが断層中心部に集中してみられるのは、断層破砕帯では水や空気の流通が良いので、生化学的活動が促進されたためであろう。従って、基盤岩石から発生するH2が地震現象と関係していると考えることができる。

--------------------------------------------------
とあります。杉崎先生は炭酸ガスの発生を生物起源と結論されたようですが、わたしは、堆積岩地帯の地下水には炭酸カルシュウムが溶け込んでいて、水の解離反応と同時に炭酸カルシュウムの解離が起こって、二酸化炭素と酸化カルシュウムに解離したのではないかと考えています。つまり、二酸化炭素も、水素も熱解離現象によって発生したのであると考えているわけです。カメルーンのニオス湖地震で湖底から噴出した二酸化炭素は生物起源のものではなく、地震活動そのものによる噴出であったと考えています。炭酸ガス噴出によって羊や牛の家畜に被害が発生することは、セネカ時代から報告されていますが、カルスト台地における大地震の特徴なのではないでしょうか。

地中生物圏に関する知識はありませんので、わかりませんが、炭酸ガス、水素などの発生する場所は生物圏よりも深いのではないかと思っています。

「私は昔から、高層建築物が建て並ぶ現代社会の地表は高度文明社会に見えても、地中の奥深いところは原始地球そのものの姿であり、マグマそのものが冷え切らず冷え固まらないから地球は生きていると言って来ました。」に関しては私も同感です。マントル固体説に異を唱えている理由でもあります。マントル熔融論のほうが地球は生きているという実感がいたします。

「将来的には日本の大陸棚に大量に埋蔵されているメタンハイドレートから取り出したメタンと水との反応によって水素を作る計画が事実あります。」に関しては、メタンハイドレードに関する知識を持っておりませんのでよくわかりません。しかし大地震の時には、唐山地震の体験者談話にあるような大音響があるように、爆鳴気としても知られている酸素と水素の混合ガスの爆発であると考える方が納得しやすいと思っております。

「最近、1993年7月北海道南西沖地震が起きた時、奥尻島では津波が起き、大規模な火災が起こった。地震より2日後の新聞ではいくつかの証言として、火災は陸からではなく港の船から始まったという。」「黒い固まりにのって、火が陸上に迫ってきた」に関しては、貴重な情報ありがとうございました。このセミナーの[460]で紹介した伊勢湾内でのガス噴出現象に酷似しており大変興味深く拝見いたしました。

「「大火災での放水が火勢を強める理由」これは放水することにより火炎中に酸素を供給するからでしょう、これは高温によって高温水蒸気に水の解離反応が生じ、反応性に富むH、O、OHラジカルなどが生成されたのではなく、タダ単に消防放水によって建物が崩壊され空気の通り道が出来たからとの見方が有力です。」に関しては堀内道夫氏の見解とは相違する説もあるのだ、という理解をさせていただきました。

522
2003/07/08(Tue) 21:09
旅の爺
御返答に感謝します
早速の御返答ありがとうございます。
確かに断層ガスとして現れるCO2に関しては生物学的生化学活動が促進されても出現する傾向にあると私も思います。しかし、最近、懸念されている地球温暖化の元凶となるべきCO2濃度の上昇は生物学的生化学活動が促進されたものではなく、地中のメタンガスが大気中に放出された影響と考えられています。炭酸ガスの発生を生物起源ではなく、火山活動に起因するものと私は考えています。これは生物が誕生する前の地球ではCO2の元となるメタンの発生源は火山活動と海底熱水活動です。地震活動は地球誕生の間もないころから起こってますよ???生物が誕生する前からですよ。

これには様々な学説があり、杉崎先生の炭酸ガス説はメタンガスの発生を微生物の分解のみと考えた考え方です。しかし、メタンの発生には火成作用成因説もあるわれで、これが俗に言われるメタンハイドレートの生成となるものです。メタンハイドレートは海底堆積物中の微生物の分解によって生成されると言った説もあるが、私は「火成作用成因説」と言って、天然ガスの原料が地球内部に存在する無機物質であるという点では「地球深層天然ガス説」と同じであるが、原料はメタンではなく、マグマ中の二酸化炭素と考えるのである。特別な条件下での海底火山活動、そしてその後の特殊な地質条件によって,マグマに含まれていた二酸化炭素がメタンに変わるという考えである。つまり、マグマ中の水素の圧力が高くなると二酸化炭素は水素に酸素を奪われメタンや一酸化炭素に還元されるものであると考えられているからです。現在の地球の大気、および地表付近における元素の存在度から、大部分の炭素は地球内部に存在しなければならない。さらに、この深層メタンが地表へ放出する過程で、温室効果ガスであるメタンの大気中濃度は、過去40万年間に渡って大きく変化してきた。これが今、深刻な地球温暖化を招いている元凶と言う学説を私は支持しています。

そもそもメタン分子(CH4)は炭素原子1つに水素原子4つから構成されています。これが放出されると酸素と反応して、地球温暖化の元凶とされている二酸化炭素(CO2)が出来るからです。地球の歴史の中での気候変動にメタンハイドレートは大きな影響を及ぼしたと考えられています。メタンハイドレートはある温度と圧力の範囲において安定して存在すると言います。しかし、この範囲外では非常に不安定であるということです。これは火山活動によるマグマ供給異常により、この温度と圧力のバランスが崩れるとメタンハイドレートが融解しメタンを大放出する。メタンハイドレートの爆発的な融解によって大規模な海底地滑りや、これに伴う大津波などが発生するとすると私は考えるワケです。このようなメカニズムから、東海・東南海・南海巨大海溝型地震と言う発生のトリガーには必ず富士山のような巨大火山活動によるマグマ供給異常が必要と私は思うのです。

このような理由により、私は東海・東南海・南海巨大海溝型地震のトリガーとして富士山噴火先行説というものを支持しています。歴史的に見ると地震先行説が多いのですが…

>わたしは、堆積岩地帯の地下水には炭酸カルシュウムが溶け込んでいて、水の解離反応と同時に炭酸カルシュウムの解離が起こって、二酸化炭素と酸化カルシュウムに解離したのではないかと考えています。

その仮説はほぼ正解だと私は思います。電離であろうと解離であろうと電解質を含まない水はH2O→ H+ + OH-のように解離して、水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)を生成します。水の電離(解離)はほんの僅かで、25℃における水素イオンと水酸化物イオンの濃度の積、すなわち、イオン積(〔H+〕×〔OH-〕)が生成したイオンの量の極少量しかありません。したがって、適当な電解質を加えてイオンの数を増やしてやることが必要だと思います。そうすると石田理論の反応式に近い2H2O → O2 + 2H2 となって電離(解離)すると見れるわけです。つまり水の電気分解とは、溶存する電解質の電気分解であって、水は副次的に電気分解されているわけです。このことからも電解質として水の中で容易に電離する塩基性の物質が必ず必要となるはずです。

地殻の火成岩にはMg・Ca・Feが多く含まれている「かんらん石」や「玄武岩」からアルカリ金属とケイ素を多く含んだ流紋岩に至るまで幅広い組織変化が日本の地質には存在するわけで、当然ながら地下水にこれらの元素が多く含まれている(特に地震前兆では顕著に上昇)するならば水(電解質を含む間隙水)の解離反応はあるものと思います。

石田理論では単に「水の解離」と説明されておられるから誤解が生じているわけで、電解質を含む間隙水と定義されれば、十分、解離反応で水素と酸素は生じると私は思います。タダ、この酸素と水素が如何に爆発し地震を発生させているのかが疑問となるわけですが…

>しかし大地震の時には、唐山地震の体験者談話にあるような大音響があるように、爆鳴気としても知られている酸素と水素の混合ガスの爆発であると考える方が納得しやすいと思っております。

確かに、阪神大震災の経験から言いますと、地震発生の前にドーンと言う大音響がしています。私は当初、プロパンガス爆発を疑ったものですが、大音響と共に強烈なたて揺れに襲われて大地震と気付いたものです。そして、野島断層付近で発見された炭化した樹木が地中内部のガスが何らかの形で爆発したと言う証拠でもあり、私もガス爆発説を考えていた頃がありました。しかし、どうでしょうか?多く証言者が大音響と強烈なたて揺れの直前に天空が七色に光るという発光現象を目撃しています。これは本震発生直前に付近を飛行中の海外線の旅客機のパイロットも目撃し管制塔に問い合わしていると言う事実があります。

このような貴重な証言からも、私は地球内部のガスが何らかの形で地震には影響をもたらしていると以前から考えていました。うーん何かが関係しているんでしょうけど私にも今のところ、これだ!というモノが見つかりません。やっぱりプラズマでしょうか?

523
2003/07/08(Tue) 23:06
パトロス
熱解離の誤解
旅の爺様  長文のコメントありがとうございました。
メタンハイドレートに関しては、地震発生の仕組みを扱っている石田理論には関与しませんし、詳しい知識もありませんので、コメントを差し控えます。

「わたしは、堆積岩地帯の地下水には炭酸カルシュウムが溶け込んでいて、水の解離反応と同時に炭酸カルシュウムの解離が起こって、二酸化炭素と酸化カルシュウムに解離したのではないかと考えています。」について、

その仮説はほぼ正解だと私は思います。電離であろうと解離であろうと電解質を含まない水は・・・・・

とありますが、正解とお認めいただけるのはありがたいです。しかし、[517]に紹介した平凡社世界大百科事典の解説に「一つの分子がその成分原子、原子団または他の分子に分解し、しかもその分解が可逆的に起る場合その現象を解離という。解離は熱、強力な電場、光エネルギーなどいろいろな状況で起るが、熱によって起る場合これを熱解離といい、電解質の水溶液のごとくイオンに分解する場合を電気解離略して電離という。」

とありますように、電気解離(電離)と、熱解離とは解離を促すエネルギーが別であります。地震の原因は地下深部において電気分解とは違う、熱による解離によって解離ガスが発生することが原因である、と考えているわけです。

したがって、「石田理論では単に「水の解離」と説明されておられるから誤解が生じているわけで、電解質を含む間隙水と定義されれば、十分、解離反応で水素と酸素は生じると私は思います。」

という表現が、そもそも誤解を含んでいると思います。水の解離といっているのは地球内部の熱エネルギーによる熱解離のことです。

発光現象に関しては、噴出ガスによる燃焼のケースと、岩石の破壊される時に出る電磁波のケース、あるいは熱解離時に電磁波が発生するケースがあるかもしれないと考えています。いずれにしても、地震の直接原因はマグマの熱によって熱解離した爆鳴気の爆発であると考えております。

524
2003/07/09(Wed) 18:14
旅の爺
有意義な議論展開に感謝します
パトロス様、お忙しい中、度々のレスに感謝します。
>メタンハイドレートに関しては、地震発生の仕組みを扱っている石田理論には関与しませんし、詳しい知識もありませんので、コメントを差し控えます。

ところで地震発生の仕組みを扱っている石田理論には関与しませんとありますが過去の巨大海溝型地震の震源域は不思議とメタンハイドレートの埋蔵分布と一致します。特に、南海トラフに埋蔵されているメタンハイドレートは燃料ガスとして用いるなら都市ガスの十年分に相当する莫大な量です。

http://www.jnoc.go.jp/methane/methan2.html
これらのメタンハイドレートが融和し爆発したときに現れる海底地すべりが巨大津波を起こしている可能性が十分あると私は思います。まぁーメタンハイドレートの話はこの辺で止めておきましょう。

さて、熱解離の場合、基底状態にある化合物が解離して遊離原子(簡単に言えば中性原子)にするためには十分な温度があればいいわけです。しかし、必要以上に高温になった場合に熱エネルギーによって遊離原子の一部がイオン化されイオンの状態となります。電気解離(電離)と、熱解離とは解離を促すエネルギーが別でもイオンを生じる解離という点では電離と同一状態と言えませんか?

イオンを生じると言う点でモノを言えば、イオンを生じる解離を電離と言い、熱解離や電解質の電離なんかも解離と言っても間違えではないと思います。但し、水溶液中(電解質)では2H20→H3O+ +OH-となりH+はH3O+ヒドロニウムイオン、つまり水和した水素イオンとして解離していると考えられませんか?

ところで爆鳴気と言う言葉が出てきましたので、チョット突込みを入れさせてもらいます。爆鳴気とは水素2体積に対して酸素1体積で混合した気体(detonating gas)を意味し、この体積比が非常に重要となります。この混合気体に点火すると爆発音を生じ、この時の温度は2400℃にも達すると言われています。後に両元素は化合して水となります。反応式は2H2O+O2→2H2Oとなるはずです(矢印は両側につきます)。

ここで問題となるのが、この2+1と言う体積比です。石田理論を読む限りでは、爆鳴気と言う言葉が出ても2+1と言う体積比までは出てきません(間違ってらゴメンなさい(>_<))地震の初期現象として微小割れ目に地下水が浸透していきマグマと触発した時に「水の解離」から生じる水素ガスと酸素ガスの混合ガスの体積比が如何にして定常的に2+1と言う体積比になるんでしょうか?

>地震の直接原因はマグマの熱によって熱解離した爆鳴気の爆発であると考えております。

それならば爆鳴気には、この水素爆鳴気の他に水素1体積に対して塩素1体積で混合された塩素爆鳴気というものがあります。この塩素爆鳴気は文献などで調べると、光学的エネルギーの関与で爆発的に反応し塩化水素(塩酸)を生じるとあります。しかし、実際には熱・エックス線・放電等の関与でも爆発的に反応するものです。

参考までに自然界における塩素の存在を申しますと
地殻:平均して170ppm含まれる(独立したハロゲン化鉱物、リン酸塩・ケイ酸塩鉱物等の副成分、ケイ酸塩鉱物などの結晶格子を置換する微量成分などとして存在)マントル:塩素の安定同位体比(37Cl/35Cl)が海水より高いCIコンドライトを地球の材料とみなせば(両者の塩素同位体比が等しければ)全体の40%にあたる塩素が原始地球より脱ガスして海洋となったと推測できるほどです。主に火山ガス中の塩化水素の出現を考えるとき、この塩素爆鳴気が考えられるわけです。

石田理論を考えるとき、岩石の微小割れ目から間隙水として地下水が浸透して行く前に、簡単に言えば水素爆鳴気説で地震発生を起こす前に地殻に多く含まれる塩素がマグマ中の水素と1+1の割合で化合されて塩素爆鳴気を起こしている可能性はありませんか?

525
2003/07/09(Wed) 23:47
パトロス
細部の議論は問題の所在を曖昧にする
再三のコメントありがとうございます。地震の原因を解離ガスの爆発にあるとする石田理論はリードの弾性反発地震説(断層地震説)とは違う地震発震の可能性を提起しているものです。まだ一人として地震学者(と思しき方)からのエールをいただいていない段階で、枝葉とはいいませんが余り細部の議論に入りたくないと思っています(少なくともこのセミナーでは)。よって重要な視点があるとお考えの場合にはメールにてご指摘いただければありがたいです。

これ以上の細部を取り上げたくない理由は、却って問題の所在を曖昧にしてしまいますし、問題の重要性を薄めてしまう惧れがあると考えるからです。ポイントは水および炭酸カルシュウムが熱によって解離すること、解離という可逆反応によって、熱エネルギーが、潜在したり、顕在したりするという辺りにポイントを置いています。これだけでも地震学を学んでこられた方には異文化のように見えるはずです。化学を専門に学んだことのない私の実力では、それ以上の細部、各論を取り上げるのは荷が重た過ぎると感じますので、ご容赦ください。

塩素爆鳴気については初耳ですので勉強させていただきます。

526
2003/07/10(Thu) 17:52
旅の爺
長々と失礼しました。
>これ以上の細部を取り上げたくない理由は、却って問題の所在を曖昧にしてしまいますし、問題の重要性を薄めてしまう惧れがあると考えるからです。ポイントは水および炭酸カルシュウムが熱によって解離すること、解離という可逆反応によって、熱エネルギーが、潜在したり、顕在したりするという辺りにポイントを置いています。これだけでも地震学を学んでこられた方には異文化のように見えるはずです。化学を専門に学んだことのない私の実力では、それ以上の細部、各論を取り上げるのは荷が重た過ぎると感じますので、ご容赦ください。

わかりました、これ以上細部にまで突っ込んで御伺いすることはしません。
ポイントは水および炭酸カルシュウムが熱によって解離すること、解離という可逆反応によって、熱エネルギーが、潜在したり、顕在したりするという辺りにポイントを置いています。

ひとつだけアドバイスするとしたら水と炭酸カルシウムの解離温度は全く異なります。特に炭酸カルシウムは900℃近い温度によってCaCO3→CO2+CaOとなりニ酸化炭素と酸化カルシウムを生成しますがCaOはCaO+H2O→Ca(OH)2となりCa(OH)2+CO2→CaCO3+H2OさらにCaCO3+H2O+CO2<==>Ca(HCO3)2このように、炭酸カルシウムは、水には溶けないが二酸化炭素を含む水に溶けて炭酸水素カルシウムとなる。炭酸水素カルシウムは、熱により二酸化炭素を発生して炭酸カルシウムの白色固体となる。これが地空で鍾乳洞のできる仕組みです。

ちなみに炭酸カルシウムからニ酸化炭素を生じるには強酸と反応よっても二酸化炭素を発生します。つまり弱酸遊離と言う反応です。CaCO3+2HCl→CaCl2+H2O+CO2と言う反応です。塩素爆鳴気から生じた塩酸と反応しても十分ニ酸化炭素は得られるわけです。

折角の素晴らしい理論、是非とも細部まで御検討され今後、更に御活躍されることを期待します。どうも長々と居座り失礼しました。それでは旅の続き出発します。失礼します…

527
2003/07/10(Thu) 17:56
パトロス
サンフランシスコ地震から学ぶ(3)
サンフランシスコ地震から学ぶ3番目の項目は動物の異常行動です。
------------------------------------------------------------
(3)動物の異常な行動  地震を前にして動物が奇妙な挙動を示すことは、世界中でよく知られているところである。犬、豚、馬、牛その他もろもろの動物が大きな地震の前には落ち着きがなく、極端に動揺している素振りを示すようである。これは、動物たちが人間よりもはるかに早く地中から逸脱するガスを嗅ぎ取る能力をもっており、概して臭いに対して人問よりもはるかに敏感であるためと考えられる。サンフランシスコ地震では、動物のこのような特性についての報告は大部分が犬の行動に関するものであり(ローソンら、一九〇八)、それによれば地震前夜には夜通し遠吠えが聞こえたという。

---------------------------------------------------
動物の異常行動に関しては、中国唐山地震の報告の方がはるかに多くの記事があります。犬の遠吠えだけでは寂しいですので、朝日新聞社発行の「唐山大地震」銭鋼著に載っているなかから、ライブラリー4aに紹介した以外の動物の記事を紹介します。

-----------------------------------------------
豊南県畢武庄公杜李極庄大隊 劉文亮の話・・・
七月二十七日の夜、犬の啼き声で目をさました。家で飼っている犬が必死に部屋のドアを引っ掻いていた。ドアを開けて中に入れようとすると、犬は逆に彼を家の外に追い出そうとした。

唐山市遵化県劉備砦公杜安各砦大隊 張洪祥の話・・・
この家の犬も啼きつづけていた。犬は家中の人の目をさまさせ、張洪祥兄弟の太ももに咬みつき、まるで道案内でもするように家の外へ出ていった。

豊南県闌高庄公杜干北大隊 王友才の妻の話・・・
あの夜、公社から家に帰ると、家の犬が突然入り口から彼女に跳びついてきて、どうしても庭に入らせようとしなかった。

大歴回族自治県陳福公杜東柏辛大隊 李番の話・・・
この家の雌犬が、七月十五日に産んだ四匹の子犬を一匹ずつくわえて犬小屋から出てくるのを見た。

香河県周元大隊蘇玉敏の話・・・
この家の雌犬も、七月二十一日に産んだ三匹の子犬を一匹ずつくわえて空き地に行き、穴を掘ってはその中に入れていた。

夜は更けていった。大騒ぎの一晩だった。不安な気分のうちに、そっと七月二十八日がやってきた。一時三十分、撫寧県大山頭の養貂場の張春桂は「チチ・・・」という啼き声で目をさました。養貂場で飼っていた四一五匹の貂が鉄籠の中で急に騒ぎだし、なんとも恐ろしいありさまだった。同じころ、豊潤県白官屯公杜蘇官屯大隊の養鶏場でも同じような騒ぎが起こっていた。千羽あまりの鶏が不安そうに走りまわり、窓にのぼって変な声で晴き立てたりした。職員がえさをやっても、まるで食欲がなく、かえって騒がしくなり、まるで何かに追いかけられているみたいだったそのうち、100羽から200羽ほどは、翼を広げて飛びまわっていた。

この他にも、ラバ、馬、鳩などの話が載っています。

528
2003/07/10(Thu) 18:14
パトロス
該博な知識の置き土産に感謝
旅の爺様 該博な知識の置き土産ありがとうございました。鍾乳洞のできる仕組みまでご教示いただきありがとうございました。どうぞ楽しい旅をお続けください。途中で地震学者に出会われましたなら、新しい理論を検討しているグループがあるんだよ、とお伝えいただければ幸甚に存じます。
529
2003/07/10(Thu) 21:53
パトロス
サンフランシスコ地震から学ぶ(4)
ゴールド博士が紹介するサンフランシスコ地震で見られた地震現象の4番目は地震光です。[494] 水素の性質と地震時噴出ガスの怪 で紹介した、水素の性質を思い出しながら、読んでみてください。

--------------------------------------------------
(4)地震光  他の多くの地震の場合と同様、サンフランシスコ地震でも、大地から発する閃光を見たという証言が多くある。近くで見えたというのもあれば、遠くから明るい輝きとして見えたというのもある。地震によつて発生した巨大な炎のなかには、サンフランシスコ市街でガスの本管が損壊したのが原因となっているものもあることは事実である。しかし、これが原因のすべてとは考えられない。ガスの本管が近くを通っていない地区でも火炎が見えたという証言が多くなされている。ヒールズバーグ出身のベテラン鉱山技師ジヨージ・マデイラ氏は、一九一〇年四月四日付のサンタ・ローザ:レパブリカン紙で次のように報告している。

「一九〇六年四月十八日の地震時における自然現象を調査していた時、私はカザデロ北東方一・五マイル離れた山地にある農場にアダムス夫妻を訪ねた。夫妻は地震前の二晩にわたって「小さな光のすじが何本も地面から上空に駆け抜けるのを見た」と語った。飼犬がひっきりなしに吠えるので、この現象に気がついたということである。」

衝撃の約三十時間前、震央付近で地震光を見たという報告があるが、地震の最中に地震光を見たという証言は他にも数多くある。例えば、ラーキン(一九〇六)はカリフォルニア、サン・ホセの技師J・E・ハウザーの証言を次のように引用している。

「四月十八日、私は時計が五時を告げる五分前に目覚めた。ゴロゴロという遠雷のような音が聞こえた。近くの馬囲いのなかで、犬に追いかけられてでもいるかのように二頭の雌馬が小馬とともにおびえて駆けまわり、いなないた。犬も危険を告げて異様なそぶりを見せていた。五時十二分、いきなりベッドが体の下で飛び上がった。

恐ろしい勢いで家が持ち上げられた。右に向かって上がり、左に向かって沈むように揺さぶられた。妻は私の腰のあたりにかじりつき、私は両手でドアの枠にしがみついていたが、振り離されそうになるほど強い揺れであった。

東を向いてアラメダ街を見下ろしたところ、街全体が火に包まれているのが見えた。火は美しい虹のような淡い色をしていた。私たちは街へ出かけて行った。そこで出会ったひとりの男に、『アラメダ街に火が見えたか』と尋ねられた。一時間後に会ったひとりの友人も、地面はどこもかしこも火の海だったと語った。」

この証言が決して特殊な例でなかったことは、ラーキン(一九〇六)が収集した他の証言からも明らかである。ただ残念ながら、これについては詳細な点に関して正確さを欠いている。
「・・・サンフランシスコ北方のある地から届いた手紙によると、沼地の広い水面がざわつき、その上で青い火がオーロラのようにゆらめいた、とある。・・・・メタルマ・クリークでは何千個もの石が投げ込まれたかのように水がはねかえった。高さ五〇センチメートルほどの青い炎が沼地一面にわたってゆらめいた。・・・地震の前の午前五時、"輝く靄が地面の上でゆらめいているのが見えた"・・・青い炎が西サンフランシスコの丘陵の麓で揺れ動いているのが見えた。

----------------------------------------------------
地震時に見られる発光現象は水素ガスを主成分とする地中噴出ガスの燃焼現象と、強力な電磁波の発生によるオーロラが波打つような現象の二つのケースがあるように思われます。

530
2003/07/11(Fri) 23:17
パトロス
深発地震の謎解明の鍵?
ライブラリーNo.35、の挿絵にあるように、和達・ベニオフゾーンと呼ばれる深発地震面が、日本海溝から日本列島の下に潜っていくような形になっていて、地震発生領域が二筋(二面)に並ぶように見えています。なぜ二筋になるのだろうかというノリマン氏のセミナー[57]での質問に対して、[58]では「地震面が二筋になっているように見えるのは、海溝付近で起こった二つの大地震で大量に水が取り込まれたからと解釈しています。」という回答をしています。同じ回答の中で、深発地震面とは「プレートが潜り込んでいる姿ではなく、海溝付近で起きた大地震によって取り込まれた大量の水が、マントル対流に乗って地球内部に運ばれていく姿だと思います。解離爆発の条件は今後の研究に待たねばなりませんが、圧力・温度の関係が変化するのに従って、何回も解離・結合を繰り返しながら、地球内部に向かっているのでしょう。」とも答えてあります。

またニューオフィス2326ではさらに理論が進化して、深発地震とは全ての結合水が完全に解離水に移行する過程を表している、という視点を明記しています。解離条件は塩分濃度によっても変化するだろうから、今後の研究に待つしかないと考えていました。が、今回旅の爺様からお聞きした、「塩素爆鳴気」という現象が関係しているかもしれない、とするならば、この二筋の深発地震面というのは、塩分濃度の差なのかも知れないと思いました。塩分が含まれていない地下水の解離現象と、塩分濃度の高い海水の解離現象の差なのかも知れないと、感じました。一方の地震は水素と酸素の爆発反応であり、片方は水素と塩素の爆発現象なのかもしれません。

塩素爆鳴気を世界大百科事典で調べると「塩素と水素の等容混合物は塩素爆鳴気と呼ばれ、令暗所では変化しないが、加熱、日光の直射、紫外線の照射などにより爆発して塩化水素となる」という解説がありました。どなたか化学の得意な方に、深発地震の謎、深発地震面が二筋になる理由を解明していただければ有難いと思います。

すくなくとも、弾性反発地震説、断層地震説は、この領域の地震発震機構としては説得力を持ちません。

前ページへ戻る  次へ進む

索引へ戻る