新・地震学セミナーからの学び | ||||||||||||||||||
46スマトラ沖地震での津波発生メカニズム
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スマトラ沖地震での津波の発生機構を解説した毎日新聞(2005/1/8)では次のような記事があります。
<津波はなぜ起きるのか> 震源が海で、海底の浅い所で起きた大きな地震は、断層運動で海底の地盤を隆起させたり、沈降させたりする。こうした海底地形の変形に伴って、海面が変動し、波となって広がっていくのが津波だ。日本では南海、東南海、日本海など近海で起きるプレート(岩板)境界型地震で起きることが多い。専門家によると、スマトラ沖大地震もインド・オーストラリアプレートが、ユーラシアプレートの下に沈み込むプレート境界のスンダ海溝で起きた。インド・オーストラリアプレートは年6センチの速さで沈み込む。引き込まれたユーラシアプレートにひずみが蓄積され、耐えきれなくなり跳ね上がる。 |
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図はその新聞から拝借した津波発生メカニズムの解説図です。ユーラシアプレートが跳ね上がっているのに、なぜ海底が沈降するのか理解に苦しむところです。確かにタイ側に押し寄せた津波の第一波は引き波であったということですから、陸側が沈降したのは確かなことですが、この解説では矛盾が生じます。
だいいち、断層というのは破壊現象ですが、跳ね上げというのはピンで止まっていたプレートがピンが外れたことによってプレート自身の弾性力によって跳ね上がるのであって、どこにも破壊は生じない筈であります。断層と跳ね上げという異なる概念が混同されています。 では、スマトラ沖では何が起こっていたのかということですが、次の図は地震爆発論に基づく解説図であります。 |
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爆発は震源付近のマグマ溜りの形状によって左右されるのですが、インド側が上がり、タイ側が下がったような傾斜軸の上で発生したと推定されます。傾斜が急であるので、押し領域は片方にしか現れません。 | ||||||||||||||||||
つまり、震源における大爆発(爆縮)によって、インド側に押し領域が発生し、海底地盤を隆起させたと考えられます。一方タイ側には引き領域が発生し、海底地盤を沈降させたものと考えられます。
今後の深浅測量の結果を見ないと正確なことはわかりませんが、概略は上図に示すような隆起と沈降が起こったものと考えられます。 追記:海洋研究開発機構の調査結果では上述した爆発機構とは違う機構が推定できます。セミナー[1453]に報告します。 最新(2008/12.5)の考察はセミナー[1522] 「スマトラ沖地震のメカニズム再検証」です。 |
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上の図は読売新聞に載った津波発生の解説図ですが、この図から海底でなにが起こったのか本当に理解できるものでしょうか。
解説文では以下のようになっています。 この巨大地震で、ユーラシアプレートの西端が上方に持ち上がり、海面を激しく突き上げた。断層が南北に長かったため、津波は主に東西方向に進んだ。(中略)断層の東側では海底が沈み海面も下がって「引き波」が生じ、タイ、ミャンマー方向に向かった。西側には「押し波」が伝わり、スリランカ、インドの沿岸を襲った。(以上) ここで想定問答を作って見ました。 Q:なぜ西端が持ち上がるのか? 想定A:プレートが跳ね上がるからである。 Q:なぜ跳ね上がるのか? 想定A:固着していたピンの部分が破壊するから、支えが取れて板バネのように跳ねるのである。 Q:では断層が動くから地震になるのではなく、支えが外れてバネが跳ねることが地震なのか。 必然A:境界型地震といわれる地震はそうである。 Q:ではプレートの境界は断層ではないのか? 必然A:当然断層型地震を起こすような断層とは違う。 Q:ではなぜ、上図の中に@断層がずれるという表記があるのか? 必然A:わからない。 Q:なぜ海底が沈降して、引き波が出来るのか? 想定A:跳ね上がった分と同量が相殺作用として、下がるのである。 Q:剛体であるプレートがなぜ「こんにゃく板」のように変形するのか? 想定A:わからない。 |
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最新(2008/12.5)の考察(セミナー[1522])にある新解釈
(2008年12月5日改訂)
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連鎖震源で爆発が起こったために、隆起帯・沈降帯が形成される
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