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1101
2005/12/26(Mon) 00:58
パトロス
人類史が忘却される理由
教科書で教えているエジプトの歴史を調べてみましたが、
大体次のサイト
http://user.komazawa.com/~tessin/kaze/egypt/htm/his01.htm
にあるようなことになっています。ギザの第3ピラミッド建設までを抜粋してみます。

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◆ B.C.4500〜3100年頃 先王朝時代
  4500年頃       農耕、牧畜が始まる。
  4000〜3600年    前期先史時代
俗に言う、新石器時代、銅石器時代の事。
◆ B.C.3100〜2686年頃 初王朝時代 
  3100年頃      第1王朝が成立 (首都:ティス)
上エジプト王ナル・メルがエジプト全土を統一。銅製の武器の使用が始まる。
◆ B.C.2686〜2185年頃 古王国時代 (別名メンフィス時代)・第3〜6王朝
   2686年頃      第3王朝が成立 (首都:メンフィス)
   第2代王がサッカラに最初のピラミッドを建設。
   2613年頃      第4王朝が成立。(別名ピラミッド王朝)(首都:メンフィス)
  2600年頃      クフ王が即位、ギザに大ピラミッドを建設。
   2560年頃      カフラー王が即位、ギザに第2ピラミッドを建設。スフィンクスを建設したという意見もあるが定かではない。
   2525年頃      メンカウラー王が即位。ギザに第3ピラミッドを建設。

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今から6500年前頃に農耕・牧畜が始まり、文明の夜明けを迎えたということになっていますが、一万二千年も前に「アトランティス文明が存在し、古代ギリシャと戦争をした」(ソロンがエジプトの神官から聞いた)という話など、まったくウソなのかと思わせるような歴史が教科書には書いてあります。

こうした古代史が信じられているために、恐竜と遊ぶ人類の線刻画とか、恐竜時代の人間の革靴などは、オーパーツ(「Out Of Place Artifacts」の略で 「場ちがいの加工品」という意味)扱いになってしまっています。

しかし、人類の歴史がもっと古いことを示す物的証拠がたくさんあるわけですから、「あなた方は(ギリシャの)古い歴史を忘れています」とソロンが神官から指摘されたような歴史の忘却と言う事態が何故起こったのかを考えなければいけないと思います。

エジプトのアレキサンドリアの古代遺跡は、西暦4世紀の大地震によって海底に沈んだものですが、そこには大図書館があって、当時は古代の歴史記録なども収められていたと言うことです。

大地震、それによってしばしば(といっても7600万年に171回という程度)起こるポールシフト、またそれによって起こる大津波などによって、人類の過去の記憶は断絶してしまうのではないでしょうか。

1102
2005/12/30(Fri) 00:31
パトロス
定説では説明できない関東圏の微動
千葉県下に在住の「おりまま」さんのサイト
http://river.advenbbs.net/bbs/olimama.htm
に「下からごぼごぼするような小さな微動」があると報告されています。箱根の地獄谷などでで「ごぼごぼ」と湯が沸騰するような感じかと思いますが、関東圏は感度の良い硬い地殻が浅い場所にあって大変のようです。しょっちゅう揺れているって感じは以前東京に住んだときに経験したので良く分かります。「おりまま」さんのコンパスは中越地震の前に20度西にずれていたそうです。

http://blog.goo.ne.jp/hanahana_163/e/8c1680e446bc3f9981c8f16be772d291

そのサイトの最近の書き込みの中からコンパス異常を拾うと次の4件がありました。

@ 11/30東15度(時間は不明)
A 12/07西18度
B 12/16東10度弱
C 12/28西8度
それぞれ、関東圏の地震に対応しているように思うのですが、東と西になぜ分かれるのかが良く分かりません。コンパスの異常は震源付近でプラズマ状態の解離ガスが移動することによりMHD発電が起こり、伝導性の高い岩盤に沿って電流が流れるからだろうと考えているのですが、詳細を検討するために観測点の位置を教えていただいて検討してみようと思っています。

また、以前に宮城(涌谷)の地震を敦賀のコンパスがキャッチしている気配があって不思議に思った事がありましたが、地電流を通しやすい岩盤、地震動を伝えやすい岩盤などがあるのだろうと思います。そうした一つの例が鹿島神宮の境内に露頭している要石のような地震動に敏感な岩盤なのだと思います。千葉県下にも要石的な感度の良い岩盤が浅いところに隠れているのかもしれません。

少なくとも、「下からごぼごぼするような小さな微動」という現象は定説の弾性反発地震説では説明が出来ないと思います。

1103
2006/01/02(Mon) 12:27
パトロス
超常現象スペシャル
明けましておめでとうございます。
大晦日のテレビ朝日系列「超常現象スペシャル」では、取材して収録したものの中から一部分だけしか使用されなかったようです。誤解があるといけませんので、少し解説をしておきます。

ポールシフトが起こるのは地殻の重心移動が起こるような事件が原因ですが、天体が衝突するのは可能性としてはそれほど高くは無いと思います。7600万年に171回起こったと解説しているのは、大陸的規模で沈没・隆起が生じるような巨大地震が起こったからだろうと思っています。

番組はすでにストーリーが出来ていて、彗星や小惑星の衝突が原因でポールシフトが起こる・・・と言うことになっていましたので、その線に沿った話だけが使用されています。

また洪水が発生するのは、両極の氷が溶け出すから洪水になるのではなく、回転軸が変化するときに、海水が陸上に遡上するからです。車の荷台に積んだタライの水が、急ブレーキをかけたり急カーブを曲がるときに、荷台にこぼれ出してしまうような現象のことです。

ハンコックさんが述べていた南極大陸に眠っているのがアトランティス大陸であると言う説も違っていると思います。アトランティスは大西洋の海底に眠っているでしょうし、南極の氷の下に眠っているのは別の文明だと思います。

イタズラ書き込みが多くなったため、此処からは管理者のみの書き込みになります。

投稿は事務局(ansin@ailab7.com )までメールでお願いします。

自由闊達な発言をお待ちしています。

1104
2006/01/04(Wed) 18:17
ポールシフト否定論への反論
年末の「超常現象特集」ではポールシフトによって両極の氷が溶け出し、海水面が上がり、大洪水が襲うと言っていましたが・・・そんな悠長なことではありません。洪水になるのは、両極の氷が溶け出すからではなく、回転軸が変化するときに、海水が陸上に遡上して暴れまわるからです。車の荷台に積んだタライの水が、急ブレーキをかけたり急カーブを曲がるときに、荷台にこぼれ出してしまうような現象のことです。その大洪水に乗ってマンモスの死骸は運ばれ、極寒の地に墓場を作ったのです。

取材ではもっと多くを語ったのですが、彗星の分裂⇒地球衝突⇒ポールシフト⇒海面上昇⇒大洪水・・・というストーリーが出来ていて、それから外れた話はすべてカットになっています。

写真は地震爆発説を説明した手作りの小道具です。これを使って地震爆発論を説明したのですが放映ではカットされていました。

赤い部分(押し領域)は解離ガスが爆発し、爆発点(震源)から飛び出した瞬間を表しています。青い部分は収縮して震源に吸い込まれるように移動する部分です。大きな爆発(大地震)ですと赤と青の境界に食い違いが生じますが、これが断層です。
「断層が動いて地震が起こる・・・」という定説による解説を鵜呑みにしていてはいけません。断層は地震の傷跡なのですから・・・、小さな地震では傷はできません。

さて、「ポールシフト」で検索すると、「肯定説」としての石田理論も上がっているのですが、
http://www.ailab7.com/gendaitidou.html
「ポールシフトのダウト」という「否定説」があがっています。
http://www.117.ne.jp/~daita-h/poll.html

物理法則は無視?という見出しがついていますが、ポールシフトとは決してそのような非科学的なものではありません、これまでにも何回も起こりこれからも起こる可能性のある恐ろしい地球の事件です。

「否定説」への反論をしてみたいと思います。

◆ 安定して回転しているコマが、いきなり胴体を軸にして回り出す事が物理的に有り得るのだろうか。 (ポール・シフトとはつまりこういう事)<br>もし、起こるならばその〔巨大な力〕はどこから働くのだろうか。天体の引力としても木星ぐらいの巨大な天体と近距離で接近でもしないと無理だろう。

【反論】
ポールシフトを起こすのに、外からの「巨大な力」(外力)は必要ありません。地球は回転体ですが、回転体の回転軸は必ず重心を通るようになっています。解離ガスの爆発という内力によって大陸規模での浮上・沈降という地殻変動が生じると、地殻全体としての重心移動が起こります。したがって回転軸は新しい重心を通るように変化しますから地軸は傾くのです。つまり、外力が作用しなくてもポールシフトは起こるのです。

◆ 研究者達は、ポール・シフトは過去に起こっていたとする証拠をいくつか挙げている。例えば「過去に南極は温暖な気候であった」とする説等は、大陸移動のメカニズム(プレート・テクニクス)を完全に無視している。

【反論】
大陸移動というのは、一年に何ミリと言うような小規模の移動です。これは地球上の変化は斉一的にしか変化しないという立場からの説ですが、現実には地球上の変化は激変的に変化することもしばしばあるのです。アフリカと南米大陸の移動は斉一的な変化ですが、ポールシフトとは激変的な変化です。プレートテクトニクス理論には多くの矛盾があることははっきりとしています。

◆ シベリアで見付かった、氷漬けのマンモスにしてもポール・シフトとは無関係。急激な気候の変化で氷に閉ざされたとあるが、地上で凍るとは考えにくい。〔氷漬けの白熊〕を見た事が無いように、4回もの氷河期を乗り越えたマンモスが寒さに弱いわけがない。これは、凍土のせいと考える方が納得がいく。凍土は文字通り凍った土であり、その温度は零下である。

何かの拍子に深みにはまったマンモスが、脱出出来ずに氷漬けになったと考える方がはるかに合理的だ。

【反論】
マンモス再生計画はマンモスがアフリカ象に近い種だからその可能性が信じられているわけですが、近い種であるアフリカ象はシベリアでは生きていけないと思います。
凍土の中で腐敗もせずに発見されるのは、「何かの拍子に深みにはまった」というよりは、生存していた温帯地方からポールシフトによって生じた大津波によって死骸として運ばれて、極寒の地に閉じ込められ短期間に凍ってしまった、と言うほうがはるかに合理的です。

偶発的事件で穴に落ち込んで、「大量の動物の死骸で山が出来るほど」という現象は起こりえません。

◆ 胃の中から、温暖な地域にしか分布していない植物が発見されたとあるが、これも間違い。白樺・松・モミ・柳・胡桃・スゲ・金鳳花等がそうだが、これらは寒帯・亜寒帯の地域にも広く分布している。

【反論】
寒帯・亜寒帯の地域にも分布しているかもしれませんが、現在のシベリヤの凍土地帯には存在していません。胃の中のものが消化されずに死体となり、腐敗もせずに一箇所で山のように見つかる・・というのは短時間で酸素の供給が遮断される状態(この場合は凍結)に置かれたことを意味しています。

◆ ポール・シフトってそんなに頻繁に起こるものなのか?それと、歳差運動や磁極の逆転を勘違いしている人も多い。

【反論】
地磁気の南北が今の状態とは完全に逆転していた時代を調べると7600万年に171回ですが、その間には数十度ずれるような現象はもっとたくさんあったはずです。種の絶滅が過去に5回もあった話をセミナー[737]

http://www.ailab7.com/log/eqlog731-740.html
で紹介しましたが、何回もあった地殻の移動現象のなかには、不運なことに、殆どの生物を極地の中に閉じ込めてしまうような位置関係になり、生存する種がいなくなった(5回も)ということではないでしょうか。

ポールシフト肯定論者が歳差運動と勘違いしていることは無いと思います。
また海洋底にある地磁気の縞模様というのを磁極だけが逆転したと解釈して、地球の姿勢は変化しないと考えているのが現在の定説ですが、これはそう考えていることが勘違いであって、姿勢を変えるという解釈を「現代の地動説」であるとして提案しております。

1105
2006-01-06 (Fri)
ポールシフトと地殻移動
年末の「超常現象特集」ではポールシフトの画像が誤解を生むような表示になっていましたので、コメントしておきたいと思います。

地軸は現在地球の公転面に垂直に立てた線から23.5度傾いていますが、たとえば30度のポーシフトによって傾斜した後も同じ軸の周り、つまり公転面に対して53.5(23.5+30)度傾いた軸の周りに回転するかのような表示になっていました。しかし正しくは下図にあるように、30度傾斜してからの新しい回転軸は依然として公転面に対して23.5度で回転するだろうというのがポールシフトの解釈です。シフトしてから公転面に対して元通りの傾斜を持つように回復するという解釈です。

したがって、この考え方は回転軸は23.5度のままで、地球表面の薄い地殻だけが30度だけ移動するという「地殻移動説」と同じことになります。


シフト後でも依然として23.5度の傾斜で回転するように回復するだろうと考えている理由は地球の磁場が太陽の磁場と無関係には存在し得えないのではないだろうかということですが、地殻だけが滑るという地殻移動のほうが説得力があるかもしれません。

地殻移動の考え方はアインシュタインが激賞した考え方だということですが、地殻が移動する原因は大陸規模での隆起・沈降による地殻の重心移動であると考えられます。番組では彗星の分裂した破片が地上に衝突して地殻がずれるという説明になっていますが、「可能性としては大地震による重心移動のほうが高い」とディレクターには語っておいたのですが・・・・。

ともあれ、ポールシフトと地殻移動とは結果的には同じことであるということになります。

1106
2006-01-07 (Sat)
Re:ポールシフトと地殻移動
N氏から以下の質問がありました。

新しい掲示板は画像が入って理解しやすいですね。ポールシフトに関してご質問します。

「シフト後でも依然として23.5度の傾斜で回転するように回復するだろうと考えている理由は地球の磁場が太陽の磁場と無関係には存在し得えないのではないだろうかということですが・・」

とありますが、地球の重心が移動したのならば、シフトした後で旧地軸を中心に回転することはないのではないでしょうか。
公転面と23.5になるように回復するというのは地球磁気の極が新しいNS極の近辺に移動するという意味ではないのでしょうか・・・。

【回答】
ありがとうございました。まったくそのとおりですね、重心の移動があったから、回転軸が変化するわけですから、シフト後に旧回転軸を中心に回転することはないですね。

また、ご質問のように、回復するというのは、磁場のことですね。
磁場は地球内部においてマントルが対流するために発生していると考えられますが、シフト直後は旧対流のままで、旧磁極がそのまま機能していると思いますが、やがて対流も変化して新しいNS極周辺に移動するだろうと思います。その理由が太陽の磁場と無関係では居られないだろうというものです。

それにしても、以上のようなこと(ポールシフト)を、地球の回転軸と公転面との角度が同じのままで地殻だけがズルッと滑ると解釈する「地殻移動論」は曖昧さを挟まずに説明できる優れた理論であることを改めて感じます。

アインシュタインが激賞した理由もそこにあるのでしょうか、聞いてみたいものです。

1107
2006-01-09 (Mon)
中越地震の地盤変動アニメ
技術ジャーナリストの山本寛氏から、中越地震の地盤変動が明らかに地震は爆発であることを示しているのではないか、というコメントを頂きました。
送っていただいた情報は国土地理院の作成した次のアニメーションです。
http://www.gsi.go.jp/BOUSAI/NIIGATAJISIN/anime/CyuetsuMainWithAfterShock.html

上段の二つの図が本震の地殻変動で左が水平移動、右が垂直変動です。
水平移動を見ると、震央より北側の日本海側は、南東に移動、南側の東京側は北西に移動しています。
垂直の移動を見ると、震央付近は隆起しており、それより南側は沈降しています。

これは震源で爆発がおこり、押し円錐の軸が垂直から南東方面に傾いた地震爆発であることを示しております。
震源は断層がずれ始める開始点で、断層が動くことが地震の原因であるという定説ではこのような地盤の変動は説明がつきません。

山本氏はブラックライトプロセスによる水素がハイドリノに移行する爆発的変化が地震の原因であるとする理論を常温核融合国際会議に発表されたそうです。

1108
2006-01-11 (Wed)
なぜプレートの一部が沈降するのか
地震のすべてが分かる本(成美堂出版)によれば津波が発生するのは、陸側プレートが「跳ね上がる」ケースと、海側プレートが「沈降する」ケースとがあると解説されています。
下の図は海側のプレートが沈降するケースとして説明されているものです。


図中には「正断層が動き、プレートがの一部が沈降することで、津波を引き起こす」と書いてありますが、なぜ剛体であるプレートがこのような動きをするのでしょうか。正断層が生じる原因が説明できないと思います。本文の解説では

「津波を起こすもう一つのケースは、海底が沈降する場合。
海洋プレートは陸のプレートの衝突する前で下向きに押し曲げられ、割れ目ができる。その割れ目も大規模な断層であり、断層が動くと断層より陸側の海底が沈降し、津波を引き起こす。」
とあります。

この説明で納得できる読者はいないと思います。ましてやスマトラ沖地震のようにインド側には引き波が、反対のタイ側には押し波が襲来したことを説明することもできません。

海底が沈降するのは、引き領域になる部分があるからですが、スマトラ地震の発生原因を解説したニューオフィスを参考にしてください。

1109
2006-01-11 (Wed)
パキスタン北部地震の地盤変動アニメ
パキスタン北部地震の地殻変動をアニメーション化したものが国土地理院から発表されています。中越地震のアニメとよく似ていますが、沈降を示す青色部分が広く分布しており、沈降部分の中に隆起を示す茶色の領域があります。http://www.gsi.go.jp/BOUSAI/pakistan/animation/fnpk_sar.html

この分布も中越地震と同じく定説の断層地震説では説明することが出来ないと思います。断層地震説ならば、茶色の隆起部分と、青色の沈降部分は直線で二分されるような配置になるはずです。

このアニメでは、引き領域の中に押し領域が楕円状に配置されていますので、爆発による押し円錐が円錐軸を傾斜させた形で地表に向いていることを示しています。
中越地震もパキスタン北部地震も共に、地震爆発説を裏付けているように思います。
下図は爆発が上方に向かっている直下型地震のケースですが、押し円錐が斜め上方に向かって位置しています。押し領域は茶色表示に相当し、引き領域は青色表示に相当します。

1110
2006-01-13 (Fri)
マントル熔融論の裏付け実験か?
hiromi氏から以下のようなメールをいただきました。
「新地震学セミナー楽しく拝見させていただいていますが、教養が足りないので理解にはほど遠い状況です。
ところで、東北大学が、つぎのとおり発表しました。
含水マグマの密度測定を高温高圧下で行うことに成功
― マントル深部にマグマ溜まり ―

(英国の科学雑誌「Nature」(2006 年1 月12 日号)に掲載)

この、限定条件下での、高圧下の実験の意味するところを、先生なりに説明していただけたらありがたいのですが。
これは、新地震学セミナーでいっている、深部にも含水部があるということを、実験的に証明しているということなのでしょうか。」
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【記事内容】
「マグマ、地下400キロにも…東北大研究グループ解明」 

火山活動によって噴出するマグマが、これまで考えられていた地殻付近よりも深い、地下約400キロ・メートル付近にも幅広く存在している可能性が高いことを、大谷栄治・東北大学理学研究科教授らの研究グループが確認した。

 地球の内部構造を解明する成果で、12日付の英科学誌ネイチャーに発表される。
 地球内部は、地表を覆う地殻(厚さ約10〜30キロ・メートル)の下に、高温の岩石(固体)のマントル、核がある構造。マントルは組成物質の違いから、三層構造になっており、このうち上部マントル(地下約30〜410キロ・メートル)の固体が熔けて液体になったものがマグマ。比重が小さく、地表に向かって上昇して地下数キロ・メートルでマグマだまりを作り、噴火活動が起こるとされていた。

 研究グループは、鉱物を溶かすなどして作ったマグマを容器の中で、地下約400キロ・メートルに相当する高温高圧の環境下におき、状態を調べた。その結果、水を最大で6・7%含む条件にすると、この深部付近でも液体の状態を保っていることを確認。さらに、高温高圧下でも熔けないダイヤモンドの浮き沈みの度合いを見ることで、比重を測定したところ6・7%の水を含んだマグマは、上部マントルの下層部の比重と一致。この付近でもマグマが滞留できることがわかった。

(2006年1月12日3時3分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060112i501.htm
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なお、同グループがNature誌(12 January 2006, Volume 439, Number 7073,doi:10.1038/nature04352)に投稿し、掲載される論文のプレスリリースも添付してありました。

http://www.21coe.geophys.tohoku.ac.jp/files/nature-ootani-20060112.pdf

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【解説】

さて、「高温高圧下での実験の意味するところ」の解説をして欲しいということですが、大変興味深く読ませていただきました。
すなわち、地殻の下部に存在する2900kmまでのマントルが固体であると仮定して進められている現在の地球内部探査(地球トモグラフィーなど)の作業が破綻するのではないかという感想を持ちました。つまりマントル熔融論を裏付けるような実験であるということです。

「火山活動によって噴出するマグマが、これまで考えられていた地殻付近よりも深い地下約400キロ・メートル付近にも幅広く存在している可能性が高い」ということではなくて、400キロ・メートル付近も含めて地球内部は固体ではなく、熔融マグマである可能性を指摘しているのではないでしょうか。
地球の誕生からの経緯を考えても、常識的に言ってマグマオーシャンの地球表面に薄皮が張って地殻が形成され、さらには海洋が形成されて生物の生存が開始されたはずです。薄皮の地殻の下は依然としてマグマオーシャンであり、熔融しているはずで、地殻の下部周辺からプレート同士の摩擦熱によって熔融し、上昇したものがマグマである(図参照)という解釈自体が間違っているのだと思います。


マントル固体説が何故登場したのか・・・、ですが、地震波の挙動から地球内部を調べるために、マントルを固体であると仮定しているわけです。固体であると仮定しないとS波は伝播しないからですが、そこに、地球物理学の大きな矛盾点が存在していると考えております。

なお石田理論では地殻とは下図(緑の部分)に示すような構造になっていると解釈をしております。青い部分は海水を意味します。


地震が多い地帯とは地殻内部にマグマの流れが多い構造になっており、地震空白地帯とはマグマの流れが少ない構造になっていると考えております。

上の図はニューオフィス35にある図ですが、地震多発地帯では毛細血管のようにマグ
マが流れているために、地震の発生が多く、またマントルとの境界から反射する地震波も弱くなります。

一方地震の少ない地帯とは、マグマの流れも少なく、境界から反射する地震波も強くなります。地震空白域とは元々地震は少ない地帯のことであると解釈しております。
定説でマントルと定義されているのは、モホ面以下ですが、モホ面はこの図(石田理論)では緑色の部分に相当する地殻のなかにあることになります。
石田理論では地殻とは字義通り地球の殻に相当するもので固体であり、マントルは熔融しているものと考えております。
岩石圏(リソスフェア)とか岩流圏(アセノスフェア)というような曖昧な考え方は採っておりません。

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