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651
2003/11/01(Sat) 11:50
パトロス
東京の地震感度は敏感
あるサイトで、東京では地震情報に現れない小さな振動をしばしば感じるという件が話題になっています。十勝沖地震の前にも感じたということですが、多分これはセミナー[564] http://www.ailab7.com/log/eqlog561-570.html
や[388] http://www.ailab7.com/log/eqlog381-390.html
に紹介した地殻の構造に原因があるのだと思います。「橄欖岩からなる緻密な地殻の第二層が地表に接近しているために、伝播特性が良くなります。」ということが原因でしょう。<br>つまり、解離した酸素と水素の混合ガスは大爆発(大地震)の前にも、小規模の爆発(無感の小地震)を繰り返して起こしており、とくに伝播特性の高い地殻が表面近くにある関東圏では、遠くの小爆発でも感応してしまうということのように思います。昨日の福島県沖M6.8地震の震度分布を見ても、逆くの字のような本州地形の上辺に沿って、震度分布が配列しています。また東京では、地鳴りのような快音を聞くという話しもあるようです。こうした原因不明の現象は地震爆発論でないと、解釈できないのではないでしょうか。

652
2003/11/02(Sun) 08:37
管理人
涌谷町でのコンパス異常
敦賀、上石津、涌谷の3点ネットからの情報は携帯メールによるものです。31日の福島県沖地震では宮城県涌谷町で西10度から東8度にまで変化したそうです。メール文を紹介します。

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10月31日7:31

(上石津で)昨夜は誤差もなかったのですが、今朝起きると発生。敦賀西五度、上石津西六から七度、涌谷は連絡なし。

(10月31日10:06 福島県沖M6.8地震発生)

10月31日23:22

(涌谷町から)先ほど連絡がありました。突き上げるような今までの地震ではなくゆらゆら横に強弱を繰り返し一分も揺れたとのこと。
午前六時に西十度、ただしなぜかメールが遅れなかったそうです。地震直後とっさに磁石を見ると東に変化していたとのこと。その後注意深く観たら徐々に東よりに誤差が広がり東に八度程度まで変化し現在少し戻って東五度程度だそうです。ちなみに敦賀も若干東にふれ東二度程度だそうです。上石津は現在も西に五度くらいです。

653
2003/11/02(Sun) 22:55
ノリマン
関東圏の感度が話題沸騰
このセミナーでは何度も話題になりました、関東圏での地震感度が高い件がPISCOの掲示板で話題沸騰となっています。関東圏が良く揺れるのは地殻の構造に原因があるというセミナーでの知識で説明をすると、「関東平野は巨大な沖積平野ですから、埋立地でなくても弱いですよね。」という、地盤の弱さに関連付けて解釈する人が多いようです。次のような書き込みをしておきました。

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そういうことを言っているのではないと思います。沖積層の下にある地殻の本体部分の位置関係の話のようです。地殻は玄武岩の第一層と橄欖岩の第二層とで構成されているらしいのですが、海洋側に位置する関東圏では伝播特性の良い第二層が浅部にあること、このことが遠くの地震にまで関東圏(関東から北海道に掛けての一帯ですが)が感応する原因であるということのようです。関西圏は第二層が深部にあって、地表までの距離があるために、震動が吸収されてしまうということだと思います。HPでお確かめください。

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以上ですが、鉄板の上に載ったスポンジの厚みが薄い関東圏、厚い関西圏という表現をすればよかったかな、と思っています。沖積層はそのスポンジのほんの表面での堆積現象であって、殆んどは花崗岩ということになると思います。セミナーでの学びではそうなりますよね。震動が地表に達するまでに吸収されてしまう関西、吸収され難い関東ということですよね。

654
2003/11/03(Mon) 16:34
パトロス
荒れる地震サイト
ノリマン様 ご苦労様です。石田理論ではスポンジイコール花崗岩プラス堆積物&表土ということになりますね。スポンジが厚い関西、スポンジが薄い関東、したがって関東は地震の振動に敏感である、ということで間違ってないですね。大陸中央部ほどスポンジは厚くなって鈍感になっていくわけです。それにしても、地震のサイトはよく荒れますねえ、知識欲が為せる業と言えば聞こえが良いですが、中には相手を罵倒すことに快感を覚えているのじゃないかと思うような書き込みもありますね。三河の禅僧鈴木正三がこの世は餓鬼でいっぱいだと面白いこといっていますが、隠居部屋で語ることにします。此処は荒れなくて本当にありがたいです。
655
2003/11/07(Fri) 00:06
パトロス
全ての面で温故知新を
昭和初期の日本には石本巳四雄博士というマグマ貫入説を打ち出した立派な地震学者が活躍していました。その前の江戸時代には、広瀬元恭、川本幸民などのような地震爆発論を唱える学者が活躍しました。戦後は急速にアメリカ生まれの弾性反発説一色に染まってしまいました。不思議なことですが、立派な先輩たちの仕事が忘れられてしまっています。鈴木正三が忘れられ、上杉鷹山が忘れられたのと同じようにです。ケネディー大統領が「日本の政治家で尊敬する人は誰ですか?」という問いに、「YOUZAN UESUGI」と答えたという話、そしてその時に新聞記者たちが鷹山を知らなくて「YOUZAN UESUGI」って誰だ?とざわめいたという話は有名です。鈴木正三を知らない日本人が多いのに、ランデス教授は知っていました。地震学でも石本博士の「押し円錐」という用語が死語になっています。戦前の社会を全否定したGHQの世論操作にまかせたままで、自分の頭で考えることを忘れてしまった結果のように思えてなりません。もう一度、全ての面で温故知新を心がけたいものだと思います。
656
2003/11/07(Fri) 10:26
パトロス
地震学も温故知新を
石本巳四雄博士が唱えた、「押し円錐」理論とは、ライブラリ8
http://www.ailab7.com/lib_008.html#lcn008
の図―19
http://www.ailab7.com/lib_008_data.htm
に示してありますような、震源から二方向に広がる円錐形のものであります。
爆発の方向に広がる「押し円錐」が地表面とどのように交差するかで、地上の押し引き分布は変化しますし、出現する断層形状は変化します。石本博士は地層を調べるうちに、岩盤の中に何らかの原因でマグマが貫入していることを見出し、これが地震の原因だと直感されたのです。その貫入エネルギーが押し円錐を生じさせるのだろうと考えたのです。ただ何が原因でマグマの貫入が生じるのかを説明し切れませんでした。

地下水が温水、熱水となりさらに超臨界状態の水となった後は、酸素と水素に熱解離して、爆鳴気となって貯留されるということに気がつけば、貫入の原因はその爆鳴気の爆発が原因であるという説明ができたはずです。

地震の原因が爆発であるとすると、現状の地震解釈は大きく変わります。正断層と逆断層の違い、右ずれ断層と左ずれ断層の区別などあまり意味を持たなくなります。プレートの潜り込みによるひずみエネルギーの蓄積なども意味のない議論になります。地震周期説も正当な議論なのかどうか疑わしくなります。

地震学も温故知新で先輩たちの業績をもう一度見直す必要があります。

657
2003/11/07(Fri) 11:49
管理人
とり@仙台さんのHP紹介
とり@仙台さんがHPにコンパスと安心センサーの立派な個人記録簿を設置されました。このような形で個人が検証してくださると、地震の知識が広がって、不安におびえることなく暮らせるのではないでしょうか。

http://homepage3.nifty.com/toritoritori/ans.htm
扉の言葉を紹介させていただきます。

「地電流が流れたときに発生する局所的な磁場をコンパスで確認できるそうです。コンパスに動き(ズレ)がなければ、「今日は大丈夫かな〜?」と思えるだけでも、地震恐怖症の方にはオススメですよ☆ もちろん、個人的にコンパスを設置して自己の安心のために観測することもできます。でも、観測網に加わって観測結果を報告することで、周囲の人たちにも危険を知らせることができると思います。会員専用の掲示板では、些細なことにも丁寧に答えてくださる方がいらっしゃるので、私もかなり助けていただきました。観測網への参加をオススメしますよ〜☆

658
2003/11/09(Sun) 01:19
パトロス
地震被害は表土の性質で決まる
関東平野は沖積層であるから地盤が悪い、それで、関西よりもよく揺れるのだ、と解釈をする人が地震サイトで散見されます。しかし私はそうではないと思います。[651] でも述べた見解を繰り返しますが、関東圏がよく揺れる(小地震にも敏感であるという意味ですが)のは硬い地殻第二層が地表に接近しているからです。そのために、高周波の震動が吸収されること無く(減衰しないで)伝播してくるのです。

そんなに敏感ならば関東の地盤は弱いのかと言えばそういうことではありません。ならば強いのかといえばそれも一概には言えません。震害はやはりその場が昔から丘陵地帯だったのか、河川が流れていた沼沢地のような場所だったのかによって違うはずです。

硬い地殻が地表に接近しているといっても、関東圏で10kmほどの深さにあるわけで、家屋の震害はもっと表面近くの土壌部分の性質で決まるでしょう。

HI-netの記録とつき合わせたことはありませんが、私もテレビのテロップで報道されない地震を感知したことが何回もあります。とくに関東圏に居住した時に多く経験しましたが、関西圏ではその頻度が少ないようです。

地震動に敏感であるというのは、高周波数(細かな震動のこと)が吸収されないで伝わってくるという意味です。関西圏では細かな震動が[654]のスポンジイコール花崗岩プラス堆積物&表土に吸収されてしまって、感じないのです。感じないからといって関西圏は震害に強いという意味でもありません。震害はあくまで表層部分に当たる土壌の性質で決まるものだと思います。

659
2003/11/09(Sun) 23:00
パトロス
石本理論の再認識
石本巳四雄著「地震とその研究」に面白い記述がありました。

「地殻物質は粘弾性と考へる以上、相当急激に変化する力に対してのみ弾性を発揮し、其の歪力が限度を越える場合破壊が招致され(る、はずである)、従つて地震時における断層の出現の如きは(歪力以外の)急激なる力の作用を必要とする。」

解説すると、プレート論のように地殻が長期間働く力に対しては粘液のような流動的動きを示すというのなら、長期に渡っての歪力が蓄積されるということは有得ない、だから歪力ではない急激な力によって断層はできるはずだ、という意見です。「かかる主張は岩石の本性を認めず、自然を曲視する行為だ」とも述べておられます。坂柳教授は、剛体としての地殻はガラスと同じように、歪を蓄積することは無く、ポキッと折れてしまうと述べています。

「三角測量の再施行によって明かにされた地震に伴う水平移動は全く震央地域に著しく、百粁多くとも二百粁程度を距たると、も早や認める事の出來ないものとなる。従って仮令歪力が生じたるにしても其の範囲は極めて狭隘の所であり、決して日本が半分になって移動した結果でもなければ、アジア大陸が働きかけた力でもないのである。地変は震央を中心として百粁内外の内で終結して居るのである。然らば斯様な断層運動を起すべき力の本源は何処に求むべきであらうか。<br>物体は力無くしては動く事は出來ない。其の力を遠方に求める事が出來ないとすれば、震源附近に求むる外はなく、此所に少くとも水平力、垂直カを生すべき機巧を想像しなくてはならない。」

これも解説すると、測量によると断層から200キロも離れると地殻の変位量が認められないのです。したがって断層付近で大きな力が作用して変位したと考えるべきであるということです。

「地殻両部分の移動は遠方から圧す力でもなく、全く震央地方に限られて居るとすれば、震源空間に於て垂直、水平方向に成分を有する力を仮定しなければならず、此れに最適するものは岩漿内に発生する圧力の外は無いのである。」

結論としては、地殻が水平に移動するのか垂直に移動するのかという議論ではなく、岩漿(マグマ)内部においてガス圧が発生し、断層が出来たと考えるべきである、という意見です。ガス圧を発生させるのは、解離した爆鳴気であるとすれば、石本博士の理論は石田理論に非常に近いものであると言うことが出来ます。

660
2003/11/10(Mon) 00:34
パトロス
石本、ゴールド両博士の苦言
石本博士の「地震とその研究」序にはゴールド博士と同じような苦言、つまり現象を無視したような仮説を取り扱う風潮、そして研究者が地震現象を正確に認識せずに机上で研究しているというような苦言がありました。

「一般に自然現象の研究は実証的である事を必要とし、先ず認知し得る現象を対象として事実の確立を行い、結局此等は或る仮説の下に系統付けられるものである。従って地震の研究に対しても、先ず多くの事実を摘出する事より出発し、次に其等を系統付くべき仮説の必要に迫られるのである。但し今日地震原因を論ずる場合採用する仮説の中には、最早輓近(最近)の事実と離背したものの少なくない事を痛感する次第である。」

ゴールド博士の苦言は「地震計が発明されて以来、研究者は現象を忠実に観察しなくなってしまった。」というものですが、

([425] http://www.ailab7.com/log/eqlog421-430.html)次のような内容です。「地震計が発明されたため、たとえ震源から遠く離れている地点であっても、記録をもとに極めて詳細に研究することができるようになった。地震学のテーマがいっせいに開花し、地震そのものばかりではなく、地球内部の構造についても大量の情報が得られるようになった。

この方面の研究が成功を収めたことと裏腹に、地震のもつもう一つの面から注意がそらされてしまったように思われる。大衆向けの出版物では地震時の様子の目撃談が目にふれることはあっても、科学論文の中でとりあげられることはもはやなくなった。昨今の目撃談は、大昔に記録されたものと非常に似通っている。昔の記録にある噴火、炎、臭気、異常音、窒息、泥まじりの水の噴出などはいずれも現在も見られる現象である。地震は今も昔もその性質を変えていないが、研究者が注意をほかに移しただけなのである。」

文中に「地球内部の構造についても大量の情報が得られるようになった。」とありますが、そう錯覚しているだけかもしれません。博士の心配は地震現象を正確に把握していない机上の空論というような研究がなされているということでしょうか。そうではないことを願っていますが・・・。

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