前日に戻る 
561
2003/07/29(Tue) 20:35
パトロス
何時まで続く愚かな取調べ
旭山撓曲(とうきょく)に関して、「撓曲の下には、断層が隠れているに違いない」という検事(?)の声が強くなっており、冤罪は避けられそうにありません。共同通信の記事を紹介します。

------------------------------------------------
活断層評価見直しの声も 市街地近くで大きな被害

 宮城県連続地震の震源は、仙台管区気象台などの観測で27日までに「旭山撓曲(とうきょく)」という地表のたわみの場所の下に隠れている活断層が動いたとの見方が強まっている。

 しかし、こうした断層は政府の地震調査委員会が進めている内陸部の活断層評価の対象外。専門家からは「市街地直下にあれば、大きな被害が出る可能性がある」として、評価対象見直しの声も出始めている。

 旭山撓曲は宮城県鳴瀬町から河南町までの南北に走る約8キロ。過去の地震活動歴などのデータはなく、活断層の存在は確認されていなかった。

 東洋大の渡辺満久教授(地形学)は「時期はまったく分からないが、過去に今回と同じ仕組みで動いたことがあるのは間違いない」と話す。

 地震調査委によると、長さ8キロの断層は、今回の地震と同じマグニチュード(M)6・2クラスの地震を引き起こすとされ、旭山撓曲の長さと一致する。(共同通信)

[7月27日20時16分更新
-------------------------------------------------
これからは、少しでも屈曲していると、その下には活断層があるに違いない、として至るところで深く深く掘削調査が始まるでしょう。断層が現れないと、この断層はふてぶてしい奴だ、としてさらに嫌疑(?)が掛かるのでしょう。

この愚かさを何時になったら気がつくのでしょうか。

562
2003/07/30(Wed) 00:12
パトロス
日本海北部M7.1地震の不思議
7月27日に起きた日本海北部M7.1地震に関して、殆んどの地震関係者の関心事ではないようです。神戸を襲った地震と規模は同じくらいの巨大地震のはずですが、震度が深いために被害はありませんでした。しかしそれにしてもマグニチュードの値が大き過ぎるように思えてなりません。震度表示を人間の体感から機械による自動評価法にしてから、どうも震度が以前よりも大きくなるという話が報道されましたが、マグニチュードの決め方に疑問を感じますので、ニューオフィスに、「日本海北部M7.1地震の不思議」としてまとめて見ました。

http://www.ailab7.com/nihonkaiM7.1.html

563
2003/07/30(Wed) 12:22
ノリマン
固い地盤は安全じゃないのか
関東・東北圏は緻密な岩盤が地上近くにあって地震の感度が良好で、よく揺れるという話はなんとなく分かる気がします。しかし、そうだとすると、地盤の緩い場所ほど大きく揺れて地震被害が大きくなるという事実との関係はどうなるのでしょうか。緻密な岩盤の上は安全地帯のように思うのですが、もう少し詳しい解説をお願いします。
564
2003/07/30(Wed) 23:06
パトロス
地震動の伝播特性と耐震特性
ノリマンさん 確かに分かり難い話でしたね。これは地盤が保有する振動の伝播特性と耐震特性の両面から説明しないといけませんね。

緻密で硬い地殻は伝播特性も耐震特性も共に高いものがあって、地震の波動を遠くまで伝えますが、耐震的にも当然安全性が高くなります。

一方脆弱な地盤は伝播特性も悪く、耐震性も劣るので、当然地震に対しては危険度が高くなります。
関東・東北圏の地盤はライブラリー36やニューオフィス8
http://www.ailab7.com/lib_036.html#lcn036
http://www.ailab7.com/mohoro2.html
に、模式的に示すように、橄欖岩からなる緻密な地殻の第二層が地表に接近しているために、伝播特性が良くなります。いっぽう、関西方面では第二層は地表から離れており、地表近くにあるのは花崗岩質の地盤で、伝播特性は悪くなるのです。

故に関西地方での浅発地震ですと、100キロ先の地震計を弱く震わせますが、関東圏の地震ですと、100キロ先の地震計を大きく振らす可能性があるわけです。したがって、関西圏の地震よりも、関東圏の地震は同じ規模の地震でも、よく揺れる、広く揺れるということを言いたかったわけです。
ひらたくいえば、関東の地殻はよく揺れるけれども、安全性もまた高い、ということです。もっとも、地表の近くでは、かつての河川や池などの存在、堆積層の分布状況、などのほうが地盤の耐震性には大きな影響を与えることは当然のことです。
以上を言い換えると、浅発地震に関しては、関東圏の地震マグニチュードは関西圏のそれよりも過大な数値になる可能性がある、ということです。
深発地震の場合には、橄欖岩の下にあるマントル内での解離ガス爆発ですから、天蓋とも言えるような橄欖岩の地殻第二層に爆発の振動を伝えるわけで、これが関東圏で有感地震になる理由です。

565
2003/08/09(Sat) 16:09
パトロス
兵站の確立に向けて
此処一週間ばかり、名古屋を離れておりました。実は、ANS活動も兵糧なしでは無理なところもあって、少し兵站の確立を図ることになりました。したがって、今までのような頻度でセミナーを展開することができなくなりますので、ご了解をいただきたいと存じます。
セミナーを休講とするか、細々展開とするかは決めかねていますが、投稿いただいたご意見に十分な回答ができなくなるようでしたら、休講措置も止む無しと考えています。http://www.ailab7.com/rinkai.html
ANSの理想は「将来は地震を制御したい」という高いところにありますので、あせらず足場を固めて登って生きたいと考えております。宜しくご理解をお願いいたします。
566
2003/08/09(Sat) 23:53
パトロス
震源域の誤った解釈
T氏情報に「震源と震源域」をしっかり覚えて欲しいという記事がありました。
-------------------------------------------------
http://www.chunichi.co.jp/00/sci/20030805/ftu_____sci_____001.shtml
 【震源と震源域】しっかり覚えてほしい。断層が動き、破壊する点が震源。最終的に破壊が広がった地域が震源域だ。ドミノ倒しで最初に押すドミノが震源で、倒れたドミノ全体が震源域。地震被害はどこで破壊が始まったかより、どこまで破壊したかが重要。一昨年、東海地震で見直されたのは、想定震源ではなく、想定震源域だ。(後略)

 (名古屋市生涯学習推進センターでの市民向け講座から)=おわり
-----------------------------------------------------
セミナー[114] http://www.ailab7.com/log/eqlog111-120.html
に井尻先生が、断層が動いて地震になるのなら、震源が点(×印)で表示されるのは理解ができない、と三球・照代の漫才を引用してユーモアたっぷりの質問をされています。震源域とは爆発の規模を表すものではありますが、決してこの領域の歪が開放されると言うことではないと思います。爆発と言う原因と傷跡と言う結果を取り違えた解釈であると思います。

567
2003/08/11(Mon) 09:29
パトロス
Weekly まぐまぐ ANS News の発行
このセミナーでの学びなどを編集して、Weekly まぐまぐ ANS News が発行されています。
http://www.ailab7.com/mag2/index-11.html
本日発行されたもので、通巻10号となっています。無料配信ですので、ご愛読いただければ有難いと思います。
発行者:ANS観測網/渡辺義之
連絡先 ans@ailab7.com
申し込みは下記からです。
http://www.mag2.com/m/0000111131.htm
568
2003/08/11(Mon) 13:31
パトロス
オリエンテーリングに影響が出る
本日大変興味深い情報をいただきました。7月26日にM6.2の地震があった宮城県の涌谷町で、一週間ほど前に地元の高校でオリエンテーリングがあったそうですが、磁石が狂ってゴールインできなかったそうです。

現在日本オリエンテーリング協会にそうした事例の有無を問い合わせております。日本だけでなく世界的な事例として、タイムが異常に増えたとか、ゴールできなかったとかの事例があれば、大地震との関連を調べてみたいと思っています。関連する情報をお持ちの方はお知らせ願います。

569
2003/08/12(Tue) 20:17
パトロス
地震が潮汐や気圧によって左右される理由
地震関係のサイトを見ていましたら、地震と潮汐の関係がとりあげられており、著名な地震学者の解説で、「地下で起きる地震がなぜ潮の干満に関係するのか、残念ながら、現代の科学はこの答えを持っていない。」と言う静岡新聞の記事が、紹介されていました。

http://www.sbs-np.co.jp/shimbun/jisin/simamura5.html
-----------------------------------------------------------
なぜ上げ潮のとき地震が多い?

地球科学者が首をひねっているなぞがある。静岡県の地下で起きている地震の回数が、満潮時にも干潮時にも少なく、その途中に多いことが、最近、発見されたからだ。全部の地震ではない。駿河湾の底から静岡県の地下に滑り台のように潜り込んでいっているフィリピン海プレートの内部に起きた地震だけを選んで、数え直したときに発見されたものだ。

最近十四年間に起きた地震は約千百回あった。地元の人がこれだけの数の地震を感じたわけではない。ごく小さな、身体に感じないような地震がほとんどだ。

すると、満潮時と、干潮時には、それぞれ地震の一六%ずつしか起きていないのに、上げ潮時には三四%、下げ潮時には三三%もあった。つまり、上げ潮時と下げ潮時に起きた地震のほうが、満潮時や干潮時よりも、ずっと多かったのだ。

はて、なぜだろう。磯にすむ魚介類ではあるまいし、地下で起きる地震がなぜ潮の干満に関係するのか、残念ながら、現代の科学はこの答えを持っていない。

しかし、地震が今にも起きそうになっているときには、ごく小さい力でも、地震の引き金を引くかもしれない、と考えている学者もいる。その学者は、カムチャツカでは気圧の変化で地震の数が増減したと言っている。

潮汐に伴って厚さ百キロほどあるフィリピン海プレートに乗っている海水が数十センチほど増えたり減ったりする。もし気圧が影響するくらいならば、この程度の変化でも影響するだろう。しかしこの説には、確証も、あるいは明確な反証も得られていない。(中略) 私たち地球科学者を悩ませるなぞがひとつ増えてしまったのである。

----------------------------------------------------
以上がその紹介ですが、地震現象は解離ガスの爆発現象であり、解離ガスの発生する度合い、すなわち解離度は、温度と圧力の関係で左右されるという新しい地震理論を採用して考えれば、悩ませる謎ではなくなると思います。潮汐による水圧変化、大気の圧力変化などの僅かな圧力変化が、地下深部での解離度を左右していると考えれば、地震発生が左右されるのは謎ではなくなるのです。地震の発生が満潮、干潮から少しずれるのは、解離反応で下がった周辺のマグマの温度が解離ガスの着火温度に回復するまでに時間を要するからだと思います。新しい地震発生理論に関しては、ニューオフィス21および24

http://www.ailab7.com/meka.html
http://www.ailab7.com/rinkai.html
を参照してください。

570
2003/08/12(Tue) 20:37
パトロス
一点観測による地震予知の限界
PISCOの掲示板を見ていましたら、地震の危険度が「高い」という情報が何度も発せられ、そのたびに何事も起こらない事態が続くことへの、戸惑いが述べられていました。

----------------------------------------------
危険⇒何もなし⇒安全⇒またまた、いきなり危険⇒何もなし⇒安全
・・・とめまぐるしく変わると、危険を危険と感じなくなる私が怖い・・・というのが感想です。
----------------------------------------------

これは一点観測による地震発生判断の限界を表しているのではいのかと思います。また多点観測と称していても、各県一箇所にも満たない観測点の情報で地震発生の予測をするには、問題が付きまとうような気がいたします。つまり、的確な予兆検出ができなかったときの失望感が、当たらぬも八卦的な虚無感に誘導する危険性を感じるのです。しっかりとした理屈が合って、密な観測点からの情報によって、自分でも判断ができる体制が大切であると思うしだいです。

前ページへ戻る  次へ進む

索引へ戻る