新・地震学からの学び
39 日本列島付加体説は正しいか
ニューオフィス38ではプレートテクトニクスのほころびを学びました。付加体やそれによってできるテレーンについても、その認定の実際には疑義が残ることを学びました。

ところで、石田理論では、ライブラリー43にあるように地球の磁場が過去7600万年の間に171回逆転したのは、地軸の逆転、つまりポールシフトが起こったからであるとしています。ポールシフトが起こる理由は、地殻変動による地殻の重心の移動が引き起こすものと考えています。これはライブラリー54で紹介したようにゴールド博士の考えとも一致しています。ゴールド博士は地球上の質量移動によってが地軸が90度傾く可能性を述べています。

「地学教室」に載っている地球の年代図には、地球誕生から46億年の時代区分が分かりやすく示してあります。地球がマグマオーシャンの時代からどれくらい経過してからその表面に現在のような硬い表皮、つまり地殻を誕生させたのかは知りませんが、太古代から数えて40億年の間には、白亜紀以降の7600万年に171回というペースでシフトしたとしても、9000回のポールシフトを経験したことになります。古代は現代ほど地球が安定していなかったでしょうから、もっと頻繁にポールシフトが起こったことでしょう。地球は太陽からみていると、頻繁に姿勢を変えていることになります。

地球が姿勢を変える原因

その1:一つは(大陸を沈没させてしまうような)巨大地震による地盤の陥没と隆起であると思います。それによって地球(正しくは地殻)の重心が移動するからです

その2:もう一つの原因は、地球内部の熱が海溝付近の海底火山の活動を通して放出されることにあると思います。熱が放出されると、海水温度が上昇し、エルニーニョ現象などによって気象変化も起こしますが、両極に固定されていた氷が溶け出します。すると地球全体(正しくは地殻)の重心が移動するので、回転体である地球(正しくは地殻)は地軸を変化させ、ポールシフトが起こります。

地球温暖化現象は人間活動で放出される炭酸ガスによる温暖化も原因でしょうが、もっと的確な方法で、姿勢を変えようとする地球意識の寝返り動作ではないかと思うのです。少なくとも、人間の愚かしい活動に嫌気がさしていて、寝苦しく、寝返りを打ちたいと思っていることでしょう。地球の意識を認めない方には受け入れられない話ですが・・・。

その3:さらにもう一つ考えられるのは、小惑星などが衝突して、地殻に変動ができる場合です。月はマグマオーシャン時代に地球から分離したという説もありますが、そのようなときにも地球は姿勢を変えたと思われます。

日本列島付加体説は本当か

さて、38で学んだ付加体の話ですが、日本列島もその付加体の一つであり、古生代から始まって現在も成長中というのが定説による説明です。

しかし、その間に9000回もポールシフトを経験しているということは、何回も日本列島は浮沈を繰り返してきたと見るほうが自然ではないのでしょうか。何回も海底に沈んでいた時代があるから、世界中何処にも貝や水中生物の化石が存在するのだと思います。

また褶曲やデッケンといわれる地層の逆転した地層が陸地部分に存在しますが、それはいったん海底に沈降した地層が高熱を経験して半融解状態になって、褶曲したり、折り重なって反転した、ということではないのでしょうか。それが再度浮上しているのが今見える褶曲地層なのだと思います。右の図はスイス・アルプスのジッヘルカムで見られる褶曲です。ヨーロッパアルプスも何度も浮沈を繰り返しているのでしょう。

陸域よりも海域のほうが熱の発散は少なくて、同じ深さにおける地熱温度は海域のほうが高くなる筈です。その高熱のために沈降した大陸地殻は、融解されて薄くなります。大陸地殻と海洋地殻は全く別物で、大陸地殻が海洋地殻に変化することは無い、というのが定説での理解ですが、それは違うと思います。沈降した大陸地殻も、浮上した海洋地殻も時間と共に変質していく筈です。だから、海底を探査しても沈没した大陸らしい厚みを持つ地殻は見つからないのだと思います。

38の最後に載っている図のように日本列島が古生代から数億年の間連続して陸上にあって、列島の幅を広げてきたという解釈は無理があるように思います。

石田理論では、ムー大陸やアトランティス大陸だけでなく、もっと多くの大陸の浮沈があったと解釈しています。小規模のものが瓜生島であり、高知湾であり、熱海、沖縄、台湾で報告されている海中遺跡です。

http://unit.aist.go.jp/georesenv/report/p91.pdf

このHPにある図には熊野灘にある泥火山が示されています。火山という爆発(地中深くなら地震になります。)によって、地層が乱れることを教えてくれています。周囲の地層と違った岩石が存在したとしても、その理由はプレートが運んできて取り残された付加体であるということではなくて、このように噴火または地震によって突き上げられて浮上した地塊が周囲とは異質の物性を示している理由です。ゆえに付加体であるという説明は不要であると思っています。

インド亜大陸がアジア大陸に衝突したとか、伊豆半島が日本列島に衝突したとか言う話は卯田先生の言葉にある「非科学的で・・・な寓話」の一つだと思っています。