新・地震学セミナーからの学び
18 インド亜大陸の北進衝突は事実ではない
インド亜大陸の北進・衝突と、ヒマラヤの誕生物語は良く知られているところですが、ニュートン誌1991Vol11No.8の記事から紹介しましょう。

大陸移動が生んだ巨大山脈

地球上にはヒマラヤやアルプス、アンデスのような巨大山脈が存在する。このようにダイナミックな地形が形成される理由は、プレート・テクトニクス理論の登場以前はなぞに包まれていた。
巨大山脈の形成は、約2億年前に超大陸パンゲアにまとまっていた地球上の陸地が分裂を開始したときにはじまる。

ヒマラヤ山脈は4000万年前、インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突して出来た、と解説してあります。書物によって年代が違いますが・・・。事実は違います。

分裂した大陸のうちインド亜大陸をのせたプレートは、1億3500万年(ジュラ紀)ほど前に独立し、北へ向かってゆっくりと移動をはじめた。そして数千キロにもおよぶ大移動ののち、4000万年前ころにユーラシア大陸に衝突した。ユーラシア大陸の地殻を押しちぢめると同時に、インド亜大陸の地殻はその下へもぐりこんでいった。この結果、ユーラシア大陸は押し上げられ、「世界の屋根」ヒマラヤとなった。インド亜大陸の地殻のもぐりこみは、さらにチベット高地の厚い地殻をつくり、遠く天山山脈にまで影響をおよぼした。
ヒマラヤ山脈の頂上付近にみられる「イエロー・バンド」とよばれる化石の層は、二つの大陸にはさまれた海に生息していた生物の化石が、ここまで押し上げられたことを示すものである。ヒマラヤ山脈の成長は今も進行している。

以上がその記事ですが、この結論に至った経緯はニューオフィスNにも報告した岩石の残留磁気を調査した結果らしいのです。インドのデカン高原にはジュラ紀以降の噴出溶岩が見られるそうですが、各時代の磁極の位置が違っていることを、どう解釈したら良いかを考えているうちに、インドが北上したとすれば、うなずけるということになったのです。

7500万年前のインドの位置(空想)
3500万年前のインドの位置(空想)
これが大陸移動に結びつくのですが、これには二つの疑問が残ります。Nの論旨では、磁極移動の軌跡ラインが一致するから、閉じていた大西洋が(大陸移動で)開いたのだ、としています。
インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突してせり上がったとされているヒマラヤ山脈、しかし事実ではない。衝突という物理エネルギーは小さなものである。隆起させたエネルギーは爆発という化学エネルギーである。
インドの場合は磁極そのものを移動させないように解釈すると、インドが北上する、と言っているわけです。デカン高原の移動が無ければ磁極移動の軌跡が赤道近くまで下がってくるということです。大陸移動説に都合のいいように解釈しているにすぎません。そしてもう一つの疑問はNにも言えることですが、磁極移動ラインがこんなにスムーズなラインになるはずがないということです。ジュラ紀の手前にある白亜紀内だけでも磁極の逆転現象が、7600万年の間に171回起きているのです。だから、ナメクジが移動するかのように、一年に数センチずつ移動したと言うことはありえないはずです。N極とS極が逆転してしまうような大変動が171回もあったことが海底岩石に記録されているのですから、磁極移動の軌跡ラインは北へ南へ、ジグザグラインになるはずです。それを知ってか、知らずか、スムーズなラインに乗るデータだけを取り上げて立論しているのならば、詐欺みたいなものです。功名心がなせる業なのかもしれませんが、知らずにやったとしたら、知った時には自説を取り下げるべきではないでしょうか。またプレート教創設の時に、間違いがあったと解かったら、長い信仰であっても改宗するべきでしょう。プレートテクトニクス理論はかくも奇妙な経緯から信じられてきていますが、アメリカではプレート説以外の研究には研究費が回らないということです。アメリカの大学は民間財閥の寄付金で研究がなされていますが、寄付者の意向に沿わないテーマには研究費が回らない現状は、何時までたっても、誤りに気づけないシステムになってしまっているようです。その点ではまだ日本は国立大学が力を持っていますから、財閥の意向に左右されずに真実を探求できるはずです。プレート教からの脱出は日本から起こさないといけないと思います。ライブラリー28にある星野先生の言葉を紹介しておきます。

「通説に背く異端の徒に対する弾圧は、今もつづいている。米国の事情にくわしい友人の話によると、そこでは、通説となっているプレート説に反対する者は、ポストや研究費を獲得するのが難しいという。また、論文の出版を妨害された例もあるという。」アメリカでは、プレート説に反旗を翻すことは大変勇気の要ることなのです。

セミナー 38 39 ライブラリー28 43

2009年2月15日追加: http://www.youtube.com/watch?v=e4I7koOJRsk
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