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221
2002/11/01(Fri) 17:49
石田 昭
時代が変える判定に期待 
地震は爆発現象であることを論旨とする石田理論を、13年前にイギリスの科学雑誌NATUREに投稿しましたが、掲載を断られました。その時の断り状です。

your paper is too speculative ということですが、この判定は時代が変えてくれるものと期待します。「雪玉」も少なくとも今の日本社会では、too speculative ですが、西洋社会ではそうでもないと立花隆氏は述べています。日本の新聞の扱いがピント外れであると語っています。

April 6,1989
Dr.Akira Ishida
Dept.Civil Engineering,
Nagoya Institute of Tech.,
Nagoya Japan

Dear Dr. Ishida,
Thank you for submitting your manuscript "The cause and prediction of earthquake" which we are regretfully returning with this letter.

It is Nature's policy to return a substantial proportion of manuscripts without sending them to referees, so that they may be sent elsewhere without delay. Decisions of this kind are made by the editorial staff, often on the advice of regular advisers, when it appears that papers are unlikely to succeed in the competition for limited space.


Among the considerations that arise at this stage are the length of a manuscript, its likely interest to a general readership, the pressure on space in the various fields of Nature's interest and the likelihood that a manuscript would seem of great topical in terest to those working in the same or related areas of science .

In the present case, I regret to say that we feel that your paper is too speculative for publication in Nature to be appropriate .

I am sorry that we cannot respond more positively.
Yours sincerely,

Dr. Laura Garwin,
Physical Sciences Editor

222
2002/11/01(Fri) 22:02
石田 昭
アスペリティ(固着域)モデルの矛盾 
このセミナーの[88]において、「東海地震は川根地区固着域のボルトが折れる時に発生する。数十本のボルトで今はフィリピンプレートの動きが封じられているが、そのボルトが折れつつある。」と言う話を話題にしましたが、そこにでてくるアスペリティ(固着域)と言う概念をある地震関係の論文から引用して、紹介します。

まず、図の説明文には、「アスペリティ(固着域)は、地震間(地震と地震の間)は固着していて、地震時に急激にすべる。一方安定すべり域は地震間あるいは地震後にゆっくりとすべり、地震時にはむしろ急激なすべりを抑制する働きをする。」とあります。本文にはいります。

地球表面は、十数枚の「プレート」と呼ばれる厚さ100q程度の岩石の板で被われています。プレートは年間1〜10pという速度で相対的に運動しています。プレート同土の相対運動の結果、プレートとプレートの境界やその近傍で地震が発生します。東北地方の太平洋下は、このプレート境界にあたっていて、それが活発な地震活動の原因となっています。日本海溝のところから、冷たくて重い「太平洋プレート」が、東北地方が乗っている「陸のプレート」の下に向かって年間8〜9pの速度で沈み込んでいます。この二つのプレートの境界での相対運動すなわち「プレート間のすべり」が、何の障害もなく進行すれば地震とはなりません。しかし、実際には、プレート境界面で摩擦力が働き、そのため太平洋プレートはスムーズに沈み込めず、その上の陸のプレートと「固着した」状態となっています。太平洋プレートは沈み込みを阻止され、応力が蓄積されます。そして、強度の限界に達すると、固着していた境界面に沿って急激に「すべり」が発生し、蓄積していた応力を一気に解放します。これが「プレート境界地震」です。太平洋下で活発に発生する地震の殆どは、このタイプの地震です。(中略)

 ひとくちにプレート境界といっても、場所によりプレート間の固着状況が違っていることがわかってきました。同じプレート境界面でも、常時ズルズルとゆっくりすべっている場所と、普段は固着していて地震時に一気にすべる場所とがあります。この「普段は固着していて地震時に一気にすべる揚所」が、プレート間結合を担っている「アスペリティ」と呼ばれる場所であり、それらは、ズルズルと非地震的にすべっている場所、すなわち安定すべり域によって囲まれています。冷たくて重い太平洋プレートは、陸のプレートと衡突し、その下に沈み込もうとします。しかし、アスペリティで固着した状態となっているので、沈み込みを阻止され、その結果として応力が蓄積されます。そして蓄積した応力が強度の限界を超えると各アスペリティで急激にすべりが生じます。すなわち、地震の発生です。アスペリティのサイズが大きいほど強度が大きいと期待されますので、小さいアスペリティから順次破壊してゆくはずです。大きいアスペリティの破壊は大きな地震、小さなアスペリティの破壊が小さな地震に対応します。また複数のアスペリティが同時に壊れることもあります。その場合は、さらに大きな地震となります。そのようにして、順次アスペリティが破壊してゆくことによって、太平洋プレートは陸のプレートの下に沈み込んでゆくのです。これがアスペリティモデルと呼ばれる考え方で、最近の研究によって、このモデルが実際の地震発生の場で成り立つことがわかってきました。

以上ですが、アスペリティとはサイレント地震を納得させるために考え出された工夫なのでしょうか。それにしても、自由に動く部分と固定された部分とが一つのプレート上に存在するなどと言うことが、どうして信じられるのか私には理解できません。ここでも星野先生の予言(?)[210]が当たってきているように思えてなりません。また「冷たくて重い太平洋プレートが・・・・沈み込んでいく」ということは、流体力学のなかでも静水力学が成り立つ場での議論です。それがどうして、固体力学の場に導入できるのか、とっても不思議な思いがいたします。

223
2002/11/02(Sat) 11:59
ノリマン
観測精度を上げても本質は分からない
石田先生

「アスペリティとはサイレント地震を納得させるために考え出された工夫ではないのか」と言う見方はよく理解できます。[211] のサイレント地震の説明にもありましたが、

「地殻を構成する岩盤にも疲労破壊が生じており、毎日のように各地で小さな地震が起こっています。その上に乗っかっている土壌が少しくらい動いても、不思議なことではないでしょう。感度がよくなり過ぎて、かえって本質が見えなくなってしまっています。」ということですね。

観測の精度が、人工衛星やら、宇宙観測技術によって飛躍的に向上したと言っても、地球表面の土壌の動きなんでしょうね、地殻の動きまでは、人工衛星からは分かりませんからね。人間の体だって、レントゲン検査をしない限り骨の異常までは分かりません。[211]にある「膚科の医師が、骨の癌を宣告するようなものではないでしょうか」という表現も実によく理解できます。辻褄の合わない話の一つだと思います。

224
225
2002/11/02(Sat) 12:13
ノリマン
アイソスタシーの矛盾
ライブラリーの37にアイソスタシーの矛盾という項目があって、次のような解説がありますが、

「定説では大陸の地殻(定説は玄武岩の部分をさす)がマントル(定説は橄欖岩の部分をさす)の上にまるで氷山のように浮かんでいるように見えることから、アイソスタシー(静的な釣り合い)という考え方をとっています。これが全くの矛盾であることは理解できると思います。大陸側の地殻は海洋側の地殻よりも厚くなっているというだけのことです。陸上は冷却され易く、地殻が厚くなるのです。海洋の底は冷めにくく、地殻の厚さは薄いのです。」

これも、流体力学の範疇の静水力学を固体力学に導入するという矛盾なんですね、よくわかりました。

226
2002/11/03(Sun) 07:47
石田 昭
名古屋は異常なし
T氏よりメールがありました。

石田先生 KS様から何年かぶり(初めてかもしれません)に、警戒警報のMLが届きました。関西ナマズ様も要注意です。岩瀬様はここ暫く絶叫バージョン、PISCOのデータに昨日異常が再度出ました。行徳高校も電磁波異常を捉えています。月の軌道上からは、十一月五日が年に1〜2度有るかどうかの強い引力の相互作用を受ける日に成ります。

今は脱退してしまいましたが、東京女子大学の鳥山先生が会長をされている地震前兆研究会が出している、植物の生体電位のデータ(今は入手できません)が異常を示せば、私が当時決めていた総ての条件そろった事と成ります。

根拠は有りませんが、宮崎が気に成ってなりません。変な話ですが、これだけ異常が揃って何もなければ、前兆の調査対象を、全面的に見直さなければ成りません。

 安心センサーネットワークが構築されるまで、唯それと無く気にしているしか有りませんが・・・。我が家の安心センサーは総て正常です。

以上です。名古屋の安心センサーも異常ありません。ガウスメーターも異常値は示しません。動物たちが騒いでいる様子もありません。その他変だなというような状況は何もありません。

227
2002/11/03(Sun) 09:45
石田 昭
大陸内のタジクで起こる深発地震
T氏がトルコのエリキン氏に以下のような質問をされたそうです。

「もしご存知で有れば教えて頂きたいのですが、世界中でタジク共和国周辺だけが、内陸で地下深くに震源を持つ地震が発生します。石田理論によれば、地震の最大の原因は水に有るのですが、タジク共和国周辺で昔、湖が消えた等、何か特殊な事が有った話を聞いた事は有りませんか。」

エリキン氏からの返事

「パミル高原のタジキスタンや東トルキスタンのカシュガルの西南では時々地震が起こっています。パミル高原のあっちこっちに小さな湖がたくさんありますが、昔海から変わった 来たでしょ(原文のまま)。中央アジアで天山は5億年の歳です。クルム(崑崙)、カラクルム (カラコルムとも発音します)などは天山より若いです。」

以上のやり取りは、拙著「地震の謎を解く」の中にある次の文章から発しているのでしょう。

「浅発地震の震央は広く分布していますが、深発地震はかなり限定されています。過去の地震で地殻第二層の下にまで水が落下したのは、数少ない場所だけということでしょう。内陸のタジク共和国にも一ヶ所深発地震が多発する地域が存在するのは興味深いことです。古代に大地震があって、湖が消えたというような事件、その時、地殻の下部に大量の水が取り込まれたという事件があったのではないでしょうか。」

「ヒマラヤ聖者の生活探求(霞ヶ関書房)」という本をみると、太古の時代の不思議な話が出てきます。アカデミズムの学者には眉唾ものばかりでしょうが・・・。

228
2002/11/03(Sun) 10:24
石田 昭
解離爆発の詳細内容を探求したい
探究心旺盛なT氏が次のような考察を送ってくださいました。

水の解離爆発の発生条件範囲は、現時点で掌握されている知見の範囲では大変狭い様に思われますが、地下深くで水が時間を掛けて水素ガスと酸素ガスに分解している条件エリアが有る可能性は無いでしょうか。恰も、地下のガス工場の様に、周辺から供給される水を豊富な地中のエネルギーでガスに分解し続ける条件エリアが有るとしますと広範囲に連鎖反応ガスが行き渡り、何らかのきっかけで着火しますと、爆発的に広範囲を押し広げた後、水蒸気に成る事で急激に縮小するような事は起こらないでしょうか。高温・高圧・触媒となる珪素化合物等の存在が複雑に作用して、地上には無い反応が有るかもしれません。 少なくとも、岩石の連鎖爆発より有りそうに思えるのですが。

次のような返事を差し上げました。

「地下深くで水が時間を掛けて水素ガスと酸素ガスに分解している条件エリアが有る可能性」・・・これは充分にあると思います。これが解離層だと思います。解離層内にマグマ溜りがあれば、その内部に分離したガスが貯留されることになると思います。これが着火して爆発になるのか、マグマ溜りの壁が圧力破壊されて(その間に電磁波を放出)、減圧し、解離が一気に進行して爆発になるのか、どちらなのかはまだ分かりません。どちらにしても解離という現象が最初にあって、何らかの爆発・収縮が起こっているのだと思います。爆発によってマグマが排斥された空間で、収縮は起こるのでしょう。・・・でも本当に誰も見えない世界ですから、実証するのは困難でしょうね。化学の専門家たちを納得させることの出来る反応プロセス、かつ地震時の押し引き分布を説明できるプロセスを研究してください。私もさらに検討してみます。

以上ですが、解離爆発の詳細内容が解離反応爆発なのか、解離蒸気爆発なのか、それとも解離水素爆発なのか、衆知を集めて探求したいと思います。

229
2002/11/03(Sun) 14:02
管理人
宮城県沖 M6、2地震 では東京の安全センサー変化なし
T氏より、先程の12時37分 宮城県沖 M6,2 では、東京の安全センサーに変化有りません。東京では震度1ですから、安心センサーとしての機能は果たしていると言えます。P波とS波の間が長く遠方地震で有る事が良く分かりました。

安心センサー二号の振り子は、容器に触れるギリギリまで揺れていましたが磁石は落ちませんでした。

230
2002/11/03(Sun) 19:59
石田 昭
特命リサーチも間違えて伝えているニオス湖事件 
日本テレビの特命リサーチ200XというHPを見ていたら

http://www.ntv.co.jp/FERC/research/index.html

1997/11/09報告

  原因不明の大量死を追え!(二酸化炭素中毒)

というタイトルで、カメルーンのニオス湖で起きた二酸化炭素噴出事件の記事があった。いまだに、真相がつかめないままに、おかしな解説がなされていることを知りました。これは、二オス湖の地下深くで起こった炭酸カルシュウムの解離爆発地震であるというのが、石田研究所の見解です。(HP本文「何故炭酸ガスが噴出することがあるのか」を参照)

F.E.R.C Research Report - File No.0729

 原因不明の大量死の謎を追え!

  1997/11/09  報告 報告者:片山 健、吉川 美佐

1986年8月23日カメルーン共和国・ニオス村で大量の牛の死骸、村人の死体が発見され、8km離れたソウボ村・チャ村でも人口の半数以上の人間が死亡。死者の総数は1746名におよんだ。この時地震・竜巻・洪水などの自然災害を裏付ける傷跡は見られず、死者の多くは寝ているままの即死状態で家屋にも損壊した跡はなかった。仮説として、1995年インド・カルカッタ周辺で起きた水質汚濁説・1976年アフリカスーダンで発生したようなウイルス説・毒ガスによる化学兵器説などが考えられた。事故当時地響きと共に爆発音がして、外は濃い霧のため視界が全くない状況であった。そこで、亜硫酸ガスや硫化水素といった火山性中毒ガスの可能性もあった。しかし、実際の原因は大気中の二酸化炭素にあった!!。

二酸化炭素(CO2)は通常の大気中に約0.03%含まれる無味・無臭・無色の気体で、清涼飲料水などにも利用されている。しかし、茨城県立医療大学の内藤裕史教授によるマウス実験では、酸素が充分供給されている状態でも二酸化炭素の濃度が上がると中毒症状が起き、死に至るという結果がでた。二酸化炭素は人間の体にとって極めて大切な中枢神経を麻痺させる作用をもっていた。

ニオス村から3km離れたところにあるニオス湖の湖面には高濃度の二酸化炭素が発生していた。(岡山大学固体地球研究センター・日下部実理学博士)地滑りが起こり、高い水圧のため大量の二酸化炭素を含んだ水が上昇一気に気化して爆発が起こったと考えられる。日本の場合は四季による湖水温度の変化がなく、水の循環が良いため二酸化炭素は蓄積しずらくなっている。

しかし、普通生活でもドライアイス運搬中の中毒や二酸化炭素消化装置による事故発生など二酸化炭素には日頃から注意が必要である。

以上がその記事です。炭酸カルシュウムの熱解離現象から地震が起こり、かつ噴出してきた炭酸ガスによってニオス湖の惨事は起こったのだと思います。湖の底近くにラムネ水のような炭酸水が大量にあって、それが地震時の衝撃で急激に発泡したのだという解説ですが、天然のラムネ水が湖底近くで自然の作用で出来たとは考えられません。

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