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741
2004/02/28(Sat) 17:08
パトロス
納税者を納得させる責任がある
地震学会のFAQ40(http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/FAQ/QA.htm#QA040)には次のような補足があります。


補足3 プレスリップの規模が小さかったり、プレスリップが観測網から離れた場所で起こる場合は、プレスリップによる地殻変動(およびそれに伴う現象)は検知できず、東海地震は予知できません。補足4 プレスリップに相当するゆっくりすべりによる地殻変動が生じても、地震発生にいたらない場合もありえます。このような場合に、地殻変動検出によって、地震予知情報を出したとするとそれは空振りになります。

というものです。東海地震は観測網が整備されているから、プレスリップが検出できて、地震の予知が出来る、と言うのが公式見解かと思っていましたら、(補足3で)検知できない場合もあるということです。
それならば観測網を蜜にして検知できた場合には予知にも成功するのかと思ったら、(補足4で)検知できても地震発生にいたらない場合もあるそうです。
では何のために国費を使って観測網の整備をしたのでしょうか。これでは、「地震が発生した場合にのみ予知に成功する。」と言っているのと同じことで、予知でもなんでもありません。プレスリップ情報を与えられても住民はどうしたら良いのか戸惑ってしまいます。
ちなみに私はプレスリップという現象は存在しないと思っています。GPSで観測できる地表の動きは人間で言えば皮膚の動きであって、地殻という骨に相当する部分の動きではないと思うからです。補足3と補足4はプレスリップ現象は存在しないと言っているのと同じことのように思えてしまいます。少なくとも「GPS観測の結果からは確実なことは何も分からないのである。」と言っているのと同じではないでしょうか。

それなのに又、同じような観測網整備を南海地震や、東南海地震のために実施して行くのでしょうか。そうしたことを無駄遣いと私は言っているわけです。国費を使う地震関連の研究者は分かりやすい言葉で納税者を納得させる責任があると思います。

742
2004/03/02(Tue) 15:26
パトロス
続・恐竜の絶滅原因
セミナー[737][738]で紹介したメキシコのチチュルブ(Chicxulub)クレーターは恐竜絶滅とは無関係であるいうことが掘削調査で判明したそうです。

「この「チチュルブ・クレーター」は1990年代初めに発見され、直径は推定180〜280キロ。形成時期は従来、大量絶滅が起きた白亜紀と新生代第3紀の境界(KT境界)の前後20万年以内とされ、ほぼ一致するとの見方が有力だった。
 しかし、研究チームは2001年12月から02年2月にかけ、(中略)クレーターの中心から約60キロの地点を掘削。KT境界は地下794.1メートルと、いん石の衝突跡より約50センチ上にあることを突き止めた。さらに、堆積(たいせき)物の分析など5種類の方法で詳細な年代を特定した。 (時事通信)」

というものです。すでに述べましたが、恐竜絶滅の原因はポールシフトによる気候の激変、巨大津波の発生、が大きく働いていると思います。アルバレス博士たちの恐竜絶滅原因説も破綻し、振り出しに戻ったようですが、地球科学者がポールシフトを認めない限りは、恐竜絶滅原因も分からないまま、謎が続くでしょう。私は中央海嶺から左右に広がっている海底岩盤の磁気縞模様はポールシフトが起こったことの証拠であると考えています。ライブラリー43 http://www.ailab7.com/lib_043.html#lcn043に述べたように、地球は7600万年の間に171回の地軸変動を繰り返してきていると考えています。現在は極地入りしている南極大陸もかつては温暖な地域に位置したこともあって、それゆえに、恐竜の化石が南極大陸で発見されるのだと思っています。
http://www.ailab7.com/lib_042.html#lcn042

743
2004/03/05(Fri) 00:04
パトロス
根拠の無い関東大震災5月説
関東大震災5月説というものがあるようです。それを報じる週刊現代の記事を本屋で立ち読みしました。相も変らぬプレート説による歪の蓄積が限界に来ているというような話でした。プレート説に立脚すれば、歪はすでに限界点に来ているわけですから日増しに危険が高まっていくということになり、東海地震は明日起こってもおかしくないということになります。定説地震学ではそれを否定することができません。しかしプレート説が間違っていれば、話は全く違ってきます。
ANSではプレート説は間違っていると考えています。2,3ヶ月先ことを今断言はできませんし、観測点の少ない地域のことも断言できませんが、少なくとも明日関東圏や中部圏に大地震が起こることは無いと言えます。また5月に起こるならば、3月末か4月には必ず兆候が現れると思います。今のところはどこからも大地震の発生を示すようなコンパスの異常は報告されておりません。大地震ならばコンパス異常を含めて明瞭な前兆が出る筈です。小地震まで予知できなければ予知法として認められないというような潔癖症みたいな雰囲気が混乱を増し、不安感を増幅しているのではないでしょうか。ANSは大地震だけを検知できればいいと考えております。また大地震は必ず明瞭な前兆をあらわすものと考えています。ANSの会員からは次のようなメールをいただきました。

「ほとんどのサイトが、今日も心配、明日も注意!M3の予測的中!そういうのを日々見ていると、もうクタクタになります。もちろん、今は全くといっていいほど見ていませんが・・・。ANSのサイトと出会って、どれほど安心を得ることが大切で有り難いことか。小規模地震は、毎日といっていいほど起こっているし中規模地震なら、日頃から意識が高まっていれば、大事にならずにすみます。でも、大規模地震は命にかかわってきます。ずっと、その方針(大地震だけを検知できればいい)でいてほしいと願っています。」

以上ですが、ANSに入会される前は空を見上げては雲の様子を心配し、夕焼けを見ては色合いを心配し、という生活だったようです。今は夕日の美しさに感動し、雲の変化に季節の移り変わりや自然の営みを感じるというごく普通の生活を取り戻しておられるようです。ANSが目指しているのは災害の軽減はもちろんですが、そうした安心感を生み出すことが目的の一つでもあります。

メディアの煽り記事は困ったものだと思います。またそこに同調的コメントを寄せる地震学があることも何とかしなければならないと感じました。

744
2004/03/06(Sat) 13:38
パトロス
続・根拠の無い関東大震災5月説
もう一度立ち読みしてきましたが、科学ジャーナリストの金子と言う人が関東大震災は5月に彗星が接近するために、地球にエネルギー蓄積されて起こると言っているらしいです。これまでにも彗星が接近したことはありましたが、その都度大地震が起こってはいません。何か寓話を読んでいる様な感じです。地震がなぜ起こるのかの説明をしないで、エネルギーが蓄積されると言うのでは説得力を感じません。

毎年のように起こる地震騒動の根底には、蓄積された地震エネルギー(寓話)が限界に来ているので、些細な衝撃によってでも引き金が引かれてしまう(これも寓話)というような緊張感が社会に根付いてしまっているということが原因のように思います。煽られることの無いように納得できるまで学んでいただきたいと思います。

745
2004/03/07(Sun) 21:53
パトロス
「特命リサーチ200X」の感想
本日放映の「特命リサーチ200X」を見ていました。東海地震の警戒宣言というのは結局出されないか、出しても空振りに終わるのではないかという感を強くしました。[741]の補足3にあるように、検知できずに大地震が起こる可能性と、補足4にあるように発表すれば空振りに終わる可能性があると思います。

要するに東海地震は予知できないでしょう。なぜなら地震は爆発現象であって前兆滑りという現象が存在しないからです。大地震が起こるとすれば測地的前兆が現れるのと爆発現象とがほぼ同時に起こる筈です。

「忘れじの記」([728] http://www.ailab7.com/log/eqlog721-730.html)にもライブラリー6http://www.ailab7.com/lib_006.html#lcn006にもあるように、測地的変動はむしろ爆発という地震現象の後からのほうが顕著に現れる筈です。観測情報、注意情報に続いて警戒宣言という段取りのようですが、結局は失敗に終わるのではないかと思います。
測地的観測に頼るのをやめて、電磁気的手法、噴出ガスの観測という化学的手法に切り替えないと、余地の成功は困難でしょう。
東海地震が今後20〜30年の間に起こらないとすれば、南海、東南海にあたる地域が現在の東海と同じような臨界状態に近づいて、三つの大地震が同時に起こる可能性が出てくる、と地震学の権威が述べていましたが、そんなことはないと思います。繰り返して述べていますが東海地域が臨界状態にあるというのも、三地区が同時に臨界状態になるというのも寓話にしかすぎません。

746
2004/03/09(Tue) 00:02
パトロス
津波の第一波について
昨日の「特命リサーチ200X」の解説図にもありましたが、東海地震は海溝型の地震であって、断層の形状は、陸側の上盤が海側の下盤の上に跳ね上がるものとされています。したがって当然ですが津波の第一波は海水が持ち上げられるため押し波になると理解するのが自然です。しかし現実には、第一波は引き波になることもあります。「稲むらの火」で知られる紀州広村を襲った津波は最初に海水が引いた事が知られています。
ANSの理論では、ライブラリー8http://www.ailab7.com/lib_008_data.htmやライブラリー11http://www.ailab7.com/lib_011_data.htmlに示すように爆発する方向に軸を持つ押し円錐が地表面と交接する具合によって、正断層にも逆断層にも、また水平断層にもなります。これからも理解できるように、津波の第一波は押し波の場合も引き波の場合もあります。
定説ですと、東海地震などの大地震は海溝型であって、陸側が跳ね上がる逆断層しか生じないことになりますが、それは正しくないと思います。

またプレート説に基づく理論では断層は直線にならなければおかしいですが、実際には円形や楕円形になるはずです。高知湾では白鳳年間の大地震で跳ね上がるどころか広範囲に渡り陥没が起こっています。井尻先生はなぜ震源が直線にならないで点で表示されるのか、とあるセミナーで地震学者に問いかけています。(参照:セミナー[114]http://www.ailab7.com/log/eqlog111-120.html)
よくある回答は断層が破壊を開始する点が震源であって、大地震ほど破壊の終点が遠方まで伸びるのだと説明されています。しかしそれは、震源における爆発現象によって出来る傷の広がりを指しているのであって、原因と結果を取り違えていると思います。


747
2004/03/09(Tue) 11:34
パトロス
月末全国一斉観測日について
「特命リサーチ200X」地震のなかで、防災対策強化地域判定会  溝上 恵氏は次のように述べておられます。

「東海地域の震源域の下では海の岩盤が陸の岩盤を押し縮めて、歪みが今臨海状態に達している。明日、今日にでも地震が起きても不思議ではない状況である。」

これが本当ならば、東海地震5月説どころか毎月地震発生の危機説が流れても、それを打ち消すことが出来ません。そして日を追う毎に危険度が高まっていくことになります。

ANS観測網では東海地域がそのような状況にあるとは考えておりません。臨界状態になっている地域が全国に存在するとは考えておりません。不安感の高まりを防ぐためにも、ANSでは3月末より月末全国一斉観測日を設けて、各地の状況を観測記録簿に記入していただくことになりました。従って月初のマップ(会員限定の閲覧ですが)には、最新の信頼できるコンパス情報が載せられるはずであります。安心感を得たいと思われる方のご要望にお応えできるかと期待しております。

748
2004/03/10(Wed) 13:09
パトロス
プレート論に固執する地震学は停滞している
9年も前に発行されたものですが、最新科学論シリーズ29「最新地震論」―地震はコントロールできるか?―(学習研究社)という雑誌があります。その中に、「地震論の背景にあるもの」、と題して大村学という方が種々の問題を提起しておられます。書き出しに「地震理論を支配する「前提理論」の作られ方」という一文がありますので紹介します。

現在の地震研究は、誰の目にも、1つの科学分野としてきわめて不十分だと映るに違いない。その最大の理由は、地震がどのようにして起こるかというメカニズムの説明はいくらでも聞かれるのに、そのメカニズムによって起こるはずの地震が正確にいつどこで起こるのかが、まったく明らかにされない、少なくとも現時点では「科学的な予知」と呼べるものが存在しないに等しいからであろう。
ということは、もしかすると地震のメカニズムについての研究者たちの説明も、きわめて不完全か、ないしはどこか重大なところで間違っているのかもしれない、という疑問が生じる。

そこで本書は、さまざまな地震研究者から現在の地震研究の最先端を報告してもらい、いま何がわかっており何がわからないのか、何が確実であり何が仮定や推測や憶測にすぎないのかを描き出そうとしている。読者はここに集められた報告を見て、地震研究の先行きに期待を抱くかもしれす、逆に落胆するかもしれない。いずれにせよ、世界の地震多発地域である日本列島の住人としてのわれわれ全員が、この問題をすっかり忘れて今日を生きることもできなければ、社会の先行きを考察することもできないという共通の認識だけは、より具体的かつ鮮明になるのではなかろうか。
ところで、本書に紹介されているさまざまな議論や仮説・理論には、共通の大前提がある。それは、いずれもが、1960年代後半にアメリカで作られた「プレートテクトニクス」という単純な概念の上に立って論じられているということである。この概念はいま、日本のほとんどすべての地震研究者に受け入れられている。しかしこのことは、科学研究における1つの不安要因でもある。というのも、もし将来プレートテクトニクスそのものに重大な疑問が投げかけられるようなことがあれば、それを拠り所にしているいまの地震理論の根拠がぐらついてしまうからである。

以上が大村氏の不安です。たくさんの地震サイトが存在しますが、すべてこのプレートテクトニクスという単純な概念を信じた上で議論が展開されています。これを否定しているのはANS観測網だけであると思います。大村氏は不安要因と述べておられますが、論文の締め括りでは、

「しかし地球上には、それだけ(プレートテクトニクス理論)では説明できない地殻現象が少なくない。したがってわれわれは、この種のモデルをつねに一定の留保つきでしか受け入れることができない。「たしかにそう言える部分もある。しかしそれはすべてを説明してはいない」というようにである。この種の理論を人々が安易に受け入れるようなナイーブな社会では、科学研究は停滞するに決まっているのだから。」

とも述べておられます。プレート論に真っ向から否定している私の眼には、地震学はまったく停滞しているとしか見えません。

749
2004/03/11(Thu) 11:05
パトロス
ご都合主義のプレート論
[748]に紹介した「地震理論の背景にあるもの」のなかに、「地震研究の前提としてのプレートテクトニクスとその不完全」という項目があります。そこで筆者の大村氏は「(プレート理論には) 何となく、科学理論が構築される過程でよくあるご都合主義が感じられなくもない。」と次のように述べておられます。

「このプレートテクトニクスは非常に単純で、「よい理論」としての性質を備えているように見える上、実際の地球表面のさまざまな現象をうまく説明することができる。しかしこれは、地球の表層部分の、いわば卵のカラの構造と運動について説明しているだけである。割れたカラの一部(海洋プレート)だけがなぜ地球表面をゆっくりと運動しているのか、そのダイナミクス(力学)やメカニズムは明確にされないままの現象理論でもある。(中略)
さらにもう1つ、この理論には決して譲れない前提がある。それは、1枚1枚のプレートは鉄板のような「剛体」であるという点である。つまり、プレートはつねに生み出されては消滅しているというダイナミズムをもっているにもかかわらず、それが地球の表面に存在する間はほとんど変形することができないということだ。ここには何となく、科学理論が構築される過程でよくあるご都合主義が感じられなくもない。

以上ですが、「多くの研究者が確立された理論としてしろうと向けに説明しているプレートテクトニクス」は専門家からマスコミまですべて、それどころか教科書にまで載せられて、真理として扱われています。
ですが、剛体であるはずのプレートは海溝で急角度に折れ曲がって潜り込んでいますし、フィリピンプレートなど、誕生する場所が無いと言うのに潜り込みを続けているという「ご都合主義」の上に成り立っています。そんな間違い理論を学び、暗記しなければ、大学入試にも合格しないという社会を後世の人はなんと評価するでしょうか。
このセミナーで以前に回答しましたが、残念なことに現状では石田理論の真価は「歴史の検証」に委ねるしか術がないように思われます。

750
2004/03/11(Thu) 17:20
パトロス
北アメリカ最大の地震
セミナー[463]http://www.ailab7.com/log/eqlog461-470.htmlでも紹介した北アメリカ最大のニューマドリッド大地震はアメリカ中部ミズーリ州という大陸内部で発生しました。大地震は海溝型であるというプレートテクトニクス理論では説明できないものだと思います。また2ヶ月足らずの間にM8級の大地震が3回も起こったということは、歪みエネルギーが蓄積されることが原因であるという定説地震説では説明できないのではないでしょうか。「最新地震論」から小説「揺れ動く大地」の一説を紹介します。

(1811年)12月10日頃から大地の鳴動が始まり(第一回目の烈震は16日)、それはだんだん大きくなっていった。当時ここより西はまだ先住民(アメリカ・インデイアン)の支配地域であったが、来たるべき天変地異を予感したらしい彼らは自らの住居に火を放ち、平原の木の下に移動したという。(中略)
夜が明けてしばらくした頃、湖の真ん中あたりの底に割れ目ができたかと思うと、それが見るまに広がり、中からまっ黒な泥がキノコ雲のような形に吹き上げた。割れ目がついに湖全体をのみ込むほどに広がると、今度は水を深い地の底へと吸い込んでいった。この地震のあと、翌1812年1月23日と2月7日にもマグニチュード8級の大地震が同地で発生し、その揺れは北はカナダ国境から南はメキシコ湾、西はロッキー山脈から東は大西洋岸に至るまで人問のからだに感じられたという。

以上ですが、同じ場所で二ヶ月足らずの間に同じ規模の歪みエネルギーが解放されるということは理解に苦しむところです。熱エネルギーによって解離した解離ガスが蓄積し、爆発を繰り返したと言う化学反応エネルギー説なら、容易に理解が出来る話しです。第一回目の烈震で出来たひび割れから大量の湖水が地球内部に侵入し、大量に存在するマグマの熱で解離現象が生じたのでしょう。そう考えれば、二回目、三回目のM8級地震も納得できますし、解離層が安定するまでの間一年間に渡り、余震が続いたというのも納得が出来ます。

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