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801
2004/09/05(Sun) 23:51
パトロス
本日の紀州沖地震
本日19時7分の紀州沖の地震では、名古屋でもかなりの揺れを感じました。数十秒揺れていたと思いますが、直後にコンパスの変化はありませんでした。マグニチユードは修正されてM6.9ということですが、前兆らしいコンパスの異常は報告されていませんでしたので、揺れている間に、神戸の地震のようなことにはならないだろうという安心感はありました。しかし、小規模ですが津波が発生していますから、震源が陸域だったら大変なことになっていたことでしょう。事後でも結構ですが、愛知、三重、静岡地域で異常を観測されていた方はご連絡をお願いします。
802
2004/09/06(Mon) 10:51
パトロス
昨夜発生した二回の地震
昨夜起きた二回目の地震(6日23時57分)はマグニチュードが7.3から7.4と修正されました。最初の地震より規模も大きく、名古屋でも一回目よりも大きく揺れましたが、棚から物が落下するようなことはありませんでした。

テレビの解説では当地の大学の地震学者が説明をしていましたが、心配される東南海地震とは地震発生のメカニズムが違うということです。潜り込んでくるフィリピンプレートの内部での地震であり、海洋プレートと大陸プレートの接触面で起きる海洋型地震ではない、というようなことでした。では剛体であるはずのプレート内でどうして地震が発生するのか、どのような仕組みで剛体内部に断層ができるのか、などについての説明はありません。またこれほど両プレートの接触面近くで起きているのに、溜まっているといわれるひずみエネルギーが開放される事がないのか、なぜ二回目の地震のほうが規模が大きくなるのか、などなど説明は無く、定説地震学への疑問が深まるばかりです。
気象庁の見解も同様なものですが、次のような記事がありました。

「紀伊半島沖、東海道沖で5日夜、連続して起きた地震について、気象庁は6日未明、双方の震源は約30キロ・メートルしか離れておらず、ともに「フィリピン海プレート」の内部であると見ていることを明らかにした。
 地震規模マグニチュード(M)8・1前後の巨大地震になるとされる東南海地震とは発生の仕組みが異なっており、同庁は、「今回の地震がきっかけで『東南海』が起きるとする理由は見つけにくい」としている。
 東南海地震は、フィリピン海プレートが陸側のプレートの下にもぐり込む境界(南海トラフ)で起きるとされる。プレート内部で起きた今回のような地震の場合、大規模な被害をもたらすような地震は過去も起きていない。
 山本雅博・地震津波監視課長は「(1944年12月に起きた)東南海地震以後、M7クラスの地震は初めてで、相次いで起きた点も前例がない」と話した。「前震」「本震」との関係については、「また同規模の地震が起きる可能性があり、現段階では決められない」と説明。同日午後に開かれる政府の地震調査委員会の検討結果も踏まえ、「今後の見通しを検討していきたい」としている。 (読売新聞) - 9月6日5時35分更新

つまり定説地震学では納得のいく合理的な解説は不可能であるように思います。石田理論では、「地震は解離ガスの発生するところ、どこででも起こるもので、解離するガスの量によって地震の規模が決まる。」ということになります。また「ガス量が多くなるほど、岩盤への圧力が大きくなり、地電流の発生も強くなる。よって局所的な磁場の変化を地上の簡易コンパスで検知できる。」ということです。今回の地震は海域に震源があり、陸域にまで磁場の変化を与えるような規模ではなかった、ということになります。

803
2004/09/06(Mon) 11:52
パトロス
津波の規模と「押し円錐」の傾き
昨夜の地震を体験した尾鷲市九鬼町の義母に先ほど聞いてみました。三時過ぎまで高台の小学校に避難していたそうです。義母は昭和19年の東南海地震も体験しているそうですが、あのときに比べたら、揺れの時間も短く横揺れだったので、それほどの騒ぎでもなかったそうです。東南海地震のときは時間が長く、下から突き上げるような縦揺れが激しく、歩くことが出来なかったと言っていました。津波も大きなもので、逆巻いて河川を遡上する光景が恐ろしく、今も脳裏に焼きついていると述べています。それに比べたら津波はほとんど気が付かないくらいの物だったようです。九鬼にはコンパスを設置してあるのですが、地震の前も後も変化はなかったということです。
津波の規模が小さかったのは横揺れであったため、つまり地震初動の「押し円錐」の軸が水平に近かっためで、傾き方が鉛直に近かったならもっと大きな津波災害を引き起こしていたことでしょう。揺れ方も縦揺れが激しくなることでしょう。

「押し円錐」という概念は石本博士の発案ですが今では死語となっています。でも復帰させるべき優れた概念だと思います。詳細はセミナー[656] http://www.ailab7.com/log/eqlog651-660.html
またはライブラリー8 http://www.ailab7.com/lib_008.html#lcn008などを参照してください。

804
2004/09/06(Mon) 15:50
パトロス
専門家が戸惑う双子型地震
今回の地震は例の無い双子型であって専門家が戸惑っている、と読売新聞が報じています。

例ない“双子型”に専門家戸惑う
今回の地震はM8・1前後とされる東南海地震とは発生の仕組みが異なっていることから、同庁は「今回の地震がきっかけで『東南海』が起きるとする理由は見つけにくい」としている。
 しかし、専門家の間には戸惑いもある。
 安藤雅孝・名古屋大学地震火山・防災研究センター教授は「この規模の双子の地震は例が少なく、分からないことが多い。東南海地震と全く関係ないとも言い切れない」と言う。
 大竹政和・日本地震学会会長は「(東南海地震で想定される)プレート境界の地震と(今回の2地震の震源である)プレート内部の地震は、関係ないどころか、むしろ密接な関係をもっている」と指摘する。
 1978年6月の宮城県沖地震(M7・4)は「プレート境界」で発生したが、4か月前の2月には「海側のプレート内部」で発生している。このように「内部」が先行し「境界」に及んだケースは過去にあるという。
 大竹氏は「今回の連続地震と東南海地震との関連は、軽々には判断できない」と指摘している。(読売新聞) - 9月6日14時55分更新

以上ですが、歪エネルギーが解放されると地震が起こるという定説地震学では、なぜ同じ規模の地震が同じ場所で起きるのか、なぜ二回目が一回目より大きいのか、三回続く事は無いのか、などなどの疑問に対して納得のいく回答は得られません。
解離ガスの爆発説では、簡単なことです。解離層が安定するまでの間は、水は解離と結合を繰り返すために、(ニューオフィス24 http://www.ailab7.com/rinkai.html
の図2参照)二回目のほうが解離ガスの蓄積量が多い事もあり得るのです。解離層が安定するまで三回、四回と同じプロセスを経過していることが余震が続く原因です。プレート内地震と(東海地震や東南海地震など海洋型という巨大地震の原因とされる)プレート間地震という区別も私はナンセンスだと思っています。

805
2004/09/06(Mon) 22:42
パトロス
定説地震学によると矛盾が生じる
気象庁は今回の地震の深さを10kkmと発表していましたが、計算し直したら38kmと44kmであったとして訂正発表したそうです。4倍もの違いがある計算結果、しかも津波の規模を推定するのに重要な意味を持つ震源の深さをという数値を計算間違いして発表して許されるものだろうかと疑ってしまいます。

震源の深さ38キロと44キロ=連続地震で訂正−気象庁
 気象庁は6日、5日夜に起きた震度5弱の連続地震について、1回目の震源の深さを38キロに、2回目を44キロにそれぞれ訂正した。同庁は両地震とも深さは約10キロとしていた。同庁は「詳しく計算し直した」としている。  (時事通信) - 9月6日20時1分更新

以上ですが、今回は津波警報が発令されたのにもかかわらず、津波は小さなものでした。定説では説明できませんが、津波の規模は震源の深さだけでなく、爆発の方向、爆発の規模(地震の規模)が大きな要因となるのです。小さかった結果を見て辻褄あわせに震源を深くしたかったのかなあと勘ぐってしまいますが、小さかったのはセミナー[803]にあるように、押し円錐の傾斜角度が水平に近かったから、つまり爆発の方向が水平であったからだと思います。それは現地尾鷲市の報告、九鬼町での身内の報告、また関連サイトのいくつかにも記載されているように、揺れ方が横揺れであったと言う点から明らかです。名古屋で私が感じたのも横揺れでした。
以上の考察から分かることですが、今回の地震で海底に出現しただろう断層は水平ずれ断層に近いものと推定されます。ところが、次に紹介する東京大学地震研究所の考察結果では断層が海底面に垂直に近くなる高角度の逆断層であるという発表があり、これにも疑問を抱いてしまいます。http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/EIC/EIC_News/EIC152.html

●解釈その他:(今回の地震は)1944年の東南海地震の近くで起こった地震です.はじめに点震源を仮定してメカニズムを求めました.震源が南海トラフの近くなので低角逆断層の地震か?と思いましたが,かなり高角の断層面をもつ逆断層地震です.
2つの節面のどちらが断層面かはこの解析からだけでは判断がつきませんが,プレート内地震だと思われます.この場所ではこれまでほとんど大きな地震が起こっていませんでした.今回の地震は場所,メカニズムともこの地域では珍しい地震だったと言えるでしょう.

以上ですが、「2つの節面のどちらが断層面かはこの解析からだけでは判断がつきません」とありますので、「かなり高角の断層面をもつ逆断層地震です.」と言い切るのもおかしいのですが、本日の中日新聞夕刊には図入りでプレート表面に垂直な角度を持つ逆断層の絵が載っていました。この形状の断層では横揺れが顕著になることはありませんので、縦揺れが顕著となり、大きな津波が発生することになります。
つまり、どうも定説地震学で説明しようとすればするほど、現象とは矛盾した結果が出てきてしまうような気がするのです。

806
2004/09/06(Mon) 22:47
hitsuji
理解しやすく納得しにくいプレート理論
前々から思っていたことなのですが、プレート理論を説明するときによく出てくる図表は地表の断面図を利用していますよね。沈み込む海側のプレート(断層)と一緒に引きずり込まれる大陸側のプレート。その大陸側のプレートには弾性があり、元に戻ろうとする力の限界を超えたとき、一気に跳ね上がり、それが地震になるという説明です。
この断面図表を使ってこうした説明を聞くと非常に理解しやすいのですが、実は一点、私にはどうしても理解しにくいことがあるのです。
それは震源地域が点で表現されることです。
地表の断面図を見ていると何の問題もなく理解できるのですが、これを断面図でなく天空(鳥瞰)からの視点で再現したらどうなるのだろうと考えるとプレートそのものの大きさは詳しくはわかりませんが、引きずり込まれる大陸プレートの接地面の距離は数キロということは無いと思います、最低でも数十キロ、場合よって百キロを超えるかも、こんなに大きなプレートの反発ですから、震源の報告が例えば今回のような場合「遠州灘沖50キロ付近から熊野灘沖70キロを結ぶ約100キロの線上が震源域でした(反発しました)」とかという発表だとプレート理論はすごく理解しやすののですが、何故か震源は「北緯●度、東経■度」という点の報告となります。このことがどうしてもすっきりしないのです。
プレート接地面、反発するときは何故かある点だけが反発するのでしょうか?平面での説明は納得できても、曲面を持ち、四方八方に接地面がある立体の動きをイメージするとどうしても理解できないのです。
この辺のことをすっきり理解させていただける資料説明等はあるのでしょうか?
この点で、こちらのHPで言われている解離水爆発説は大変理解しやすいと思いました。
807
2004/09/06(Mon) 23:39
パトロス
Re:理解しやすく納得しにくいプレート理論
> この辺のことをすっきり理解させていただける資料説明等はあるのでしょうか?
無いでしょうね。hitsujiさんのご疑問はセミナーの[114] http://www.ailab7.com/log/eqlog111-120.html
で地質学者の井尻先生が地震学者に発せられた質問と全く同じものです。三球、照代を引き合いに出してユーモアたっぷりに質問されています。
面であるプレートが潜り込んで反発を受け、跳ね返るのが地震ならば「なぜ震源というものが「点」で出て来るのか、それがわからないのです。プレートだったら特に「面か線」で出て来なくてはならない、と思うのですが。」という先生の質問に、地震学者は明確には答えていないのです、いや答えられないのだと思います。「震源は反発の始点であって、断層が出来る開始の点です。一定時間の間に完全に反発が終わって断層が出来るのです。」という解釈、説明をしていますが、納得できるものではありませんよね。
> この点で、こちらのHPで言われている解離水爆発説は大変理解しやすいと思いました。
ありがとうございます。プレート論は納得するまでは解ったといわない態度を採る人には承諾できない代物です。カントもニュートンも爆発説をとっていました。
808
2004/09/07(Tue) 22:42
パトロス
震源決定の曖昧さ
今回の地震で震源の深さを修正発表した気象庁は次のように述べていると言うことです。
「気象庁は、当初、前震、本震とも発生直後に震源の深さは10キロ・メートルと発表。陸から百数十キロ・メートル離れた沖合で発生した地震の場合、震源が深く算出されやすいことから、津波速報や警戒のため震源の深さを発生領域に応じ、浅めに設定して発表したとしている。
 防災科学技術研究所の観測結果では、前震の震源の深さは17キロ・メートル、本震は5キロ・メートルと相当食い違っているが、気象庁は「気象庁は、断層の破壊が始まった地点を中心に震源を定めているが、他機関は断層が最も破壊された地点から震源を算出しているため」と、算出方法の違いが原因と説明している。 (読売新聞) - 9月6日20時44分更新

以上が新聞記事の一部です。「津波速報や警戒のため震源の深さを発生領域に応じ、浅めに設定して発表した」と言うことですが、言葉は悪いですが鉛筆なめなめ震源の深さを決めているように思えてしまいます。津波の規模が小さかったので、深めに修正したと言うことでは[805]で述べたように「小さかった結果を見て辻褄あわせに震源を深くしたかったのかなあと勘ぐってしまいます」という勘ぐりが深まってしまいます。また、気象庁は断層が始まった地点、他機関は最も破壊された地点と言うのでは、震源深さは玉虫色という事になってしまいます。定説地震学とはこのように曖昧な解釈を含んでいます。解離ガスの爆発説では震源は爆発点ですから、曖昧さは含まれません。<br>なお震源深さが修正発表されたと言うことですが、閲覧できる記録簿のほうはそのまま10kmとなっています。これも釈然といたしません。

809
2004/09/08(Wed) 13:44
パトロス
プレート論はほころびを見せている
プレート理論のほころびについては、すでにニューオフィスの38http://www.ailab7.com/uda.html
と40http://www.ailab7.com/udaz.html
で紹介しましたが、ペルー沖の深海底でプレート理論からは存在するはずの無い海底溶岩流が発見されたというニュースが報じられました。

世界最大の海底溶岩流発見 静岡大などがペルー沖で
 東太平洋ペルー沖の深さ約3400メートルの海底に、世界最大の海底溶岩流の跡が広がっていることを、海洋研究開発機構と静岡大が発見、23日発表した。溶岩量は山手線の内側を厚さ300メートルで覆うほどの量だという。 溶岩流が見つかったのは、中央海嶺(かいれい)と呼ばれる海底火山帯の近く。プレート(岩板)が生まれる海嶺には巨大な噴火口があることが知られているが、今回の溶岩流を作った火口は海嶺より10キロ程度西にあるとみられる。研究チームの海野進同大教授は「従来のプレートテクトニクス理論では、この場所に火口ができることは説明できず、詳しい調査が必要だ」と話している。
 研究チームは6−8月にかけ、音波探査や潜水調査船「しんかい6500」を使って中央海嶺付近を調査、南北40キロ、東西15キロにわたって約340平方キロに広がる溶岩流を発見した。厚さは100メートル以上で、推定噴出量は19立方キロ。現在の地球で1年間に噴出しているマグマの量の4、5倍にもなるという。
(共同通信) - 8月23日22時34分更新

というものです。プレートの湧き出し口とされる海嶺から10キロも離れた場所から大量のマグマが噴出するのはプレート理論に矛盾します。星野先生も「プレート論に矛盾する大量のマグマ噴出が世界中で観測される」という科学雑誌での報道を紹介し、「プレート説によると、海洋底を構成する岩石はすべて、中央海底山脈で湧き上がり、横に移動しながら重くなり、海溝のところで地球内部に沈んでいく、とされている。したがつて、大洋底を貫いて、大量の異質の岩石が、海底に噴出することは、プレート説にもとることである。」と述べておられます。(ライブラリー28http://www.ailab7.com/lib_028.html#lcn028
ペルー沖で発見された海底火山の話はライブラリー41http://www.ailab7.com/lib_041.html
にも紹介してありますが、厚さ100メートルという溶岩流は海水の温度を上昇させて、エルニーニョ現象を引き起こすでしょうし、地球温暖化の一つの原因になっているでしょう。炭酸ガスの放出などよりももっと大きな温暖化への影響を与えているだろうと私は思っています。

810
2004/09/08(Wed) 16:25
ノリマン
高角逆断層でなぜ南へ移動するのか
ひさしぶりに大きな地震がありましたが、書き込みも久しぶりにさせていただきます。
中日新聞(9月6日夕刊)によれば、今回の地震に関して気象庁は

「二回目の地震も一回目と同様、陸側のプレート(地球を覆う厚い岩盤)の下に沈み込む海側のプレート内部で起きており、断層面が垂直に比較的近い「高角逆断層」と呼ばれるタイプ。南北から圧縮される格好で断層が動いた。」

と発表しているそうです。一方同じ新聞によれば国土地理院のGPS観測で、志摩町が南へ4センチ、磯部町も南へ3センチ移動したということです。垂直にずれる断層で震源からかなり距離のある志摩町が南へ4センチも移動するということがよく理解出来ませんが、ANSの見解では一体どのような事が海底で生じていると解釈するのでしょうか。よろしくお願いします。

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