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1191
2006-07-04 (Tue)
高木式無定位磁力計に関する国会陳情
ニューオフィス54に昭和34年に国会の科学技術振興対策特別委員会において審議された「高木式無定位磁力計」による地震予知のあり方に関する陳情の記録を掲載しました。

このような陳情と審議があったことは知りませんでしたし、貴重な地震予知研究の芽を地震学の専門家が潰してしまったのではないかという気がして誠に残念な思いがいたしました。
高木式磁力計というのは、ここでも紹介した気象庁の高木聖博士が考案されたもので、二つの棒磁石を上下に20センチ離してアルミ板に固定して、ガラスの円筒中に上から吊るすというものです。(無定位磁力計の原理を示す図がありました。http://ksgeo.kj.yamagata-u.ac.jp/~kazsan/class/chronology/magnetometer.html

地電流が流れない通常時は磁力が相殺されて無定位(N−S方向に向かない)になりますが、地電流の変化が起こると、相殺の仕方が崩れて、微妙に振動しますので、これを利用して、地震の予知に役立てようというものです。
地震によって地電流が変化する理由は石英質の岩石にクラックが出来るときに発生するのだと、陳情者の宮本先生は述べていますが、石田仮説で述べているようなプラズマ状態の解離ガスの移動(MHD発電)かもしれません。
どちらにせよ地震時に地電流が流れ、磁場が変化することは観測されているわけですし、この高木式磁力計で地震前の振動が観察された実績があるわけですから、振動する理屈が分からないから観測が出来ないなどという理由で業務としての観測を拒否してきたのは不当であると思います。
高木氏や宮本氏は多点観測すれば、大地震なら100%前兆を把握する自信があると述べているのです。宮本氏は、

再三再四申し上げますが、歌代とか、あるいは坪川とか、地球地磁気方面の最高権威の人たちが私のアイデアを認め、これはぜひとも観測しなければいけないのだ。つまり、専門家といいましても、地震の専門家ではだめなんであります。地磁気の専門家が、ぜひとも多数観測試験をなすべきであると言っておるのであります

と力説されています。測地予知に拘る地震学者がこの予知体制作りを潰したと言われても仕方ないような議論が展開されています。
また、審議の過程で明らかになっていますが、この磁力計のチェックをした担当者が高木式とは基本的に違う装置(矩形のトタン板の上に置かなかったことなど)を作って「意味ある結果は得られなかった」と断定したのは不適切な判断だと思います。

・地震の観測の中で、その当時取り上げた伸縮と傾斜というものが、この予知できると宮本さんの言われるようなものと比べたときに、もっと確実な、地震の予知というものに近かったのだということがはっきり立証できるわけですか。

今日の学者の皆さんのやっていらっしゃることは、これはおかしい、何の原因であろうかという疑問に関して、それを解明しようというところに、すべての学問は出発しておると私は思う。何か知らぬ、偶然が一致する、その事実は認める。むしろ、それもまだ認めぬというなら、あえて私は質問をいたしませんが、それは認めて、こういう現象は認めておるが、その現象の原因の原理がわからぬから飛ばしてしまう、そういうことで学問が進むでございましょうか。
と追求する政治家の委員のほうが私にはまともな意見を述べているように思えてなりません。
その後の地震予知の研究は「伸縮と傾斜」の観測と言う測地学的なものに流れてしまい、この高木式磁力計は姿を消してしまったようです。

誠に残念至極ですが、国会審議で使用された図面がありませんので、正確にはどのような装置であったのか不明です。
どなたかご存知の方がありましたら、ご教示をお願いしたいと思います。宜しくお願いいたします。

1192
2006-07-05 (Wed)
地震研究を阻害する地震学者?
[1191]に紹介した第一回目の国会審議から2年経った、昭和36年6月に第二回目の国会審議が行われました。(詳細はニューオフィス55を参照)
この2年間でどのような進展があったのかをお聞かせ願いたいという趣旨で行われましたが、またしても驚くべき発言が記録されています。電磁気的予知法である「高木式無定位磁力計」が、測地学的予知法である水準測量や伸縮・傾斜の観測よりも、明らかに有効であることから、測地的手法がやり難くなると判断されたのでしょう、東京大学の教授陣が気象庁長官に「国会で磁力計方式に期待感を持ったと言ってもらっては困る」という発言をしていることであります。宮本先生は委員の質問に対して次のように答えておられます。
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この前東大で開かれましたところの地震予知計画研究グループにおけるところの三十五名の学者のうち、何パーセントくらいがこれ(高木式磁力計)に対して理解を持ち、あるいは違う立場の人がおるかという(質問に)お答えを申し上げます。(中略)
この電磁気学的な方法に対して、少なくとも過去においてこういう方面をやったと思われる人は、数にいたしますと、三十数名のうち三名と考えておる。(中略)その他の方々は、ことごとくといっていいほど、みんな地震計または電磁気計(?)、傾斜計に基づくものであります。(中略)
このこと(検討会のこと)に関連するお答えを申し上げますと、和達長官におそらく証明をしていただけると思いますが、驚くべき事実がございます。すなわち、和達長官が次のようにおっしゃったのであります。和達長官は、私たちの研究に非常に理解がありますので、特に質問をしていただきまして、約十数分以上質問があったと思うのです。これに対しまして、あしたかあさって国会で、(この検討会で)討論があったという程度だけ答えるつもりだとおっしゃったところが、東京大学の坪井忠二教授は、討論があったということを言ってもらっては困る、あたかも私たちが興味を持ったかのごとき錯覚にとらわれたら困る、何とかもう少し言い方を変えてもらえないか。それに伴って宮村助教授も、われわれは興味を持たないのだと叫んでしまっておる。すなわち、私があえて言うならば、これはあまりにも地震との関係がよいために、もしも、これが大々的に組織観測をするならば、他の分野に相当なやりづらさが生ずるのではないか。一例をちょっとかいつまんで申し上げますと、水準測量の計画が、約十五億円の予定で十年計画で立てられておりますが、その実行機関関係の長たる奥田院長は、五年に一回の水準測量であるがゆえに、残念ながら地震予知には何ら貢献することができない、ただ、基礎的知識を提供するにとどまる(十五億円もかけてるのに・・・)、こう言ったのであります。その他、土地の伸び縮みを調べる器械も、ごく特別なものを作る予定ですが、二年に一回ということを聞きまして、坪井忠二教授は、これでは何ら地震予知の目的に合わないものだとおっしゃっております。
 もう一つは、地殻変動観測所も、作り方によっていろいろありますが、穴を堀りますと一千万円、そうしますと、これはとうていたくさん作れないという結論が出まして、暗々裏に、どうしてもこの方法(高木式磁力計)が将来大きな比率を占めるのではないかと思いながらも、何とかしてこれを消極的な表現をさせたい、こういうような雰囲気でありまして、非常に残念な状況でありました。(カッコ内は筆者の書き加え)
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以上が抜粋ですが、地震現象を究明し、地震予知を成功させるのが使命である地震学者がこのような、巷の利権屋のような発言をしていいのでしょうか。さらに、宮本先生の驚くべき発言は続きます。
抵抗は東大の一部の教授達の無理解によるのでありまして、わずか数十名が、これはだめだと言ってしまう、そういうふうに、何ら検討せずに、だめだという言動を長官がなぜ支持されるのか。
と激しく学者の姿勢を批判し、長官にまで迫っておられます。

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長官に対して、私は、非常に感謝の念と同時に、新しい状況を長官にお伝えするわけであります。結論だけ申しますと、私は、長官の御想像以上に広野課長と接触を保っておりますが、(課長は)次のような言葉を申しております。これは非常に重大であります。他の地殻変動を含めて、いかなる器械よりも無定位磁力計の方法に期待するというのであります。すなわち、地殻変動の量はあまりにも小さ過ぎる、あるいは、いろいろな点において他のファクターに左右されて、もしも、ほんとうにこれが実用段階に移されたならば、非常に困るというわけです。ところが、この器械(高木式磁力計)がもしも原理がはっきりするならば、少なくとも一週間、二週間前に大地震が予想できるかもしれぬすばらしい方法である、それのみならず、井上部長も、長官に直接言っているかどうか知りませんが、私に、ぜひとも柿岡でやりたい、気象研究所の予算も、吉松さん、あなたに上げるからできるだけ早くやっていただきたいと、いうことを吉松所長に申し入れております。下部の組織では長官に言いづらいのかもしれませんが、できるだけ多数地点でやりたい、十カ所よりも二十カ所、二十カ所よりも五十カ所というように、できるだけ多数地点でやりたい。ただ、抵抗を示しているのは湯村哲男だけだろうと思っております。彼はあくまでも技術者という範囲内で考え、どうしても数学的に解析されざる限りにおいては、多数地点はやれないと言っております。今言った、大所高所から判断する広野課長あるいは井上部長は、徹底的に私と同意見であることをつけ加えておきます。しからば長官自身は何らためらう必要はないのであります。実際の担当者が、多数地点でやりたいと言っております。それに抵抗する根拠が私には理解できません。この抵抗は東大の一部の教授たちの無理解によるものでありまして、わずか数十名が、これはだめだと言ってしまう、そういうふうに、何ら検討せずに、だめだという言動を長官がなぜ支持されるのか。広野課長はなぜ一変したかというと、ずいぶん前には、かなり抵抗を示しました。ところが、私は、その変化の起こるつどに連絡をしておりまして、地震の起こる前に、どの程度の規模の地震が起こるかということを予想し、的確に当たるものでありますがゆえに、長官の御想像以上に、広野課長は、この器械以外に(予知が)当たるものは期待できないと言っていることを長官に助言さしていただきます。(カッコ内は筆者の書き加え)
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組織の下部で実際に観測業務をするような現場の人は、この方式を認めて積極的にやりたいと言っているのに、東大教授という地震学会のトップが反対するために、日陰に追いやられていく様子が、議事録を読むと良く分かります。
タイトルに書きましたように「地震研究を阻害する地震学者」という感想を抱くのは私だけではないと思います。
全員ではないにしても、現在では多くの学者が同じ意見のように思います。そして、電磁気的方面から研究する研究者を「デムパ」だ「トンデモ屋」だと言って揶揄する学生を社会に送り出しています。
彼等の無責任な声は自由闊達な地震研究を目指そうとする研究者を意気消沈させる原因、つまり地震現象の究明を阻害する要因になっております。

次回の審議はこの年の10月ですが、ついに「長官の方は、今の段階で、正式に政府が地震予知の方法の一つとして全国に展開するのは早過ぎるということでしょう。」という判断に終り、うやむやのうちに「高木式無定位磁力計」は姿を消し、測地的地震研究の天下になってしまうのです。

1193
2006-07-06 (Thu)
利権構造に潰された地震予知体制
地震予知に関する国会審議は3回行われていますが、最後は2回目審議から四ヶ月後の昭和36年10月でした。
この最後の審議では、
「今長官も、この案件については認識を深めて応援するとまで言っておられるわけですから、一応ここらでピリオドを打ったらいかがでしょう。」

という何もやらないのと同じ言葉を最後にして画期的な地震予知体制の議論に幕が降ろされてしまいました。測地学的手法に拘る学会トップの教授たちは胸を撫で下ろした事でしょう。
この最後の審議記録(詳細はニューオフィス56参照)を見ても、本当に地震学者は地震現象を解明する気があるのだろうかと疑問に思ってしまうような記述があります。

高橋参考人の陳述に続いて政府委員が今回の一連の審議の元になった陳情書(宮本先生作成)の内容および今回までの経緯を述べています。その一部を紹介します。
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これは一番最初に当委員会で取り上げる動機となりました陳情書の内容でございますが、簡潔にしぼってありますから、お聞き取りを願いたいと思います。(中略)

尾鷲測候所員で、かつての経験者が、維持費さえあれば継続観測をしたいという希望があったことを高木技官から聞いたので、その費用は当方で負担するから、継続観測してはと地震課に望んだところ、観測する意思はないと拒否された事実があります。つまり地震予知の可能性あるこの研究を、気象庁は行なう意思がないのではなかろうか。地震予知を不可能視している学界から、気象庁が独走するという非難をのみおそれて、成功したときの社会的業績を黙視するのであろうか。(中略)一カ所だけの観測では、今後何年たっても、地震との明確な関係は得られずに終わる可能性がある。気象庁は、学界の無意味なる攻撃をおそれて、このきわめて可能性のある器械の観測を意識的に避けようとしている。地震学者は地震波の研究に重点を置き、電磁気学的現象には従来から冷淡で、かつこれを専門とする人はほとんどいない現状だと思う。東大地震研究所の一員が、地震学者は磁力計に対し知識を有しないから、われわれは、この器械の採否を決定することは不能であるといっていることからも、この間の事情を察知できるのではないかと思う。(ならばなぜ、電磁気の専門家と協力しないのか)
 かかる悲しむべき現状を憂い、宮本さんは、柿岡における誤った検討の事実と、従来のデータ及び宮本さんの最近の観測結果をもって、気象庁に器械の再検討と、組織的な継続観測の再開を要望してきたものであります。しかるに、気象庁は、学界の冷笑をおそれて、積極的な態度を示してはくれませんでした。ここにあえて実情を披瀝し、貴委員会の格別の御配慮をお願いするという第一回の陳情が出されたわけであります。(中略)
 一昨年五月、筆者(宮本氏)はこの器械の性能を地震学会で発表し、さらに、和達気象庁長官に対してもこの器械の検討を陳情したのでありますが、原理不明の理由で、気象庁としては研究観測も不可能として、期待せる回答は得られなかったのであります。(以下略)(カッコ内は筆者の書き加え)
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このような経緯の説明があった後で宮本氏に対し、どのような研究者が理解を示しているのかなど種々の質問がなされています。宮本氏の答弁から、いかに地震学会のトップが地震研究を阻害していたかが分かる記述を紹介します。
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さて、第三番目でございますが、吉松所長以外に、どういう方々がわれわれの意見に理解を示されておるのかという御質問でございますが、簡単に名前だけ申し上げます。海上保安庁水路部の海洋研究室におられるところの歌代慎吉技官。これはこの方面の日本の最高権威の一人であります。その方は、最も私の研究を終始一貫助言とあたたかい理解のもとに、非常に御了解を得ているはずであります。それからもう一人は、国土地理院の測地一課の地磁気の係長であるところの藤田尚美氏、この方も私の研究に非常に理解を深めております。参考までに申しますと、鹿野山の地磁気観測所の一員から私のところに手紙を寄せまして、ぜひ観測したい、個人的な段階であるが、ぜひ観測したいというふうに私の接触し得る限りにおいては非常に理解が深まっておる。(尾鷲測候所にもいたではないか)
それに関連して申し上げますと、残念にも、地震関係の方々、たとえば今回の陳情書にも書いておりますが、坪井忠二先生あるいは萩原尊礼教授(東大教授)、いずれも地震学に関しては第一流中の一流でありますが、これに関しましては、全く今までは少なくとも理解が少なく、これは全然だめであるというような表現に近いことを公の席上でなされ、これが、いかに気象庁が理解を持って進もうとしても、それを阻害しておる。このような方々の非常に不注意な発言のために、このような方法をもっともっと強力に推し進めたいという意欲をかりに何らかの研究機関が持っておっても、それを表に出すことができない。非常に残念なことであると思います。(カッコ内は筆者の書き加え)
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以上が宮本先生の返答の一部ですが、「一流中の一流」という大教授の発言が無かったならば、事態は以下に述べるような結末は迎えなかっただろうに・・・と残念に思います。
幕切れは政府委員の次のような言葉でした。
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地震の予知は、言うまでもなく、非常に大事な問題には間違いないわけで、当委員会もだいぶ時間をかけておるわけです。ここへ学界の論争みたいなものを持ち込んでも切りもないことであるし、単に学界だけにまかしておいていつまでも日を過ごしておるよりは、やはりわれわれの方もときどきそれを刺激する方が有意義かもしれぬが、要するに、長官の方は、今の段階で、正式に政府が地震予知の方法の一つとして全国に展開するのは早過ぎるということでしょう。しかし、研究の必要は認められる。学者グループで幾ら理論的な裏づけをされようと思ったって、そういうものとは別に、今まで発明、発見はできてきておるわけで、宮本さんやその他の方々の民間の努力というものは高く評価して、それには研究費は十分つけよう、今大臣もそれに協力しようと言っておられるわけですから、どうですか、そこらのところで一つこれは折り合いをつけて、なおわれわれとしても前進していただきたいと思うのです。ここで腰を折っちゃだめだと思うのだが、あまりここで気象庁に、正式にこれを地震予知の方法として採用を迫るということもどうかと思うわけなんです。今長官も、この案件については認識を深めて応援するとまで言っておられるわけですから、一応ここらでピリオドを打ったらいかがでしょう。
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以上が締めくくりの言葉の一部ですが、最初にも書きましたように、これでは何もやらないのと同じことです。せっかくの高木博士の画期的発明による地震予知体制構築のチャンスがここに閉ざされてしまいました。

測地学的手法に拘る学会トップの教授たちは胸を撫で下ろした事でしょう。予算が削られることも無いわけですから・・・・。
発明者高木聖博士はこの13年後の昭和49年に病気により亡くなられました。宮本先生のその後は・・・私には良く分かりません。

なお萩原教授のご判断に関しては坂柳先生(筑波大学名誉教授)がその責任(測地学的予知へのこだわり)を論じておられます。

ニューオフィス10を参照してください。

1194
2006-07-08 (Sat)
無定位磁力計とコンパスの実験
地電流の変化によって、無定位磁力計やコンパスがどのように応答するのかを見るために簡単な実験をしてみました。
無定位磁力計の原理に従って、簡単なものを自作し、「高木式」(セミナー54の赤字表示参照)を真似て、直径5センチのガラス管の中にセットしました。

もう一つは通常のコンパスを使用しましたが、懐中電灯で流れる程度の電流が、各計器の下部に流れるようにセットしました

結果は実験動画および実験動画2を見てください。
無定位磁力計は二つの磁石が重かったために、振動がなかなか収まりませんでした。通常のコンパスは電流の変化によく応答しています。
定常的流れにも一定角度(1〜2度)のコンスタントな変化を示します。
変動を記録するためには高木式のように反射ミラーをセットして感光紙に記録させる必要がありますが、変動だけならば通常のコンパスでも充分役に立つようです。
実験動画2を見ると、国会審議で話題になっていた、「同時性」が無い原因が良く分かります。
つまり「高木式無定位磁力計」では

「二台でわずか五メートル離れてやってみたところで、磁石の方向が九十度異なると、片一方は十六ミリ振れても、片一方はまるっきり振れない。片一方が振れても片一方は振れないというようなことが、幾つかの地震に出ておる。」

ということがこの手法に不信感を抱かせたようです。
しかし、実験を見ると、電流の流れる方向によっては磁石は反応しないことが明瞭に分かります。
東西方向に流れる地電流では磁石の反応は現れません。東西方向の地電流が流れた地震では検知できなかったことが、検知の確率を低くし、学会トップの教授達から、否定されたのは残念なことです。
ANSが将来的に希望している水素ガスの検出による予知手法ではこうした「同時性」が得られないという問題は起こり得ません。

いずれにしても、地震が起きる原因がはっきりしなくて、合理的な説明が出来なかったことも、電磁気的手法による予知体制構築をお蔵入りさせてしまった理由の一つです。
実験は電流と磁界に関する右ネジの法則を確認しただけのものですが、このような簡単な知識から理解できる計器の「同時性」不在が何故当時の国会審議で話題に上らなかったのでしょうか、不思議な思いがします。

1195
2006-07-13 (Thu)
佐々木理論への疑問
[1179]でも紹介しましたが、写真週刊誌F(5月23日号)で「7月4日、M7級の大地震が関東を襲う!」という警告を発した日本地震予知協会の佐々木洋治氏は、大分地震(6月12日発生)をもズバリ当てた、ということです。同じ雑誌(7月4日号)に載っているようで、内容は読んでいませんが、広告には

発生前日のプラズマ雲を激撮!
7月4日震災予言男 妖雲解析でまたまた的中!
大分地震 震度5 ズバリ当てた!

とあります。
では、大分地震は当てたのに、7月4日のM7級大地震・・・はなぜ当たらなかったのでしょうか。続く11日も危険と言っていましたが、大きな地震は起きませんでした。
外れた理由は報じられていませんが、氏のサイトを見ると「僕 こんな風に言ってないのに・・・」と一応弁解はされています。
しかしF誌(5月23日号)を見ると、「もし7月に何も無ければ地震の規模はさらに大きくなる。そのとき危ないのは9月だという。一年で最大の大潮があるからだ・・・」と書いてありますので、社会を不安にさせたという責任は免れないのではないでしょうか。
また、警報は間違いだったと訂正されてもいませんし、さらに大きな地震になる・・・ということですから、氏の仮説を信じる人は安心して生活することが出来ません。
無料テレビGYAOでも放映され、船井幸雄氏のHPでも紹介されたりしたので、7月4日には会社を休んだり、東京を脱出したりした人もあったのではないでしょうか。
佐々木氏の提起される仮説では地震が起こらないと雪だるま式に地震規模が大きくなって不安も増大していきます。これは安心感を醸成したいと考えるANSの方針とは全く姿勢が逆であります。
(潜り込み量が限界に達しているという)プレートテクトニクス理論でもそうなりますが、(坪井忠二教授の地震体積論を信奉されている)佐々木理論では、不安が増すばかりで、ANS(安心ネットワークシステム)とは目指すものが逆向きのベクトルであリます。
では佐々木理論のどこに問題があるのでしょうか。もう一度佐々木理論なるものを取り上げて見ます。

佐々木理論

「 地震のエネルギーは、太陽が地球に供給する磁気量である。太陽からの電磁波は地球の両極から取り込まれる。その磁気量が地震のエネルギーとなる。
地球に取り込まれた電磁波は、マグネティックスポットと呼ばれる場所から空中に吹き出してくる。
  その典型的な場として蓼科(タテシナ)山付近がある。(このような場は日本各地、そして世界各地に存在する。)このマグネティックスポットから吹き出す磁気(モノポール)は、絹雲を発生させる。その磁気量の多い少ないで雲の形は変化する。磁気を多く含むものを、地震雲と呼ぶ。そしてその吹き出した磁気量(モノポール量)は台風を生み、ハリケーン、サイクロン、トロネードを発生させる。すなわち、地球ダイナミズムの本体は磁気量(モノポール量)である。
  このモノポール量の流れこそ地球の息吹であり、生命の源であると同時に、大地震をもたらす事にもなるのです。」

以上がサイトから引用した説明文です。

・両極から取り込まれる太陽からの磁気エネルギーが何故地震のエネルギーになるのか。
・マグネティックスポットと呼ばれる場所から空中に吹き出してくる電磁波と地震がどう関係するのか。
・磁気量(モノポール量)が何故、大地震を引き起こすのか。

以上の疑問に対して私が納得できる合理的な答えは与えられていません。
また、島村教授が、地震体積説を裏付ける貴重な研究成果を発表しているという次のような主張にも疑問があります。

「坪井忠二博士の地震体積説は地震のエネルギーは地球内部からの輻射熱である、としている。彼のこの理論を証明するのは地震雲の研究と、電磁気の研究である。しかし、それにもまして海底地震のデーターが決定的な証明となるのである。 それは、太平洋側の地殻には地震は発生しない。大陸プレート側の受けのところにのみ地震が発生しているというのである。すなわち輻射熱は、大陸プレート側の受けのところにのみ生ずるからだ。 すでに、島村教授はこのことを発表している。そして、間違いなく、地震体積説の証明となるデーターである。」

・「地震体積説は地震のエネルギーは地球内部からの輻射熱である・・」というのでは、太陽からの磁気エネルギーが地震の原因とする佐々木理論と矛盾しないのか。
・坪井理論を証明するのは地震雲の研究と電磁気の研究である・・・何故なのか。
・それにもまして海底地震のデーターが決定的な証明となる・・・どうしてか。
・大陸プレート側の受けのところにのみ地震が発生している・・(これを認めるとしても)このことが、なぜ「「輻射熱」は、大陸プレート側の受けのところにのみ生ずる」・・と言えるのか。
・「間違いなく、地震体積説の証明となるデーターである」・・・どうしてか?これとモノポールといったいどのような関連があるのか。

かように氏の論理構成には無理なこじつけ、あるいは論理的飛躍がいっぱいにあります。何故?どうして?という吟味に耐えられるような合理性が存在しないと思います。

サイトの掲示板(http://www.menokami.jp/skbbsdx/index.cgi)を拝見すると7月8日に代表が次のように書き込んでおられます。

7月11日と言う日 名前:日本地震予知協会 代表

「7月の4日は地球遠日点でポイントの月でした。しかしマグニチュードの大きな地震はありません。7月の6日には熊のジョンも出現しました。前兆は十分現れました。さて次にトリガーになるのが月の引力です。満月にかかる大潮の始まりです。それは9日から始まり10日(14歳)、11日が満月となります。量のエネルギーの蓄積は熊のジョンのところで供給され、トリガーは大潮のところで力が加わるということです。数霊的な事は解りませんが、11日が発生の高い日である事は間違いないでしょう。」

・磁気量(モノポール量)が地震の原因であるのなら、月の引力が何故トリガーになるのでしょうか。
・量のエネルギーの蓄積は熊のジョンのところで供給される・・・というのはどういうことでしょうか、蓄積された磁気量が噴出して熊のジョンのような雲を発生させる・・という説明と、供給される・・との関係は?
・トリガーは大潮のところで力が加わる・・・というのはどういう意味でしょうか、大潮がトリガーになる・・と解釈しても、磁気量をどのように大潮が励起するのでしょうか、その理屈が良く分かりません。

以上佐々木理論の矛盾点のようなものを書き出しましたが、サイトを読むと「これ以上デマを流さないで欲しい」という声もありますので、不安感を抱いてビクビクしておられる方もあるだろうと思い、敢えてコメントをさせていただきました。

なお、地震体積論の坪井忠二先生は、萩原尊禮先生と共に、無意識的かもしれませんが、測地的手法に拘って、電磁気的手法による予知体制の構築を潰してしまった当時の学会トップの先生です。磁気量が地震の原因だと考え、その結果起こる現象である「雲に聞こうよ」と提案される佐々木氏が坪井理論に高い評価を与えておられるのは不思議な感じがします。

1196
2006-07-16 (Sun)
走時表は正しいのか
セミナー[1172]では理論走時に見られるような曲線が成層モデル以外のモデル(マントル熔融モデルなど)でも得られるのではないかと考えていましたが、検討するとそれは無理でした。成層モデルでなければあのような曲線にはならないようです。
したがって実測の走時曲線に間違いが無ければ、成層モデルは証明されたことになります。
しかし、実測の走時曲線を決めるデータの決定方法自体に疑問が存在するので、走時曲線が実測値によって証明されたとは言えないように思います。

つまり、[1190]でも述べましたが、理論を証明するために理論の手助けを借りる、しかもそれ(理論走時)が無ければ全く判定できない・・・(中川技官談)というのでは理論が証明されたとは言えないと思うのです。理論に合致するようなデータのみを恣意的に拾い上げているのではないか、と言う疑念が存在するからです。

詳細は会員専用掲示板「ANS CAFE」に書いておきました。

註: 「ANS CAFE」が廃止されましたので、此処に転載しておきます。


「2chで執拗に私を批判していた人たちの書き込みがこのところ影を潜めております。 セミナー[1192](http://www.ailab7.com/log/eqlog1191-1210.html)において、以下のように糾弾したからでしょうか。

「タイトルに書きましたように「地震研究を阻害する地震学者」という感想を抱くのは私だけではないと思います。全員ではないにしても、現在では多くの学者が同じ意見(測地学的手法による研究以外認めない)のように思います。 そして、電磁気的方面から研究する研究者を「デムパ」だ「トンデモ屋」だと言って揶揄する学生を社会に送り出しています。
彼等の無責任な声は自由闊達な地震研究を目指そうとする研究者を意気消沈させる原因、つまり地震現象の究明を阻害する要因になっております。」

この文章で、反省する気持ちが生じたのでしょうか。
さて、「計算はまだ出来ないのか」などと揶揄する彼らの書き込みにもありました「走時表」の件ですが、私は根本的に走時表は正確ではないと思っております。
地震波は、ニューオフィス8(http://www.ailab7.com/mohoro2.html)で示したように、地球内部を電波するのではなく(一部のP波は伝播しますが)二層構造の地殻内部を伝播するのだと思っています。
[1172]http://www.ailab7.com/log/eqlog1171-1190.htmlでは理論走時に見られるような曲線が成層モデル以外のモデルでも得られるのではないかと思っていましたが、検討するとそれは無理でした。成層モデルでなければあのような曲線にはならにようです。
したがって実測の走時曲線に間違いが無ければ、成層モデルは正しいことになります。
しかし、実測の走時曲線を決めるデータの決定方法自体に疑問が存在するので、走時曲線が実測値から証明されたとは言えないと思います。でも、それは、定説地震学の根本を否定することになりますので、さすがに今の時点で表のページ(セミナー)で公言するのは控えたほうが良いと思います。

よって、今はここのカフェでの談義に止めておきます。 つまり「走時表」と言われる計算値(セミナー53http://www.ailab7.com/soujihyou.html の図―2)はどうやって作られたかと言うと、JBモデルとかPREMという地震波の速度と深さの関係を表す関係図(成層モデルhttp://www.ailab7.com/mujun9.jpg参照)に基づいて計算されているものです。 その成層モデルとは、地球内部2900kmまでのマントルが固体で、しかも構成物質の密度や温度などが、タマネギの皮のような層状になっているとの仮定(成層モデルと言われる所以)の下に、震源から地震計に到達した地震波の実測時間に合致するように繰り返し物理量を調整して決めたものです。

ところが、マントルが固体であるかどうか、タマネギ構造になっているかどうか、などの確認は誰も出来ませんから、確認していないわけです。確認できていないにもかかわらず、(固体成層モデルを仮定して得られる)理論走時表の助けを借りて地震記録から、PPとか、SSなどの(屈折と反射を繰り返した)波を判定し、図―3のような実測の走時表を得ているのです。
図―2と図―3とが驚くほどよく一致していますので、JBモデルとか、PREMとかの細部には多少の違いがあるが基本的には定説が正しいことは証明された・・・と解釈されています。
しかし、[1175]に紹介した読み取りのプロとも言える中川技官の言葉からも、そこには無理があることが分かります。
中川氏は次のように述べています。

「・・・震源距離の遠い波で地球内部を反射、屈折してきた波でどこに到着した波の波形があるのかまったくわからない。 その(判定の)手助けになるのが走時表、これは震源までの距離がわかると、その波の到着時刻が記され。その時間を発震時刻に加えた時刻を記録上で見ると、記録のコントラストが悪く今まで見逃していた記録のゆれの中から地震波の到着波形が見つかります。」

つまり、理論を証明するために理論の手助けを借りる、しかもそれ(理論走時)が無ければ全く判定できない・・・というのでは理論が証明されたとは言えないと思うのです。
理論に合致するようなデータのみを恣意的に拾い上げているのではないか、と言う疑念が存在するのであります。
また、いくつかの仮定の上に成り立っているのに、その仮定が正しいかどうかも確認せずに(と言っても誰にも出来ないでしょうが)理論が証明されたと言って済ませている、そのような論理構成がデタラメと思えるような方法で定説地震学は出来ていると言うことがいいたいわけで、走時表は不正確であり信用できないと思っています。

つまり、地震波は地球内部を伝播するのではなく(一部のP波は伝播しますが)二層構造の地殻内部を伝播するのだと思っています。 」
注釈:2008・7月[1464]にて、マントルは熔融しているが、衝撃的震動のS波なら伝播させる、と若干の修正をしています。

1197
2006-07-17 (Mon)
大地震の後で動くのは断層である
掲示板「阿修羅」地震14 (http://asyura.com/0601/jisin14/msg/107.html

大地震は地下爆発で起こり、プレート移動は地震の後に起こる(石田地震科学研究所)
と言う書き込みがありますが、「プレート移動が地震の後に起こる」と言うのは誤解です。そのようなことは石田仮説では言っておりません。 地球表面に卵の殻のような存在としての地殻がありますが、プレートテクトニクス仮説で言っているような、「海嶺で誕生し、2億年かかって海洋底を移動した後、海溝部で地球内部に潜っていく」というプレートと言うものの存在は否定しております。

阿修羅の書き込み者は地震の後で断層がズルズルと滑ったという石本博士の書かれた記事を読まれたのでしょうが、プレートが移動するとは書かれておりませんし、それは誤解であります。

1198
2006-07-25 (Tue)
不思議な現象を解明するのが科学である
「地震予知は可能か?」と言うテーマで交わされた2chの議論から紹介します。地震予知は測地的手法のみが科学的であるとする定説擁護派と、一方は定説を懐疑する派との議論です。
-----------------------------------------------------------
314 :定説擁護派1 :03/03/09 20:24
日本での地震予知研究は学会から全くと言っていいほど相手にされていない。
レベルが低いとか言う以前に、科学じゃないと思う。あんな研究は。
315 :定説擁護派2 :03/03/10 01:26
>314
そうそう、よくご存知で。
地震予知に用いられる現象は科学的に解明されていないものが多いからね。
それを使って地震予知しようってのは、科学ではないってことだ。
533 :定説懐疑派 :03/11/13 02:22
今日の地震も行徳のアンテナには反応してたなあ。
地学マジつかえねえ。
537 :定説擁護派3 :03/11/19 08:12
だから頼むから その電波を観測するのはいいから
何でその電波が出るのか? その電波はどんなときにどのように
出るのかを理論作ってくれない?
どっかの摩擦構成則とおんなじで 理論がないんだよね。
-----------------------------------------------------------
地震予知は不可能だと声高に力説するゲラー教授の次のような言い分も同じことです。
http://yochi.iord.u-tokai.ac.jp/eprc/res/incede/incede-j.html 参照)
「VANは、何週間も前に、かつ地震から100km以上離れた場所で前兆の電気的信号を検出したと主張する。しかし、この主張を裏付ける定量的な物理モデルがない。」

つまり、電磁気的手法による地震予知を小ばかにする風潮はこの「科学的に証明されていないもの、物理モデルがないのに計測するのは非科学的だ」と言うもっともらしい言い分に発しています。

では、国会審議で出された村瀬委員長からの次の意見に地震学者はどのように答えるのでしょうか、聞いてみたい気がします。
http://www.ailab7.com/kokkai.html 参照)

「先ほどから和達長官もよく言われた言葉でありますが、業務としてはとか、なかなか組織的にはやれぬというお話を聞くのでありますけれども、とにかく、幾千万円かの予算を年々お使いになっておる。それで一体どれだけ予知が進んだのですか。今までお話を聞けば、(測地的手法では)数時間前に生野鉱山で一回わかっただけという。ところが、この高木技官の研究されたものは、何回か出ておるじゃありませんか。(中略)もともと吉塚技官とか何とかという方が、これは軍の要請であったかどうか知りませんが、地殻の何千メートル底の油を掘り出すのにはどういう変動があるか調べよという命令で、最初こういうことで調べたら、偶然にも何かの変化がそこに起こる、これはおかしいというので高木・技官にこれを依頼されたという、動機はきわめてきれいな動機でございます。これによって学位をとろうとか、名誉品を得ようといった問題ではございません。(中略)事の起こりというものは、実に学者的な、偶然の一つの現象に対して、これを解明したいというところから起こったのでございましょう。それを先ほどから、業務としては行なえないとか、何が原因やらわからないから取り上げぬのだという。これは私は、学者としてそういう態度を本日初めて聞いて、不思議に思うのであります。今日の学者の皆さんのやっていらっしゃることは、これはおかしい、何の原因であろうかという疑問に発して、それを解明しようというところに、すべての学問は出発しておると私は思う。何か知らぬ、偶然が一致する、その事実は認める。(中略)こういう現象は認めておるが、その現象の原因の原理がわからぬから飛ばしてしまう、そういうことで学問が進むでございましょうか。これははなはだ失礼な申し分でございますが、松沢教授にも私は一つ何とかお考えをいただきたい。松沢先生は、とことんまできわめておく必要があると先ほどおっしゃいました。それならば、なぜとことんまできわめてみていただけないのでございましょう。なぜ学校も気象庁も研究所もこれをお取り上げにならないのでございましょう。毎年々々何千万円の国費を使って、そうして一ぺんだけ生野鉱山で、しかも、数時間前・・・数時間前にわかったって大した効果はございません。(中略)しかし、なぜそれをきわめようとなさらないのであるか。こういう現象がわかっておりながら、これを取り上げようとなさらないところに、私は気象庁長官に対しても釈然としないものがあります。」

誠にごもっともな委員長の言葉だと思います。不思議な現象を突き止めるのが科学者であるのに、原因が分からないから、非科学的だと言うのはどう考えてもそれこそが非科学的な態度ではないでしょうか。

昭和34年と36年の国会審議により、高木聖博士が考案された地震予知器はどのような理屈で予知計が反応しているのか原理が分からないという理由で、定説派から潰されてしまいました。それは定説派の学者がプレートの潜り込みが地震の原因であると云う説にこだわって、新しい発想が出来ないからです。定説で考える限りは、地電流が流れその周囲の磁気が局所的に変化することは説明が出来ないでしょう。しかし花崗岩にクラックが入るときに電流が流れると言う事実あるいは、地震は熱解離したガスの爆発現象であると言う説を考慮すれば地電流が流れる可能性(MHD発電)はあるのです。

電磁気関係の専門家(最初の発見も工業技術院の電気試験所の技官ということです。)は研究すべしと言っているのに、東大地震研究所の地震学者が理屈が不明であると言う理由で潰してしまったのです。([1192][1193]参照)

これまでに地震学がやってきたことはたくさんの定説擁護派卒業生を社会に送り出し、彼らが、定説以外の考え方をする勇気ある研究者を「トンデモ」とか「デムパ」とかの無責任な揶揄を繰り返すために、地震現象の解明を遅らせるという「負の実績」(?)作りであったのではないのでしょうか。

地震現象の理解度は昭和34年当時と全く同じで、現象はベールに包まれたままですし、地震研究は当時から全く進歩が無いのではないかと思います。国会審議を読むと時間がストップしているのを感じます。

1199
2006-08-01 (Tue)
地震爆発論に賛成の意見
拙著「地震の謎を解く」(1999年発行)を読んだという神戸在住のNT氏からお手紙を頂戴しました。
拙著の序文、および「地震研究の現況」という節に書いてある通り、地震の原因を究明することが大切であり、それに基づいた予知の実現を大至急進展させなくてはならない・・・と書いてありました。しかしPCをお持ちにならないそうですので、ここのセミナーなどで展開される最近の議論は読んでおられないと思います。返信の手紙でセミナーなどを紹介しておきました。

手紙には、地震爆発論が正しいと思っていること、拙著「地震の謎を解く」を何度も読んだが、地震が爆発現象であると書いてあるのは拙著のみであること、太陽表面で起きていることも、水の爆発現象であること、など自説が書いてありました。(私には太陽まで言及するつもりはありませんが・・・)<読者の参考になるかと思いましたので、手紙の概略を紹介し、返信の内容も紹介します。
「今ある地震の定説は間違っています。疑問と矛盾だらけです。権威だけで持ちこたえています。地震の予知に関しては、島村英紀氏やロバート・ゲラー氏が批判しています。・・・その通りだと思います。
東海地震は起きません。しかし、関東地震(相模トラフ地震)が迫っていると思います。(中略)相模トラフ地震こそが、今秋、今冬起きてもおかしくない、また、数年後に起きるかもしれない日本の壊滅的な巨大地震です。
地震の原因(プロセス)の解明と地震予知の実現は大至急でやらなければいけないと思います。・・・科学者にとっての使命だと思います。」

以上が太陽表面の話などをカットした概略です。
次に返信を紹介しておきます。
NT様
お手紙ありがとうございました。
拝読させていただき、地震が爆発であると考えておられる点など、多くの点で私の考えと一致しているのを感じます。
ただし、地震研究のあり方を批判される島村教授、ゲラー教授の意見には同感出来る部分もありますが、そうでない部分もあります。
地震学者は地震現象を正確に把握し、地震の予知に尽力すべきです。両氏のように現状を批判するだけで予知は出来ないと公言する姿勢は地震学者としておかしいと思っています。
また、東海地震は起きません・・・相模トラフ地震は迫っている・・・と言うご意見も私には、賛同しかねます。その理由が私には分かりませんので・・・。
地震の発生原因などに関しては下記のHPにANS観測網
http://www.ailab7.com/
として発表しておりますので、出来れば参照していただけたらと思います。
ライブラリー http://www.ailab7.com/lib_contects.html
ニューオフィス http://www.ailab7.com/newoffice.html
セミナー  http://www.ailab7.com/Cgi-bin/sunbbs2/index.html
など、膨大な内容になってしまいましたが、石田仮説も進化していきますのでやむを得ないことかと思っています。
宜しくお願いいたします。

注)「地震の謎を解く」は都道府県立の図書館には寄贈してありますので、興味のある方はご覧になってください。

1200
2006-08-02 (Wed)
新聞の「東海地震特集」より
中日新聞では毎月1日が東海地震特集ということで、8月1日にも、東海地震説の提唱者として名高い神戸大学石橋克彦教授がコメントを書いていました。
しかし、私には何が言いたいのかさっぱり分からない内容としか思えません。

「もう三十年たったのだから、当時「切迫している」としたのが結果的に間違いだったことは明らか。」と述べた直後に「だが、三十年たったのに起こっていないから、今後も大丈夫ということは絶対にない。」と延べ、さらには「最近は次の東南海・南海地震と連動すると言う考えもあるが、断定できない。」
と続き、結局何が間違っていたのか、何も間違っていなかったのか読者にはさっぱり分からないコメントでしかありません。
もう少し読んでみますと、

「これまでの宝永と安政の地震の間が147年と最長で、ほかは100年程度。プレートの沈み込む速さと断層面の強度から見て地震と地震の間隔は長くて150年ほどだ。安政(1854)から122(今年は152)年間も駿河湾地域にある「空白域」の破壊が先送りされていることになる。時間的に考えて早い段階で追随するだろうというのが、切迫感の背景にあった。」

と30年前に警告を発したことの正当性発言があります。
これはプレートが毎年7ミリ程度づつ潜り込んでいるから、今年で(7ミリ×152=)106センチも潜り込み、プレートが跳ね上げる限界に来ているに違いない、だから、安心はしていられないのだ、この値は毎年増加していくから、益々危険度が増加しているのである。現在は150年を越えて持ちこたえているが、やがて隣りの東南海や南海の領域のプレート跳ね上げ限界も近づくので、そうした領域の地震と同時発生する・・・とは断定できないが・・・、三つの地震が同時に起こって巨大地震になる危険性も含んでいるのだ・・・というマスコミ報道の根拠を解説しているものです。

しかし、地震爆発説という石田仮説ではこれは全くナンセンスなおとぎ話しになります。毎年数ミリづつ潜り込むようなプレートは存在しませんし、プレートが相手側のプレートを跳ね上げるというような現象は存在しません。そのような物理エネルギーでは説明の付かない巨大な化学エネルギーが地震の原因です。

地震学はこの30年間測地学的な物理現象として探求してきたために、全く停滞した状態で、途方に暮れているのです。
その他にも地震予知連の岡田義光副会長のコメントも載っていましたが、こちらも何が言いたいのか分かりません。要するに地震学者は何もはっきりしたことが分かっていないということです。おどろいたのは、

「最近の大地震時に、観測点で何か起きていないか目を皿のようにして見ていたが、何もない。理論的には大きな地震の前に急激に変形すると予測されているが、一秒前まで何もなくて突然起きてしまう。理論と岩石を使った実験での根拠はあるが、現実の地震で実証された根拠はない」

とあり、だから東海地震はいくら観測網が充実しても、ぶっつけ本番で予知できない可能性がある・・・というコメントです。

30年観測して何も成果が出ない測地学的地震予知法を何故卒業しないのでしょうか、何故坂柳先生のアドバイスを傾聴しないのでしょうか。
どうして、40年も50年も前に分かっていた高木式磁力計[1191]に戻る検討をしないのでしょうか。高木式なら経費は驚くほど僅少であるし、何度も地震をキャッチしたのです。
やはり[1193]に書いたように利権構造が絡んで膨大な研究予算が獲得できる測地的手法を捨てられないのでしょうか。地震学に関する研究費や人材配置などは特定大学のみ優遇され、それ以外の大学ではまともな研究も出来ないという話も聴いております。
そういうことであるのなら、地震学にも黒船のような外部の力が必要でしょう。一度地震学そのものを、見直さないと、上記のようなおとぎ話的巨大地震切迫説を脱却できませんし、税金の無駄使いも終わることがないと思います。
現状では大学での地震学教育は科学者を誕生させるのではなく、本当の意味での科学者をトンデモ科学と呼んで小バカにし、科学の進歩を妨害する卒業生を誕生させるばかりです。サイトを読む限りでは、地震学を勉強している学生さんの声が地震学はつまらないもののように受けとっているふしがあります。

1201
2006-08-05 (Sat)
地震爆発説への質問
ある方から、地震爆発説への質問を頂きましたので、紹介させていただきます。

Q1 「地震は地下で爆発が起こっているからです。」と先生は述べられていますが、これはマントル内における 爆発だと考えてよろしいのでしょうか。

A まず、地殻の構造とマントルの関係について決めておかなければいけませんが、私はニューオフィス37

の下段にあるような構造を考えています。つまりモホ面から下をマントルと考える定説の立場は採っておりません。したがって、お尋ねの答えは地殻とマントルの両方で起こる・・・となります・・・。

まず、浅いところの地震は地殻第一層と地殻第二層の地殻内部に発達しているマグマ溜り、あるいはマグマの流路内で起こる爆発(Explosion)と爆縮(Implosion)だと思います。
一方深発地震といわれる地震は地殻第二層よりも下の溶融マントル内部で発生しているExplosionとImplosionであると考えています。

地震のメカニズムについては地殻内部の地震はセミナー[1019][1187]に書いたようなものでしょうが、溶融マントル内部ではどのような形でExplosionになるのか、明確にはわかりません。あるいはどちらも(地殻内部でもマントル内部でも)水蒸気爆発のような現象がExplosionとして発生し、水素と酸素の結合(爆鳴気爆発)がImplosionになっているのかも知れません。

Q2 もしそうなのであれば、地震の震源がプレート境界沿いに 分布していることや、地殻内に震源を持ついわゆる直下型地震の存在等については、どういった解釈をなされているのでしょうか。

A 私は大陸プレートの下に海洋プレートが潜り込んでいるといういわゆるプレートテクトニクス理論を否定しています。地殻は卵の殻のように薄いものですが、一枚板だと思います。しかし、ところどころに脆弱な部分があって地球内部の溶融マントルをマグマとして噴出させています・・・それが海嶺部分だと思います。一方の海溝部分は地殻の厚さが極端に変化する場所のため、熱の移動が激しく、(圧力と温度で変化する)水の解離度(酸素と水素に解離する度合い)も大きく変動する機会が多い不安定領域であります。熱と圧力関係では不安定領域ですが、地殻は連続していて、一方の下に潜っていくというようなプレート論的現象は存在しないと考えております。地震が多発するのは、水の解離度が安定しない領域であるからです。

このように考えると、深発地震が海溝部にしかおこらないこと、海嶺部には浅発地震しか起こらないことが合理的に説明できます。(参照http://www.ailab7.com/tairyu.html

直下型地震に関しては、定説では明確な説明が出来ませんが、石田仮説ではExplosionの方向が鉛直に近い地震であると考えています。規模が小さくても被害が大きくなるのは、Explosionの方向に人家密集地帯があるからです。Explosionの方向が水平方向ならば、振動被害はそれほど大きくなりません。ただし、地盤が沈降する危険性があります。

Q3 また、もし地震が地下で発生する爆発「のみ」によるものであるとしたら、マントルの対流に起因する地殻変動によるプレート境界のストレスはゼロであると考えてよろしいのでしょうか。

A  上述しましたように、プレート説を否定しておりますので、プレート間のストレスというものも考えておりません。地殻は脆弱な部分(海嶺)もありますが、一応は卵の殻のように一枚板であると考えています。対流しているマントル(石田仮説では溶融していますが、定説では固体マントルになっています)は地殻(卵の殻)の下部を対流していると考えています。

Q4 そして地震の原因が「地下の爆発」であるならば、ダブルカップルにはならずに、地表面で観測される地震動は 全て「押し」になると思うのですが。

A これに関してはこれまでにも随分と多くの方が疑問を寄せられました。爆発ならば押し引き分布は生じないはずで、押し領域のみになるはずであると・・・・。

セミナー[327][641][798][814][815][1115]などをお読みいただければ、回答が書いてありますが、上述した内容でお分かりいただけるように、地震現象は爆発(Explosion)だけではなく、爆縮(Implosion)がほぼ同時に起こっているから、押し領域(Explosion)と引き領域(Implosion)の両方が現れるわけです。これが震源でダブルカップルになっている理由であり、核爆発の場合などとは異なる理由です。

参考:

[327] http://www.ailab7.com/log/eqlog321-330.html
[641]  http://www.ailab7.com/log/eqlog641-650.html
[798]  http://www.ailab7.com/log/eqlog791-800.html
[814][815]  http://www.ailab7.com/log/eqlog811-820.html
[1019]  http://www.ailab7.com/log/eqlog1011-1020.html
[1115]  http://www.ailab7.com/log/eqlog1111-1130.html
[1187]  http://www.ailab7.com/log/eqlog1171-1190.html

1202
2006-08-06 (Sun)
爆縮が良く分からないという意見
ある方から、「個人的な感想 印象としては 爆縮が よくわかりません。専門家の方々がわかっておられないようなのだから当然な のかもしれませんが やはりこれは 地震学の混迷原因の一つでしょうかね。」 というコメントを頂きました。
確かに爆縮って言う用語は聞き慣れないもので、難しそうな用語です。私も最初からこの言葉を知っていたわけではありません。
しかし現象としては誰でも知っているはずで、確か小学校の頃に理科の実験でやった酸素ガスと水素ガスの爆発実験のことです。
激しい音をたてて爆発(?)しますが、2H2+O2⇒2H2Oですから気体としても体積が減少しますし、実際は気体から液体の水になりますから、体積の減少率はもっと大きいです。したがって容器内などで反応させれば、容器はペシャンコにつぶれるはずです。激しく反応して体積が減るので爆発と縮小を合わせて爆縮というのだと思います。英語では明確にExplosion とImplosion というようですが・・・私も最初から知っていた言葉ではありません。

爆縮あるいは、凝爆という言葉を知ったのはブラウンガスの不思議さを説明してあった下記のサイトからです。抜粋して紹介します。

http://www.recycle-solution.jp/shinki/dai3/05.html

ブラウンガスというのは学術名というふうに我々は言っておりますが、学術名はブラウンガス。それを勝手にというか、皆さんが水酸素ガスとか、水素酸素ガスとか、あるいはZETガス。今日はZETガスの話に触れるわけですが、同じ言葉ですけれども、ゼロエミッション・テクノロジー・ガスの略だそうです。(中略)
 ブラウンガス自体は非常に単純なものですから、水を電気分解して水素と酸素の混合気体を取る。今までみたいに分離しないで。そうするとどんな特性が現れるかといいますと、まず、非常にクリーンである。水素と酸素以外は入っていませんので。何か入っているのではないかというので、持ち帰って分析させろといってトヨタ自動車関係の人が来たそうですが、結局何も入っていなかったと言っていましたけれども、ともかく水素と酸素しか出てきません。もちろん、水が不純物を混入していればそれが少し析出するということはあるかもしれませんが、ピュアな水であれば水素と酸素だけです。

 それでは水素と酸素が混合しているからものすごく不安定で、振動とかショックですぐ大爆発でもするのではないかと思うのですが、これは皆さんご存じのように爆発限界というのがあります。63、64%ぐらいになると爆発する可能性はありますが、これはちょうど水素と酸素が2対1ですから、約67%ということで、爆発限界から若干離れているわけです。化学の特性というのは非常にうまくできているもので、若干でも、これは全く爆発しない。
________________________________________
 では、爆発しないで火をつけたらどうなるかというと、これは爆縮するのです。凝爆ともいいますが、爆縮とか凝爆。英語で言った方が分かりやすいのは、爆発はエクスプロージョンですが、凝爆はインプロージョンです。うちに爆発するというか、爆縮です。そのために、例えば着火しますとバッと燃えて周りが真空になるわけです。つまり空気の容量から液体の容量に、水になってしまうわけですから、液相に移るわけですから、その空間がなくなるので、これは真空になる。ですからバーナーの炎を手に近づけて、このぐらいの炎が出ているとしますと1cmぐらい近づけてずっと手を置いておいても、全く熱く感じない。火傷もしない。そういう非常に集中した、エネルギーを外に無駄に流さないと言った方が……(素人的にはいえば、)そのような特性があります。

1203
2006-08-22 (Tue)
映画「日本沈没」の解説から
ある科学雑誌が特集したものですが、「ほころび始めたプレートテクトニクス理論」という小論で卯田先生は以下のように述べておられます。(http://www.ailab7.com/uda.html 参照)

「思いつき(プレート論のこと)が十分な吟味もされずに既成事実となり、検証するデータもほとんどないのに、いつしか定説となる。そして気がつくと、どこまでが観測事実もしくは調査結果で、どこからが単なるアイディアなのか区別ができなくなっている。単純明快な概念が非科学的で醜悪な寓話と化してしまう・・・・。こうしてプレートテクトニクスは、いまやそのモデルとしての有効性に限界がきているように見える。」

こうした卯田先生のような冷静な見解もある反面、依然として寓話が創作され続けているようにしか思えないのが、過日(8月15日)中日新聞に掲載された「日本沈没」の確度と題する記事です。映画「日本沈没」は娯楽作品として楽しんでいただければいいのでしょうが、その確度と題して紹介・解説される科学的研究なるものは、全くの寓話であると考えております。その新聞記事を以下に紹介します。
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『日本沈没』の確度

夏休みに話題の映画「日本沈没」。作品中では“メガリス”とよばれる地下の巨大な岩板が沈没の鍵を握っている。実際、地球物理学の研究で、メガリスのようなものが地球の歴史を左右する役割を担っている、と考えられるようになってきた。日本は本当に沈むのか。 (永井 理)

 「実際に沈んだ島もあります」。海洋研究開発機構の深尾良夫・地球内部変動研究センター長は話す。

 日本の南方、フィリピン海の中央には「九州パラオ海嶺(かいれい)」と呼ばれる海底山脈が南北約三千キロにわたり延びる。「この海嶺も小笠原諸島のような島々だったと考えられる。太平洋プレート(岩板)の沈み込む位置が変わり海底に沈んでしまった」という。

 一九八〇年代以降、地震波で地球内部を見る地震波トモグラフィーが確立すると、プレートの動きを左右する「スタグナントスラブ」の存在が明らかになってきた。日本海溝から大陸の下に潜り込んだ硬い太平洋プレートは、深さ六百六十キロ周辺にとどまっている。その大きさは日本海から中国にまで約千キロ以上に及ぶ。沈まずに停滞していることから「スタグナント(よどんだ)スラブ(厚板)」と名付けられた。

 また、深さ二千九百キロのマントルの底には、スラブの残骸(ざんがい)らしきものがあるのも分かった。深尾センター長は「スタグナントスラブがある程度たまると、プレートからちぎれてマントルの底へ沈む」と考えている。インドネシアやメキシコなどでも同じ現象が見つかっている。

停滞したスラブの大きさなどから前回の落下は四千−五千年前とみられる。ちょうどこのころ、太平洋プレートの動く方向が北から西北西になったことが知られている。深尾センター長は「プレート北側にぶら下がっていたスタグナントスラブが落下し、プレートに働く力のバランスが変わり移動方向も変化した」と考えている。

スタグナントスラブはなぜたまり、落ちるのか。

 深さ六百六十キロは上部マントルと下部マントルの境目だ。この境界より深い部分は岩石の結晶が変わる「相転移」が起きて比重が上がる。プレートのように冷えて硬い岩板は結晶の変化が遅く、六百六十キロですぐに相転移せず比重が小さいため沈めないのではないかという。下部マントルの粘り気が強く、スタグナントスラブを支えている効果も大きいという。
 スラブの動きを計算機シミュレーションしている吉岡祥一・九州大助教授は「スタグナントスラブが切れ落ちるところまで模擬するのは工夫がいる。地震観測だけでは、速さなどの時間的な変化が分からない。動きを検証するため重力の時間変化が測定されている」と話す。
 落下時期や速度は、現在はまだ分からない。
 「日本沈没」を監修した東大地震研究所の山岡耕春教授は「日本が沈没するには、地殻がすくなくとも百キロぐらい動く必要があり、百万年はかかる」と話す。
 私たちの生活にすぐには関係なさそうだが、スタグナントスラブがどんな状況で沈み、プレートの動きが変わるのか、これからの大きな研究課題だ。

<メモ>地震波トモグラフィー
 地震波が伝わる速度は、冷えて硬い岩石では速く、熱く軟らかい岩石では遅い。このため多くの観測点で、さまざな角度からくる地震波の到達時間を計ると、地中のどこが硬く、どこが軟らかいかを計算して図示できる。エックス線で人体の断面を映像化する医療用CTと同じ原理だ。
--------------------------------------------------------
以上が中日新聞の記事です。

議論のベースにあるのは、地震波トモグラフィーという解析手法で人体内部を見るように地球内部が観察出来ると理解していることでありますが、これに関しては、ニューオフィス11などでも説明してきましたが、解析手法そのものに疑念があります。

トモグラフィーとは2900kmまでのマントル部分が固体であって、かつ玉ネギ状の層構造、しかも深さ方向に一定の割合で速度が増加している、という前提で得られたPREMとかiaspモデルという地震波の伝播速度分布を基にしています。この分布から計算される地震波の到達時間と実測時間との僅かな時間差を最小にするように物理量を変えて繰り返し計算し、最初の速度分布からの誤差を色分けしたものです。
そのPREMなどを求めるのには、インバージョン法というコンピューター解析方法が使用されていますが、マントルが溶融していたり、層構造、しかも深さ方向に一定の割合で速度が増加するような構造と違っていればPREMそのものが成立しません。
繰り返しますが、層構造になっていると仮定した地球内部の物質の物理量(温度・密度など)のもとで地震波の到達を計算すると、観測値と若干のずれが出る・・・そのずれが無くなるように各層の物理量を変化させて再計算を行い、実測値と計算値の差額が最小になるまで繰り返してやってみたら、基本にしたPREMなどからの誤差(それも2〜3パーセントという微小なものです)が写真のような赤と青の分布になったということなのです。

つまりこの方法はマントルが溶融していたり、プリュームのような縦構造になっているのならば、比較する最初のPREMとかが成立しないはずです。

プリュームなどがあるということはマントルが溶融しているはずで、マントルは固体であるという前提が崩れますし、スタグナントスラブのようなものがあれば、深さ方向に層状に伝播速度が変化するという前提も崩れます。数パーセントの僅かな誤差だから問題は無いと考えているのかもしれませんが、そのように僅かの違いしかないスタグナントスラブがどうして落下したりするのか、理解できません。

少なくとも、解析の前提にあるものと違う結果が出てくるわけであって、そうしたものが計算結果に現れたとして、結果を信じるというのはどのような理由によるものでしょうか。私には寓話作りをしている・・・としか思えません。
プリュームとかスタグナントスラブとかが意味のある存在であるのなら、PREMそのものを構築し直さなければいけないのではないでしょうか。

ましてや、固体マントルの内部で、「スタグナントスラブがある程度たまると、プレートからちぎれてマントルの底へ沈む」・・・などと「沈む」という流体力学の概念が登場するのでは、科学的な考察とは言えないと思うのです。
また、「日本が沈没するには、地殻がすくなくとも百キロぐらい動く必要があり、百万年はかかる」
という解説者がこの映画をどのように監修されているのかも疑問に思えます。東大教授が監修しているのならば、ある程度は科学的に立証されているお話なのかとおもったら、百万年かからないと沈没しません・・・では監修って何だろうと思ってしまいます。

以上中日新聞記事への疑問を述べましたが、日本列島や大陸の沈没現象が御伽噺であるといっているわけではありません。違う原理によって、瓜生島が沈んだように、アトランティス大陸やムー大陸なども沈没したのであり、今後そうした大陸規模での沈降・浮上もありえるというのが、新・地震学の述べていることです。
注釈:2008・7月[1464]にて、マントルは熔融しているが、衝撃的震動のS波なら伝播させる、と若干の修正をしています。

1204
2006-09-07 (Thu)
ANSビデオの改訂版
ANSビデオ(http://www.ailab7.com/DVans.html
石田理論解説シリーズを設けました。
No.1:地震が起こる本当の理由ー浅い地震の起きる理由
No.2:地殻の下で地震が起きる理由ー深い地震の起きる理由
を設けました。
1205
2006-09-16 (Sat)
測地的地震予知に拘る地震学者
東濃新報に以下の記事を投稿しておきました。
地震の前に高木式磁力計が反応する理屈が分からない、つまり何を計測しているのか分からないから非科学的だ、という理由で気象庁による観測実施を陳情した件が無視されたのは、それこそが非科学的な姿勢です。このような理不尽な理屈で地震予知の研究が妨害・遅延されてきた経緯を正しく認識していただきたいと思い、記事にしてみました。何時掲載されるのかはまだわかりません。

地震に伴う現象を無視する地震学

坂柳義巳筑波大名誉教授の著書に次の様な文章がある。

「地震予知の研究が始まった時、先ず何をすべきかと言うことになりHT先生の提案で今の様な(測地学的)研究がはじまった。(その時)これは10年もたったなら目鼻が付くであろう、その時よく結果を検討して次を考えようと言うことで始まったと聞いている。ところが研究を始めて見ると、思いのほか色々な現象が現れ、地震学的には面白いが、予知には繋がらないことが分かってきた。この時期に大きな反省をすべきであった。それが出来なかったのはHT先生の呪縛に掛かってしまったのであろうか。(中略)いずれにしろそれは地震学会全体の責任であると思われる。今なお測地学的方法が短期地震予知に関係あると信じている地震予知肯定派のいることを残念であるとともに悲しく思うものである。」(「地震予知はできる」坂柳義巳著1999年)
また、昭和34年(1959)の国会審議で、高木式磁力計による地震予知観測を国の機関で実施することを訴えた学者の陳情が検討されたことがある。
それは終戦間際に遡ることであるが、石油調達に難渋していた日本でも地球深部を掘削するときにどのような変化があるかを調べていたようで、その際偶然にも地震と地電流の間に密接な関係があることが電気試験所の観測で発見され、高木聖という技官(博士)が考案した磁力計で観測が数年間続けられた。経緯は省くが、この観測を引き継いできた高校教諭の宮本先生が気象庁として高木式磁力計による多点観測をやって欲しいと陳情されたのである。しかし、結果として無視されてしまったのは、先刻のHT東大教授ら地震学会の重鎮達の影響だったのである。
無視の理由は、地震と地電流との間に何らかの関係があることは認めるが、その科学的根拠が見つからない、どういう原理で流れるのか根拠が分からないものを観測するという「非科学的」なことは出来ない、という理由であった。
ところが、このやり取りを聞いていた科学技術振興対策特別委員会村瀬委員長は次のように学者を叱責している。
「今日の学者の皆さんのやっていらっしゃることは、これはおかしい、何の原因であろうかという疑問を発して、それを解明しようというところに、すべての学問は出発しておると私は思う。何か知らぬ、偶然が一致する、その事実は認める。(中略)こういう現象は認めておるが、その現象の原因の原理がわからぬから飛ばしてしまう、そういうことで学問が進むでございましょうか。」(国会審議録より)

全く至当な発言であるが、省みられることは無かった。
ところで、サバなどの青物系魚を食べれば乳がんになる率が低い・・・という話題が新聞にある。何故乳がんになり難いのかその原理が分からないから、学者としてはそのような「非科学的」言説には従えない・・・などとは医学者は決して言わない。
ところが、地震学者は違う、理屈が分からないような「非科学的」なことは認めないようだ。
・・・・地震の前には発光現象があり、地鳴りや爆発音があり、磁石が狂ったり、動物が暴れたりする、しかしその原因は不明であるから、そうした現象を観測して予知しようとすることは、「非科学的」である・・・・
この姿勢こそ村瀬委員長が叱責した「非科学的」態度ではなかろうか。

「そういうことで学問が進むでございましょうか。」

なお宮本先生の発言を見ると、「電磁学的」研究は「測地学的」研究に比較して軽微な経費しか掛からない・・・それが主流の研究になったら困る・・・という思惑をHT先生らはお持ちではないか・・・という利権がらみの追及姿勢も感じられるのである。

1206
2006-09-27 (Wed)
地震の発生しやすい場所

別冊サイエンス(日本経済新聞社)「特集大陸移動」より

ANSビデオ「地震の起きる理由(浅い地震の場合)」を見た方から、次の様な質問を受けました。


Q 浅いところで起こる地震は、広範囲に散在しているのではなく、大体同じようなところで起こっていることが多いように思えますが、そういった地域では、こういう現象が起こりやすい条件が備わっているのでしょうか。それとも、(地震の発生場所は)全くの偶発的なものなのでしょうか。

「大体同じようなところで起こっている」というのが、どのようなことを指摘しておられるのか良く分かりませんが、差し上げた回答を補足して、紹介します。

A 浅い地震は、地殻の内部で起こっているものですが、地殻の下で起きる深い地震も含めて、地震は図に示される黒い帯のような部分で起きています。いわゆるプレートの境界とされている海溝や、海嶺近辺に集中的に起こっており、これがプレート論を支えている根拠ともなっています。

しかし、こうした場所は、プレートが潜り込む場所ではなくて、地殻の下を流れるマントル対流の沈降・上昇する場所で、解離度が変化しやすい不安定な場所だと思います。
たしかに、こうした場所で地震は集中的に発生しているのですが、この図面は小さな地震まで表示してありますので、大地震だけを表示すると、結構大陸内部にも広がって分布します。この図面とは違って(偶発的に)どこででも起こるような感じになるでしょう。
また、「唐山大地震」の著者(銭鋼氏)のように、北緯40度線付近に巨大地震が発生することを、注目している人もあります。銭鋼氏のコメントを「唐山大地震」から紹介します。

「(唐山地震から9年後の) 一九八五年六月九日、地震予報の研究に関して長い経験をもつ中国のベテラン科学者、石油部顧問翁文波が、新疆ウイグル自治区地震局あてに電報をうち、八月二十三日に巴礎の北東東にM6.8クラスの地震が発生するだろうと指摘した。

 八月二十三日、巴礎の西三〇〇キロメートルの鳥恰地区にM7.4の地震が発生した。海城地震の予知が偶然というなら、これもまた偶然だったのだろうか?
 これは別に衝撃的なニュースとは言えないかもしれない。しかし、私を抑えられないほど感激させるものだった。もう十年もたったのだ。唐山地震以来、どれほど多くの人々が地震予知を諦め、「人間と自然」という奥深くしかも永久に変わらない問題を前にしておじけづき、前へ進むことをやめてしまったのだろうか。しかし、事実は証明したのだ。希望の光はまだ消えていない。
 よく覚えているのだが、新疆・鳥恰に地震が発生したというニュースを聞いたとき、私が最初に考えたのは、北緯三九・四度だ! また四〇度線付近で地震が起こった! ということだった。私は何回も地震学者たちから、北緯四〇度線はバミューダの魔の三角区域のように神秘で怪しげでそして恐怖に満ちた線だということを聞いていた。実際、北緯四〇度線とそれに近い緯度をもつ区域には、歴史上有名な大地震が何回も発生している・・・。
 アメリカのサンフランシスコ大地震
 ポルトガルのリスボン大地震
 イタリアのポテンツァ南方地区の地震
 日本の十勝沖地震
 中国の海城地震
 中国の唐山地震・・・・。
 (中略)

 これはいままでだれにも解釈できない謎であった。
 もちろん、これは数えきれない大地の謎の中のただ一つに過ぎない。(中略)
 私は信じている。マントル対流と地震の関係、地殻の不規則な運動や地軸・磁気軸の変動と地震の関係、天文学上の要素や太陽の黒点と地震の関係、幾千幾万の不思議な自然現象やまだ把握できていない物質運動の法則と地震災害の間にある何らかの関連……人類はこれらを最終的には明らかにできるに違いない。」(「唐山大地震」銭鋼著 朝日新聞社発行p.368より)

以上が銭鋼氏のコメントです。
なぜ緯度が40度付近で大地震が起こっているのか、「これは今いまでだれにも解釈できない謎であった。」・・・とありますが、石田理論による解釈を次に説明しましょう。

地震の原因となる解離度の上昇は@温度の上昇A圧力の減少・・・の二つの理由で起こります。
ANSビデオの中で説明しましたように、
小さな地震は@マントル物質(マグマ)の移動など温度上昇が主なる原因で解離度が増大した地震だと思いますが、
巨大地震はA圧力の減少(地殻の疲労破壊で起こる)による解離度の増大が大きな原因だと思います。
したがって、巨大地震だけの分布を示せば、海溝や海嶺付近に顕著な分布を示すのではなく、唐山地震や、海城地震のように結構大陸内部も含んで広く分布すると思います。
緯度が40度付近で大地震が起こる理由は、地球という球体が潮汐の原因である起潮力を受けて、疲労破壊する可能性が高いのではないかと思います。

マントルが固体であるならば別ですが、溶融しているとすれば、海水と同じように、一日二回上昇と下降を繰り返そうとする力を受けるはずです。

また、プレートという座布団のようなもので地球表面が構成されているのなら別ですが、そうではなく、卵の殻のように薄いものではあるが、一枚の連続したものであるとしたら、マントル物質の上下運動を抑えるために、卵の殻(地殻)には、当然応力が発生します。この応力は何百年に1回というような頻度で卵の殻に疲労破壊を生じさせることがあるのではないでしょうか。
金属でも、何万回という繰り返し荷重のもとでは破壊します。地殻という岩盤なら当然起潮力という繰り返し荷重を受けて破壊し、クラック(ひび割れ)を発生させます。地殻内部でのクラックの発生は局所的に急激な圧力の減少を引き起こします。これによって解離ガスが大量に発生し、大地震が発生する・・・こうした現象が起こりやすいのが、地球の中緯度帯である、というのが石田理論の解釈です。
地球表面はプレートという座布団のようなもので構成されているのではない、一枚の固定された殻である・・・だからこそ、自由に移動できる海水だけが、上下運動を繰り返して、潮汐現象が見られるのである。
黄身や白身にあたる部分は溶融した高熱のマントル物質であるが・・・冷却されて少しずつ地殻が厚くなってきたので、人間が住めるようになった・・・というのが真実ではないでしょうか。
マントルが固体であるとか、12枚のプレートが地球を包んでいるとか、そしてそのプレートが白身や黄身の中に落ち込んでいく・・・などというのは御伽話に過ぎないと思っています。

1207
2006-10-16 (Mon)
電磁波による地震予知の扱われ方
10月14日の中日新聞に、「電磁波で地震予知を」という記事がありました。(写真参照)

テレビでも放映されましたが、友達から石田理論では中部工大の畑雅恭教授らの研究はどういう評価になるのか・・・という質問メールを受けました。もちろん大いに評価していると、次の様なメールを送っておきました。

「中部工大の畑教授は良く知っています。私より年上の先生ですが、名工大の電気科の教授でした。
やっておられることは、大変意味のあることで、地震の予知研究としては貴重な研究ですし、私も大いに評価しています。
ただし、地震の原因に関してはプレート説のままですので、地震学の進歩という面では、イマイチかなと思っています。
本当に地震の予知を完成させるには、地震の原因をはっきりさせることが大切ですが、地震爆発論にまで踏み入れないと、
本当の意味での進歩には繋がらないと思っています。
新聞にも、研究集会の話がのっていましたが、主催しているのは、電気関係の人たちで、地震学者は全く無関心です。
電気系の人たちが予知という面で、電磁波異常に関心を持っています。
私達はお金が無いので、コンパス観測を実施していますが、お金があれば水素の観測をしたいのです。
私が名工大に在職中は畑教授も地震予知の研究はしていませんでしたし、二人とも名工大を離れてから、一緒に研究できたらよかったねぇ・・・とメール交換したことがあります。」

以上が返メールの内容です。電磁波による地震予知研究も、プレート説を否定しない限りは、こうやって有名新聞も取り上げますが、「プレート説なんて間違っているよ、地震は爆発現象なんだよ・・・」という話は、全く取り上げてもらえません。学校教育の中でも、低学年からプレート説を真理であるかのように教えているわけですから、まぁ当分の間は「トンデモ科学」としてしか扱われないのでしょう・・・

それにしても、北朝鮮の核実験によって生じた地震波の波形(サイトで探したがみつかりません)をテレビ報道で見ましたが、素人には自然の地震波形と区別がつかないくらい類似しています。旧ソ連の核実験の地震波形がシンプルなものになることはライブラリー33で紹介しましたが、それでも、自然地震の波形によく似ています。
こうした波形をながめても、地震は爆発現象(化学反応現象)であるということは明瞭に分かると思うのですが、「正当・非トンデモ科学」を自認する地震学者は、プレートという岩盤が跳ね上がる(物理的反撥現象)のが地震現象であると・・・頑なに信じておられます。

1208
2006-10-22 (Sun)
東濃新報記事と消防団長との会話
[1205]に紹介した東濃新報への投稿記事が10月20日に掲載されました。早速友人が読んでくれたようで、仲間内の掲示板にカキコしてくれましたので、以下のように返礼しておきました。
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○○さん、東濃新報のオイラの記事をお読みいただきありがとうございます。

「うんうんとうなずきながら読み・・・」とは、なんと認識力がお高いことか・・・。
高い認識力の持ち主はだんだん増えてきておりまして、仲間が以下のようなブログの存在を報告してくれました。
「話は変わり地震発生のメカニズムはプレートテクトニス理論(仮説)よりも石田理論の地下における水の解離現象による水素の爆発の方が筆者は納得出来ます。」

又、頭の中がぐらぐら・・・という次の様なブログも存在します。
「現在、頭の中がぐらぐらと揺れております。
何に揺れているかと申しますと、「地震爆発説」の的確さに感動し、そのおかげで浮かび上がった自らの不勉強に恥じ入っているからです。(中略)

そして、その下のコメント欄にあった「新しい地動説・ポールシフト」が気になって読み進めたら、「ANS観測網」の頁にたどりつきました。(ANS観測網の携帯サイトはこちら
このサイトでは、マントルを流体と考え、剛体としてのプレートの考え方を懐疑しています。」

と大変に好意的扱いです。

なお、先日あった小・中学校の同窓会で多治見の消防団長から
「一度、幹部の前で話しをしてくれますか・・・」
と打診されました。そのうち多治見消防団へお話に行くことになるかもしれませんね・・。
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以上がその返礼ですが、消防団長氏は、

「大地震の時には、地中から水素をはじめとする可燃性のガスが噴出するから、ニュートン元編集長の言うように「勝手に避難などせず、残って我が家の類焼を防げ」というのは危険ですよ。」

という「地震爆発説」から導き出される解説に関心を持ったようです。
「神戸の地震では、消防団が消しても消しても、再出火したでしょ、青苗の町では津波で町中が水浸しになったのに、大火になったでしょ、原因は地下からの可燃ガスの噴出があるからだよ。」
「関東大震災では火災旋風で多くの人命が失われたけど、火災旋風が起こったのは、隅田川の川筋なんだよ、川筋は砂礫層が締め固められていないから、ガスが噴出しやすいからねぇ・・・。」

「大地震が起こったら、地盤の堅固な安全な場所へ避難しないと、命を失います。」
という話に、消防団として、根本的に地震火災の認識を改める必要を感じたのかもしれません。
「竜巻や台風で家々が壊滅したって、火事になったためしがないでしょ、台所の火の消し忘れが大火の原因にはならないと思わない?・・・・どうして大地震では大火になるケースがあるのか消防団としてもよく考えないといけないねぇ・・・。」

という同級生からの警告的言葉を、真剣な面持ちで聞きいっていました。

1209
2006-11-02 (Thu)
マントルが固体であるという誤解
なぜマントルが固体であるという誤解が生じたのかニューオフィスに追加しました。
マントルは固体であるというのが定説であり、地震学者はそれを固く信じています。地震学を学んだ方から地震爆発説が顰蹙を買いトンデモ理論扱いされることが多いのは、このマントル溶融論が一つの原因だと思います。
ニューオフィスにも書きましたが、地球が誕生して以来マントルは次の様な経過をたどったと思われます。
@地球はその始原においては内部まで完全に溶融状態であった。つまりマグマオーシャンという状態であり、生き物が生存できる環境ではなかった。

Aやがてマグマオーシャンの表面が冷えて固形化し、海洋も誕生し、植物や、動物が生存できる環境に変化した。
B表面は固形化したが、内部は依然として溶融したままであった。
さて、ここから、
Cマグマオーシャンの表面だけではなく、内部までも、(冷却されたわけではないが、)2900kmまでは固体状態になった。
という常識では考えられないような飛躍した学説が信じられるようになったのは、何故でしょうか。
その疑問をまとめてみましたが、マントル固体論は観測データから証明された”科学的事実”であるという意見に異を唱えるものです。
ニューオフィス53の実測走時が、計算値と合うというのがどうしても納得が出来ません。読み取りのプロである中川技官の次の言葉を考えると、言葉は悪いですが、地震波の到達を「恣意的」に認定する危険性があるように感じます。
「・・・震源距離の遠い波で地球内部を反射、屈折してきた波でどこに到着した波の波形があるのかまったくわからない。
その(判定の)手助けになるのが走時表、これは震源までの距離がわかると、その波の到着時刻が記され。その時間を発震時刻に加えた時刻を記録上で見ると、記録のコントラストが悪く今まで見逃していた記録のゆれの中から地震波の到着波形が見つかります。」

ご批判があれば、ANS事務局までお願いします。
注釈:2008・7月[1464]にて、マントルは熔融しているが、衝撃的震動のS波なら伝播させる、と若干の修正をしています。

ANS事務局/ ansin@ailab7.com

1210
2006-11-05 (Sun)
Yahoo掲示板での討論
Yahoo掲示板の地球科学>地震・火山活動・防災意識という欄で「検索エンジンでヒットするトンデモサイト」というタイトルで「石田理論」について、議論が展開されていました。
地震爆発論に興味のある人もあって、説得力を持つという人あり、トンデモ扱いする人ありですが、抜粋して紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【Aさん】
「ANS観測網」
http://www.ailab7.com/index.htm
地震の発生メカニズムもユニークですが,ユニークなだけです。

【Bさん】
否定的意見も肯定的意見もあるようだが・・・・。説得力はありそうに思える。
http://www.hongou7.com/index.html

【Cさん】
説得力がありそうだとおっしゃるのは、この「石田理論」ですか?何故そう思われるのか教えて頂いて良いでしょうか?
ちなみに、私もこの理論には賛成しません。というか、妄想に近いと思います。また、この理論を否定できる観測結果もありますしね。

【Bさん】
説得力を感じる点は以下の二点です。
・断層がずれるという物理エネルギーと爆発現象などの化学エネルギーでは4桁(一万倍)の差があるらしい。また、核反応エネルギーはさらに4桁も大きなエネルギーであることなどを考えると、地震波形が基本的に核実験の波形と類似しているということは、地震現象が断層運動という物理エネルギーから生まれるとは思われないこと。地震現象が何らかの化学反応エネルギーであることはありそうに思える。
・断層は地震の後に、ズルズルと形成されたという、農夫の目撃談(濃尾地震・水鳥断層付近の話)、あるいは関東大震災でも、城ヶ島付近では地震の後に断層の食い違い量が減少していったという例などから、想定するに、断層が動くことが地震の真の原因では無さそうな気がする。

【Bさん】
ANSサイトに最新記事が載っておりました。
http://www.ailab7.com/matigai.html
この内容の、どのあたりに矛盾があるでしょうか。教えていただければ幸甚です。

【Aさん】
P波はあくまでも波であるので波の伝わる速さが均一ならば同心円状に広がるのが当たり前。P波が同心円状に広がって到達する事に関しては固体,液体は関係ない。
この人の説では影のゾーンの存在を合理的に説明できない。

【Bさん】
【地殻(固体)−マントル(固体)】の場合と【地殻(固体)−マントル(液体)】の場合では、地殻内部で起こる地震波の伝播経路は違いがあると思うのですが・・・、つまり固・液の境界での屈折状況に差が出ませんか?
影のゾーンに関しては、誰か(このサイトに批判的な人だったと思いますが)がどこかのサイトで現在ではそれほど重視する必要は無いと述べていたように思いますが、「影のゾーンの存在を合理的に説明する必要」があるのかないのか、私にはよくわかりません。

【Cさん】
地殻について言えばおっしゃるとおりではありますが、マントルや核の厚みに比較して地殻というのは非常に薄いので、このような伝播経路を考える時には地殻は無視して考えることが多いようです。

【Bさん】
Cさん、ご教示ありがとうございました。
素朴な質問ですが、マグマオーシャンの時代から、順次表面が冷却されて、地殻ができた・・・、その頃はマントル部分も溶融していた・・・のでしょうねぇ。
とすれば、その後で、マントルは固体になったのでしょうね?
固体になった原因はどのようなことだったんでしょうか。
このあたりをどのように考えればいいのか、分かれば教えてください。

【Cさん】

マントルが固体になった原因ですか。私も、そこまでは勉強していないのでよく分かりません。
数億年という時間をかけて徐々に冷えていったことが大きな原因の一つであろうとは思います。また、太古のマントルではマントル成分の分離が起こったと言われているそうですから、それも原因のひとつかもしれません。
この点に詳しい方がいらっしゃったら、私も教えて頂きたいと思います。

【Dさん】(・・これは少し長いのでかなり抜粋)
46億年前の原始地球の時代まで遡ります。ある固体が、秒速数kmという高速で地表に衝突すると、・・・・・・ついには地表の岩石が溶ける程の高温に達し、地表はマグマの海となります。・・・・・地表にできるクレーターの深さはおよそ10qのオーダー。これがマグマの海の深さと考えられてます。

【Bさん】
つまり原始地球はそもそも固体であった。その後マグマオーシャンが出来、再び地球表面は固体になった・・・ということになりますね。
そうすると、
@:固体であった原始地球はどうやって誕生したのか・・・
という疑問と、
A:今後も地球はマグマオーシャンに戻る可能性があるのか・・・
という恐怖が残りますが・・・。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
まだ会話は続くようですが・・・・・。

A、C、Dさんは多分定説を学んでおられる方のように思われますので、その意見から定説論の考え方を推定してみることが出来ます。
定説では、地殻の厚さは薄いので、震央距離が長い遠隔地地震を考えるときには、その厚みを無視して考えているようです。
グーテンベルグ先生が最初に仮定したニューオフィス57にある図27の地震波経路も、そうした考えの下で設定されているので問題は無い、その上で遠隔地にも横波(S波)が到達しているのだから、図27の仮定(マントル固体)は間違ってはいない・・・・という解釈のようです。
しかし、マントルが溶融していれば、横波は溶融物体の中を伝播できないので、横波も図27のようにマントル内部を伝播するという仮定は成り立ちません。
推定するに(地震学を専門的に研究したことが無いので、推定するしかないのですが・・・)、
地殻の厚みは無視できる ⇒ S波の地球内部を伝播すると仮定する ⇒ 実際にS波が遠隔地から到達している・・・・
よって、S波は地球内部を電波している。よってマントルは固体である。・・・という認定しているようです。
S波はモホ面の下にある緻密な地殻第二層部分(しかし、厚さは第一層と第二層を合わせても100キロ程度)を通って遠隔地に伝播している・・・という視点(石田理論)には目が向かないようです。
あくまでも、2900kmまでのマントルが固体であるというグーテンベルグの仮定の下で、立論することに拘束されているようです。
然し、その仮定が正しいかどうかは、証明されてはいないと思います。S波がが届いているから・・・というのは証明にはなりません。
【Dさん】の解説にある地球始原の状態で地球は固体であり、その後10kmだけがマグマオーシャンになったとは信じる気にはなれません。
さて、議論はどのように続くのでしょうか・・・。

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