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1431
2008-06-17 (Tue)
地震発振機構見直しの機会
岩手・宮城地震は地震と火山活動が同根であることを推定させる観測事実の報道があります。栗駒山南麓で火山性のガスが噴出しているのが確認されたという記事です。
「爆発現象がごく浅い場所ならば火山爆発となり、深ければ地震となる」というフンボルト以来の地震観に戻る必要があると考えられます。
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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080616-OYT1T00381.htm
宮城・栗駒山頂近くで水蒸気、火山性ガスか…県など調査へ
 宮城県の災害対策本部は16日、栗駒山頂南西約7キロで、火山性ガスの可能性がある水蒸気の噴出を確認した。
 噴出現場は秋田県境に近い栗原市花山で湯浜温泉の近く。16日早朝、車両3台が巻き込まれたとみられる土砂崩れ現場で、自衛隊員が安否不明者の捜索をしている際に見つけた。ヘリコプターで上空から観察したところ、数か所から水蒸気が出ているという。
 宮城県や仙台管区気象台などは成分と濃度などを調べるため、現地に職員らを派遣する方針。
 東北大学地震・噴火予知研究観測センターの植木貞人准教授は「地震で山の地盤が動き、地下にたまっていた火山性ガスが噴出したり、温泉のもとになる地下水脈の流れが変わって水蒸気が出たりした可能性がある」とし、「現場は栗駒山の山頂付近から相当離れており、火山活動の活発化を意味するものではない」としている。
(2008年6月16日11時50分 読売新聞)

http://eonet.jp/news/national/article.html?id=144021
大崎市の山あいにガス?水蒸気?=自衛隊ヘリが確認−岩手・宮城地震
(6月16日11:45) 
 岩手・宮城内陸地震で最も被害の大きい宮城県栗原市に隣接する大崎市の山あいで16日早朝、水蒸気かガスのような白いものが勢いよく立ち上っているのを、自衛隊のヘリコプターが上空から確認した。
 陸自東北方面総監部や仙台管区気象台によると、鳴子・鬼首温泉郷東側の地熱発電所もある周辺の一帯。同日朝の県災害対策本部会議で、自衛隊側は「火山ガスが活発化しているのか、ただの水蒸気なのかはっきりしないと、救助活動に影響する。早急に原因を調べてほしい」と県に要請。本部長の村井嘉浩知事は、速やかな対応を約束した。
[時事通信社]
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新聞報道を見ていると、今回の地震で建物被害が少なかった原因は、逆断層の上板にあたる西側は山岳地帯であり、東側の市街地は下板に当たるために振動被害が少なかったという学者のコメントがあります。経験論的に述べておられるものと思います。
地震爆発論で解釈すれば逆断層の上板というのは爆発の押し領域に当たり、下板というのは引き領域に当たります。振動被害は圧倒的にExplosionによる押し領域が甚大となります。引き領域はImplosionですから、振動被害よりも地盤の沈降という被害を受けることになります。
今回の地震では震源付近で4000ガルを記録したということですが、これは垂直方向に爆発が生じた正に直下型地震であったことを意味します。震源の深さが8kmでExplosionが鉛直であったとすれば半径8kmほどの円形の外側は引き領域になる可能性があります。
荒砥沢ダム周辺の崩落は引き領域に当たったために生じた大陥没であるという可能性も考えられますが、振動によってドミノ的に崩壊したという解説(テレビ報道)もありました。
どちらにしても爆破による振動が継続的に起こったために発生した地変であり、「断層運動という地変によって地震動が発信した」という解釈は成り立たないと思います。
ましてや、今回は断層が存在しなかったというのが有力なようですから、被災された方にはお気の毒ですが、地震そのものの発振機構を再考するよい機会であると思います。それを願っている建築関係者の声に耳を傾けてみてください。

追記:毎日新聞航空部が荒砥沢ダム付近を撮影した動画がありました。
「 6月16日、毎日新聞社ヘリ「レインボー」から岩手・宮城内陸地震による土砂崩れで地形が大きく変わった宮城県栗原市の荒砥沢(あらとざわ)ダムの北西部を上空から撮影した。
 地震発生当初のまま、山肌がえぐられ、広い範囲で巨大な地滑りを起こしたまま、クレーターのように陥没していた。」
という記事があります。現場を見るとクレーターのような陥没という感想になるようです。」

注釈:その後動画はこのサイトでうまく作動しなくなってしまいました。


左図に示す直下型地震の引き領域に相当する陥没現象の可能性がありますが、地震計の記録ではどうなっているのでしょうか。

1432
2008-06-19 (Thu)
地殻変動から見た発振機構
国土地理院がGPSで観測した今回の地震の地殻変動を発表したそうです。報道では「西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型」を裏付けるものということですが、地震爆発説から見た解釈を紹介し今回の地震の発振機構を検討してみます。まずは毎日新聞の記事を紹介します。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080614-00000113-mai-soci
<岩手・宮城内陸地震>湯沢市、東南東へ29センチ動く
6月14日20時51分配信 毎日新聞

 国土地理院(茨城県つくば市)は14日、岩手・宮城内陸地震に伴う地殻変動を全地球測位システム(GPS)の電子基準点で検出したと発表した。解析の結果、震源から西約20キロに位置する秋田県湯沢市の皆瀬は、東南東へ約29センチ、水平方向に移動していた。昨年の新潟県中越沖地震での変動は最大で17センチで、これを上回った。
 また宮城県栗原市の栗駒は北西に約19センチ、岩手県平泉町の平泉は西北西へ約15センチ動いていた。気象庁は今回の地震のタイプを「西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型」としているが、これらの地殻変動はそれを裏付けるものだという。【石塚孝志】
最終更新:6月14日20時51分
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以上が報道記事です。国土地理院の発表した上下方向と水平方向の地殻変動は次のサイトに資料として載っています。
http://www.gsi.go.jp/BOUSAI/h20-iwatemiyagi/080614houdou3.html
この資料を借用して加工を加えたものが、次の図であります。

栗駒2は2メートルの隆起で東南に約1.5メートルと大きく変移しています。その他は余震によって隆起したと思われる水沢1を除いてほとんどが沈降しています。それも大体震源に向かうような水平移動を示しています。やはり、荒砥沢ダム付近の大崩落は引き領域の一部として、震源に向かうように、沈下しながら、強い震動によって大崩壊したと思われます。
余震がかなり発生していますから、複雑な変動になることは理解できますが、本震による「押し引き現象」がかなり明瞭に現れているように見て取れます。国土地理院が発表している「西側の地塊が東側にのり上げるような逆断層運動」であるとすれば震源の西側の皆瀬や東成瀬で沈降していることが説明できません。
断層地震説では同じ断層が一回で滑りきらないで、何回もズルズルとすべる、それが余震であるという解釈ですから、基本的には同じ傾向の地殻変動になるはずです。したがって、震源西側の沈降または東側の水沢1の隆起は説明ができないと思います。現実には、余震という爆発方向が一定ではない地震が何回も起こっており、観測できる地殻変動は複雑なものになる可能性があります。余震の発生点を見ても同じ断層の上にあるとは到底思えません。

大体、断層は見つからなかったという現地視察の声もありますし、「最初から断層は存在していない」という可能性が高いのです。それを無理やり断層説で説明するのは「最初に断層説ありき」を決め込んでいるような「見込み捜査?」であると思います。結果は「断層冤罪?」を生み出すでしょう。
断層は大爆発の傷痕にすぎません。

注:
水沢1のデータは誤差が含まれている可能性があるという注釈があります。

1433
2008-06-19 (Thu)
こんな小さな断層が巨大地震を起こすのではない
産業技術総合研究所の調査で今回の地震で断層が15キロに渡り露出していたのが見つかったという毎日新聞の報道があります。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000016-maiall-soci
<岩手・宮城地震>15キロにわたり断層露出 水田にくっきり
6月19日14時13分配信 毎日新聞
水田にくっきりと現れた断層=岩手県奥州市衣川区餅転で18日午後4時50分、本社ヘリから森田剛史撮影(下記写真の左上)

 岩手・宮城内陸地震の震源に近い5地域で断層が地表に現れていることを、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が19日までの調査で確認した。北東から南西方向に断続的に約15キロにわたって露出し、地表に40〜50センチの段差を作っていた。

 北端にあたる岩手県奥州市衣川区餅転(もちころばし)地域では、2枚の水田で断層が地表に現れ、断層をはさんで西側部分がジグザグに約45センチ盛り上がっていた。

 5地点のうち4地点は、岩手・宮城県境にある約10キロの古い断層に沿うように露出していた。産総研の吉見雅行研究員は「この断層が地震を起こした可能性もあるが、この規模の大地震では2メートルくらいの段差が地表に現れてもおかしくない。別の断層が地震を起こし、その影響でこの断層が地表に現れた可能性もある」と話している。【斎藤広子】
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掲載写真にある段差は小さなものですから、もっと大きな別の断層が地震を起こした可能性もあると吉見研究員が述べています。
また、東京大学地震研究所の調査報告では本震の東側数箇所に断層が現れていて、周辺に崩落現象が起こっていないことから、テクトニックな要因で起きた地震断層である可能性があると述べています。
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/topics/Iwate2008/fault_by_THK/

確かに周辺に崩落現象があれば、地すべりによる断差の可能性が高いですから、テクトニクス要因の地震断層を調査する場合は崩壊現象がない場所で探すということになるのでしょう。
しかし、このような小さな断層が動くことが原因となって最下段に示すような大陥没が起こるとは想像もできません。
「プレートテクトニクス理論によれば、圧縮軸方向の圧力によって岩盤の食い違いが起こるはずだ、これが地震に違いない。既存の断層がなくてもそれによって新しく断層ができるはずだ。」
という固定観念から、小さな断層に地震の原因を背負わせている「断層冤罪?」としか考えられません。

再度上下移動と、水平移動の量的分布を載せますが、震源付近と(誤差があるかもしれないという)水沢付近を除けば大きな上下動は全体的に沈降を示しています。西側の地盤が東側の地盤に乗り上げる形の逆断層が起きたのならば、西側地盤は隆起しなければいけないはずですが、地震研究所の報告では東上がりとなっていて、矛盾があります。震源地殻の栗駒2だけが異常に大きな変移量を示すのも、地震爆発論でなければ説明がつかないと思います。

写真の段差はすべて押し領域と引き領域の境界に現れた地盤の傷痕に過ぎません。爆発の影響で自由端部の振動が激しく、耐え切れなくなって破れた地球の表皮でもあります。押し引きの境界ではなくても、振動の激しかった部分では大きな傷ができてしまいます。それが大陥没であり、山間部の崩落現象です。
毎日新聞の写真は西上がりの段差ですが、ほかの写真は東上がりの段差ですから、報道されているような逆断層解釈とは矛盾します。これらが本震を起こした主原因の断層とは思われません。自由端部という破れやすい場所に発生した傷痕に過ぎないと考えます。

1434
2008-06-20 (Fri)
納得できるまで情報収集を
今回の地震では未知の断層扱いから、断層が発見された・・・というように、「断層冤罪?」が粛々と進行しています。「俺は被害者なんだよ、真犯人は爆発なんだ」と叫んでも、検事も裁判官も聞く耳を持たないかのようです。ついに「専門家が震源断層を確認した」という論調になってしまいました。
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http://office.kyodo.co.jp/feature/iwate-miyagi_earthquake/
震源断層を確認 専門家ら調査、岩手南部
岩手・宮城内陸地震を起こした活断層によるたわみが、岩手県一関市厳美町の水田で約3キロにわたって現れているのを、鈴木康弘名古屋大教授(変動地形学)らが19日までの調査で確認した。
活断層は、北側にある北上低地西縁断層帯と地下でつながっている可能性が高いという。国土地理院が18日発表した震源断層の推定位置に含まれている。
数万年前以降に活動を繰り返したとみられ、鈴木教授は「3キロの断層は地形から事前に見つけることができた可能性がある。だが、今回の地震を起こした数十キロの活断層を推定するのは極めて困難だ」とし、地震の予測にとって重大な問題だと指摘している。
産業技術総合研究所(産総研)や東北大などが地震後に確認した断層から約70メートル東の水田で、西側が40センチ程度たわみ上がり干上がっているのを確認。ここを含む南北約3キロで断続的に同じたわみがあり、活断層による隆起と判断した。
(2008年06月19日)

http://www.iwate-np.co.jp/08iwate-miyaginairiku/200806/nairiku0806187.html
50センチの段差、地震断層か 一関・厳美町
 岩手・宮城内陸地震で発生した地震断層とみられる地表変位が、一関市厳美町枛木立に広がっている。水田に高さ50センチほどの段差ができているほか、延長線上の木立の一部が傾いていた。
 同断層は岩手大・東北大の共同調査チーム、岩手大の斎藤徳美教授らの調査チーム、産業技術総合研究所活断層研究センター(茨城県)などが発見した。
 段差ができているのは、佐藤満行さん(70)の水田。14日の地震によって地表に現れたという。佐藤さんは「真下に断層があるなんて想像もできなかった。ただ驚いている」と話していた。
 地震断層は奥州市、宮城北部などでも確認されている。


【写真=地震断層が現れた水田。
後方の左端の木も断層で傾いている=17日、一関市厳美町枛木立】

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このように、プレートテクトニクス理論を厚く信奉する学者たちは地震が爆発現象であるとは、とても思えないらしく、既成概念から離れることができないでいます。しかし、一般の傍聴席で聞いている方はさすがに「4000ガルの激震が断層運動から発生する」ことに疑問を抱いているようで、2chの地震サイトにさえも、次のような「ウンザリ」発言が出るようになりました。
>506 :4000ガルマ・ザビ:2008/06/17(火) 00:18:49
地震学者のTVでの活断層などの追認ともいえる解説にウンザリ!!

震度7という激震でもガルは400程度なのです。4000ガルという衝撃がどのようなものなのか、震動というよりも爆発的な衝撃なのですが、震度とガルの関係表からその凄さを感じ取ってください。
今後、断層説にこだわる学者さんの感覚と一般人の感覚とのずれはどんどん大きくなっていくでしょう。
この新地震学セミナーの読者も最初はトンデモ理論かと思っていたが、読み進むうちに
きわめて正論と考えるようになったという方があります。今では信頼しているという方からのメールを紹介しておきます。
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石田様

いつも、貴重なご教示ありがとうございます。
本日、些少ではありますが、寄付させていただきました。
私は現在東京都○○区に住んでおり、幼稚園と小学生の子供が3人おります。
当初、地震による被害から子供たちを何とか守りたいとネットで調べているうちに、貴サイトに出会い、共鳴させていただきました。

はじめはトンデモ理論かと思いましたが、読み進めるうちにきわめて正論と考えるようになりました。
ショック博士の本も読み、自宅と事務所に方位磁針を置いて毎日チェックしています。

そこで石田先生にどうしても、お伺いしたいことがあります。

わたしは、先生のお考えを繰り返し読んでいまして、間違いなくポールシフトが起きると考えるようになりました。
それは、何百年という先ではなく、何十年あるいは数年先にも起こりうるのではないでしょうか?
実際、大陸の氷が海に流れ出すのを防ぐ働きがあるとされる、棚氷が崩壊し始めておりますし、地上の莫大な氷の下には水が流れており、これが潤滑油の役目をするのは素人にもわかります。
南極の氷の下に活火山があるという発見も、気になります。
南極の莫大な氷が急速に海に落ち、大津波が発生し、さらに氷の重しが取れ、大陸が何百メートルも跳ね上がれば、地球の回転軸に影響を与えないはずがありません。
東京は将来津波の影響をもろに受けると考えられます。
笑われるかもしれませんが、私は、家族を連れて引っ越すことも真剣に考え始めています。

先日も標高950メートルの山梨県北杜市○○○に土地を見に行ってきました。
高所に移っても大雨による土石流があり、台風があり、火砕流があり、陥没隆起がありと思いますが、せめて大津波発生で人々が逃げ惑う中に小さな子供を巻き込みたくないのです。
ポールシフトが起きた場合、先生がお考えになる少しはマシな土地の条件とは、どのようなものなのでしょうか?
またそのような土地が、日本にあり得るのでしょうか?
勿論何処にいても安全な場所などないと理解しておりますが、せめて信頼できる先生のご意見を参考にして、その時を迎えるまで、なんとなくの安心感があるだけで十分です。

まったく不躾な質問ですが、何卒お願い申し上げます。
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ご家族のことを想い、真剣に考えておられるようですので、以下のような返信を差し上げました。

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○○様 寄付金ありがとうございました。
これで、携帯用の水素濃度計本体が購入できる金額に近づいてきましたので、検討することにします。
まことにありがとうございます。

さて、ポールシフトの件ですが、結論から言って現状ではそれほど心配はしておりません。
理由をご説明します。

>南極の莫大な氷が急速に海に落ち、大津波が発生し、さらに氷の重しが取れ、大陸が何百メートルも跳ね上がれば、地球の回転軸に影響を与えないはずがありません。

とありますが、両極の氷が溶け出しても、地殻の重心移動にはそれほどの影響はありません。
南極大陸が何百メートル跳ね上がる・・・ということは考えにくいですが、たとえ跳ね上がっても、それによる重心移動は氷の溶け出しと同じで、回転軸の上での移動だけですので、大規模なポールシフトを起こすほどの影響はないと思います。南極の氷が場所的に不均一であれば別ですが・・・

一番怖いのは両極を離れた場所、たとえば赤道近辺で大規模な地殻のアップダウンがあれば、それによる重心移動は現在の回転軸から大きくずれますので、回転軸の傾斜(ポールシフト現象)に大きな影響が出ます。

アトランティスやムー大陸のような規模での沈降または浮上という地殻変動が両極以外で発生すれば、恐ろしいことになるでしょう。

日本で安全な土地があるのか?・・・という件ですが、回転軸の傾斜がどのようになるのかで、大津波の襲来してくる方向が違いますから、一概にどこが安全とは言えないと思います。

一万年以上前に・・・アトランティスかムー大陸が沈没したときに起きたであろう大津波が動物の死骸を押し流したものがシベリヤ奥地にあるマンモスの墓場だと思っていますが、そのような規模の大洪水(ノアの神話のような)が起きれば、よほどの高地でないと水びたしになってしまいます。
八ヶ岳南麓・・いいですねぇ・・・そこに別荘を持って、世界各地で巨大な地震が起こりはじめ、沈降・隆起などの地殻変動が発生し出したら、急いで別荘に逃げ込む・・・くらいが一番いい対策かも知れませんね。
私は別荘が持てる身分ではありませんので、自家用車で逃げることにします。
たしかに、最近の大地震を見ていると、地震の知識が間違っているために心配なことがおおいですね・・。

以上ですが、現在地殻変動というような地変はありませんので、あまり心配しないで、人間いつかは死ぬ・・・と考える暢気流儀もあり得るかとも思います。

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再度のメールには「気持ちが楽になりました。」とありました。
この方のように、マスコミ報道や、学者の解説を頭から妄信するのではなく、自分が納得できるまで、ネット上で情報集めをすることが大切なことだと思います。

1435
2008-06-21 (Sat)
荒砥沢ダム上流の崩壊はガス噴出による粉体流が原因
[1428]で荒砥沢ダム北部の大規模な地すべり現象を長野県西部地震の御嶽山崩落現象とは違うとして、以下のように書きました。
―――――――――――――――――――――――――――――
「今朝のテレビでは溝上恵東大名誉教授が、長野県西部地震で発生した御岳山周辺の崩落現象を紹介して、このようなことはよくある現象だと説明したおられました。
また、どの報道を見てもプレート論による解説であって、逆断層が動いたことになっています。

しかし、今回の陥没現象は御岳山周辺で見られた急斜面の崩落ではなく、広範囲に渡る地盤一体の陥没現象ですから、形状から見ても逆断層による地形変化とは関係がありません。明らかに引き領域に当たる場所の一部が陥没したことを示しています。規模が大きくなると、瓜生島や高知湾の沈没のような陥没現象という地震の「爆縮効果」による地変が現れたものです。」
―――――――――――――――――――――――――――――
しかし、国際航業株式会社のサイトにある航空測量の結果をみると、「陥没現象」のように見えるのは、大規模崩壊の一部分だけを見ていたからで、全体を見るとやはり御嶽山の大崩落と同じような岩屑雪崩であったと判断されます。したがって、[1428]で主張した「爆縮効果による地変」説を撤回します。ただしこの一帯が引き領域に当たることは[1433]の上下移動分布を見れば納得ができます。

さて、国際航業(株)の航空測量の結果は崩壊の中心線上の土石の収支をあらわしたものです。これを見ると、大陥没と見えるのは崩壊開始点から約500メートルの間であって、崩壊した土石はその下流に移動していることがわかります。

国際航業株式会社のサイト
http://www.kkc.co.jp/social/disaster/200806_iwatemiyagi/より

したがって、地震(爆発)の爆縮効果による引き現象そのものによる沈降現象ではなく、長野西部地震で起きた御嶽山の山体崩壊([539]参照)と同じ原因、つまり噴出するガスが地盤を粉体化させて、粉体流あるいは、岩屑流として流下させたことが推定されます。[1429]にあるセントヘレンズ山の崩壊がその例であります。
この粉体流は岩屑雪崩あるいは山津波とも呼ばれている現象を起こす原因なのですが、崩壊の始点ではガス体が土石を粉体化させますが、流下するとガスが冷却して液体化し、土石流になることがあります。
震源付近から噴出するガス体が酸素と水素の解離ガスあるいは結合した後の高熱水蒸気であって、それが冷却して液体になるために起きる現象ではないかと考えています。
今回は下流にダムがあったために土石流として流下する距離は短かったものと考えられます。
関東大震災ではこの粉体化した山津波で根府川駅に停車中の列車が乗客を乗せたまま相模湾に押し流されるという悲劇がありました。

「根府川駅に停車せんとした東京発真鶴行列車は、乗客約二百名を乗せた儘、停車場の建物と共に山津波に呑まれ、土砂に包まれて深く海中に沈下し、生霊は永へに相模灘の幽鬼となって浮かぶ能はざるに至った。」

乗客200名が命を落とすという悲劇でしたが、現場には石碑が建立されているそうです。

1436
2008-06-22 (Sun)
断層調査は傷痕調査である
産総研活断層センターが行った現地調査によると、地震を起こした断層が見つかったかのような報告になっています。しかし、[1433]にも書いたように、このような小さな規模の断層が荒砥沢ダム上流の大崩壊を引き起こすような地変の原因になるとは思えません。
報告にある断層というのは、地震爆発論の立場では単なる爆発によって生じた地皮の傷痕に過ぎないということになりますが、その根拠を二つの例から述べてみます。

産業技術総合研究所調査報告より加工させていただきました
http://unit.aist.go.jp/actfault/katsudo/jishin/iwate_miyagi/report/080619/index.html

★ :ひとつは衣川地区餅転における左ずれ断層と右ずれ断層です。震央から15kmも離れた場所で、右ずれと左ずれが現れるのは地震断層説から考えるとおかしいことになります。
しかも断層が直交する形で現れるのは、断層理論からいえば、ごく浅い地震で震源の直上に出現する四象限型;の場合だけです。震源から15kmも離れた場所でこのようなずれ方を示すのは地震断層ではないことを意味しています。つまり単なる爆発によって生じた地皮の傷を意味しています。
★ :二つ目は枛木(はのき)立北方に現れた断層です。西側地盤が東側地盤に乗り上げる形の逆断層が生じたことになっているのですから、東側が隆起するのは断層理論に矛盾することになります。これも、爆発によって生じた単なる地盤の傷であると考えられます。

とにかく、単なる地盤の食い違いを地震断層と見做して、断層理論を展開しても、何も地震の真相は見えてこないと思います。断層の調査というのは爆発の傷痕調査であると考えるべきです。
断層は地震の結果起きる地盤の傷で、自由端部の地表にでき易く、地下深部にはできにくいものであります。

1437
2008-06-22(Sun)
荒砥沢ダム上流の崩壊は液状化による地滑りという説
荒砥沢ダム上流部の大崩落に関して、地震爆発説の立場からは「ガスの噴出による粉体流」が原因である、という考え方をとっています。しかし、地滑りの専門家は滑り面に相当する部分に地震動による液状化現象が発生し、その上部に載っている山体を地滑りさせた、と考えておられるようです。毎日新聞が報じる内容を抜粋して紹介します。

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http://mainichi.jp/select/science/news/20080622ddm016040057000c.html

岩手・宮城内陸地震:地滑りのメカニズム 山を崩した、火山灰と地下水

 14日に起きた岩手・宮城内陸地震=マグニチュード(M)7・2=では、山間部で過去最大級の地滑りが発生し、東京ドーム60個分近くもの土砂が流れ出た。また、震源に近い岩手県一関市では国内最大の4000ガルを超える大きな揺れを観測した。記録ずくめとなった今回の地震だが、こうした現象はなぜ起きたのか。そのメカニズムに迫った。【斎藤広子、関東晋慈、河内敏康】


http://mainichi.jp/select/jiken/graph/20080614/4.html
http://mainichi.jp/select/jiken/graph/20080614/3.html
より

 ◆のこぎり状の山脈

 「地滑りが起きている場所とそうでない場所が、思っていた以上にはっきりしていた」。現場上空からヘリコプターで視察した防災科学技術研究所の井口隆総括主任研究員(応用地質学)は驚きを隠せない。

 岩手・宮城内陸地震では、大規模な地滑りが発生したことが大きな特徴だ。特に顕著だったのは、宮城県栗原市の荒砥沢ダムの周辺。ダム北西部では長さ1・2キロ、幅800メートル、厚さ50メートルにわたって山肌がえぐられた。この部分は横から見ると、地滑りで移動した土砂のかたまりが、のこぎり状の山脈のような姿になっている。国土地理院が公開した航空写真から、道路などが水平方向に300メートル動いたと確認された。

 ◆半世紀で最大規模

 20日に東京で開かれた土木学会など関連4学会による緊急現地調査報告会では、流れ出た土砂は東京ドーム60個分近くの約7000万立方メートルとされた。半世紀の間でも最大規模だ。地滑りは、この山の反対側や、隣の山など4、5カ所に集中した。だが、<b>わずか数百メートル離れた場所ではまったく起きていなかった。</b>

(略)

 ◆液状化で摩擦減少

 大規模な地滑りはなぜ起こったのか。国際斜面災害研究機構会長の佐々恭二京都大名誉教授(地滑り学)は、地下水と火山灰の影響を指摘する。

 気象庁によると、荒砥沢ダムのある地域は、1744年に栗駒山が噴火を起こすなど周辺の山々の噴火によって大量の火山灰が降り積もっている。火山灰に地下水の混じった地層は、地震で揺すられると一部が液状化する。摩擦が少なくなり、この上に乗っている表層の地盤が滑りやすくなる。

 佐々名誉教授は「人の重さによって氷が解けて滑るアイススケートと同じ原理。上に重いものが乗っていても、摩擦が少なければ滑る」と話す。こうした現象は、10〜20度程度のゆるやかな勾配(こうばい)でも起きるという。

◆なだらか地形に注意

 同じ現象は過去にも起きている。例えば、84年の長野県西部地震では、東京ドーム約30個分に相当する約3600万立方メートルもの土砂が流れ出た「御岳大崩壊」が発生した。04年の新潟県中越地震でも地滑りが起きている。

(略)

 

 ◇地層の境界で揺れが増幅−−国内最大4000ガルの理由

 ◆シャトル打ち上げ超す

 岩手・宮城内陸地震のもう一つの大きな特徴は、国内最大の4022ガルの加速度を観測したことだ。これまで最大だった04年10月の新潟県中越地震(2515ガル)を大きく上回った。観測点が地震を起こした断層に近かったことに加え、地盤表面の地層の境界で地震波が大幅に増幅したためとみられる。

 加速度は揺れの強さを表す指標。建物などに加わる瞬間的な力の強さに対応する。例えば、揺れが約980ガルを超えると、固定されていない物体は浮き上がる。スペースシャトルの打ち上げ時や、ジェットコースター降下時での最大加速度が約3000ガルという。

 国内最大の加速度を観測したのは、岩手県一関市に設置された地震計。震源からの距離はわずか約3キロだった。

 ◆逆断層の縦ずれ

 なぜ大きな加速度が生じたのか。東京大地震研究所の纐纈一起(こうけつかずき)教授(強震動地震学)は「典型的な逆断層型の地震で、縦ずれを起こしたことが要因」と説明する。

 地震波は周期の異なる複数の波が合成されてできたもので、加速度の大きさは一般に短い周期の波の強さに左右される。典型的な逆断層型の地震では、この短周期の波を強く出す特性がある。震源からの距離が近かったことも大きく影響したという。

 中国で5月に起きた四川大地震(M8)では、最大加速度は約550ガルしか観測されなかった。同じ逆断層型でも、横ずれ成分が多く含まれていたためとみられる。纐纈教授は「(岩手・宮城内陸地震は)逆断層型では世界最大級の揺れの強さではないか」と推測する。

 ◆地震波が屈折した

 最大加速度を観測した地表面での上下動の揺れの大きさは3866ガルで、これに水平成分の揺れを加えると4022ガルになる。一方、同じ場所の地下260メートルの地震計では上下動が640ガルだった。地表にとどくまでに、上下動の揺れが大幅に増幅していた。

 地震波には、最初に到達する小さな縦波のP波と、大きな揺れをもたらす横波のS波がある。縦波が真下にやって来ると上下動を引き起こす。

 入倉孝次郎京都大名誉教授(強震動地震学)は「異なる地層の境目で地震波の屈折が生じ、S波がP波に変わる『SP変換波』が生じた。さらに、湿った地下の部分から乾いた表層部分へと波が進行した際の増幅も加わり、上下動が著しく大きくなった可能性が高い」と説明する。

毎日新聞 2008年6月22日 東京朝刊

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以上が抜粋記事です。

佐々名誉教授のコメントには「御岳大崩壊」も同じ現象である、とありますが、御岳大崩壊は粉体流として流下したのであって、単なる地滑りとは違うのではないかと思います。

液状化現象が生じて滑りが起こるのならば、周辺で同じような地変があるはずですが、

「わずか数百メートル離れた場所ではまったく起きていなかった」という事実が説明できません。これは荒砥沢ダム上流部にはガスの噴出を誘導する節理や空洞が存在していたということではないでしょうか。ホバークラフトが圧縮空気の噴出によって巨体を自由に移動させるような原理が働いたのではないかと思います。

火山地帯ではそのガスが高熱の水蒸気である可能性が高く、冷却後には液体化するので下流部では土石流という混相流になるわけです。

興味深いことは、「同じ場所の地下260メートルに設置した地震計では上下動が640ガルだった」という点です。地表では4000ガルという衝撃なのに、地下では640の加速度でしかないということは[1427]で解説したように、地表は自由端であり、地下は固体端であることが大きく影響していると思います。これは地下深部の坑道が意外と安全であるという炭鉱作業員の体験が証明していることであります。

地下深部のすべり面付近にだけ液状化現象が生じるというのは疑問に感じます。

ところで、液状化現象というのは、下記サイトを見ても分かるように、空隙が多く緩く積み上がっている砂地盤で発生しやすいものです。いったん震動を掛けて空隙を少なくした状態の砂地盤では起こり難いものです。また当然ですが地下水がなければ砂地盤であっても液状化は起こり難いとされています。

http://www.city.yokohama.jp/me/anzen/kikikanri/ekijouka_map/q&a.html

その理由ですが、砂粒子というのは角張っていて、相互に引っかかり(かみ合わせ)を持った釣り合い状態で存在しています。そして空隙には水が間隙水として存在し、場所によっては地下水流として流動しています。振動が起こると、砂粒同士の引っ掛かり(かみ合わせ)が外れますので、砂粒子は相互の支持を無くし、水中に放り出される形となり、水底に落下し堆積していきます。そして空隙を占めていた水が地上に噴出するわけです。つまりいったん液状化を経験した地盤は空隙が少なくなって、地下水が流れにくい状態になるわけです。角張っていない真球に近いビー玉のような粒子を使って実験しても、砂地でのような液状化現象は起こりません。

この液状化のメカニズムから考えて、火山灰大地が砂地盤と同じように液状化するのかどうか大変疑問に感じます。この地の火山灰が砂粒子のように硬くて角張っているのかどうか、分かりませんが、大変脆くて手で触ると粘土のような感触になるとも報道されています。したがって、滑動しやすくなるのはうなずけますが、液状化するのかどうかは判然としません。

また、『SP変換波』が4000ガルの原因であると言う説は到底納得できるものではありません。4000ガルの原因として納得できるものは爆発説以外には存在しません。

1438
2008-06-24 (Tue)
温泉水の温度変化は地震の前兆である
地震の前兆現象として、温泉の湯の温度が変化したり、湯量が変化するという話は昔から多くあります。今回の地震でも周辺の温泉で一ヶ月も前から変化があったようです。厳美町祭畤(まつるべ)地区にある「かみくら温泉」では一週間前には5度も上昇し、秋の宮温泉郷では逆に10度も下がったということです。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080620-00000008-mai-soci

岩手・宮城内陸地震:温泉、直前に温度変化

 岩手・宮城内陸地震の震源地周辺で、地震発生前に温泉の温度が大きく変化していたことが19日、分かった。同様の現象は93年の北海道南西沖地震でも報告されており、専門家は「今後の地震予知に役立つ可能性がある」と関心を寄せている。

 震源から約5キロ離れた「かみくら温泉」(岩手県一関市)の経営者によると、地震の約1カ月前の5月中旬ごろから42度だった温泉の温度が上昇を始め、1週間前の今月初めには47度になった。また、約30キロ離れた「秋の宮温泉郷」(秋田県湯沢市)にある旅館は「70度だった温泉温度が5月中旬ごろから60度に下がった」と言う。

 東京大地震研究所の佃為成・准教授(地震学)の調査によると、04年の紀伊半島沖地震では、和歌山県南部の5カ所の温泉で、地震の約1カ月前から温泉の温度が0・1〜0・3度下がった。北海道南西沖地震では地震約1カ月前に、奥尻島の温泉で約10度上がったとの住民報告がある。

 佃准教授は「興味深い現象で、地震予知につながる可能性がある」と話す。【山本佳孝、斎藤広子】

毎日新聞 2008年6月20日 東京朝刊

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火山の多い日本では昔から、このような現象は多く報告されているのですが、断層地震説では説明ができないからなのでしょうか、地震学の方面では真剣に検討されることはなかったように思います。

断層が動くことが地震であるという説に従えば、断層が動く前から地下水の温度が変化したり、流れが変化するということは説明が不可能です。しかし、地震爆発説に従えば、マグマの上昇、あるいは地下の圧力変化によって解離条件が変化し、解離して貯蔵される酸素と水素の混合ガスが爆発するのが地震であると考えるわけですから、温泉地の地下水が変化するのは当然のことで、地震の前兆であると推定できます。地下水の流れが変化すれば、温度が上昇する地区も下降する地区もあることは当然うなずけます。

陥没して現在の土佐湾ができたという白鳳地震(687年)では、「伊予の温泉止まる、牟婁の湯止まる」という記録があります。応永十四年(1408年)紀伊、伊勢大地震、本宮の温泉止まる、という記録もあります。

早く、地震は火山活動と無関係ではないというフンボルトの地震観に戻る必要があります。

1439
2008-06-24(Tue)
ストップ・ザ活断層調査
地震発生以来、新聞報道の切抜きを保存しておきました。読み返すと、16日の中日新聞夕刊に「活断層調査の積極的推進を国にお願いする」という島崎教授のコメントがありました。

何度も書いてきましたが、地震爆発論の立場で見れば、活断層という概念は成立しません。断層は大爆発による傷痕に過ぎませんから、どれだけ精細に断層調査を行ったところで、地震予知には何の効果も齎しません。活断層にこだわる姿勢を改めて欲しいと思いますし、そのような調査に莫大な予算措置をとることを止めていただきたいと思います。


;6月17日中日新聞夕刊より


記事を見ると、島崎教授は地震調査研究推進本部長期評価部会長だそうですが、地震のあった日に開催された臨時の地震調査委員会に出席され、個人的感想を次のように述べておられます。会議では、断層が西傾斜か東傾斜かという基本的なことさえも、断定できなかったそうであります。活断層とは地表に現れたり、地下に隠れたり、しかし地下では繋がっていると解釈されています。活断層の存在を確定することが如何に難しい作業であるかが分かりますので紹介しておきます。

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地震調査委員会による評価など


平成20年6月14日午後5時から臨時の地震調査委員会が開催され、「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震*の評価」が公表された。 詳細は下記参照。

http://www.jishin.go.jp/main/chousa/08jun_iwate_miyagi/index.htm

  余震分布の深さ精度が不十分とのことで、断層面が東傾斜か西傾斜か等、踏み込んだ評価は見送らた。このため、北上低地西縁断層帯との関係についても不明とされた。

以下は、一委員として出席した個人的感想である。なお、ここでは断層面が西傾斜であると仮定して議論を進める。

  震源の深さは別として、初期の余震の震央分布を見る限りでは、本震(破壊の開始点)とその北東に位置する出店断層との間に、余震が集中しており、出店断層の活動の可能性を考えざるを得ない。

 一方、提出された気象庁資料は、余震の南部(本震より南側)の方が北部より長く、南部は北北東―南南西の方向に延びていることを示している。

1)南部の活動は、平常地震活動が高い場所の活動であり、この地震によって誘発された活動の可能性も考慮する必要がある。しかし、震度分布は南の方が揺れが大きいことを示しており、単なる誘発とは考えにくい。震源断層は、本震(破壊開始点)より南部にも及んだであろう。

2)幾つかの震源過程解析の結果は(西傾斜と考えると気象庁資料でも)南部で大きなずれがあったことを示している。

  よって南部の活動は無視できず、むしろ南部の方がずれの量や、断層面積など大きかったように見える。南部の余震の分布は北北東―南南西に延びており、南北に延びる北上低地西縁断層帯とは異なる。以上から、南部については、北上低地西縁断層帯の活動とは言えない。敢えて言えば南部延長上の活動である。

  この付近は、いわゆる宮城県北部の地震1900, 1962, 2003年(詳しくは武村, 2005;地震58, 41-53)が南北に連なって発生した場所にあたる。2003年7月26日の宮城県北部の地震の後に構造調査が行われた。(詳しくはKato, et. al., 2006; J. Structural Geol.,28, 2011-2011) この南北に延びる地域は、かつて日本海が拡大した際の正断層帯であり、現在は東西圧縮により、少なくともその一部が、逆断層となって地震を発生させていることが判明している。一部は活断層として認識されているが、他の部分では最近の活動は不明である(活構造として明記されていない)。北上低地西縁断層帯の南部の地下構造も、同様(本HP参照)だが、最近の活動が記録できる段丘が分布しており、活断層として認識されている。

  産業技術総合研究所の資料の地質図をみると、古い断層で北北東ー南南西に延びるものが認められ(20万分の一地質図幅、一関市付近など)、このような方向の弱面が地下に存在する可能性が高い。

  2003年の宮城県北部地震の発生以後、一部で新しい活動が判明している古い構造をどのように評価するかが、課題とされてきた。現在、地震調査委員会長期評価部会活断層評価手法等検討分科会では、新しい活断層の評価手法をまとめている。その中で、短い活断層の評価手法がまとまっており、このような古い構造での地震発生の課題がとりあげられている。

  地表では、一部しか活断層として認められていなくとも(すなわち、短い活断層でも)、その地下の弱面の存在が重力異常分布や地質図などで認められる場合には、地表で認められる長さより長い震源断層が地下に存在すると考えて、評価することとしている(島崎, 2008;活断層研究, 28, 41-51)。地下の地震発生層(厚さ15km程度)の厚さ全体を占めるくらいの震源断層が存在し、その一部が(時々)顔を出し、その結果、活断層として認められるとの考えによる。長い震源断層の存在の推定は、重力異常図や地質図に基づく。(なお、地表同様、地下の震源断層も短い、という状況は、火山周辺など、浅い部分のみに力がかかる場合ではあり得ても、普通は考えにくい。)

  もしも、今回の地震の余震分布の南部が北北東―南南西に延びる古い構造の弱面(断層)の活動によるものであれば、上記の短い活断層と同様の考えを適用すべきであろう。このように踏み込んだ評価を行えば、評価が可能となる地震の範囲が広がることが期待できる。

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地震爆発論者の感想としては「活断層調査」をいくら精細に行ったところで、地震の予知には永久に繋がらないだろうということです。断層は巨大な爆発を伴う大地震の結果できる傷だからです。毎日のように起こっている小さな地震が断層が動くことによって起こっている筈がありません。小さな爆発・・地盤に傷を作らない程度の小規模爆発で起きているのです。

なお、「出店断層の活動の可能性を考えざるを得ない。」というのは、断層地震説に拘りがあるからではないのでしょうか、「地表で認められる長さより長い震源断層が地下に存在すると考えて、評価することとしている。」というのは、地表が一番断層ができ易いことを考えると、怪しげな偏見ではないのでしょうか。

1440
2008-06-25(Wed)
GPSは膨張性地山の動きを計っているのかも

先日母校の大学の現役を終えた土木科卒業生で作る勉強会に出席し、青函トンネルの工事長を務められたM先輩の話を聞いてきました。工事中に日本海中部地震を体験されたそうですが、当時トンネル内にいた300人には何の怪我もなく、トンネル内部にも何の異常もなかったということです。岩盤の状態が悪いところでは工事中に異常出水するケースもあったという難工事なのですが、あれだけ大きな地震が近くで起こっても炭鉱の落盤のような崩壊は何も起こらなかったそうです。

ということは、炭鉱の坑道やトンネル内部が自由端ではなく周囲から支持・拘束された固定端に相当することが大きな原因だと思います。

また懇親会では別の先輩が7月1日に開通する飛騨トンネルの難工事を例に取り、地盤には方向性を持った大きな圧力が掛かっていること、その力はプレートが押している力だと考えていたが、違うのかね・・という話を持ちかけられました。次回の勉強会は私が講師を務めますので、それまでに、納得の行く説明をしなければいけないなぁ、と経験をつんだ土木技術者の突っ込みに緊張しました。

飛騨トンネルは異常出水と掘削断面が膨張するという膨張性地山に遭遇しての難工事となったものですが、この膨張性地山は蛇紋岩、泥岩、頁岩などで構成される場合が多いようです。地下内部での温度変化、圧力変化、水質変化などに反応して膨張するもので、掘削によってそれらの条件が激変するために急激な膨張を起こし、トンネル壁面の支保工を破壊する原因にもなります。先輩技術者がプレートが押す力と考えてこられた地盤内の複雑な力は、こうした膨張が引き起こす内部応力であると解釈するのが正しいと思います。

こうした膨張性地山が存在するということは、地球表面の移動をGPS観測で精密に捉えても、それが地殻本体の移動量と直接に関係しているのかどうかを疑わせます。

[498]などでも説明してきましたように、GPS観測は堆積層をも含んだ地球表皮の動きを捉えているだけでプレートの動きを表しているのかどうかは疑問であります。

6月16日の産経新聞にはGPS観測による中国大陸の地殻変動が紹介されています。それによると、一枚の剛体であるはずのユーラシアプレートが時計回りに方向転換して南へ動いていく様子が描かれています。地球の表皮の下には膨張性の岩石もあるでしょうから、ほんの表面だけが回転運動をしているかのような動きをしている可能性もあると思います。

剛体であるはずのプレートがアメ板が変形するように動くというのはどう考えても矛盾があるのではないでしょうか。新聞記事の一部を紹介しますが、このセミナーを読んでこられた方には、違和感のある解説だと思います。しかし、通説はこのような解説になるのですから、セミナーの内容と比較しながら読んでみてください。

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ヒマラヤ山脈生んだ地殻変動
専門家も予想できず



■特異な回転運動

 竜門山断層帯は、なぜ動いたのか。その謎を解くカギは、中国大陸の形成史にある。ユーラシアプレート(岩板)に乗っている中国は、北上するインド・オーストラリアプレートから常に押され、変形している。インドはかつて島だったが、プレート移動によって約4000万年前に中国に衝突し、陸続きになった。

 日本の太平洋側では、陸より重い海洋プレートが列島の下へ沈み込む。しかし、中国とインドはどちらも陸のプレートなので互いに押し合い、境界付近が隆起していく。これがヒマラヤ山脈を生み出した。


2008年6月16日産経新聞より

東大地震研の加藤照之教授らによるGPS(衛星利用測位システム)観測の解析によると、インド・オーストラリアプレートは年間3・7cmの速度で中国に衝突している。この影響でチベット高原は圧縮され、東へ押し出される。しかし、四川盆地より東側は非常に固い地殻で覆われているため、四川付近で地盤は押し返され、時計回りに方向転換して南へ動いていく。地殻の巨大な回転運動は世界的にも特異な現象で、一帯は「四川−雲南構造帯」と呼ばれる。南北方向に多数の活断層があり、マグニチュード(M)7超の横ずれ断層型の地震が多発することで知られていた。

 竜門山断層帯はこの地域の東端に位置しており、一連の地殻変動が今回の地震の引き金になった。しかし、断層の方向や仕組みは周囲とは別物だ。

  加藤教授は「地震学者は横ずれ型の活断層に注目していて、竜門山はノーマークだった。今回の断層変位が6メートルだとすると、1000年〜3000年かけて蓄積されたひずみが解放されたのでは」と話す。

■″古傷″が再発

 池田准教授によると、竜門山断層帯は周辺の活断層と比べて活動度が低く、過去に動いた歴史記録も存在しない。その起源は非常に古く、最も活動的な時期はインド衝突前の恐竜時代までさかのぼるという。

 「約2億年前の中生代三畳紀以降、この地域の主要な断層として動いていたが、約6000万年前の白亜紀末以降は活動が衰えていた。″古傷″が再活動するまれなことが起きた」

 一方、気象庁地磁気観測所の石川有三所長は、ユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの境界域をアジア全体で見ると、1997年11月から大地震の活動期が始まったと指摘する。石川所長は「過去の活動期は約20年間続いており、今後も注意が必要」と警鐘を嶋らす。

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なお、インド亜大陸の北上に関する新・地震論の立場に立つ議論に関しては以下を参照してください。

http://www.ailab7.com/log/eqlog1311-1330.html [1312]

http://www.ailab7.com/log/eqlog1061-1070.html [1070]

「四川盆地より東側は非常に固い地殻で覆われているため、四川付近で地盤は押し返され、時計回りに方向転換して南へ動いていく。」・・・などということが、一枚の剛体であるはずのユーラシアプレートの内部で起きているとはとても信じられません。

1441
2008-06-25(Wed)
活断層調査は今後も10年は続く
地震爆発論の立場からは意味が無いと思われる活断層調査が文部科学省により今後10年間継続されることになりそうです。地震が起きる度に見つかる未知の活断層ですが、地震の前には存在しなかった傷痕だとしたら、地震の前に見つけることは不可能です。たとえ未知だった断層が新しく見つかっても、その結果をどのように利用するのでしょうか。確立ゼロパーセントの危険度でも大きな地震が起きたのです・・・。

島崎教授が強調される([1439])活断層調査重視の報道を拾ってみました。

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http://www.excite.co.jp/News/society/20080620184504/Kyodo_OT_CO2008062001000704.html

未知の活断層を本格調査へ 岩手・宮城地震受け文科省

[ 06月20日 18時45分 ] 共同通信

 文部科学省は20日までに、政府の地震調査委員会が評価の対象にしている主要活断層帯に明確には含まれていない場所で、岩手・宮城内陸地震が起きたことを受け、地表に現れず地下に隠れた“未知”の活断層がないかを本格的に調べる方向で検討を始めた。&3地質図などを使って地下の構造を探り、疑わしい活断層を抽出する。今後10年間の地震調査研究方針を示し、策定中の政府の「新総合基本施策」に盛り込む。

http://www.sanyo.oni.co.jp/newsk/2008/06/20/20080620010007061.html

未知の活断層、本格調査へ 岩手・宮城地震受け文科省

 山陽新聞

(前略)地震調査委はこれまで、表に残る過去の活動の痕跡に基づいて全国で110の主要活断層帯を選び、地震の発生確率を算出してきた。だが2000年の鳥取県西部地震や04年の新潟県中越地震など、評価対象外の活断層による大地震が続き、未知の活断層の扱いが課題になっていた。

 文科省地震・防災研究課によると、岩石の分布などを示す地質図と、地下の岩盤の段差が分かる重力分布図を照合し、地下に活断層があるとみられる場所を抽出。このうち規模の大きいものを選び、地表から人工地震を起こして地下構造を詳細に調べ、活断層の形状を割り出す。

(6月20日18時40分)

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/ntok0021/list/200806/CK2008062002000231.html

活断層3キロ地表で発見 名大院教授「事前確認可能だった」

2008年6月20日 中日新聞

 岩手・宮城内陸地震の震源とみられる活断層の一部が、震源地に近い岩手県一関市厳美町で3キロにわたり現れているのが、日本活断層学会事務局長の鈴木康弘・名古屋大大学院教授(地理学)らの現地調査でわかった。地震前の航空写真でも活断層の存在をうかがわせる地形があったといい、鈴木教授は「詳細な調査をすれば事前に活断層を確認できた可能性もある」と指摘している。

 地表で確認された活断層は段差が数十センチあり、南北に断続的に延びている。北側にある北上低地西縁断層帯沿いでは地表のずれを確認できなかったが、奥羽山脈の東側を通る共通点から、活断層が同断層帯と地下で連続している可能性があり、鈴木教授は今回の地震を起こした断層とみている。(略)

  鈴木教授は「活断層の分布情報が変われば地震の予測規模も変わる。見落としを防ぐには、縮尺の小さな航空写真をより詳細に分析する必要がある」と指摘。ただ、航空写真だけで延長数十キロとみられる今回の震源断層を想定するのは困難だったといい「今回、確認されたような短い活断層をどう評価するかも今後の課題だ」と展望する。

 このほか、火山近くに大規模な活断層はないというのが従来の定説だったが、見つかった活断層の西側には栗駒山(1、627メートル)、焼石岳(1、548メートル)の2つの火山が存在。鈴木教授は「地震研究にとっても今回の地震の衝撃は大きい」と話した。([1434]にも鈴木教授の記事あり)

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地震の研究で一番重要なことは巨大な地震を事前に予知し、住民を避難させて人命の損失を防ぐことであることは言うまでもありません。これまでの経緯を見ても、地震計をどれだけ密に配備しても、断層をどれだけ精細に調査しても、人命損失を防ぐ役には立ってきませんでした。報道記事には「詳細な調査をすれば事前に活断層を確認できた可能性もある」という意見もありますが、事前に確認できていたとしても、今回の地震を予知できたとは思われません。

測地学的な地震予知体制のもとで、40年以上(地震予知研究計画がスタートしたのは43年前の1965年のことである)も研究を継続してきたのに、予知技術は一向に進歩していません。なぜなら地震の前兆をキャッチする努力が全くなされていないからではないでしょうか。運用が開始された緊急地震速報のシステムも直下型地震の震央激震地には役に立ちません。

活断層調査に使われる費用は、測地学的な予知方法以外の研究に使用すべきであるというのが、坂柳先生のご意見でしたし、私も強くそれを願っています。

なお、地震発生後の調査で見つかったという断層らしき地変はあちらこちらに部分的に見られる地盤の傷であって、一直線に連なった大断層というものではないことは民間業者が行った次の報告書を見ても明らかです。研究者が実施した調査とは明らかな違いがあり、地下で繋がっているとはとても考えられません。

http://www.ckcnet.co.jp/ishikawa/index.html#map2


東京大学地震研究所サイトおよび中央開発(株)サイトより

研究者が行った調査報告は恣意的に一直線に並んだ傷だけをプロットしたのでしょうか。

報道される内容も断層地震説を恣意的に支持しているように思えてなりません。なぜ違う見解もあることを報道しないのでしょうか。

1442
2008-06-26(Thu)
納得した上で自主判断される読者
[1434]で、「マスコミ報道や、学者の解説を頭から妄信するのではなく、自分が納得できるまで、ネット上で情報集めをすることが大切なことだと思います。」と述べましたが、次に紹介するブログの作者は

「インターネットの無い頃、先生の言うことが全てでした。今は違う。いい情報も悪い情報も簡単に手に入る。

として、このセミナーを読んで納得した上で自主的に判断されておられます。面白い内容ですので、紹介します。

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あおの気持ち

人それぞれ価値観の違いは有っても、世の中やっぱおかしいと思う。

http://blog.goo.ne.jp/hao-blue

中国で地震ですか〜2008-05-12

死者も出ているようで、いたましく思います。産業発展に伴って、地下水の汲み上げしすぎたのでしょうか。 大陸とはいえ地球の毛細血管(マグマ)は有るということでしょうか。

昔、学校で地震の起こる原理を教えてもらいました。プレートと呼ばれる地表が地中にもぐりこむときに歪が生じ

限界を超えると跳ね上がる。中学生の頃なので30年前です。 今も、みんなそう思ってますよね。

インターネットの無い頃、先生の言うことが全てでした。 今は違う。いい情報も悪い情報も簡単に手に入る。

話は戻りますが、プレートテクトニクス理論? プレート内部では地震は起きないはず。 硬いプレートが一体となって移動するので。

静岡県に東海沖地震が来ると騒がれたとき、そこに居ました。そこを離れてから考えました。

なぜ騒がれ、なぜ地震は起きないのか?

今の地震予知、沖縄で失敗。東北でも失敗?そもそも、起きてしまったことを知らせることが予知になる?

地球の裏側で起きた地震は可能だけど(電波のほうが速いからw)、種子島で起きた地震を鹿児島に伝えてどうしろと?

東京に知らせるには間に合うけど、東京揺れないでしょ?国土交通省の問題、問いただされてますがこんなとこにも無駄な金が数千億。

わたしが地震についての考え方を変えたきっかけが有ります。

石田さんの言う“石田理論”時間有ったら検索して見てみてください。邪魔が入り見づらくなってますが「ニューオフィス」です。

多分、地震の起こる理由の根拠が変わります。目からウロコでした。 わたしは・・ですが。

福岡の地震と、今回の地震。原因は同じでは? 地圧が下がったことからではないかと。

地震の報道 2008-06-14

いま地震の状況を専門家交えて放送しています。 専門家を「先生」と呼ぶ。  個人的には「「アホか〜」」と思う。

地震のおかげで、その立場が有り、メシも食える。  地震予知? 今の予知は、地震が起きたと言う結果から“次はこうなる”というもの。  予知と言うにはかなりお粗末。  で、億単位で税金が使われている。

地面が沈み込んでることについて“先生”の話の中では「まれなケースです」  しかし、わたしの知る地震のメカニズムでは、有り得ること。

おかしいと思いませんか?地震でメシ食ってる人が「まれなケース」と言い、普段 機械修理してる人が「有り得る」と思うのは。

その“先生”にも勉強してほしいと思います。  と言うか、将来 その先生は“バカだった先生”ということで名を残しそうです。  根拠:石田先生の考え方に基づいています。

地震学者は何処に?  2008-06-17

当然、税金で作った何億もする機器を持って、震源地近くで調査中。 だと思いたい。

きょうTVで見た学者も居ますが、多分録画だったのでしょう。 滅多に起きない研究材料がそこに有るのに、テレビ局に居るわけが無い。

ただ、今の地震予知は“地震が発生しました。5秒後に揺れが来ます”  な〜んて物だから、現地では何も役に立ちませんが。

この際、数万円投資して、ナマズと鶏とミミズとねずみを持参しそれ以外にも地震予知に敏感な動物を探す。

そちら系を極めたほうが、安く済むし、確実だと思います。

「地震はいつ、どこで起こるか分からない」なんて学者が言ってるようじゃ 億単位の税金は無駄という他は有りません。

余震が続き、地表の亀裂も増えているようです。 今時の学者は、それをはかるところから始まる。

仮にも、数Km地下で断層が跳ねまくってるのでしょ? それだけの断層がずれて、そこだけ亀裂ができる訳無いでしょ?

素人考えですが、そんな広範囲の断層の跳ね上げであれば、山ができます。 山ができなくて、山が無くなったところは? 「まれに見る逆断層で」おいおい。

いい機会です。10Kmくらいであればパイプを入れることも可能。 数億使ってる税金を、全てここに。

結果どうなるか。いま学者に聞いてみたいところです。 思うに、うまく震源に当たれば、また地震が。小さい地震が起きると思う。

自然にも共通性があるとしたらカミナリが落ちたら、その後「ど〜だ〜」と言わんばかりに音は続く、地震も同じだとしたら。

税金で食ってる研究者であれば、このくらいは考えてる。・・・よね、多分。

1443
2008-06-28(Sat)
爆発が起こって断層が生じたというのが正しい因果関係
政府の地震調査委員会(調査委事務局は文部科学省地震・防災研究課に設置)が「今回の岩手宮城の地震は活断層として認識されていなかった断層が原因である可能性がある」との見解を発表し、今後はこうした無警戒の断層についても活断層の評価対象に含める方向で検討すると決めたそうです。


2008/6月28日産経新聞より
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何度も書いてきましたが、餅転に出現しているあのような小さな断層の動きによって、荒砥沢ダム上流の崩壊が引き起こされるとは考えられません。地震学の素人でも直感的に分かるようなことがらが、専門家には分からないのでしょうか。将来専門○○呼ばわりされることの無いように、早く気づいて欲しいと思うのは私だけではないでしょう。

地震調査委員会とは「1995年に発生した阪神大震災を機に、国の総合的な地震防災対策を推進するために設置された政府の地震調査研究推進本部の委員会。地震学者や気象庁、国土地理院の担当者らで構成し、全国の断層や海溝型地震の発生確率の長期評価を行っている。毎月全国の地震活動の現状を評価するほか、大地震の際には臨時会を開いて地震の評価を行う。」という組織だそうですが、各省庁に縄張り的に作られた委員会の一つでしょう。構成される地震学者の顔ぶれも多くの委員会を兼任して、、同じ顔ぶれなのではないでしょうか。

地震関連の研究費が旧帝大の一部である数大学に独占されているために、政府が選ぶ委員も同じ大学から選ばれているのではないでしょうか。したがって、どの報道を見ても代わり映えのしない人たちの意見が反映されるわけで、いつも全く新鮮味に欠けるものばかりです。

セミナー読者には「アホカッ!」と叫びたくなる人がたくさん居られるのではないでしょうか。困ったものです。

1444
2008-06-30(Mon)
中国湖南省で井戸が枯れる
[1405]と[1408]で、中国湖北省恩施市で、地震の前に溜池の水がすべて無くなったという事件を話題にしました。今度は湖南省瀏陽市で百年前からある古井戸が枯れたというニュースがあります。地震の前兆でなければいいのですが、恩施市のように、地下の空洞にでも落下したのでしょうか。それとも、日本で地震の前に温泉の湯が枯れるというような地震前兆なのでしょうか。もし巨大な地震の前兆ならばもっと多くの違う前兆も出ることだと思います。

報道を紹介しておきます。

http://jp.epochtimes.com/jp/2008/06/html/d69041.html


大紀元日本の記事より


百年の古井戸が一夜にして枯れ、村人は地震の前兆ではないかと警戒している

地震の前兆か 百年の古井戸4ヶ所が一夜にして枯れる=中国湖南省

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 【大紀元日本6月28日】6月21日、中国湖南省瀏陽市砰山村にある百年の古井戸4ヶ所が一夜にして全て枯れてしまったため、村民100人以上の生活用水に問題が出ている。また、村民はこの事が地震の前兆ではないかと心配し、パニックを引き起こしているという。地質専門家はおそらく鉱山の採掘により地下水位が下降したためではないかと見ている。

 *一夜にして井戸4ヶ所の底が見えた

 「長沙晩報」によると、砰山村37戸の住民の生活用水は全て砰山村下沅(げん)組の4つの井戸水に頼っている。6月21日晩、原因は分からないが4ヶ所全ての井戸が枯れ、底が見えてしまった。現在村民らは水桶を担ぎ、他の村へ水を汲みに行くしかない状況だという。

 村民が指差した井戸の底には一滴の水もなく、湿った井戸壁が井戸に水があった痕跡を残しており、地下水が浸み出す兆しは少しも見えない。村民である任秋生さん(80)は井戸の傍に住んでおり、この井戸水を飲んで育ったのだという。彼は、どんなに日照りの年もこの井戸は枯れたことがなかったと話している。

 21日午後11時ごろ、任さんは“ゴロゴロ”という音が聞こえたが表に出て様子を見なかった。翌朝、井戸に行くと水が無くなっていた。周揚志さん、周康朝さん、周金標さんの家の入口にある井戸3ヶ所も任さんの家と同じようになっていた。水源が足り水質も良いので村人全員がこれらの井戸水を使用していた。昨晩これら3人は自分の家の枯れてしまった井戸の前で首をかしげたという。

 *地震の前兆か

 地震が発生するのではないのか。4ヶ所すべての井戸が一夜にして枯れ、村人を心配させている。畑のそばで話し合った時、この言葉は彼らにパニックを引き起こした。村委員会は状況を鎮政府に対し報告したところ、鎮政府は人を派遣し、現場をすぐに調査した。

 瀏陽は地理的に大陸プレートの縁ではない所に位置しており、地震が起きるはずがない。パニックを鎮めるため村委員会主任の周家羅は省内の専門家に諮問し、戻って村人に説明をしたという。また周氏は別の問題も同様に早急に解決しなければならないと話している。それは、この村にはまだ水道が通っておらず井戸水の枯渇や河川の水位が半分まで下降した今、村人たちの生活と灌漑用水が問題として浮上しているということである。

 *鉱石採取との関連性

 4つの井戸が枯れてしまった原因は何か。省地質調査院専門家の李正元氏は鉱山採掘により地下水位が下降した可能性があると述べている。

 「砰山村に現れたこの状況は正常である」と話し、洞陽鎮地表はカルスト地形であり、地下水は埋蔵型鍾乳洞の影響を受ける。鉱石採掘の時、地下水を汲みあげ、一旦カルストを通してから引き出される。ここの地下水はその瞬間に流れ出し、地下水位もそれに従い高低をする。

 現在、村民が資金を集め水道管を購入し村から3000mほど離れた小渓から飲用水を引こうという案が出ている。しかし、調査によりこの小渓の下流の水位も大分下降していることが分かったという。

(翻訳・坂本)

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「カルスト地形であり、地下水は埋蔵型鍾乳洞の影響を受ける。鉱石採掘の時、地下水を汲みあげ、一旦カルストを通してから引き出される。ここの地下水はその瞬間に流れ出し、地下水位もそれに従い高低をする。」

という記事内容が信憑性のあるものなら、それほど心配はないのかもしれませんが、「“ゴロゴロ”という音が聞こえたが表に出て様子を見なかった。翌朝、井戸に行くと水が無くなっていた。」というのは心配でもありますので、ほかの宏観現象も注意しておく必要があるかと思います。

「瀏陽は地理的に大陸プレートの縁ではない所に位置しており、地震が起きるはずがない」というのは明らかに間違った知識による情報です。

参考動画:http://jp.youtube.com/watch?v=sq4l2R8cnpQ

1445
2008-06-30(Mon)
江西省では井戸水が50度以上に上がる
湖南省瀏陽から西北西へ280km程度の江西省都昌県では井戸水が急に50度以上になったそうです。地下で何かが起きているのでしょう。周囲4県の平均が19度ということですから、30度以上も高温になったということは明らかな異常です。

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農家の井戸水50℃まで上昇=中国江西省

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 【大紀元日本6月29日】中国江西省都昌県で不思議な現象が現れた。徐埠鎮紫雲村の徐観礼さんの家の井戸水が急に高温になり、一度50℃以上になったという。人々は地震の前兆を懸念し、現在、水温急上昇の原因を調査中である。

 中国大陸メディアによると6月19日朝、紫雲村村民の徐さんが自分の家の井戸で水を汲もうとした時にいつもと違うと感じ、井戸の蓋を開けてみると熱気が立ち昇り、水を汲んでみると熱かったという。徐さんの家の井戸は深さ13m。使い始めてから11年経っており、水温が急に上昇したのは初めてだった。

 水温上昇について人々の間ではさまざまな推測が飛び交っており、ある説では四川省汶川大地震の影響、またある説では地震の前兆、さらには電動ポンプの熱が井戸水に伝わった、などと言われている。

 昨年3月に紫雲村では水道水の設置を統一し、各戸とも電動採水をしている。電動ポンプが井戸水の発熱原因ではないことを検証するため村のグループが井戸水を採取し、ポンプが原因であるという可能性を排除した。

 また同村の徐良柏さんの説明では、最初に井戸水を汲んで水温を計った時は50℃以上だった。2回目は39℃。徐観礼さんの家から50m以内の4軒の家の井戸水の平均水温は19℃であったという。

 現地ではすでに関連専門家が調査、さらに井戸水のサンプルを採取し検査を実施している。

(翻訳・市村)(08/06/29 11:36)

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唐山地震のときにも、同じような異常があったことが銭鋼著の「唐山大地震」に載っています。ライブラリー4bにも紹介してありますが、池の温度が上昇した件は以下のような記述です。

「灤県安各庄の何人かの農民が、大声をあげて池から眺び出した。この池の水は近くの温泉から流れてきていて、いつもは水温が四八度か四九度だった。その日、夜の畑仕事を終わって体を洗おうと池に眺び込んだところ、池の水は我慢できないほど熱くなっていた。不思議なことだと思いながら、「ちくしょう」などと悪口を言っていたが、これが大地震の直前現象だとはだれも思い付かなかった。」

 ライブラリ4bの後半にある発光現象のようなものが見られれば、巨大地震の前兆である可能性が高いですから、警戒し、あるいは生活弱者を避難させたほうがよいでしょう。

発光現象についてはペルー地震で撮影された動画が[1295]と[1296]に載せてあります。

1446
2008-06-30(Mon)
インドネシアの泥火山被害
インド洋大津波を伴った2004年12月のスマトラ沖地震以来インドネシアでは大きな地震が連続しています。2006年の中部ジャワ地震でも大きな被害が出ましたが、その後遺症とも思える泥火山の活動による被害は日本ではあまり報道されておりません。

中部ジャワ地震の2日後にガス採掘泉の200メートル脇に泥噴出口が出現し、6日後の6月2日にはゴロゴロという爆発音とともに5メートルもの泥水が噴出し、村中が大混乱になったそうです。

以来2年以上経ちますが、依然として泥水の噴出は収まらず、多くの村が泥の下に埋まってしまいました。

■2006年5月27日

 マグニチュード5.7の中部ジャワ地震が発生(震源はシドアルジョの南西250キロ)

■2006年5月29日

 シドアルジョ県ポロン郡シリン村のラピンド社ガス採掘井、200メートル脇に泥噴出口が出現

この事件を報道する大紀元の記事を紹介します。

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http://jp.epochtimes.com/jp/2008/05/html/d50509.html


泥水を噴出している火山『ルシ』。噴射中心は深さ30mの大きな穴で、硫黄臭と白煙がもうもうと立ち、空を覆う。
大紀元日本記事より



噴出開始から二年、地球にできた大きな傷口=インドネシア

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 【大紀元日本5月30日】インドネシア東ジャワ島ポロン郡の火山が2年前、突然高温の泥水を噴出し始め、今も止まることがない。これにより、十数ヶ所の村が浸水し、損失は37億米ドルを超える。科学者は、もし泥水を封じ込める有効な手段が見つからなければ地球に大きな傷口を作ってしまうだろうと予測しているという。

 インドネシアのメディアによると、2006年6月2日早朝、アハメッド・ムタジールさんは家の前でバイクを修理していた。8時を回った頃、地面の下からゴロゴロという唸り声を感じた。ムタジールさんは「あれが爆発だった。泥水が噴き出し始めた。5mに届くほどだった」と当時を語る。

 次の瞬間、みなが逃げまどい、村中が大混乱となった。ムタジールさんも母親と2人の兄弟と共に何も持たずに家を離れた。その時はすぐに戻れると思っていたからだ。

 しかし2年が経ち、彼の村およびポロン地区の大部分が泥水に呑み込まれ、無くなってしまった。この2年来、火山は約1億立方メートルの泥水を噴き出し12の村が埋没、1万6000人が家を失い、数十人が命を落とした。

 これまでに泥水は毎日およそ15万立方メートルを噴き出し続け、その量はプール50杯分にもなるという。噴火口に通じる狭い道路には数十台のトラックが噴出した泥水を運ぶために1列に並んで待っている。運ばれた250万立方メートルの泥は、周辺地区で建造している13kmの堰に利用されている。

 現地の人々はこの泥水を噴出している火山を『ルシ』と呼んでいる。噴射中心は深さ30mの大きな穴で、硫黄臭と白煙がもうもうと立ち、空を覆っている。

 国際通貨基金は、ルシ火山がインドネシアに与えた経済損失は37億米ドルで、状況はさらに悪化するものと見ている。科学者は、もしこの泥水を封じ込める事が出来なければ現地の地層は沈み、最終的には地球の大きな傷口を残すだろうと予測している。


これは昨年撮影されたインドネシアの航空写真。泥火山(マッド・ボルケーノ)はすでに600ヘクタールを覆い尽くしている。東ジャワ州ポロン郡の多くの家が泥水に埋没し、1万6000人がこの地区を離れている(AFP)
大紀元日本記事より

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以上が報道記事の内容ですが、被害は予想以上に酷いようです。中部ジャワ地震のあとも、メラピ山が噴火しておりますし、この一帯の地震活動はまだまだ警戒を要します。


ウィキペディア;、JanJan Newsより


しかし、これだけ、火山活動と地震との関連を推定させる現象が発生しているのに、セミナー[1329]にも書きましたが、相も変わらず、プレートが潜り込んで、歪が蓄積し、それで反発が起こって・・・・という紋切り型の解釈しかできていないのが実情です。

これほどの短期間にインド洋プレートが潜り込んで毎年のように歪を蓄積・開放するなどということがおきる筈はありません。プレートが移動する原動力は海洋底を移動する間に冷却が進み密度が増加すること、つまりプレート自体が自重を増すことによって、沈んでいくというトンデ理論がまことしやかに信じられています。自分の重さで沈んでいくプレートが、お隣りのプレートをどうやって押すことができるのでしょうか。インド亜大陸は今もユーラシアプレートを押していて、ヒマラヤを高くする働きをしていると教えていますが、どうしてそんな力があるのでしょうか、どうしてインド亜大陸プレートは沈んでいかないのでしょうか。海洋プレートは海溝までやってきて冷却されるそうですが、陸上に顔を出している陸プレートはもっと冷却が進むのではないでしょうか・・・などなど、吟味すればプレート論は『ほころび』だらけであります。

真相は、地震は火山活動と同じ原因で起きていて、爆発の現象が深いか浅いかという違いだけであるというフンボルト以来の地震観が正しいのであります。火山活動はその種類によって、シドアルジョで起こっているような泥を噴出する火山活動というのも存在するわけです。泥火山はアメリカのイエローストーン公園などでも見られるものですが、このように人口密集地の平地で起こったことが悲劇に繋がったようです。

シドアルジョの泥噴出状況を示す衛星写真が以下にあります。

http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200806131705&page=2

1447
2008-07-01(Tue)
通説地震学に引かれる方のために
東南海地震が起これば三重県南部は相当の被害が心配されるわけですが、その三重県在住の方から地震の周期性に関する質問を受けましたので、抜粋して紹介します。

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「先日先生のホームページを見させていただきまして、夢中でほとんどのページを見させて頂きました。地震は水素の爆発なのだというご意見には、なるほど充分その可能性があるだろうなと感じられ、先生の理論を信じるべきであろうと、直感で感じております。


しかし、私には先生のホームページからでは、これはどうなのだろう、と云うどうもわからないことが有ります。それは、先生だけではなく現在の地震学者の先生がたの話からも説明されていないことですが、これはなんとしても知りたいことがありましたので自分で資料を作成してみました。(資料は略)

それによると、日本の北部から南部にかけて、太古の昔からの地震について、もしかして発生の順番や、定期的に発生しているのではないか?規則性のようなものがあるのではないだろうか? という疑問が浮かびます。


先生?どうなのでしょう? 私の住む三重県では100年〜150年おきに南海沖で地震が発生しているようです。この100年おきというのはなぜなのでしょう。プレートが動いていて100年めで破綻するというならプレート移動からの破綻論での従来の説明のほうが、しっくりくるようにも思います。地震の真相が水素爆発ならそれとしてなぜ100年から150年の規則性があり、巨大な地震がなぜ忘れていたころに起きるのか?ここがきちんとご説明いただければ先生の理論もがぜん浮上してくるように思います。」

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以上が質問内容です。プレートの潜り込み説を信じていれば当然、

「150年も潜り続ければ、相当量の歪が蓄積されており、いつ歪の開放が起こってもおかしくない。東海地震や東南海地震は明日起こってもおかしくない。」

という強迫観念にとらわれてしまいます。この問題は過去にも「ばるぼあ氏」から質問されて、セミナー[974]〜「977」にやりとりがありますので、以下のように簡単に回答を差し上げました。

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「メールありがとうございました。地震の周期性に関しては、セミナー[263]及び、[975] [976]で議論してあります。

水の解離が起こるのは、温度上昇と圧力の減少ですが、圧力減を引き起こす原因の一つとして地殻内部にクラックが発生する場合が考えられます。

地殻にクラックが入るのは金属でも起きる疲労破壊です。地殻は毎日少なくとも2回の潮汐作用によって、繰り返し荷重を受けますので、何年かに一回の割で破壊が起こり、クラックを生じる可能性があります。

これが地震の繰り返し現象が起きる原因になりますが、正確な周期性では無いと思います。プレートの潜り込みが毎年何センチ起こる・・・という想定での周期を考えると強迫観念に繋がりますね・・・。

[263]にある、ガイヤの意識まで入り込むと、一般的科学の範疇を超えますので反発がさらに多くなってしまいますが、本当は、そのあたりに真実があるのかもしれません。」

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以上が差し上げた返信です。海溝型といわれる巨大な地震が繰り返すように同じ場所で起きていることが、通説地震学を捨てきれない理由の一つであるのかも知れません。しかし、航空機の金属部品でもおきる疲労破壊を考えれば「地震爆発論」でも巨大地震の繰り返し現象は説明が可能であります。

また通説地震学に説得性があると感じる方のもう一つの観点は、断層(という傷痕)が直線的に現れており、爆発による傷とは違う様相を示すという観点です。断層が爆発による押し領域と引き領域の境界にできる傷痕であるのならば、直下型地震の傷跡は円形または楕円形の一部のような形状となって現れるはずであり、直線状に伸びるのは矛盾である、という考え方です。

糸静構造線とか中央構造線が直線的に延びているのは、やはり爆発の傷とは違う巨大な断層というものがあるはずだろうと考えるのは当然かもしれません。

この点に関してはサージテクトニクス論の主張に耳を傾けるべきかもしれません。

サージテクトニクスでは[1157]で紹介したように、サージチャネルというものを考えています。([1177]も参照)

「サージテクトニクスには相互依存・相互作用するが独立した3つの過程が関与している。第1の過程は、地球の冷却すなわち収縮である。第2の過程は、リソスフェア内のつながったマグマチャネルのネットワークを流動する、流体〜半流体状のマグマの水平流動である。これがやがてあきらかになるサージチャネルである。第3の過程は、地球の自転に起因するものである。」

全てが納得できるものではありませんが、地球が冷却する過程で、地殻内部にマグマチャネルのネットワークが形成され、その中を流体〜半流体状のマグマが水平流動するという現象は十分にあり得ることだと思います。

地震の一つずつは一つのマグマチャネルでの爆発現象であっても、チャネルの連続したネットワークが直線状に繋がっていれば、爆発による傷ができ易い自由端の地表では直線状に連続する可能性は十分に考えられます。

[1157]に図示したようなマグマチャネルの連結した構造(サージチャネル)が地球冷却の過程で地下深部に直線状で形成されているとすれば、巨大地震による傷はガラスのひび割れのようにチャネルの方向にできることは推定できます。

[1366]で話題にした、深部低周波微動;という現象は、このサージチャネル内での、微小な爆発(温泉地の泥池で微小な爆発がおきているような)が反映しているのだろうと考えています。

以上断層の反発が地震の原因であるという通説を捨て難い思いのする方に、「地殻の疲労破壊」と「サージチャネル」という二つの観点を紹介しました。

追記

地震爆発説検討の「肯定的意見」に「アルマジロのジロン」というブログにある次のような感想が収録してありました。
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「・・・・・皆さんも聞かされている”プレート移動説”。太平洋・フイリピン海溝プレートが日本列島に潜り込んで、ある期間を経て歪みが溜まり、耐えられなくなって、反動反発し、その時の振動が地震であると思わされていましたよね。

でも、素朴にも疑問がわきます。プレートの境界線や面では、連続した震源列ができるはずですよね。それが点になって報告されているんですよ。・・弱い局部だからと、追加説明しているんです。

丁度そんな時、スマトラ沖地震の起きた瞬間を上空からの記録フィルムがテレビにながれ、目を擦りました。丁度数珠球の様に点と思える波紋が次々と、時間差を持ちながら、生まれ、繋がり、やがて線となった波紋が、津波として東西に広がって行く光景に釘ずけになりました。驚きました。

そうなんです。これが真実の現象だったんです。むりやりプレート説に当てはめる報道は、さすがに・・ありませんでした。」
---------------------------------------------

・ガイヤの意識については「サロン」で語りますので、ご意見お寄せください。

1448
2008-07-02(Wed)
東北大学地震・噴火予知研究観測センター長への質問
東北大学100周年記念セミナーに於いて、「ここまで来た地震予知研究」という講演をなされた長谷川昭教授(東北大学理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センター長)にご質問します。

http://www.istu.jp/kougi/hasegawa_2005_05/hasegawa.html

講演内容の前半はすでに(6年前)、[222]アスペリティー(固着域)モデルの矛盾で紹介した内容と同じですので、私の考えはセミナー[689]の最後で述べたように、

「剛体であるというプレートのある部分は自由に滑り、ある部分は固着して滑らないということが起こり得るとは思われません。そんな挙動は剛体にはあり得ません。一枚の板で動く部分と動かない部分があるなんてことは、どう考えても矛盾です。」

となることを、お伝えし、以下に質問をさせていただきます。このサイトをご覧になっておられましたら、ご教示いただければありがたく思います。なお、先生とは面識がありませんので、どなたか仲介していただければありがたく思います。



http://www.istu.jp/kougi/hasegawa_2005_05/hasegawa.htmlより


質問1:プレートが移動する原動力はその下にあるマントルが対流しているから、その流れに乗って移動しているという解釈のようですが、マントルの粘性摩擦によって引っ張られることは無いというのが結論ではないでしょうか。現在ではプレートが冷却して、密度を増すために自重によって地球内部に沈んでいくという考え方が採用されていると思いますが・・・。

質問2:;太平洋プレートの上面にパッチ状に存在するアスペリティー領域は、その上に存在する大陸側プレートの下部と固着していて、普段は滑らない、しかし一方の安定すべり域はズルズルと自由に滑るという解釈です。この場合、アスペリティー領域と安定すべり領域の境界はどうなるのでしょうか。亀裂が入るのでしょうか?

自重によって沈んでいくという太平洋プレートがなぜ大陸プレートとこのようにしっかりと固着するのか、固着させる原因は何なのでしょうか?

質問3:アスペリティ−が存在せず、ズルズルと自由に滑っている地域が世界にはあるということですが、その場所はどこなのでしょうか。

質問4:すべり量のコンター表示がありますが、中心が一番多くすべり、周囲はすべりが少ない表示になっています。すべりの進行方向に向かって考えると、コンター中心点は前方のすべり量が少ない部分がすべりを妨害することになりませんか?また後方部分には、亀裂ができるのでしょうか?両サイドはどのようになるのでしょうか?

質問5:安定すべり域は地震時に、バリアーの働きをするとあります。普段からズルズルと自由に滑っている部分なら、留め金が外れるわけですから、プレートが一体となって滑るように思いますが、なぜすべりを妨害するのでしょうか。


http://www.istu.jp/kougi/hasegawa_2005_05/hasegawa.htmlより


質問6:深発地震面として知られる和達・ベニオフゾーンのことを、通説ではプレートの潜り込みと解釈しているわけですが、プレートが自重で潜り込んでいるのなら、28度という傾斜角度でなぜ沈降するのでしょうか。マリアナ海溝付近では垂直に潜り込む([1123]の図参照)ことになりますが、なぜ場所によって沈降する角度が違うのでしょうか。図中の分力はマリアナ海溝ではゼロになります。

質問7:自重のプレート方向分力は引っ張り軸力になりますが、岩石は引っ張りに関しては大変弱く、固着している部分があるとすれば、その下部で引っ張り力により破断すると思われます。材料力学的には岩盤の特性が誤って解釈されているように思いますが、なぜ岩盤にそのような耐力があるのでしょうか。

質問8:応力集中→応力限界→地震の発生と解説されていますが、応力の限界に達するとは部材が破断するという意味ですが、破断すれば歪は消滅します。歪の消滅現象が地震ならば、弾性反撥地震説には相当しません。破断地震説と弾性反撥説とは[1256][1393]などに示したように矛盾した考え方だと思うのですが、ご説明いただけますでしょうか。

1449
スマトラ沖地震の沈降と隆起のメカニズム
2008-07-05 (Sat)
[1447]の追記に次のようなテレビ報道の件を紹介しました。

「丁度そんな時、スマトラ沖地震の起きた瞬間を上空からの記録フィルムがテレビにながれ、目を擦りました。丁度数珠球の様に点と思える波紋が次々と、時間差を持ちながら、生まれ、繋がり、やがて線となった波紋が、津波として東西に広がって行く光景に釘ずけになりました。驚きました。」

当時私も、テレビを見た記憶がありますが、記録フィルムだったのか、シミュレーションの結果だったのかは明確な記憶がありません。どなたか、ご記憶であれば、また動画が残っているものなら所在を教えてください。

何点かの震源から爆発の波紋のようなものが、数珠球の様に繋がって広がっていく様子が動画になっていましたが、国土地理院の次のような解析(2004.12.26の地震について解析したもの)を別の表現で報道したものだったのかもしれません。

http://www.gsi.go.jp/BOUSAI/sumatora/animation/sm+as+fltfinal.html

国土地理院の解析では東側が沈降し、西側が隆起する絵がスマトラ沖からアンダマン海まで北上して描かれています。なぜ東が沈降し西が隆起するのかは、当時の新聞にも報道されましたが、プレートの潜り込みによって起こると解釈されています。ニューオフィス46には毎日新聞と読売新聞の記事から取った図面を紹介しています。新聞記者の独善的解釈かともおもいましたが、国土地理院地理地殻活動研究センタートピックスにはもっと詳しく、解説付き図面が載っていました。


石田理論によるスマトラ地震の沈降と隆起のメカニズム



国土地理院時報2006No109より


解説には「沈み込むプレートに引きずられて下向きに変形した上側のプレート先端部が跳ね上がって地震を発生させる。このとき、図のように隆起と沈降が生じる。」とありますが、ニューオフィスに書いたような「剛体であるプレートがなぜ「こんにゃく板」のように変形するのか?」という疑問は残ったままです。

石田理論では、ニューオフィス46;にも解説したように、押し円錐の軸が西から東にむかって沈むような傾斜軸になっていて、東側のバンダアチェなどは引き領域で沈降し、アンダマン諸島やシムエル島、ニアス島などは押し領域で隆起したのだと解釈しています。
追記:最新の考察は[1453][1454]にあります。


国土地理院時報2006No109
より

スンダ海溝とは、インド・オーストラリアプレートが潜り込む場所ではなくて、地殻のその下で、熔融しているマントルが対流現象として下降している場所だと考えています。

また地殻の内部にはサージチャネルが数珠玉のようにアンダマン諸島まで形成されていて、数珠玉の一つであるスマトラ沖本震の震源になったマグマチャネル内部で大爆発がおき、その爆発が連鎖的に北上して行き、あのような大災害になったのだと解釈しています。

スマトラ沖の震源からすべり始めた断層がアンダマン諸島まで開いて行き、長大な断層ができた・・・のではなく、何回かの爆発が連鎖的にアンダマン諸島付近まで起こったということだと思います。

別府湾で音波調査を行った結果では、瓜生島が沈没したことを証明すると思われる別府湾中央断層が見つかっていますが、そのような断層がピボットラインという境界には発見できるのではないかと思います。

しかし、プレートの潜り込みなどは起こりませんので、音波調査を行ってもスンダ海溝には、そのような断層はみられないでしょう。


あした起きてもおかしくない大地震(集英社刊)より

追記:「スンダ海溝には、そのような断層はみられないでしょう。」・・・というのは大きな間違いでした。[1453]で紹介します。

1450
地震によって起きる大崩落の原因
2008-07-07(Mon)
大紀元日本によると、四川大地震で、中国最大の兵器庫が破壊されたそうです。抜粋して紹介します。

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http://jp.epochtimes.com/jp/2008/07/html/d64414.html

四川大地震、中共軍最大の兵器庫を破壊


大紀元日本より

・ 地震が、山の下に隠されている武器弾薬庫の連鎖爆発を引き起こし、何十年もの間使用されてきた中共軍の最大規模の兵器補給庫を完全破壊した。

・ 震源地では地震の以外、非地質的な原因で発生した振動も確認されたという。それにより発生したエネルギーは、地下核爆発に相当するという。

・ 地震が発生した時、震源地付近の山が爆発され、山頂から大量のコンクリートの破片が出たことも報道された。

・ 中国官製報道機関中国新聞社5月31日の報道によると、5月12日地震発生当時、震源地付近の映秀鎮と旋口鎮の境目にある山、突然地面と山が激しく揺れ始め、同時に凄まじい爆発音に伴い、付近の山頂に穴が開き、そこから歯磨き粉を絞り出すかのようにコンクリートの破片が三分間も噴出し続けた。

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以上が抜粋記事ですが、核爆発が起こったのではないかという心配が[1423]での記事にも報じられていました。「非地質的な原因で発生した振動」というのが、核爆発を想定させているのでしょうが、本当に核爆発であれば大変な核物質汚染が広がっているわけですから、情報を見る限りその心配はないと思います。何らかの兵器の爆発が起こった可能性はあるでしょうが、[1423]にも書きましたように、「これを書いた本人は地震爆発説をご存知ないから核爆発まで想定したのでしょうが、そこまで考える必要はないと思います。」・・・・というのが感想です。

しかしそれほど、地震の爆発力が凄まじいことを大紀元報道の写真は表しています。

岩手宮城内陸地震で発生した、荒砥沢ダム上流の破壊もそうですが、このような大崩落を起こす原因が名大教授らによって発見されたという小さな「活断層」によって引き起こされることはありません。


地震学者は爆発という原因と断層という結果の正しい因果関係を取り違えています。断層は爆発の結果起きる地表面の傷痕に過ぎません。

本当の原因は地下において大爆発が起こっていることです。爆発が浅いところで起これば、地殻が爆発のガス圧に耐えられなくなって、破壊し、破裂した部分から噴出するガス体によって、岩屑雪崩のように大崩壊するのです。

活断層調査を行ってどのような意味があるというのでしょうか。調査結果がどのように生かされてきたのでしょうか。今回の活断層調査を事前に行っていたとして、どのように利用すれば、被害の軽減に役立ったというのでしょうか。

今後実施される膨大な経費の一部で良いですから、水素濃度計の全国観測網構築に充当して欲しいと切にお願いします。

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