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1231 2007-01-30 (Tue) 地震の前に聞こえる怪音 今日は大学時代の仲間6人で一杯会をやりました。ほとんどがリタイヤー組であるが、土木技術者として、また研究者として一線で活躍してきた人たちであり、インドネシアから一時帰国している現役技術者もいて、自然と話が「地震爆発説」の話題になりました。 プレートテクトニクス理論を信じているもの、疑問を抱いているもの、色々でしたが、プレートが移動していることはGPS観測で証明されている事実じゃないか、ハワイが日本に近づいているのは観測事実だよ・・・と強く主張する人がありました。しかしその人が、プレートが動く原動力は何だろうと質問するので、現在の定説はプレートが海洋底を移動する間に冷却されて密度が高くなり、周囲よりも重くなって(テーブルクロスが引きずり落ちるように)、自分自身の重量で地球内部に沈降する・・という定説を説明してあげた。すると、酔いが回って信念が狂ったためか「密度が変化して沈降するっていうのは、それはおかしいじゃないか・・・」と先刻擁護した味方(定説)を誤爆していました。 つまり、皆さん定説を突き詰めて系統的に納得して信じているわけではないようでした。 そんな中で、ある方が、「最近良く経験するんだが、地震の前に「ゴォー」という音が聞こえ、その後揺れが来るのは何故だろう」と疑問を投げかけました。自分よりも奥さんのほうが敏感で、小さな地震でも怪音が聞こえる、と語っていました。 それこそ、化学的な爆発反応(爆鳴気の爆発)の爆発音が色々に反射して伝播している証拠であり、「地震爆発説」でしか解釈できないことを説明しました。 音波は縦波ですから、地震のP波と同じで空気中では秒速340m程度ですが、水中では1500m近くに達し、鉄では5000mにもなります。 つまり騒音中でも「骨伝導」方式で携帯電話(ハンズフリー)が使用できるのと同じ理屈で、岩盤を伝わって爆発音が聞こえてくるのだと思います。揺れとしてのP波は体感できなくても、音として「骨伝導」が起こっているのだと思います。怪音の後に来る揺れというのは、S波の揺れを体感しているのだと解釈することができます。 骨導音と気導音に関しては検索すると次のような解説がありました。抜粋して紹介します。 一つは、口から出た自分の声がまわりの空気を振動させ、耳たぶで集音されて外耳道を介し内耳に入ってくる経路です。これを気導音と言います。もう一つは、空気をまったく介さずに、自分の声が頭蓋骨から内耳に直接的に伝わってくる経路です。これを骨導音と言います。カセットテープの自分の声は、気導音のみが録音され、骨導音は録音されていません。 それで自分の声がいつも自分で聞いているのと違った音に感じるわけです 。」 私も以前はそうでしたが、工学の世界で活躍してきた仲間でも、地震現象を正確に把握しているわけではなく、マスコミ情報を鵜呑みにしている人が多いことを改めて実感しました。 |
1232 2007-02-03 (Sat) 環太平洋に地震が多い理由 先日の飲み会では「地震多発地帯がプレートの周縁にあることは、プレート論の正当性を示しているのじゃないのか」という意見もありました。 これに関しては、閉講になってしまった地震を考える市民勉強会において「環太平洋地帯で地震が多発する理由・海嶺部で深発地震が起きない理由」として講義をする予定であった内容を概略説明して理解を促しておきました。納得が得られたのかどうかは分かりません。 (ニュートン誌1991Vol.11No.6より) つまり、プレートというのは、地震多発地帯で囲まれるような領域ごとに区分けしてあるのですが、だからといってプレートに正当性があるわけではないのです。矛盾を一杯含んでいます。 日本ではプレート論というと直ぐに、太平洋プレートとかフィリピンプレートが持ち出され、海嶺で誕生し、海溝で消滅すると説明されます。このように海洋底だけから成り立っているプレートはこのほかに太平洋周辺にあるナスカとココスというプレートの全部で四つだけです。あとは海洋底と大陸(または島)とで構成されるプレートになります。 太平洋プレートに関して説明される「海嶺で誕生し、海溝で一生を終える」という筋書きは北米プレートや南米プレートなどでは成り立ちません。大西洋・中央海嶺で誕生したプレートは生まれっぱなしで、一生を終わる場所がありません。フィリピンプレートは一生を終わる場所(日本の南海や東南海など)があって、誕生する場所が無いという矛盾があります。南極プレートは周囲全部が誕生場所であって、一生を終わる墓場がどこにも無いプレートなのです。また、太平洋プレートも東北部に当たるカリフォルニア付近になると、説明が困難になります。 では何故環太平洋地域に地震多発地帯があるのか、ということですが、プレート論の説明とは全く違って、溶融しているマントルの対流が地殻の下に流れているから、というのが石田理論の見解です。 また、大西洋やインド洋にくらべると、太平洋の周縁では地震が多発していることがニューオフィス14の図から分かります。 海洋によってその周縁部の状況が極端に違っています。同じ海洋に面しているニューヨークなどで地震があまり起こらないのは、マグマの流れる管路が地殻内に少ないから、解離ガスの発生する機会が少ないのであろうと考えられます。プレート論の立場からは説明が困難なような気がします。 |
1233 2007-02-04 (Sun) 海洋プレートと大陸プレート [1232]に関して、ある方から「プレートには大陸プレートと海洋プレートの二種類があって、全く特性が違うのだ、混同するな!」・・とお叱りをうけました。 たしかに瀬野徹三先生の公開講義サイトに以下のようにあります。 --------------------------------------------------------------- (海嶺で誕生し、海溝で死んでいくというのは)一種のリサイクルなのでプレートテクトニックリサイクリングと呼んでいます。実はこのようなリサイクリングが起きるのは、海洋プレートだけです。世の中には海洋プレートと呼ばれる海洋地域にあるプレートと、大陸プレートという大陸をのせたプレートの二種類のプレートがあります。大陸は、火山・マグマ活動などによって地表付近に軽い地殻物質(言ってみれば産業廃棄物か吹き出物のようなもの)が集まったもので、これをのせた大陸プレートは軽いためにマントル中へ帰っては行けません。ですから大陸プレートは海洋プレートに沈み込まれるのみです。(図5)地球では、大陸プレートの下への海洋プレートの沈み込みが過去25億年くらい続いてきました。
ここで、地表付近で温度が低くなっていることに注目してください。この表面付近の温度が低い層(熱境界層)が、リソスフェアと呼ばれている堅い層になるのです。なぜなら温度が低いと物は堅くなるからです。(冷蔵庫に入れたチョコと温室中においたチョコの堅さを比較してみてください。)熱を放出して冷えてしまったマントル部分がプレートですから、その厚さは冷えるにしたがってだんだんと太っていき、ついには再びマントル深くへ帰っていきます。(これを沈み込みと呼んでいます。図4)
@:【熱を放出して冷えてしまったマントル部分が、その厚さは冷えるにしたがってだんだんと太っていき、ついには再びマントル深くへ帰っていく】 A:【大陸は、火山・マグマ活動などによって地表付近に軽い地殻物質が集まったもので、これをのせた大陸プレートは軽いためにマントル中へ帰っては行けない】 という現象は相矛盾するのではないでしょうか。 大陸を構成する花崗岩や玄武岩も元はマグマが冷却してできたものです。大陸にあるものは冷却していても軽くて浮かび、海洋底にあるものは冷却すると重くなって地球内部に沈降していく、しかも「その厚さは冷えるにしたがってだんだんと太っていき」というのは理解に苦しみます。海嶺から噴出するマグマと、陸上の火山から噴出するマグマとはそんなにも大きな性質の違いがあるのでしょうか。 そもそも、密度の大小で沈む・沈まない・・・というのは流体が静止しているときに成立する力学です。固体であると云うマントルに静止流体の力学を当てはめて考えるのは間違っています。 また、【地球では、大陸プレートの下への海洋プレートの沈み込みが過去25億年くらい続いてきました。】 ということですが、北米大陸は(少なくともグランドキャニオンは)およそ二億五千万年前は海底にあったのです。海底にあっても、海洋底とは言えない、たまたま大陸プレートが海洋底にあっただけだという主張(セミナー[355]の14参照)がありますが、これもご都合主義のように感じます。 上の図を見るとグランドキャニオンは地上に姿を現す前には3億年もの間海底にあったはずです。3億年もの間大陸プレートが海底にあった・・・というのでしょうか。それとも、現在の大西洋海底も大陸プレートなのでしょうか、そうならば大西洋の海嶺からプレートが誕生すると言う話と矛盾します。25億年の間には海洋と大陸の逆転現象は何度も生じているはずです。だから、どの大陸にも水中生物の化石が見出されるのでしょう。 海洋プレートとか、大陸プレートとか現在は違いがあるように見えますが、何度も起こった地殻移動(ポールシフト)の原因となる地殻の上下移動(隆起・沈降)が起これば逆転してしまうものだと思います。化石や地層がそれを教えてくれています。 |
1234 2007-02-05 (Mon) 科学への無批判な信頼は危険である 2月2日の中日新聞夕刊に、予想を超える速度で地球温暖化が進んでおり、世紀末に最大6.4度上昇する、というニュースがありました。 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は「人間が排出した二酸化炭素などの温室効果ガスが気温上昇を起こしている可能性がかなり高い」・・と見ているようです。 (2月2日中日新聞夕刊より) この地球温暖化についてはニューオフィス42「地球温暖化」を予言するモデルの危うさでも紹介したように、大気環境の推定モデルというものに大きな問題を含んでおります。 紹介した論文は 「地球の大気に関する理論がいい加減であるにもかかわらず、一本の研究報告、それを恣意的に取り上げるマスコミなどによって、国や自治体が誤った施策を実行すると、それは入間とその他すべての生物の世界に悲劇をもたらす可能性がある」 という結論ですが、科学的研究というものへの無批判な信頼は大変に危険であります。 詳細はニューオフィス42を読んでいただくとして、重要な視点ですので抜粋して紹介します。 ・ たった1本の研究報告が世界の世論を著しく刺激し、重大な政治的・社会的問題に発展することも少なくない。 ・ これらの予測がどこまで信頼できるのかとなると、話は別である。温暖化予測はいずれも、地球の大気現象(気候)についての仮説をもとにして、そこに二酸化炭素の増加予測(これもたいして根拠のない推測)や海洋に溶け込む二酸化炭素の量、太陽放射の吸収・反射率の変化など、いくつかのパラメーターを挿入するというシミュレーションの手法で行われる。 ・ これらのシミュレーションでは、考慮されるパラメーター(変化を引き起こす要素)がつねに限られており、自然界の現象を動かしているすべての要素を取り込むことは非現実的なまでに不可能だということである。 ・ シミュレーションに取り込まれた個々の要素が全体に与える影響は、他の要素との組み合わせしだいでほとんど無限に変化してしまうにもかかわらず、そのような変化を前提としたシミュレーションなど想像することさえできない。ある抗ガン剤と単純な血圧降下剤は、いずれも単体で使用すると副作用がないが、併用すると予想もできない作用を引き起こし、ときには患者を死亡に至らせるといった事例と同じである。 ・ 恐竜の全盛期であった白亜紀(1億4400万年前〜6500万年前まで)の地球大気には2000PPm、つまり現在の8倍もの二酸化炭素が含まれていた。ところが当時の平均気温は、いまとほとんど同じだったという。つまり、二酸化炭素の量によって地球の大気温度を単純に予測することはできないということである。温度を動かすメカニズムは他にあるのだ。 ・ このように地球大気の研究が進むにつれ、研究者たちは、自然界の複雑さと現在の大気モデルの根拠の薄弱さを思い知るばかりである。近年では、地球は温暖化どころか、むしろ寒冷化に向かっているとする報告もしばしば目にする。 ・ 地球の大気についての理論がいい加減であるために国や自治体が誤った施策を実行すると、それは入間とその他すべての生物の世界に悲劇をもたらす可能性がある。 以上が抜粋ですが、ガイヤ理論からも推定されることですが地球は人間の自然治癒能力のような自動調節機能をもっていて、何らかの原因で熱を放出しているのかもしれません。人間でも熱の放出は自然治癒能力の一環であるという話があります。地球も同じように、熱を放出して両極の氷を一旦融解したいのかも知れません。たとえば、融解して氷の下の肌を温めたい・・・という意識があるのかもしれません。 一本の研究報告から地球温暖化防止法案が作られ、二酸化炭素の海底封じ込めが実施されようとしています。それがセミナー[955][958]で述べたような原因で大地震を引き起こし、人間を含むすべての生物の世界に悲劇をもたらす・・・ことがなければいいのですが・・・。 科学への無批判な信頼は止めて、科学的報告なるものも良く吟味しなければならないと思います。 |
1235 2007-02-05 (Mon) 炭酸ガスの海底封じ込めは危険である [1234]では大気環境の推定モデルが信頼度の低いイイ加減なものであること、それに基づいて制定された炭酸ガス排出規制法案の求めるところによって、炭酸ガスの海底封じ込め計画が着々と進められていること・・・そのことに危険性はないのか、と書きました。 中越地震の震源近く(長岡市深沢町岩野原基地)の帝国石油サイトで行われた封じ込め実験は海底封じ込めのためのデータ収集が目的であったのです。 (出典:http://www.rite.or.jp/Japanese/project/tityu/nagaoka.html) ところで、2月4日の中日新聞には、海底封じ込めを認めるための法律改正案が環境省から今国会に提出するというニュースが報道されていました。 (2月4日中日新聞朝刊より) [1234]でも書きましたし、ニューオフィス47"でも紹介しましたように、アメリカのデンバーにおける廃液地中注入に伴う地震発生の問題と絡んで、地震発生の原因が分からない現状で海底に注入するのは、大変な危険が含んでいる可能性があると心配しております。 それは、地震爆発説からは容易に結論付けられるのですが、液体を注入することによって地下水を移動させ、結果として圧力と温度のバランスを破壊して水の解離度を変化させる危険があるからです。 解離度の変化は地震発生に直接関連するものでありますから、海底下(しかも1kmという浅い場所)で地震を発生させることは、震動災害だけでなく津波災害をも引き起こす怖れがあるからです。 新聞記事ではノルウェーなど石油や天然ガスの産出国の一部では実用化されている、と書いてあります。石油や天然ガスの採掘と同時に、採掘物質に見合うだけの液化した炭酸ガスを送って置換するということならば、圧力の変化は少なく、少しは安全でしょうが、長岡で行われたようなポンプで圧入して帯水層に送る・・・という方式では帯水層に元々存在した水を地下深くへ押しやることになって結果的にはデンバーの実験と同じことになります。 (出典:http://www.rite.or.jp/Japanese/project/tityu/nagaoka.html) 強行するのなら、せめて置換方式でやるべきですが、強制圧入という現在の方法ではやるべきでないと考えております。 地球に自動調整能力のようなものがあるとすれば、体内に異物を詰め込まれて平気でいられるわけがありません。なんらかの方法で反動がくるのではないでしょうか。 デンバーでの地震事件は廃液を注入したことのよって、地下で岩盤がすべり易くなったのだろうと考えているようですが、大いに疑問があります。技術ジャーナリストの山本寛氏も、地下注入は地震を誘発する危険性があることをその著書の中で警告されています。(セミナー[1031]及び東濃新報記事参照) 炭酸ガスを海底に封じ込めるというような姑息な手段ではなく、砂漠を緑化して炭酸ガスを酸素に変えると言うことを真剣に考えるほうが人類の将来にどれほど貢献することか計り知れないものがあります。将来に禍根を残すような海底封じ込めには反対したいと思います。 |
1236 2007-02-08 (Thu) 炭酸ガス地中封じ込めが安全であるという理由の危惧 セミナー[988]では紹介しませんでしたが、市民勉強会にて配布しましたCO2貯留研究グループからの地下注入に関する【3項目に渡る安全認識のコメント】というものを、紹介しておきたいと思います。 返答の結論は 「ご指摘の件につきましては、以下の理由から正確さを欠く不適切なものと判断します。」というものですが、その以下の理由というものを紹介します。 頂いたメールへの当研究所からの返信文も含め、当時やり取りした内容を記しておきます。太字がプロジェクトリーダーから頂いたものです。なお、再度のメール返答はいただいておりません。 CO2地中貯留プロジェクトリーダー 返信有難うございました。 >地質学的・地球物理学的状況の全く異なる海外事例からの憶測ではなく、科学的根拠にもとづく適正なご意見や対応をお願い致します。 科学的な根拠と言うのは大変重要なことですが、これまでも企業などが社会的責任を追及されてきた事件は、いずれもその時点では科学的に未知であったいわゆる未科学の分野に原因があったのではなかったでしょうか。「当時は分らなかった・・・・」といって・・。 確かに現時点の科学では地震学者が「地震は断層が動いて地震になるのだ」と証言してくれますから、地下の圧力を変化させることと地震発生との因果関係が既知科学では存在しないようにみえます。しかし、将来明らかになる未知科学では因果関係なしとは言い切れないかもしれないと言うことです。そのときに問われる企業の責任まで考慮されているのかどうかです。「予見できなかった・・・」で法的責任は免れたとしても道義的責任まで免ぜられるかどうかはわかりません。多くの市民の難渋生活と悲劇を伴うことですから・・・。 >1.新潟県中越地震の震源は二酸化炭素圧入実証試験を行っている岩野原基地から直線距離で約20km離れた深さ約10kmです。一方、二酸化炭素を貯留している帯水層の深さは約1,100mで、帯水層におけるC02の拡がりも圧入口から約100m程度であることを確認しています。また、岩野原基地は、中越地震の余震域からも大きく外れていますので、地震を引き起こしたと考えるのは現実的ではありません。 震源と圧入現場が離れていることは認識しておりますが、圧入されたC02に排除されて押し出された水が移動することによって、地下深部で水が熱解離する能力が変化することが問題視されます。地下深部ほど解離させる能力は高いはずですから、そこへ浅い領域にあった水がところてん式に押しやられれば解離ガスを発生する可能性があると考えられます。 >2.実証試験では、地下1,100mの帯水層に貯留された超臨界C02の圧力を常時観測しており、圧入開始後において、爆発(爆縮)などによると思われる圧力変動は一切発生していません。また、圧入された超臨界C02と鉱物との化学的反応に関する基礎研究も行っており、そのような事象が発生しないことを確認しています。中越地震は、概ね西北西ー東南東方向に最大主応力軸を持つ逆断層型の地震で、断層が上下方向に滑ったことによって発生したものであることが、地震波からの解析で分かっています。 C02が直接爆発の原因になるのではなく、ところてん式に地下深部に移動した水から解離する解離ガスの爆発(爆縮)が問題になってきます。したがって測定器による観測領域での爆発(爆縮)による圧力変動が無いのは頷けます。熱解離の現象は鉱物との化学反応とも関係は無いと思います。地震の発生原因が断層の滑りであるというのは通説地震学の知識ですが、別の地震理論(爆発論)によれば話は変わってきます。 >3.岩野原基地では、微動観測を行っていますが、圧入レート、累計圧入量と微動発生状況とは全く相関が認められません。 デンバーでは地下3800mまで直接に廃液を圧入しております。岩野原基地では1100mですから、解離ガスの発生点に影響が出るのに時間差が出ることは十分考えられることではないでしょうか。 >なお、本研究開発につきましては、東京大学名誉教授の田中彰一先生を委員長とする「二酸化炭素地中貯留技術研究開発研究推進委員会」で学識経験者の委員の先生方から科学的根拠にもとづくご審議を受けて実証試験を推進していることを申し添えます。 どのような学識経験者がおられても、未知科学に関しては全員素人ですから、「その時点では学者にも分らなかった」となるでしょうね、上述しましたように、学者の審議(お墨付き)によって法的責任は免れたとしても、道義的責任が残る可能性はあります。私が最も危惧しているのは地震の原因に関する知識が間違っている可能性があり、それによって地下深部に安易な人為的工作が行われ、多くの悲劇を生むのではないかということです。以上再考していただければ幸甚に存じます。 石田地震科学研究所 石田 昭 |
1237 2007-02-08 (Thu) 竜巻で火災が起きない理由 2月3日(土)の中日新聞夕刊では、二日未明にアメリカ・フロリダ州中部のレーク郡で起きた竜巻被害の写真付報道がありました。死者19名千五百を越える建物が倒壊したとあります。 (中日新聞2月3日夕刊より また、日本でも、昨年11月北海道佐呂間町で大きな被害が出ました。 (出典:http://www.asahi.com/special/061107/TKY200611070292.html) 写真のように、完全に倒壊してしまう現場を見ると、大地震で倒壊した場合とあまり差はないようにみえます。 「大地震の際には、火災は避けられないと思ったほうが良いでしょう。自宅を護るという意識が逃げ遅れとなって人命を失うことになるのです。北海道南西沖地震のときにも、地震直後から猛火が襲い、火から逃げるのが精一杯だったという話をテレビの画面から見聞きしたのを思い出します。津波で水浸しになった町なのに、地震発生の翌日に出火したという記録もあります。大地震には火災は避けられません。火災は二次災害ではなくて、地震現象そのものなのです。プレート説を信奉していては、命を護ることも出来ないことを知っておいてください。」 地震の後に襲ってくる火災から自宅を類焼させないために、残って家を守れ・・・という意見(竹内均著「地球は半熟のゆで卵」)もありますが、上記地震の青苗地区被災者の体験談を聞くと、セミナー[1012]「誤った地震知識は恐ろしい」で述べたことが重要な意味を持ってくるように思います。 |
1238 2007-02-16 (Fri) 直流現象か交流現象か ANS会員掲示板での質疑と回答を紹介します。 【質問】 地震予知のために電磁波センサー/4080型を購入しようと思っています。4080型は交流磁場の測定用ですが(45〜550Hz、0.1〜511mG)、仕事で直流磁場測定用のテスラメーター(kanetecTM601)を使用しています。この測定機器は直流磁場で0T〜1.5T(15000G)(分解能0.01mT(0.1G)) の測定が可能です。また、交流磁場も50Hz/60Hzで0〜750mT(分解能0.01mT(0.1G))の測定が可能です。このTM601は地震予知には使えないのでしょうか? 使えなければ4080型を購入しようと思います。 【回答】 一方、セミナー[816] 地震は解離ガスの爆発であるとする石田理論の検証のため、およびANSの将来的目標としては「水素濃度」を検知できるセンサーの全国ネット網を理想としております。 いずれにしても、地震学の専門家が断層地震説を捨てて早く地震の真相究明に立ち上がって欲しいと考えております。 |
1239 2007-02-28 (Wed) 大地震と火災の原因 [1237]竜巻で火災が起こらない理由・・・の中で 「北海道南西沖地震のときにも、地震直後から猛火が襲い、火から逃げるのが精一杯だったという話をテレビの画面から見聞きしたのを思い出します。」 と書きましたが、当時の新聞を図書館で探して見てきました。 (朝日新聞1993/7/14夕刊より) [1237]の内容に一番近い証言が近藤まり子(35主婦)さんの目撃談で、以下のようなものです。 「振り向くと黒い影に乗った火のかたまりが岸へ向かってきて、家のあたりにぶつかり燃え上がった。」 こんな現象を定説地震学ではとても説明できません。当時テレビの画面からは港内に浮いている漁船から出火している光景も放映していました。 「ここ最近の地震では延焼は起こっていなかった。それがなぜ今回、夏の夜にこれほどの火災が起こったのか。風も強く、プロパンガスが原因の可能性も考えられる。」 と述べて、原因究明の必要性を強調しておられます。 (読売新聞1993/7/13夕刊より) 津波に襲われているのなら、火種は存在しないと考えられるので、プロパンガスに引火することもないはずで、火災の原因とは考え難いのですが、なぜプロパンガスが大火の原因・・・と考えるのか、不思議です。 大地震では良く起こる大火災現象ですが、火災になるのは断層という地震の傷痕を伝わって震源付近の高熱解離ガスが漏出する可能性のほうが、はるかに高いと思います。しかし、定説に縛られていては考えが及ばず、原因の究明は難しいでしょう。 (写真は地震発生後5時間経過したころの青苗地区の猛火の様子です。) 津波で破壊され、水浸しになったのに、何故このような火災になるのか、原因究明はきっと進んでいないと思います。 「ゴーッ」、すごい底鳴り・・・と言うのは[1231]にも書きましたように、地殻を伝播してくる地球の「骨導音」を聞いていることになります。 地震時に地下からガスが噴出する現象は[424]から[500]にわたって紹介したゴールド博士の「地球深層ガス」でも報告されていますし、[460]に紹介した安政の地震でも伊勢湾内で目撃されている事実です。 地震学は、何らかの地中深層ガスの爆発現象として認識しないと、解明は困難だと思います。 |
1240 2007-03-05 (Mon) 勇気付けられる意見 大変勇気付けられるメールをある医師の方から頂きましたので返信文も一緒に紹介します。 地震学者は机上で地震計の記録を解析するだけではなく、もっと現場主義の立場を採って、地震時にみられる不可思議な現象から、地震の真相を把握しようとする態度が必要だと私も思います。 ---------------------------------------------------- 初めてメールを差し上げます。 新・地震学セミナーを最初から少し読ませていただきました。 2003年1月の”とりまき”さんとの論争ですが私も専門的に勉強したわけではなく地球物理、地球科学はド素人で、理屈は半分も判りません。 ただ少し気になりましたのは専門家といわれる方達の、実験ではこうなった、ああなった、ということを元にして、だから地球内部がこうだ、ああだと言われるのは抵抗があります。 殆どなにも判っていない地球の内部です。 実験とは謂わばin vitroでありその条件設定は地球内部の状態を単に想像して行っているものと思います。 その結果をin vivoの地球内部の環境、動態と決定するするのはどだい無理があるのではないでしょうか? 大地震の予兆、前兆について専門学者らから無視されてきた、彼らが説明の出来ない伝承の一部にこそ真実を解き明かす鍵があると私も同感致します。 今後も御健康に充分に注意され我らに新しい知見をご教示下さるようお願い申し上げます。 ------------------------------------------------------- メールありがとうございました。 ”とりまき”氏はそのご、piscoの掲示板にも現れませんし、地震関係サイトから引退(?)されたようですね。 何か自論の矛盾に気が付かれたのかもしれません。 in vitroと in vivoのお話、全く同感です。 試験管の中(in vitro)で起こったことがそのまま体内(in vivo)でも起こると考えるのは、大きな錯誤ですね。 セミナー[49]でノリマン氏に返答したデカルトの要素還元主義の破綻・・・をも思い返させるものですね。 ーーーーーーーーーーー◆◆◆ーーーーーーーーーーー 49 2002/06/23(Sun) 09:37 石田 昭 デカルト的パラダイムからの脱却 ノリマン様 現状では、地震の発震機構は理学部の領域、発震後の構造物の耐震問題は工学部の領域というように住み分けがおこなわれて いて、工学者が発震機構にまで口を出すことはありません。要素還元主義というデカルト的パラダイムが浸透し、病院の内科医と、外科医が相 手の仕事に干渉できないような空気があります。大きな問題を小さな要素に分解して、分解要素の性質を研究すれば全体が理解できるという 要素還元主義が破綻をきたしているのが、もっと「全体の洞察」を大切にしようという複雑系科学が唱えられる背景です。このデカルト的パラダイ ムからの脱却が新しい時代に求められる学問のあり方だと思っています。ご提案のようなことは、大学を退官してからも、何度か試みましたが、 「全体の洞察」という新しい学問の流れは、その当時には、動き出していませんでした。 ーーーーーーーーーーー◆◆◆ーーーーーーーーーーーー 地震学者もこれからは「全体の洞察」というin vivo発想に目覚めなければ地震現象の解明まで行き着かないでしょうね。 ---------------------------------------------------- 以上がメールのやり取りです。 「前兆について専門学者らから無視されてきた、彼らが説明の出来ない伝承の一部にこそ真実を解き明かす鍵がある」 というのは真実だと思います。それはゴールド博士([901])も、石本博士([660])も述べているように、もっと現場に出て、地震現象を自分の目で診断する科学者の基本姿勢が忘れられているのではないかと危惧しております。 |
1241 2007-03-06 (Tue) 地震現象を直視した立論を期待する 地震学者はもっと現場に出て、地震現象を自分の目で観察する必要がある・・・と述べましたが、勿論現象を見て、自分が信ずる理論に矛盾があれば、信ずるところを変更する柔軟性が必要であるということです。 しかし、明らかにおかしい現象がみつかっても、なんら変更することなく、「先ず定説ありき、それに合致しない事実はオーパーツである」とでも言うかのように、定説が信奉され続けています。 下の図はセミナー[1133]にも紹介した「三河地震60年目の真実」という書籍に載っている、深溝断層付近における掘削調査(トレンチ調査)の結果です。 (図中の書き込みは石田によるもの) (三枚とも「三河地震60年目の真実」より) 三河地震は余震の回数が非常に多い地震でしたから、地震の傷痕として出来る断層が複雑になっていることが分かります。本文には次のような記述がありました。 「三河地震を起こした深溝(ふこうず)断層でも、いくつかの場所でトレンチ調査が行われ、図のように結果がまとめられている。それを見ると、断層線が南北を向いている辺り(一色町)では二万年前ぐらいにも一度地震があったと考えられる痕跡が得られた。ところが、断層線が東西を向いている場所(西深溝)だと、五万年間も地震が起きた形跡はなかった。三河地震のときはこれらの場所が同時に動いており、必ずしもいつでも同じように断層が動くわけではないようである。このように、地震のときに断層がどの範囲まで同時に動くのかは、まだ、よく分かっておらず、次に動くときの動きを予想することは難しい。このことは、活断層研究の大きな課題として残っている。」 つまり、あの巨大地震と言われている三河地震の原因とされる深溝断層であっても、二万年前にしか動いた痕跡がない、ましてやよく紹介されている西深溝断層は図を見る限り三河地震の前には一度も動いたことがないのです。 そのようなものを活断層として認識し、全国的規模で調査して付近住民に「恐怖感」を与える作業をやっているのが「間違った地震学」の実態ではないのでしょうか。 「不思議だったのは、地震の後、蛍光灯のぼけたやつくらい辺りが明るくなったこと。余震でも明るくなって、もう何十回あったか分からんけど、余震があるたびに明るくなった。まず辺りが明るくなって、それから地面が揺れる。最初の明るさの加減で、だいたい震度の強弱を予想できた。明るくなったときほど、強く揺れて、あまり明るくならなかったときは、揺れも小さかった。真夜中の暗いときに地震で明るくなって遠くまで見えるようになって、すうーっと明るさが消えていく。スイッチを切ったときみたいにぱかっと暗くなるのではなかった。余震が小さいときは、すうーっと消えるのも早かった。空気の振動で電気を発するのじゃないかと、想像していた。 |
1242 2007-03-11 (Sun) ガリレオ小伝より 石本巳四雄博士の「学人学語」という書に「ガリレオ小伝」というのがあります。 その中で紹介されていますが、ガリレオはコペルニクスの天文學体系の単純性が多くのことを納得させる素晴らしいものであることを認めながらも、嘲罵と嘲笑の対象になることを怖れてしばらくの間は地動説への賛意を表明することを避けています。 ----------------------------------------------------- コペルニクスの天文學体系の単純性は、夙にガリレオを魅惑した。彼は実際一五九七年に其の「宇宙の紳秘」を語らんとして、ケプレルに次のやうに書いている。 私は数年来、益々喜んで貴方のものを読んで居ります。私はコペルニクスの論に変りました。彼の説は私に多くの現象をよく理解させました。それ等の現象は反対の仮説を以てしては全く説明のつかないものです。 (しかし彼はピザ(大学)では表明しなかった。同じ手紙の中で其の理由を述べて居る。) 私は反対の意見を反駁するために、多くの議論を集めました。しかし吾々の師コペルニクスと同じ運命に遇ふことを怖れて、敢てそれ等を発表しません。コペルニクスは小数の人の精神の中に得た不朽の光栄にも拘らず、彼は依然とした大多数の眼には嘲罵と嘲笑の対象であります。貴方が價値ありとされる人が多くありますれば、私は私の考へを思ひ切って公表しても宜敷い。しかし実際はそうで無いのです。左様になるまでには時間がかかるでしょう。(「学人学語」p.124-125より) ------------------------------------------------------- 何時の時代にも、定説というものを変えさせるのは大変なものです。ブルーノのような火あぶりの刑にはならないとしても、嘲罵と嘲笑が付きまといます。 石本博士は次のようにも述べています。 「科学の飛躍的進歩は常に新学説の提唱に始まる。併し新学説の樹立に当っては旧学説の猛烈なる反対及び結局敲き潰しの行為をも甘受する覚悟を必要とする。 |
1243 2007-03-11 (Sun) 地震は震源付近だけでの力学に起因する 石本巳四雄博士の「学人学語」という書に「岩漿(マグマ)貫入理論」に関する博士の考え方が述べてありますので紹介します。昭和13年(1938)12月に日本文化研究講習会自然科学第三回講習会で講演された「地震学上より観たる日本の文化」という題目の講演からです。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 地震断層を先づ肉眼観測を主として申し述べて見ますと、此の両側の地殻は水平方向、上下方向に相互運動を行って居りますが、水平移動は断層の中点附近にて最も著しく、両端に行って消滅して居ります。又上下成分を考へて見ますと、震央から見て押された部分は隆起し、引かれた部分は陥没して居ります。(中略)斯様な変形を遠方力、即ち遠くから働きかけた力を以て説明することは全く困難であります。確かに昔は遠方力を考へたのに引きかへ、今日では震源に生じた力を以て説明する人が多くなりました。即ち地震波の起る源として或る空間を占めた場所の圧力、此れが地殻の変形即ち隆起陥没を起さしめるといふことを考へる様になって来たのであります。(中略)然らば、震源に於ける圧力は何であるかと申しますと、此れは岩漿の輿へる圧力で、岩漿が次第に冷却する時の化學変化に依ってこれが圧力を生ずると考へて居るのてあります。即ち岩漿圧力が急激に地殻の中に発生致しますと、その力に堪えずして地殻が隆起し、或は破れて運動を行ふと見られるのであります。 ――――――――――――――――――――――――――――― 石本博士が活躍されていた昭和の初期までは地震現象を忠実に観察して研究しようとする態度が見られたように思います。 図に示すように水平断層でも、垂直断層でも、断層を離れると、変位量がゼロであるということは、当然震源付近に何らかの力学的原因があるはずであり、プレートの衝突現場という遠く離れた場所に原因があるとは考えられません。しかし、現在では博士の見解とは逆の立場が定説となってしまいました。 (http://www.city.kobe.jp/cityoffice/06/013/jiban/sub/conte7.htm#1.) 地震は、一口で言うと、この地球の活動の結果として起こっているものです。(中略〕プレートは、ゆっくりした運動を続けており、継ぎ目では、プレートが生まれたり沈み込んでいったり、あるいはぶつかったりしています。この運動が地震を起こす主な原因です。(中略) また、これらのプレートの運動は、境界だけでなくプレート内部にも大きな力を及ぼします。そして、この力が山や盆地を作り、直下型地震を引き起こす原動力になります。(後略) 石田理論では、温度と圧力の変化によって起こる解離度の変動がマグマ溜り内部で容器破壊(ボイラーの破壊)のような「平衡破綻型爆発(Explosion)」を起こして押し現象を生ぜしめ、その後酸素と水素が結合して爆縮(Implosion)を起こし、引き現象を生ぜしめるものと考えています。 爆発現象からは押し引き分布が説明できないというのが、定説を学んだ方からの批判だと思いますが、爆発と爆縮が起こっているということが地震現象の不思議を説明する謎解きの鍵だと考えています。 後記:(2013年2月21日)[1786]では次のように修正 マグマ溜りなどの空間が水素爆発による爆縮(Implosion)を起こすと、その瞬間に、汽罐(ボイラー)破壊と同じ平衡破綻型爆発(Explosion)を発生させます。つまり、解離ガスが発生して高圧化している容器内部が、水素爆発と云う爆縮によるマグマの移動で、平衡状態が破綻し、爆縮(Implosion)と同時に爆発(Explosion)を起こします。 追記: [3142]に爆発理論の修正(シンプル化)が載っています。 |
1244 2007-03-16 (Fri) 地震核融合説 セミナー[1014]〜[1019]および[1026]などでも紹介した技術ジャーナリストの山本寛氏が、この5月に「地震は原子水素の核融合である」と言う主旨の著書を出版されるそうで、反響が楽しみです。 原子水素の核融合というのは、解離ガスの分子水素としての爆鳴気爆発よりも、さらに大きなエネルギーが放出される現象ですから、地震原因論としては大変興味深いものがあります。解離ガスも高温になれば原子水素と原子酸素になるわけで、核融合を起こすのかもしれません。 とにかく地震爆発説と言う点では同じ範疇に入る見解なので、定説地震論は大変な挑戦を受けることになります。地震学者がどのように対応されるのか、大変興味深いものがあります。 ただし、山本氏の論旨はプレートテクトニクスを全否定するものではなく、「歪エネルギーが蓄積されて、それが急激に開放されて地震の原因になる」と言う部分を否定されておられます。 「野島の方向に最初地中から吹き出すような青白い筋状の放電が起り、1・2秒後に激しいゆれがきた。その後まるで夜明けのように山の端が明るくなってしばらく続いた後、またもとの暗さに戻った」 この断層付近の調査から次のようなことが判明したそうです。 ・ 地下からの電荷と大気との間での放電現象によって、粘土状物質が瞬間的に数百度以上の温度となり、硬化したと考えられる筋状の岩石が存在する。 ・ 硬化した岩石の付近から採取したサンプルの残留磁気の方向は、現在の地球の磁場の方向とかなりかけ離れている。 ・ 草の根が黒変化している。 以上のことは、「原子水素の核融合」によって発生したガンマー線が断層と言う亀裂を通って天空に駆け上ったことを示し、この間に ・ 植物の根があれば、超強力な電子レンジと同じ原理で黒焦げにする。 ・ 電空に放射された「ガンマー線」は大気を電離させ、「発光現象」を引き起こす。 ・ この「核融合」が地表近くで起これば、地中に蓄積された「原子状水素ガス」が地上に押し出され、「火柱」となって観測される。 と解説しておられます。 これは、[1014]にも書きましたが、地震の発生原因を解明するかもしれない新しい理論として興味深いものですが、震源に於ける押し引き分布が説明できるのかどうか、また、プレートが潜り込むときにプレートに含まれる水がマントル内部の金属と反応して「原子状水素」が発生するとされている点に関しては、一定の疑問を持っております。 特に興味深いのは、「硬化した岩石の残留磁気が現在の地球の磁場の方向とかなりかけ離れている」と言う点です。これは可燃性ガスの燃焼現象だけでは説明できないので、放電現象のような電磁気的な現象が起こったことを暗示していると思います。 追記:山本氏に本稿書き込みの了解を問い合わせましたら、以下のようなコメントを頂きました。 「全く問題はございません。 今後ともよろしくお願いします。 山本 寛 」 |
1245 2007-03-18 (Sun) ゆっくりすべりが起こるとは思えない Asahi.comに「プレートのゆっくりすべりが低周波微動の原因であることが分かった」という日米での共同研究の話題が載っていました。一枚の剛体の板なのに、尺取虫のように部分的にゆっくりと動く場所と、急激に動く場所とがあるなどということが本当にあるとはとても思えません。 ・そもそも誕生する場所が無い幽霊のようなフィリピン海プレートがどうやってユーラシアプレートの下に潜り込んでいくことができるのでしょうか。 ・潜り込んだプレートの後ろの端部はいったいどうなっているのでしょうか。 ・何年か後にはフィリピン海プレートは無くなるのでしょうか。 ・それでは何時何処で誕生したのでしょうか。 全くツジツマの合わない話に思えます。 西南日本で観測されるわずかな揺れがゆっくり続く「低周波微動」と呼ばれる現象が、実はプレートがゆっくり沈み込むときに発生する「すべり」に起因することが、日米の共同研究でわかった。15日、英科学誌ネイチャーで発表する。 低周波微動の仕組みの概念図 低周波微動がフィリピン海プレートの沈みこむ境界で起きることは、防災科学技術研究所によって02年に発見された。その後、地殻の傾きの観測から、プレートのゆっくりとしたすべりが同時期に起きていることもわかってきたが、微動との関係は明確でなかった。 井出さんは「低周波微動は、地下の水の動きが引き起こしたとの見方もあったが、プレートのすべりそのものであることがはっきりした」としている。 の地表の傾斜データから判断して、ゆっくり滑りが発生したことがわかると言うことのようですが、「それぞれの観測点における傾斜変化は最大でも0.1μradian(マイクロラジアン:1μradian は1km 先の地面が1mm 沈降したときの角度に相当)という非常に小さいもの」・・・とあるように、0.1μradianつまり1km 先の地面が0.1mm 沈降したときの角度・・・程度の極微な変動からどうしてゆっくりすべりが起こったと判定できるのか、また「5枚の断層運動によるエネルギーを足し合わせると、マグニチュードが6.2に相当します。」といような大きな地震に相当するエネルギーになる・・・と判定できるのか定説地震学の議論は到底理解することができません。 私は[273]で述べたように、この低周波微動の震動源あたりに巨大なマグマのプール(サージチャンネル)が存在していて、そのプール内で流体震動のようなものが起こっているのが低周波震動の原因であると判断しています。(サージチャンネルに関しては[1157]サージテクトニクスを参照してください) 瓜生島の沈没も、白鳳年間に起こった高知湾の陥没もこうした大きなマグマプールが存在し、それが地震の引き現象で消滅し、陥没現象を引き起こしたのではないかと思っています。 |
1246 2007-03-26 (Mon) 昨日の地震について 昨日(25日)の地震は、名古屋では震度3程度でした。始めは自分がめまいを起こしているのかなと思ったのですが、しばらくして地震だと気が付く程度のものでした。ゆっくりと大きく揺れたのですが、自宅のコンパスには大きな異常がなかったので、少なくとも名古屋で大きな揺れにはならないだろうという安心感を持って揺れが収まるのを待つことが出来ました。 気象庁の地震津波監視課長の発表を聞いていましたが、プレートに押されて逆断層が起こった可能性も考えられるという毎度おなじみの解説でありました。 夜の番組でも、名古屋大学の鷺谷先生が南東側が北西側に乗り上げる逆断層型の地震であったと説明していました。 気象庁の最初の発表では震源が輪島の西南西40km付近(北緯37.3度 東経136.5度 深さ50km)の海域となっていましたが、その後訂正があってほぼ海岸付近で、深さも11kmという非常に浅い地震であると発表されました。 いつも後になってから訂正があるのですが、深さ50kmと11kmでは違いが大きすぎると思います。これほど大きい訂正があるものを、あわてて発表する理由が良く分かりません。 鷺谷先生も述べていましたが、「この辺りはこれまでは大きな活断層が発見されていない地震の少ない地域である」というのはいつも繰り返される解説のような気がします。 地震は断層が動くことが原因ではなく、爆発現象の結果として断層が出来るというのが「もう一つの地震学」が提起していることですが、ボートが転覆したというニュースなどは、この爆発現象でしか説明できないと思います。 余震がなかなか止まらない原因は、ニューオフィス24に解説したように、最初の地震によって解離層が不安定になっていて、解離したガスが(地震という爆発現象で)結合した後に再度解離するという現象を繰り返しているのが真相だと思います。 |
1247 2007-03-27 (Tue) 能登半島地震の報道に見る矛盾 能登半島地震の余震が収まらないようです。[1246]にも書きましたようにこれは蓄積された歪の解放によって地震が起こるという定説が間違っていることを意味しているのですが、どうして地震学者もマスコミ人も気が付かないのか、呆れてしまいます。一方では、こんな“まとも”な一般人が居るというのに・・・です。 http://yorutono.jugem.cc/?eid=938 「やっぱ、地震発生のメカニズムは石田理論が素晴らしいと思います。」 また、テレビでは震源付近の海底に潜っても断層らしき食い違いが見られない、と報道していました。その理由として、断層が震源付近の地中にだけ存在し、海底上部にまで達していないからだ・・・と解説していました。 これは震源断層という定説の概念を説明するものですが、地下深くの震源付近にだけ断層が存在するなどということは考えられません。地殻の一番弱い部分は自由端部である地殻表面のはずです。 昔の炭鉱で働いていた人なら良く知っていることですが、大地震では地表にひび割れが多く発生するような時にでも、地下の炭鉱内部ではひび割れなど起こっていないことが多いのです。それは地表付近(力学的には自由端部に相当する場所)が自由に動けるために、爆発の衝撃によって破れやすいからなのです。地震では地盤が拘束されて自由に動けない炭鉱内部や地下街のほうが被害は少ないのです。(ライブラリー34参照) 地殻表面に現れない断層が地下内部に隠れている・・・というのは幻想です。むしろ、断層地震説を捨てたくないがための「こじつけ」にしか思えません。 テレビ解説を聞いていて矛盾を感じたもう一つの件は、地震の発生確率というものです。 (地震調査推進本部地震調査委員会2005より) (今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図) |
1248 2007-03-27 (Tue) ボート転覆の原因 能登半島地震で、ボートが転覆したという件に関連して興味深い話が以下に載っていました。 http://zo-daikun.jugem.jp/?eid=400 要約すると、 ・ 富山港でプレジャーボートが転覆したが、7cmの海面変動で船がひっくり返るわけがない。「数回下から突き上げられた。」 って言うのは 「 衝撃波 」 以外の何物でもない。 ・ 中越地震でも同じような事が起きた。畑の大根がピョンピョン飛び跳ねるように抜けちゃったそうで、 その光景はまるでウサギが飛び跳ねているようだったらしい。 ・ マンホールもそうだった。周りの地盤が沈下したんじゃなく、マンホール自体が飛び出ちゃった。 ・ 大きな庭石が隣の家まで転がったんじゃなく飛んでった ・ 浅い生け簀の錦鯉は死んじゃった。車が浮いたという話もあった。 ・ 今言われている地震のメカニズムに異論を唱えてる方は沢山いるが、中でも 「 地震は水素爆発によって起こる 」 とする 石田地震科学研究所 の 通称石田理論 はなんかしっくりくる話だと思う。これなら衝撃波の事も説明がつく。断層が地震を起こすのではなくて、爆発の結果断層が出来る・・・ますます納得出来ます。 以上が要約ですが、大根がピョンピョン飛び跳ねるように抜けちゃう・・というのは始めて知りました。今回ご不幸にも地震の犠牲となられた主婦は倒れてきた灯篭の下敷きになって無くなられた・・・という報道ですが、即死状態だったことから判断しても、石の下敷きになったのではなくて、灯篭の上部が凶器のように飛んできて胸に当たった・・・ということではないでしょうか。これも「衝撃波」が引き起こした「跳び石現象」の一つだと思われます。 それは、盲腸や胃の手術跡を見つけて、老人に再発を警告しているような「愚かしい」調査のように思えますが、時事通信ニュースが以下のように「愚かしい」調査を報道しています。ただし、愚かしいとは気が付かないで・・・。 震源近くに海底断層=産総研、過去の音波探査で確認−能登半島地震と関連か 最大震度6強を観測した能登半島地震の震源近くに、長さ約20キロの活断層とみられる地形があるのを、産業技術総合研究所活断層研究センター(茨城県つくば市)が過去に実施した海底調査で見つけていたことが26日、分かった。同日開かれた政府の地震調査委員会(委員長・阿部勝征東大地震研究所教授)の臨時会で報告された。 |
1249 2007-03-27 (Tue) 地震学者のコメント 今回の地震についてコメントされた地震学者の話を集めてみました。また定説地震学に疑いを持っている者として、地震学者に質問を発してみました、回答はいただけないでしょうが・・・。 コメントは「西日本は本格活動期か、東南海・南海地震と関連指摘も」(3月25日22時23分配信 読売新聞) と「<能登沖地震>未知の断層で発生」(3月26日1時6分配信 毎日新聞)とから集めました。 @ 阿部勝征・東京大教授(地震学)は「日本海沿岸は太平洋側に比べ、大地震が起こる確率は低い。だが、プレート内部の傷がどこにあるかは事前に予測できず、起きてみなければ分からない」と指摘する。 質問:日本海沿岸は大地震が起こる確率は低い・・・という根拠はどこにあるのでしょうか。日本海中部地震、浜田地震、丹後の冠島周辺を沈めてしまった地震、象潟(キサカタ)地震、岡本綺堂の「名立の崩れ」で有名な高田地震、など、日本海側でも大地震は起こっています。 断層地震説そのものが怪しいのではないのでしょうか。 A 島崎邦彦・東大教授(地震学)は「この種の地震は、内陸部でも起こりうる。潜在的な地震の可能性を示す、自然からの警告ととらえるべきだ」と話す。 質問:潜在的な地震の可能性があるという認識があるのに、[1247]で示したように、地震発生確率が0.1%という評価がなされるのはなぜでしょうか。 B 1892年の地震では、2日後にごく近くでほぼ同規模の地震が起きた。地震予知連絡会会長の大竹政和・東北大名誉教授(地震学)は「地質学的には『つい最近』。同様の余震があるかもしれず、十分注意して欲しい」と指摘する。 質問:真意がつかめませんが、歪が開放されて大きな地震が発生したのに、2日後にも同規模の地震が起こるのは何故でしょう。2日間で歪が再度蓄積するとは思えませんが。 C 京都大防災研究所の梅田康弘教授(地震学)は「(四国付近で起こる)南海地震の発生が近づいていて、阪神大震災以降、西日本は地震の活動期に入っている。今回の地震もその一環で、内陸部の大都市下でも、いつ大地震が起きても不思議ではない。きちんとした備えが必要だ」と語る。 質問:南海地震の発生が近づいていて・・・という判断は何処から来るのでしょうか。西日本は地震の活動期に入っているという判断も何処からでしょう。いつ大地震が起きても不思議ではない・・・というのは定説地震学では何も分かってはいないということでしょうか。 D 地震予知連絡会会長の大竹政和・東北大名誉教授(地震学)は「世界的にもプレート内部で起きる地震は、急激に断層がずれるため、短周期地震動が強く表れることが多い」と話す。 質問:プレート境界と言われる場所と内陸では、地震の原因や性質に違いがあるのでしょうか、それは何故でしょうか。内陸の地震で、短周期地震動が強く現れるのは、爆発(震源)が起こる現場に近いから短周期成分が岩盤に吸収されることが少ないというだけだと思います。地震は爆発現象であって、爆発という化学反応はどこにおいても同じだと思うのですが・・。 E 尾池和夫・京都大学長(地震学)は「今回の地震は、日本列島が乗るユーラシアプレート内部の大きな地震があまり起きない珍しい場所で発生している。西日本の地震活動が活発化している。ひずみがたまっている証拠だ」と指摘する。 尾池氏によれば、今回の地震もユーラシアプレートが、海側のプレートに押される中で起きたと考えられ、「紀伊半島から四国南方沖を震源とする海溝型の巨大な東南海・南海地震発生の数十年前は、こうした内陸部の地震が4倍以上に増える」と指摘する。 質問:「あまり起きない珍しい場所」というのは、@の質問とも関連しますが、何故そのように判定されるのでしょうか。「ひずみがたまっている証拠」という判断は何処から来るのでしょうか。 力学的に言えば「ひずみ」は「応力」を伴うもので、両者は一対一の関係にあります。「ひずみ」が増大するということは「応力」も増大するということで、岩盤のような固体材料は降伏点を越えてまで応力が増大することはありません。したがって材料はどこかで「折れる」とか「切断」するとかの「破断」現象になるはずです。(ニューオフィス10参照) 「ひずみ」が「蓄積される」という概念は降伏点に達する前までの議論でしょうか。そうならば、ピンが外れない限り「跳ね上げ」は起こりませんし、ピンが外れるのならば破壊という概念とは違った現象のはずです。 また、降伏点を過ぎた領域での話ならば、「ひずみ」は「応力」と対応しませんから単なる「変形」という現象です。 ピンがはずれるのか、そうではないのか、破断現象そのものを地震と考えているのか、曖昧模糊としております。地震の力学は材料力学の基本を無視するものではないのでしょうか。 「今回の地震もユーラシアプレートが、海側のプレートに押される中で起きた」という判断ですが、繰り返しになりますが、押しているプレートの力で「歪」が内陸部に伝達されたり、あるいは「ゆっくりすべり」が起こったり、普段は滑らない「固着域」という留め金が外れたり・・・あるいは歪の蓄積が限界にまで達していて開放されるのだと解釈したり・・・、力学を無視した「勝手な」解釈で地震学が構成されているように思えてなりません。 プレート境界ではアスペリティー(固着域)以外の接触域が内陸プレートを「押す」と言うことはないはずですが(スリップするのですから・・)、アスペリティーという何本かのピンだけでプレート内部を破壊するような現象が本当に起こるのでしょうか。(セミナー[222]および[1142]参照) |
1250 2007-04-12 (Thu) 地中海の海底に塩水湖 地中海の海底に死海よりも塩分濃度の高い窪地があるのが見つかったと報道されています。 これは地殻が上下運動という変動を起こしていることを示す証拠であり、プレート理論の明らかなる矛盾であると思うのですが、学者はいつまでウェゲナーの大陸移動説に縛られ続けるのでしょうか。産経新聞の記事を紹介します。 ----------------------------------------------------------- 4月12日8時0分配信 産経新聞 ■水深約2900メートル、死海よりしょっぱい 地中海・クレタ島(ギリシャ)沖の海底で、塩分濃度が通常の海水の10倍近い巨大な塩水湖が発見された。東大海洋研究所の徳山英一教授らとギリシャの海洋研究機関の共同調査による成果で、これまでに確認された海底の塩水湖では最も塩分濃度が高く、規模も最大だという。 巨大塩水湖が見つかったのはクレタ島の南西100キロの海域。今年1月末から2月にかけて、海洋研究開発機構の学術研究船「白鳳丸」と深海作業ロボット(NSS)で海底の地形や塩分濃度などを調べた。その結果、水深約2900メートルの深海に海底がくぼ地になった場所があり、32・8%という高濃度の塩水がたまっていることが判明した。塩水湖の湖面は長さ80キロ、幅1キロで、湖面からの深さは100メートル。海水の塩分は通常約3・5%、陸上の塩水湖として知られる死海の濃度(約25%)も大きく上回っていた。 徳山教授によると、地中海の原形は約3500万年前に形成されたが、約600万年前から500万年前の間は地殻変動により海洋から閉ざされた内海になった。この間に海水が急激に干上がってできた岩塩層が、再び海洋とつながって海水に沈んだ後に、徐々に溶け出して高濃度で比重の大きい塩水が海底のくぼみにたまったと考えられる。 (ニューオフィス16参照) こうして出来た塩の大地が再び地殻変動で沈降すれば、海水で覆われるために、塩が溶け出して濃度の高い塩水湖が海底に出来ることになります。土砂で埋まった状態で沈降し地球内部の熱を受ければ岩塩になります。 単純明快な話ですが、プレート説とか大陸移動説とかを信奉していては理解ができません。何度も書いて来ましたが、グランドキャニオンは少なくとも3回の浮上・沈降を繰り返しています。何処の大陸にも水底で形成される堆積岩からなる地層が見られるのは、地殻変動とは上下運動の変動であることを示しています。 今回地中海で見つかった塩水湖は、現象論的にはベロウソフ教授達の上下ブロック運動の正しさを証明するものであります。 |
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